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梅雨入り 6月後半
オールスター前の厄介な面々
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99ersとの三連戦は、初戦が2-3でGlanz、第2戦は3-1で99ers、第3戦は1-4でGlanzが2勝1敗の勝ち越しで名古屋を後にした。
Glanzは相変わらずネプチューンリーグ東地区の首位をキープ。
現在の順位は、
東地区
1位Glanz
2位ブレーブス 1.0
3位マーリンズ 2.5
4位ヤンキース 3.5
西地区
1位99ers
2位Dodgers 2.0
3位Phoenix 5.5
4位レッズ 7.5
東地区は首位Glanzから最下位ヤンキースのゲーム差は3.5。
いくら首位とは言え、油断大敵な状況。
そのGlanzは名古屋から千葉に移動し、因縁の千葉ヤンキースとの二連戦を控える。
何が因縁なのかというと、両チームの監督である、榊と守山は現役時代から常にバチバチな関係として有名。
榊は歴代最多奪三振を記録、対する守山は歴代最多本塁打を記録するレジェンドだが、同時に喧嘩っ早い事でも知られ、乱闘は日常茶飯事だった。
ましてや、オールスター前の最後の連戦とあって、いつもとは違う采配をしてくるに違いない。
オールスター後は3日間の休養がある為、総力戦になりそうな予感。
ここはヤンキースの本拠地でもある、バーチーヤンキースタジアム。
茨城県との県境で、利根川の畔に球場があるせいで、アクセスは16球団でワーストワンだ。
オマケに、球場周辺ではガラの悪い輩達がたむろしており、派手なバイクや特攻服に身を包んだヤンキーが爆音を響かせて威嚇する。
また、あちらこちらで喧嘩が勃発し、どっちが勝つか賭けを行ってるのも球場の特徴。
だが、最近はコンプライアンスの関係からか、取り締まりがキツく、今までのように大っぴらには出来ず、闇カジノの如くセキュリティを強化して行っているそうな。
「ヨォ、ボス猿!今日もヨロシクな!」
榊がのほほんとした表情で守山に声を掛ける。
「あ”ぁ?ダレがボス猿だぁっ!!」
相変わらずドスの効いた声で守山が凄む。
「オメーはいつも威嚇してるけど、たまにはニコッと笑ったらどうなんだよ?」
守山が笑ったところを見た者は誰もいない。
常に険しい表情で語気が荒く、脅しているかの口調で話す。
「大きなお世話だ、コノヤロー!何の用だ!」
「なんの用って、今日はヨロシクって挨拶しただけだよ。
んじゃ、またな」
この二人は犬猿の仲として有名で、某格闘技団体が大晦日のワンマッチとして両者にオファーを出した事もある。
共に乗り気で、契約を交わす直前までこぎ着けたのだが、プロ野球機構が待ったをかけ、もし戦うのであれば二人とも球界追放という処分にすると告げ、幻の一戦に終わった。
もし、この二人がMMAルールで戦ったら、どちらが勝利したのだろうか。
「朋友(ポンヨウ)どうしたネ?」
守山の盟友であり、ヤンキースのヘッドコーチでもある、陳朕宝(ちんちんぽう)が声を掛ける。
現役時代、ヤンキースの3番4番コンビで黄金時代を築いた。
彼は守山の事を【朋友】と呼ぶ。
朋友とは、中国語で友人を指す。
「おぅ、青幇(チンパン)。榊のヤツがナメ腐った事ほざきやがるから、殺ってしまおうかと思ってな」
守山は陳の事を【青幇】と呼ぶ。
青幇とは、1950年代まで活動していた中国の秘密結社だ。
だが、陳は台湾出身で青幇とは何の関わりもない。
守山は某漫画の影響で、陳の事を青幇と呼ぶようになったらしい。
当初は何度も否定したのだが、それでもしつこく青幇と呼ぶ守山に何を言ってもムダだと思い、否定するのを止めた。
「気にしない方がいいネ。アイツを相手にするとコッチが疲れる」
「確かに…」
もうすぐ試合開始。
今日の先発はGlanzが降谷、ヤンキースは左腕の澁谷。
Glanzは相変わらずネプチューンリーグ東地区の首位をキープ。
現在の順位は、
東地区
1位Glanz
2位ブレーブス 1.0
3位マーリンズ 2.5
4位ヤンキース 3.5
西地区
1位99ers
2位Dodgers 2.0
3位Phoenix 5.5
4位レッズ 7.5
東地区は首位Glanzから最下位ヤンキースのゲーム差は3.5。
いくら首位とは言え、油断大敵な状況。
そのGlanzは名古屋から千葉に移動し、因縁の千葉ヤンキースとの二連戦を控える。
何が因縁なのかというと、両チームの監督である、榊と守山は現役時代から常にバチバチな関係として有名。
榊は歴代最多奪三振を記録、対する守山は歴代最多本塁打を記録するレジェンドだが、同時に喧嘩っ早い事でも知られ、乱闘は日常茶飯事だった。
ましてや、オールスター前の最後の連戦とあって、いつもとは違う采配をしてくるに違いない。
オールスター後は3日間の休養がある為、総力戦になりそうな予感。
ここはヤンキースの本拠地でもある、バーチーヤンキースタジアム。
茨城県との県境で、利根川の畔に球場があるせいで、アクセスは16球団でワーストワンだ。
オマケに、球場周辺ではガラの悪い輩達がたむろしており、派手なバイクや特攻服に身を包んだヤンキーが爆音を響かせて威嚇する。
また、あちらこちらで喧嘩が勃発し、どっちが勝つか賭けを行ってるのも球場の特徴。
だが、最近はコンプライアンスの関係からか、取り締まりがキツく、今までのように大っぴらには出来ず、闇カジノの如くセキュリティを強化して行っているそうな。
「ヨォ、ボス猿!今日もヨロシクな!」
榊がのほほんとした表情で守山に声を掛ける。
「あ”ぁ?ダレがボス猿だぁっ!!」
相変わらずドスの効いた声で守山が凄む。
「オメーはいつも威嚇してるけど、たまにはニコッと笑ったらどうなんだよ?」
守山が笑ったところを見た者は誰もいない。
常に険しい表情で語気が荒く、脅しているかの口調で話す。
「大きなお世話だ、コノヤロー!何の用だ!」
「なんの用って、今日はヨロシクって挨拶しただけだよ。
んじゃ、またな」
この二人は犬猿の仲として有名で、某格闘技団体が大晦日のワンマッチとして両者にオファーを出した事もある。
共に乗り気で、契約を交わす直前までこぎ着けたのだが、プロ野球機構が待ったをかけ、もし戦うのであれば二人とも球界追放という処分にすると告げ、幻の一戦に終わった。
もし、この二人がMMAルールで戦ったら、どちらが勝利したのだろうか。
「朋友(ポンヨウ)どうしたネ?」
守山の盟友であり、ヤンキースのヘッドコーチでもある、陳朕宝(ちんちんぽう)が声を掛ける。
現役時代、ヤンキースの3番4番コンビで黄金時代を築いた。
彼は守山の事を【朋友】と呼ぶ。
朋友とは、中国語で友人を指す。
「おぅ、青幇(チンパン)。榊のヤツがナメ腐った事ほざきやがるから、殺ってしまおうかと思ってな」
守山は陳の事を【青幇】と呼ぶ。
青幇とは、1950年代まで活動していた中国の秘密結社だ。
だが、陳は台湾出身で青幇とは何の関わりもない。
守山は某漫画の影響で、陳の事を青幇と呼ぶようになったらしい。
当初は何度も否定したのだが、それでもしつこく青幇と呼ぶ守山に何を言ってもムダだと思い、否定するのを止めた。
「気にしない方がいいネ。アイツを相手にするとコッチが疲れる」
「確かに…」
もうすぐ試合開始。
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