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素質はS級、素行の悪さはSSS級
野手では
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「ありゃカットボールなのか?」
「スプリットじゃないのか?」
カットボールと呼ぶにはあまりにも縦の変化が大きい。
「私わかります(^ ^)
麻生選手のカットボールは横に約18cm、縦に約32cm変化します(^^)
昼の昼食に…」
【黙れっ!】
バキ、ドカッ…
「ウギャっ…」
前後からのサンドイッチ式シャイニングウィザードをヒットさせた。
「カットボールなのに、縦の変化の方が大きいのかよ」
「いや、横だろうが縦だろうが、あの球は一軍でも通用するぜ」
榊はカットボールに興味を示した。
「じゃあ、ピッチャーは合格って事でいいんだな?」
「もうピッチャーでいいよ。二刀流なんて、中途半端な事しなくていいじゃんよ」
「とにかく、明日は野手として出場するらしいから、それを見て判断したっていいだろ?」
「う~ん…」
麻生は1イニングを投げ、被安打ゼロ、二奪三振でマウンドを下りた。
翌日は6番センターで出場。
第1打席はライトフライに倒れる。
「やっぱ、野手はやんない方がいいって!」
「まだ1打席しか見てないだろ。それに守備だってまだ見てないじゃんか」
「見たって一緒だよ」
とにかく二刀流には反対らしい。
スコアは2-0でKINGDOMがリード。
すると4回の裏、KINGDOMのバッターがセンターへの大きな当たりを放った。
麻生はやや前進守備だったが、瞬時に打球方向へダッシュ。
「速い!」
「もう追いついたぞ」
あっという間に落下地点に到達し、難なくキャッチした。
「外野の守備も一流じゃねぇか…」
「でも、ウチには守備の上手い外野手がいっぱいいるじゃん」
「上手いヤツは何人いたっていいじゃんかよ!それに、打球判断はチームで1番良いかもしれないぞ」
中田は興奮気味に捲し立てる。
「ふぁ~あ」
退屈だ、とアクビが出る。
そして第2打席となった。
マウンド上は左のサイドスロー石橋。
左バッターにとって、左のサイドスローはかなり厄介な存在だ。
背中からボールが来る様で打ち崩すのは至難の技だ。
おまけに石橋はスライダーを得意とする。
一瞬視界から消えたと思ったボールが背中から急激に変化するせいで、左バッターはバットが出ない。
「このピッチャーから打ったら二刀流を認めてやるよ」
絶対に打てっこない…榊はそう思い、敢えて言った。
「いくら何でも、打てねえだろ!」
「一軍で二刀流をやるからには、こんなピッチャー打てなくてどうすんだよ!」
榊の言うことも一理ある。
「それにしても、変わったフォームだな」
身体の前方にバットを構え、ややオープンスタンス気味に立っている。
「神主打法ってヤツだな」
「あんなんで打てるのかよ」
初球ストレートが外れてボール、2球目はアウトコースへストレートが決まりストライク。
そして3球目は内から外へ流れるスライダー。
これを麻生は身体をコマの様な回転をして芯に捕らえた。
「打った!」
「完璧なレベルスイングだ!」
打球はグングンと伸び、右中間最深部へ。
麻生は俊足を生かし、一塁から二塁へ。
「速っ…」
「ムダのないベースランニングだ!」
麻生は二塁を蹴って三塁へ。
ライトが追いつき、サードへ送球。
スピードの乗ったスライディングが間一髪早くセーフ。
「三塁打打ちやがった!」
「それよりも、あのスイング見たかよ!」
綺麗なレベルスイングだった。
身体が開いた状態から鋭い回転でボールを捕らえた。
まるでバットが身体に巻きついているようだった。
「私わかります(^^)」
再びひろしが起き上がった。
「ゾンビみたいなヤツだな」
かなり打たれ強い。
「麻生選手のスイングは、身体の中心部を軸にした回転でボールを捕らえます(^ ^)
しかも、最後にバットが出るせいで、回転を利用した強い打球が打てるのです(^^)」
「あんなスイングでよく打てるもんだな」
「麻生選手はこのスイングを考案した高校時代から一日も休まず、毎日三時間以上バットを振ってます(^ ^)
夜のディナーにニンニクマシマシの背脂トンコツラーメンありですか?」
「やかましいっ!」
バキッ…
今度はロシアンフックでKOした。
麻生は一日も欠かさず、神主打法を習得する為、一心不乱にバットを振り続けた。
天性の野球センスに加え、猛練習の末に会得したスイングだ。
「どうよ、恭ちゃん。投げて良し、打って良し、守って良し、走って良しと三拍子ならぬ、四拍子だ。
二刀流を試してみたいと思わねえか?」
「スゲー…こりゃ、とんでもねぇ掘り出しもんだぜ」
榊は麻生のプレーに魅入っていた。
「スプリットじゃないのか?」
カットボールと呼ぶにはあまりにも縦の変化が大きい。
「私わかります(^ ^)
麻生選手のカットボールは横に約18cm、縦に約32cm変化します(^^)
昼の昼食に…」
【黙れっ!】
バキ、ドカッ…
「ウギャっ…」
前後からのサンドイッチ式シャイニングウィザードをヒットさせた。
「カットボールなのに、縦の変化の方が大きいのかよ」
「いや、横だろうが縦だろうが、あの球は一軍でも通用するぜ」
榊はカットボールに興味を示した。
「じゃあ、ピッチャーは合格って事でいいんだな?」
「もうピッチャーでいいよ。二刀流なんて、中途半端な事しなくていいじゃんよ」
「とにかく、明日は野手として出場するらしいから、それを見て判断したっていいだろ?」
「う~ん…」
麻生は1イニングを投げ、被安打ゼロ、二奪三振でマウンドを下りた。
翌日は6番センターで出場。
第1打席はライトフライに倒れる。
「やっぱ、野手はやんない方がいいって!」
「まだ1打席しか見てないだろ。それに守備だってまだ見てないじゃんか」
「見たって一緒だよ」
とにかく二刀流には反対らしい。
スコアは2-0でKINGDOMがリード。
すると4回の裏、KINGDOMのバッターがセンターへの大きな当たりを放った。
麻生はやや前進守備だったが、瞬時に打球方向へダッシュ。
「速い!」
「もう追いついたぞ」
あっという間に落下地点に到達し、難なくキャッチした。
「外野の守備も一流じゃねぇか…」
「でも、ウチには守備の上手い外野手がいっぱいいるじゃん」
「上手いヤツは何人いたっていいじゃんかよ!それに、打球判断はチームで1番良いかもしれないぞ」
中田は興奮気味に捲し立てる。
「ふぁ~あ」
退屈だ、とアクビが出る。
そして第2打席となった。
マウンド上は左のサイドスロー石橋。
左バッターにとって、左のサイドスローはかなり厄介な存在だ。
背中からボールが来る様で打ち崩すのは至難の技だ。
おまけに石橋はスライダーを得意とする。
一瞬視界から消えたと思ったボールが背中から急激に変化するせいで、左バッターはバットが出ない。
「このピッチャーから打ったら二刀流を認めてやるよ」
絶対に打てっこない…榊はそう思い、敢えて言った。
「いくら何でも、打てねえだろ!」
「一軍で二刀流をやるからには、こんなピッチャー打てなくてどうすんだよ!」
榊の言うことも一理ある。
「それにしても、変わったフォームだな」
身体の前方にバットを構え、ややオープンスタンス気味に立っている。
「神主打法ってヤツだな」
「あんなんで打てるのかよ」
初球ストレートが外れてボール、2球目はアウトコースへストレートが決まりストライク。
そして3球目は内から外へ流れるスライダー。
これを麻生は身体をコマの様な回転をして芯に捕らえた。
「打った!」
「完璧なレベルスイングだ!」
打球はグングンと伸び、右中間最深部へ。
麻生は俊足を生かし、一塁から二塁へ。
「速っ…」
「ムダのないベースランニングだ!」
麻生は二塁を蹴って三塁へ。
ライトが追いつき、サードへ送球。
スピードの乗ったスライディングが間一髪早くセーフ。
「三塁打打ちやがった!」
「それよりも、あのスイング見たかよ!」
綺麗なレベルスイングだった。
身体が開いた状態から鋭い回転でボールを捕らえた。
まるでバットが身体に巻きついているようだった。
「私わかります(^^)」
再びひろしが起き上がった。
「ゾンビみたいなヤツだな」
かなり打たれ強い。
「麻生選手のスイングは、身体の中心部を軸にした回転でボールを捕らえます(^ ^)
しかも、最後にバットが出るせいで、回転を利用した強い打球が打てるのです(^^)」
「あんなスイングでよく打てるもんだな」
「麻生選手はこのスイングを考案した高校時代から一日も休まず、毎日三時間以上バットを振ってます(^ ^)
夜のディナーにニンニクマシマシの背脂トンコツラーメンありですか?」
「やかましいっ!」
バキッ…
今度はロシアンフックでKOした。
麻生は一日も欠かさず、神主打法を習得する為、一心不乱にバットを振り続けた。
天性の野球センスに加え、猛練習の末に会得したスイングだ。
「どうよ、恭ちゃん。投げて良し、打って良し、守って良し、走って良しと三拍子ならぬ、四拍子だ。
二刀流を試してみたいと思わねえか?」
「スゲー…こりゃ、とんでもねぇ掘り出しもんだぜ」
榊は麻生のプレーに魅入っていた。
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