45 / 182
目指せ勝率5割
先制点
しおりを挟む
1回の裏、Glanzの攻撃。
トップバッター石川がゆっくりと打席に入る。
今年からキャプテンに任命され、例年以上に気合いが入る。
マウンド上の清水は昨年、10勝9敗 防御率4.37の成績。
140後半のストレートを軸に、スライダー、カーブ、スプリットを織り交ぜる。
特にスプリットのキレは抜群で、空振りを取るのに有効だ。
ノーワインドアップから第1球を投げた。
146km/hのストレートが外角いっぱいに決まりストライク。
球の勢いは良さそうだ。
対する石川は既に2個の盗塁をマーク。
今シーズンはリードオフマンとして、塁に出て積極的な走塁でクリーンアップに繋ぐ役割を担う。
「私わかります(^ ^)」
「またかよ…」
明日から耳栓を携帯しよう、榊はそう思った。
「石川選手は年間25~30個の盗塁が出来るバッターです(^^)
私、分析の鬼言われますち(^_^)」
「何が鬼だ!ただの茶坊主じゃねぇか!」
仰る通りだ。
「んだな(^^)」
「ホントに分かってんのか、コイツは…」
どうも調子が狂う。
そんなベンチの状況はさておき、清水が2球目を投げた。
今度はカーブだ。
石川はセーフティバントの構えをしたが、バットを引いた。
「ボール!」
低めに外れてワンボール。
どんな形でもいいから塁に出てやるという気持ちが窺える。
バントや右打ちの上手い選手だが、昨年まで6番という打順だった為に、あまり披露する機会が無かった。
ひろしはそれを見抜いて1番に抜擢したのだろうか。
いや、決してそんな事は無い。
タダでさえ、意味不明な事を言いまくるひろしの言葉に耳を傾ける者などいない。
石川はバットを短く持った。
コツコツと当てる単打狙いをするのか。
清水が3球目を投げた。
インコースへのストレートだ。
石川は左足を引き、狙い済ましたように一二塁間へ流した。
球足が速く、ファーストを守る斐川の横を通り抜け、ライト前へ。
見事な流し打ちでノーアウトランナー一塁となった。
「石川選手は小技の上手い選手です(^^)
私、右打ちの専門家言われます(^ ^)」
「ウソつけ!」
バシっ、と頭を引っぱたいた。
「私、心が25歳の少年です(^^)」
「25歳は少年じゃねぇだろ!」
更にもう一発見舞った。
【2番センター クロフォード…背番号24】
小技の後はメジャー仕込みのダイナミックなバッティングとばかりに、クロフォードが左打席に入った。
漆黒の弾丸という、財前ヘッドコーチが名付けたニックネームの通り、攻守にわたって弾丸の如く駆け抜ける。
190cmという長身ながら、スピードとパワーを兼ね備えた黒人ならではの身体能力だ。
まだ長打は無いものの、何かを期待させてくれる雰囲気は十分だ。
リラックスした構えからバットの先端が小刻みに揺れる。
その出で立ちはしなやかと呼ぶに相応しい。
一塁ランナー石川は大きめにリードをとっている。
セットポジションの体勢に入った清水が素早く一塁へ牽制。
しかし、これを読んでいた石川は帰塁。
判定はセーフ。
再度リードをとる。
清水はチラッと一塁を見るが、牽制はせず。
そしてクイックモーションから初球を投げた。
アウトコースのストレートだ。
クロフォードは長いリーチを生かし、レフト方向へ打ち返した。
「これは行ったろ!」
打った瞬間、榊が立ち上がった。
打球はライナーでグーンと伸びてレフトスタンド最前列に突き刺さった。
「入ったぁ~っ!!」
「私、分析の鬼ですち(^ ^)」
クロフォードの来日初アーチ、しかも逆方向への打球だ。
打ったクロフォードは表情を変えず、淡々とした表情でベースを回る。
メジャーではガッツポーズをして塁を回ると、次の打席で報復されるのだ。
「初回から2点なんて、この試合はもらったも同然!」
「んだな(^^)」
クロフォードはホームイン。
尚もチャンスは続く。
トップバッター石川がゆっくりと打席に入る。
今年からキャプテンに任命され、例年以上に気合いが入る。
マウンド上の清水は昨年、10勝9敗 防御率4.37の成績。
140後半のストレートを軸に、スライダー、カーブ、スプリットを織り交ぜる。
特にスプリットのキレは抜群で、空振りを取るのに有効だ。
ノーワインドアップから第1球を投げた。
146km/hのストレートが外角いっぱいに決まりストライク。
球の勢いは良さそうだ。
対する石川は既に2個の盗塁をマーク。
今シーズンはリードオフマンとして、塁に出て積極的な走塁でクリーンアップに繋ぐ役割を担う。
「私わかります(^ ^)」
「またかよ…」
明日から耳栓を携帯しよう、榊はそう思った。
「石川選手は年間25~30個の盗塁が出来るバッターです(^^)
私、分析の鬼言われますち(^_^)」
「何が鬼だ!ただの茶坊主じゃねぇか!」
仰る通りだ。
「んだな(^^)」
「ホントに分かってんのか、コイツは…」
どうも調子が狂う。
そんなベンチの状況はさておき、清水が2球目を投げた。
今度はカーブだ。
石川はセーフティバントの構えをしたが、バットを引いた。
「ボール!」
低めに外れてワンボール。
どんな形でもいいから塁に出てやるという気持ちが窺える。
バントや右打ちの上手い選手だが、昨年まで6番という打順だった為に、あまり披露する機会が無かった。
ひろしはそれを見抜いて1番に抜擢したのだろうか。
いや、決してそんな事は無い。
タダでさえ、意味不明な事を言いまくるひろしの言葉に耳を傾ける者などいない。
石川はバットを短く持った。
コツコツと当てる単打狙いをするのか。
清水が3球目を投げた。
インコースへのストレートだ。
石川は左足を引き、狙い済ましたように一二塁間へ流した。
球足が速く、ファーストを守る斐川の横を通り抜け、ライト前へ。
見事な流し打ちでノーアウトランナー一塁となった。
「石川選手は小技の上手い選手です(^^)
私、右打ちの専門家言われます(^ ^)」
「ウソつけ!」
バシっ、と頭を引っぱたいた。
「私、心が25歳の少年です(^^)」
「25歳は少年じゃねぇだろ!」
更にもう一発見舞った。
【2番センター クロフォード…背番号24】
小技の後はメジャー仕込みのダイナミックなバッティングとばかりに、クロフォードが左打席に入った。
漆黒の弾丸という、財前ヘッドコーチが名付けたニックネームの通り、攻守にわたって弾丸の如く駆け抜ける。
190cmという長身ながら、スピードとパワーを兼ね備えた黒人ならではの身体能力だ。
まだ長打は無いものの、何かを期待させてくれる雰囲気は十分だ。
リラックスした構えからバットの先端が小刻みに揺れる。
その出で立ちはしなやかと呼ぶに相応しい。
一塁ランナー石川は大きめにリードをとっている。
セットポジションの体勢に入った清水が素早く一塁へ牽制。
しかし、これを読んでいた石川は帰塁。
判定はセーフ。
再度リードをとる。
清水はチラッと一塁を見るが、牽制はせず。
そしてクイックモーションから初球を投げた。
アウトコースのストレートだ。
クロフォードは長いリーチを生かし、レフト方向へ打ち返した。
「これは行ったろ!」
打った瞬間、榊が立ち上がった。
打球はライナーでグーンと伸びてレフトスタンド最前列に突き刺さった。
「入ったぁ~っ!!」
「私、分析の鬼ですち(^ ^)」
クロフォードの来日初アーチ、しかも逆方向への打球だ。
打ったクロフォードは表情を変えず、淡々とした表情でベースを回る。
メジャーではガッツポーズをして塁を回ると、次の打席で報復されるのだ。
「初回から2点なんて、この試合はもらったも同然!」
「んだな(^^)」
クロフォードはホームイン。
尚もチャンスは続く。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
令嬢の名門女学校で、パンツを初めて履くことになりました
フルーツパフェ
大衆娯楽
とある事件を受けて、財閥のご令嬢が数多く通う女学校で校則が改訂された。
曰く、全校生徒はパンツを履くこと。
生徒の安全を確保するための善意で制定されたこの校則だが、学校側の意図に反して事態は思わぬ方向に?
史実上の事件を元に描かれた近代歴史小説。
隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました
ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら……
という、とんでもないお話を書きました。
ぜひ読んでください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる