45 / 181
目指せ勝率5割
先制点
しおりを挟む
1回の裏、Glanzの攻撃。
トップバッター石川がゆっくりと打席に入る。
今年からキャプテンに任命され、例年以上に気合いが入る。
マウンド上の清水は昨年、10勝9敗 防御率4.37の成績。
140後半のストレートを軸に、スライダー、カーブ、スプリットを織り交ぜる。
特にスプリットのキレは抜群で、空振りを取るのに有効だ。
ノーワインドアップから第1球を投げた。
146km/hのストレートが外角いっぱいに決まりストライク。
球の勢いは良さそうだ。
対する石川は既に2個の盗塁をマーク。
今シーズンはリードオフマンとして、塁に出て積極的な走塁でクリーンアップに繋ぐ役割を担う。
「私わかります(^ ^)」
「またかよ…」
明日から耳栓を携帯しよう、榊はそう思った。
「石川選手は年間25~30個の盗塁が出来るバッターです(^^)
私、分析の鬼言われますち(^_^)」
「何が鬼だ!ただの茶坊主じゃねぇか!」
仰る通りだ。
「んだな(^^)」
「ホントに分かってんのか、コイツは…」
どうも調子が狂う。
そんなベンチの状況はさておき、清水が2球目を投げた。
今度はカーブだ。
石川はセーフティバントの構えをしたが、バットを引いた。
「ボール!」
低めに外れてワンボール。
どんな形でもいいから塁に出てやるという気持ちが窺える。
バントや右打ちの上手い選手だが、昨年まで6番という打順だった為に、あまり披露する機会が無かった。
ひろしはそれを見抜いて1番に抜擢したのだろうか。
いや、決してそんな事は無い。
タダでさえ、意味不明な事を言いまくるひろしの言葉に耳を傾ける者などいない。
石川はバットを短く持った。
コツコツと当てる単打狙いをするのか。
清水が3球目を投げた。
インコースへのストレートだ。
石川は左足を引き、狙い済ましたように一二塁間へ流した。
球足が速く、ファーストを守る斐川の横を通り抜け、ライト前へ。
見事な流し打ちでノーアウトランナー一塁となった。
「石川選手は小技の上手い選手です(^^)
私、右打ちの専門家言われます(^ ^)」
「ウソつけ!」
バシっ、と頭を引っぱたいた。
「私、心が25歳の少年です(^^)」
「25歳は少年じゃねぇだろ!」
更にもう一発見舞った。
【2番センター クロフォード…背番号24】
小技の後はメジャー仕込みのダイナミックなバッティングとばかりに、クロフォードが左打席に入った。
漆黒の弾丸という、財前ヘッドコーチが名付けたニックネームの通り、攻守にわたって弾丸の如く駆け抜ける。
190cmという長身ながら、スピードとパワーを兼ね備えた黒人ならではの身体能力だ。
まだ長打は無いものの、何かを期待させてくれる雰囲気は十分だ。
リラックスした構えからバットの先端が小刻みに揺れる。
その出で立ちはしなやかと呼ぶに相応しい。
一塁ランナー石川は大きめにリードをとっている。
セットポジションの体勢に入った清水が素早く一塁へ牽制。
しかし、これを読んでいた石川は帰塁。
判定はセーフ。
再度リードをとる。
清水はチラッと一塁を見るが、牽制はせず。
そしてクイックモーションから初球を投げた。
アウトコースのストレートだ。
クロフォードは長いリーチを生かし、レフト方向へ打ち返した。
「これは行ったろ!」
打った瞬間、榊が立ち上がった。
打球はライナーでグーンと伸びてレフトスタンド最前列に突き刺さった。
「入ったぁ~っ!!」
「私、分析の鬼ですち(^ ^)」
クロフォードの来日初アーチ、しかも逆方向への打球だ。
打ったクロフォードは表情を変えず、淡々とした表情でベースを回る。
メジャーではガッツポーズをして塁を回ると、次の打席で報復されるのだ。
「初回から2点なんて、この試合はもらったも同然!」
「んだな(^^)」
クロフォードはホームイン。
尚もチャンスは続く。
トップバッター石川がゆっくりと打席に入る。
今年からキャプテンに任命され、例年以上に気合いが入る。
マウンド上の清水は昨年、10勝9敗 防御率4.37の成績。
140後半のストレートを軸に、スライダー、カーブ、スプリットを織り交ぜる。
特にスプリットのキレは抜群で、空振りを取るのに有効だ。
ノーワインドアップから第1球を投げた。
146km/hのストレートが外角いっぱいに決まりストライク。
球の勢いは良さそうだ。
対する石川は既に2個の盗塁をマーク。
今シーズンはリードオフマンとして、塁に出て積極的な走塁でクリーンアップに繋ぐ役割を担う。
「私わかります(^ ^)」
「またかよ…」
明日から耳栓を携帯しよう、榊はそう思った。
「石川選手は年間25~30個の盗塁が出来るバッターです(^^)
私、分析の鬼言われますち(^_^)」
「何が鬼だ!ただの茶坊主じゃねぇか!」
仰る通りだ。
「んだな(^^)」
「ホントに分かってんのか、コイツは…」
どうも調子が狂う。
そんなベンチの状況はさておき、清水が2球目を投げた。
今度はカーブだ。
石川はセーフティバントの構えをしたが、バットを引いた。
「ボール!」
低めに外れてワンボール。
どんな形でもいいから塁に出てやるという気持ちが窺える。
バントや右打ちの上手い選手だが、昨年まで6番という打順だった為に、あまり披露する機会が無かった。
ひろしはそれを見抜いて1番に抜擢したのだろうか。
いや、決してそんな事は無い。
タダでさえ、意味不明な事を言いまくるひろしの言葉に耳を傾ける者などいない。
石川はバットを短く持った。
コツコツと当てる単打狙いをするのか。
清水が3球目を投げた。
インコースへのストレートだ。
石川は左足を引き、狙い済ましたように一二塁間へ流した。
球足が速く、ファーストを守る斐川の横を通り抜け、ライト前へ。
見事な流し打ちでノーアウトランナー一塁となった。
「石川選手は小技の上手い選手です(^^)
私、右打ちの専門家言われます(^ ^)」
「ウソつけ!」
バシっ、と頭を引っぱたいた。
「私、心が25歳の少年です(^^)」
「25歳は少年じゃねぇだろ!」
更にもう一発見舞った。
【2番センター クロフォード…背番号24】
小技の後はメジャー仕込みのダイナミックなバッティングとばかりに、クロフォードが左打席に入った。
漆黒の弾丸という、財前ヘッドコーチが名付けたニックネームの通り、攻守にわたって弾丸の如く駆け抜ける。
190cmという長身ながら、スピードとパワーを兼ね備えた黒人ならではの身体能力だ。
まだ長打は無いものの、何かを期待させてくれる雰囲気は十分だ。
リラックスした構えからバットの先端が小刻みに揺れる。
その出で立ちはしなやかと呼ぶに相応しい。
一塁ランナー石川は大きめにリードをとっている。
セットポジションの体勢に入った清水が素早く一塁へ牽制。
しかし、これを読んでいた石川は帰塁。
判定はセーフ。
再度リードをとる。
清水はチラッと一塁を見るが、牽制はせず。
そしてクイックモーションから初球を投げた。
アウトコースのストレートだ。
クロフォードは長いリーチを生かし、レフト方向へ打ち返した。
「これは行ったろ!」
打った瞬間、榊が立ち上がった。
打球はライナーでグーンと伸びてレフトスタンド最前列に突き刺さった。
「入ったぁ~っ!!」
「私、分析の鬼ですち(^ ^)」
クロフォードの来日初アーチ、しかも逆方向への打球だ。
打ったクロフォードは表情を変えず、淡々とした表情でベースを回る。
メジャーではガッツポーズをして塁を回ると、次の打席で報復されるのだ。
「初回から2点なんて、この試合はもらったも同然!」
「んだな(^^)」
クロフォードはホームイン。
尚もチャンスは続く。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
お嬢様、お仕置の時間です。
moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。
両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。
私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。
私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。
両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。
新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。
私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。
海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。
しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。
海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。
しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。
お父様の相手をしなさいよ・・・亡き夫の姉の指示を受け入れる私が学ぶしきたりとは・・・
マッキーの世界
大衆娯楽
「あなた、この家にいたいなら、お父様の相手をしてみなさいよ」
義姉にそう言われてしまい、困っている。
「義父と寝るだなんて、そんなことは
お父さん!義父を介護しに行ったら押し倒されてしまったけど・・・
マッキーの世界
大衆娯楽
今年で64歳になる義父が体調を崩したので、実家へ介護に行くことになりました。
「お父さん、大丈夫ですか?」
「自分ではちょっと起きれそうにないんだ」
「じゃあ私が
親戚のおじさんに犯された!嫌がる私の姿を見ながら胸を揉み・・・
マッキーの世界
大衆娯楽
親戚のおじさんの家に住み、大学に通うことになった。
「おじさん、卒業するまで、どうぞよろしくお願いします」
「ああ、たっぷりとかわいがってあげるよ・・・」
「・・・?は、はい」
いやらしく私の目を見ながらニヤつく・・・
その夜。
俺達は愛し合ってるんだよ!再婚夫が娘とベッドで抱き合っていたので離婚してやると・・・
白崎アイド
大衆娯楽
20歳の娘を連れて、10歳年下の男性と再婚した。
その娘が、再婚相手とベッドの上で抱き合っている姿を目撃。
そこで、娘に再婚相手を託し、私は離婚してやることにした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる