35 / 182
開幕だぁ〜っ!
試合開始
しおりを挟む
昨年の石川は、打率.257 本塁打6 打点42 盗塁7という成績。
3割をマークしていた一昨年に比べるとかなり下がっている。
そんな石川をトップバッターにするとは。
主審の右手が挙がり、いよいよ今年のプロ野球がスタートした。
マウンド上の高山は大きく息をして第1球を投げた。
ノビのあるストレートがアウトコースに外れた。
「ボールワン!」
145km/hの速球で幕を開けた。
「オマエ、何でアイツを1番にしたんだよ!アイツは1番よりも、下位の方が良いに決まってるだろ!」
「私わかります(^^)」
「ぜってー分かってねぇよ、この顔は」
こんなマヌケ面したヤツが分かるわけが無い、と榊は思った。
「石川選手は選球眼と単打が多いです(^ ^)
私、心理カンセラーだから心読む先生言われます(^_^)」
「心理カンセラー?カウンセラーの間違いだろうが」
「私横文字が苦手です(^^)
んだな(^_^)」
選球眼と単打。
1番バッターに適したスタイルでもある。
「私わかります(^^)」
「いちいち言わなくていいだろ!」
「石川選手はチームで1番脚が速いです(^ ^)
朝の朝食に、いぶりがっことペペロンチーノありですか?」
スゲー組み合わせだ。
「オマエ、味覚がイカれてんじゃないのか?」
メシの話はさておき、石川はチーム1の俊足なのは確かだ。
盗塁はあまりしないが、成功率はかなり高い。
そこに着目するとは、バカなようでバカではないのか。
石川はスタンダードな構えでマウンド上の高山を見る。
思えば、大学時代は強打のショートストップとして鳴らしたが、プロ入り後はセカンドへコンバート。
時にはサードやファーストも守った。
ショートへの未練があるが、日本一のショートストップ、白石拓海がいる。
仕方なくセカンドを守ったが、これが彼のリズムにピッタリで、それ以来ショートに対するこだわりが無くなった。
二遊間を組む白石は石川について、
「石川さんのリズムに乗ると、自分も軽快に動けて守備が楽しくなる。あの人は日本一のセカンドですよ」
と絶賛する。
「…そんな感じで、石川選手を1番にしました、ムッシュ(^^)」
「誰がムッシュだ!」
ひろしは女性をマダム、男性をムッシュと呼ぶ。
ムッシュはさておき、マダムは相手が熟女だろうが、JKだろうが構わずこう呼ぶ。
何度も言うが、天才なのかそれとも天然なのか。
初球はボールとなったが、高山のストレートは悪くない。
球にスピンがかかり、手元でグンと伸びてくるボールだ。
そして2球目を投げた。
再びストレート、だが石川はこれをジャストミート。
鋭い打球が三塁線を襲うが、サードの梶が横っ飛びでキャッチ。
「アウト!」
アウトになったが、決して悪い当たりではなく、むしろ状態は良い。
【2番~、センターぁ、クロフォードぉ、背番号ぉ、24ん~】
この球場のウグイス嬢は独特の語尾を伸ばしてアナウンスする。
ワンアウトとなり、続くバッターはa jet-black bullet(漆黒の弾丸)マイク・クロフォードが登場。
漆黒の弾丸と名付けたのは財前だ。
当初は肌の色を揶揄されたものだと思い、不快感を顕にしたが、その理由を聞いて大変気に入ったらしい。
その理由とは、
「キミにはバッティングに期待するのは勿論だが、それ以上にメジャー仕込みの脚力を生かした広い守備範囲に期待している。
漆黒の弾丸はそういう意味を込めて名付けたのさ」
そう言われ、クロフォードは全てのプレーに全力を注ぐ事を決意した。
190cmという長身に加え、黒人特有のしなやかな肢体は全身がバネのようだ。
普段は陽気で笑顔が絶えないクロフォードのモットーは【1日をハッピーで真面目に過ごす】との事。
何事にも真面目に取り組み、常にハッピーな気分で接すれば、周りの人もハッピーに出来ると言う。
打席に立つクロフォードはまるで力感の感じられない自然体の構えをしている。
トップの位置はやや高く、リズムを取るためか、バットの先端が小刻みに揺れている。
左対左の対決だが、何かを期待させてくれそうな予感だ。
3割をマークしていた一昨年に比べるとかなり下がっている。
そんな石川をトップバッターにするとは。
主審の右手が挙がり、いよいよ今年のプロ野球がスタートした。
マウンド上の高山は大きく息をして第1球を投げた。
ノビのあるストレートがアウトコースに外れた。
「ボールワン!」
145km/hの速球で幕を開けた。
「オマエ、何でアイツを1番にしたんだよ!アイツは1番よりも、下位の方が良いに決まってるだろ!」
「私わかります(^^)」
「ぜってー分かってねぇよ、この顔は」
こんなマヌケ面したヤツが分かるわけが無い、と榊は思った。
「石川選手は選球眼と単打が多いです(^ ^)
私、心理カンセラーだから心読む先生言われます(^_^)」
「心理カンセラー?カウンセラーの間違いだろうが」
「私横文字が苦手です(^^)
んだな(^_^)」
選球眼と単打。
1番バッターに適したスタイルでもある。
「私わかります(^^)」
「いちいち言わなくていいだろ!」
「石川選手はチームで1番脚が速いです(^ ^)
朝の朝食に、いぶりがっことペペロンチーノありですか?」
スゲー組み合わせだ。
「オマエ、味覚がイカれてんじゃないのか?」
メシの話はさておき、石川はチーム1の俊足なのは確かだ。
盗塁はあまりしないが、成功率はかなり高い。
そこに着目するとは、バカなようでバカではないのか。
石川はスタンダードな構えでマウンド上の高山を見る。
思えば、大学時代は強打のショートストップとして鳴らしたが、プロ入り後はセカンドへコンバート。
時にはサードやファーストも守った。
ショートへの未練があるが、日本一のショートストップ、白石拓海がいる。
仕方なくセカンドを守ったが、これが彼のリズムにピッタリで、それ以来ショートに対するこだわりが無くなった。
二遊間を組む白石は石川について、
「石川さんのリズムに乗ると、自分も軽快に動けて守備が楽しくなる。あの人は日本一のセカンドですよ」
と絶賛する。
「…そんな感じで、石川選手を1番にしました、ムッシュ(^^)」
「誰がムッシュだ!」
ひろしは女性をマダム、男性をムッシュと呼ぶ。
ムッシュはさておき、マダムは相手が熟女だろうが、JKだろうが構わずこう呼ぶ。
何度も言うが、天才なのかそれとも天然なのか。
初球はボールとなったが、高山のストレートは悪くない。
球にスピンがかかり、手元でグンと伸びてくるボールだ。
そして2球目を投げた。
再びストレート、だが石川はこれをジャストミート。
鋭い打球が三塁線を襲うが、サードの梶が横っ飛びでキャッチ。
「アウト!」
アウトになったが、決して悪い当たりではなく、むしろ状態は良い。
【2番~、センターぁ、クロフォードぉ、背番号ぉ、24ん~】
この球場のウグイス嬢は独特の語尾を伸ばしてアナウンスする。
ワンアウトとなり、続くバッターはa jet-black bullet(漆黒の弾丸)マイク・クロフォードが登場。
漆黒の弾丸と名付けたのは財前だ。
当初は肌の色を揶揄されたものだと思い、不快感を顕にしたが、その理由を聞いて大変気に入ったらしい。
その理由とは、
「キミにはバッティングに期待するのは勿論だが、それ以上にメジャー仕込みの脚力を生かした広い守備範囲に期待している。
漆黒の弾丸はそういう意味を込めて名付けたのさ」
そう言われ、クロフォードは全てのプレーに全力を注ぐ事を決意した。
190cmという長身に加え、黒人特有のしなやかな肢体は全身がバネのようだ。
普段は陽気で笑顔が絶えないクロフォードのモットーは【1日をハッピーで真面目に過ごす】との事。
何事にも真面目に取り組み、常にハッピーな気分で接すれば、周りの人もハッピーに出来ると言う。
打席に立つクロフォードはまるで力感の感じられない自然体の構えをしている。
トップの位置はやや高く、リズムを取るためか、バットの先端が小刻みに揺れている。
左対左の対決だが、何かを期待させてくれそうな予感だ。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
【完結】真実の愛とやらに目覚めてしまった王太子のその後
綾森れん
恋愛
レオノーラ・ドゥランテ侯爵令嬢は夜会にて婚約者の王太子から、
「真実の愛に目覚めた」
と衝撃の告白をされる。
王太子の愛のお相手は男爵令嬢パミーナ。
婚約は破棄され、レオノーラは王太子の弟である公爵との婚約が決まる。
一方、今まで男爵令嬢としての教育しか受けていなかったパミーナには急遽、王妃教育がほどこされるが全く進まない。
文句ばかり言うわがままなパミーナに、王宮の人々は愛想を尽かす。
そんな中「真実の愛」で結ばれた王太子だけが愛する妃パミーナの面倒を見るが、それは不幸の始まりだった。
周囲の忠告を聞かず「真実の愛」とやらを貫いた王太子の末路とは?
ヤケになってドレスを脱いだら、なんだかえらい事になりました
杜野秋人
恋愛
「そなたとの婚約、今この場をもって破棄してくれる!」
王族専用の壇上から、立太子間近と言われる第一王子が、声高にそう叫んだ。それを、第一王子の婚約者アレクシアは黙って聞いていた。
第一王子は次々と、アレクシアの不行跡や不品行をあげつらい、容姿をけなし、彼女を責める。傍らに呼び寄せたアレクシアの異母妹が訴えるままに、鵜呑みにして信じ込んだのだろう。
確かに婚約してからの5年間、第一王子とは一度も会わなかったし手紙や贈り物のやり取りもしなかった。だがそれは「させてもらえなかった」が正しい。全ては母が死んだ後に乗り込んできた後妻と、その娘である異母妹の仕組んだことで、父がそれを許可したからこそそんな事がまかり通ったのだということに、第一王子は気付かないらしい。
唯一の味方だと信じていた第一王子までも、アレクシアの味方ではなくなった。
もう味方はいない。
誰への義理もない。
ならば、もうどうにでもなればいい。
アレクシアはスッと背筋を伸ばした。
そうして彼女が次に取った行動に、第一王子は驚愕することになる⸺!
◆虐げられてるドアマットヒロインって、見たら分かるじゃんね?って作品が最近多いので便乗してみました(笑)。
◆虐待を窺わせる描写が少しだけあるのでR15で。
◆ざまぁは二段階。いわゆるおまいう系のざまぁを含みます。
◆全8話、最終話だけ少し長めです。
恋愛は後半で、メインディッシュはざまぁでどうぞ。
◆片手間で書いたんで、主要人物以外の固有名詞はありません。どこの国とも設定してないんで悪しからず。
◆この作品はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。
◆過去作のヒロインと本作主人公の名前が丸被りしてたので、名前を変更しています。(2024/09/03)
◆9/2、HOTランキング11→7位!ありがとうございます!
9/3、HOTランキング5位→3位!ありがとうございます!
(完結)お姉様を選んだことを今更後悔しても遅いです!
青空一夏
恋愛
私はブロッサム・ビアス。ビアス候爵家の次女で、私の婚約者はフロイド・ターナー伯爵令息だった。結婚式を一ヶ月後に控え、私は仕上がってきたドレスをお父様達に見せていた。
すると、お母様達は思いがけない言葉を口にする。
「まぁ、素敵! そのドレスはお腹周りをカバーできて良いわね。コーデリアにぴったりよ」
「まだ、コーデリアのお腹は目立たないが、それなら大丈夫だろう」
なぜ、お姉様の名前がでてくるの?
なんと、お姉様は私の婚約者の子供を妊娠していると言い出して、フロイドは私に婚約破棄をつきつけたのだった。
※タグの追加や変更あるかもしれません。
※因果応報的ざまぁのはず。
※作者独自の世界のゆるふわ設定。
※過去作のリメイク版です。過去作品は非公開にしました。
※表紙は作者作成AIイラスト。ブロッサムのイメージイラストです。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
前回は断頭台で首を落とされましたが、今回はお父様と協力して貴方達を断頭台に招待します。
夢見 歩
ファンタジー
長年、義母と義弟に虐げられた末に無実の罪で断頭台に立たされたステラ。
陛下は父親に「同じ子を持つ親としての最後の温情だ」と断頭台の刃を落とす合図を出すように命令を下した。
「お父様!助けてください!
私は決してネヴィルの名に恥じるような事はしておりません!
お父様ッ!!!!!」
ステラが断頭台の上でいくら泣き叫び、手を必死で伸ばしながら助けを求めても父親がステラを見ることは無かった。
ステラは断頭台の窪みに首を押さえつけられ、ステラの父親の上げた手が勢いよく振り下ろされると同時に頭上から鋭い刃によって首がはねられた。
しかし死んだはずのステラが目を開けると十歳まで時間が巻き戻っていて…?
娘と父親による人生のやり直しという名の復讐劇が今ここに始まる。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
全力で執筆中です!お気に入り登録して頂けるとやる気に繋がりますのでぜひよろしくお願いします( * ॑꒳ ॑*)
婚約者の幼馴染?それが何か?
仏白目
恋愛
タバサは学園で婚約者のリカルドと食堂で昼食をとっていた
「あ〜、リカルドここにいたの?もう、待っててっていったのにぃ〜」
目の前にいる私の事はガン無視である
「マリサ・・・これからはタバサと昼食は一緒にとるから、君は遠慮してくれないか?」
リカルドにそう言われたマリサは
「酷いわ!リカルド!私達あんなに愛し合っていたのに、私を捨てるの?」
ん?愛し合っていた?今聞き捨てならない言葉が・・・
「マリサ!誤解を招くような言い方はやめてくれ!僕たちは幼馴染ってだけだろう?」
「そんな!リカルド酷い!」
マリサはテーブルに突っ伏してワアワア泣き出した、およそ貴族令嬢とは思えない姿を晒している
この騒ぎ自体 とんだ恥晒しだわ
タバサは席を立ち 冷めた目でリカルドを見ると、「この事は父に相談します、お先に失礼しますわ」
「まってくれタバサ!誤解なんだ」
リカルドを置いて、タバサは席を立った
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる