Baseball Freak 主砲の一振り 7

勝負の年

キャンプの様子

キャンプは自分をアピールする場でもある。

毎年当たり前の事だが、特に新加入の選手は開幕一軍のキップを手に入れる為に必死に取り組む。

そんな中、キャンプ初日から率先して練習を行う選手が二名。

去年Glanzに加入した城戸と、三年連続首位打者に輝き、一昨年MVPを受賞した白石が汗を流しながらバットを振っていた。

城戸はリードオフマンとして、打率.273 本塁打6  打点31 盗塁16とやや不本意な成績に終わった。

白石は昨年、打率.284 本塁打17 打点64 盗塁8という成績。


天才と謳われた右打者がスランプに陥り、好機で凡打を繰り返す場面が多かった。


共に最下位に沈んだのは自分の不甲斐なさだと痛感し、今年こそはと意気込んで練習に励む。


ましてや今年からはもう一人の天才、唐澤斗真がチームを去ったせいで、個々のレベルアップが必要とされる。



新戦力では注目のドラフト1位、南方紫耀が唐澤が付けていた背番号1のユニフォームを纏い、一軍入りを目指してガムシャラに動く。


ドラフト2位の皐月悠太は憧れの真咲にピッチングの極意を熱心に聞き入れる。


トレードで獲得した玉城、トライアウトで入団した山下も再起を図る為に猛アピールする。


そして新外国人のマイク・クロフォード外野手は寒さに震えながらもスロー調整でコンディションを整えている。


190cmという長身は選手の中でも目立つ。

褐色の肌に彫りの深い顔立ちに長い手足、おまけに均整のとれた筋肉質の身体は野球選手というより、モデルの様なスタイルだ。


クロフォードはヘッドコーチの財前が通訳代わりとして、付きっきりで色々とレクチャーしている。


クロフォードも、かつてメジャーで首位打者 MVPに輝いた財前の前では尊敬の念を抱き、アドバイスに耳を傾けた。


今年の構想は、クロフォードを3番センターに置き長打に拘らず、持ち前のラインドライブの打球を連発する中距離ヒッターに加え、俊足を飛ばした守備範囲の広い守りを期待している。



反対に南方に対しては、唐澤の穴を埋めるべく、左のスラッガーとして三振を気にせず、長打を量産して欲しいという期待が大きい。


まだ18歳でプロの身体付きではないが、天性のホームランバッターとして時間をかけて育成する方針だ。


榊が描く今年のオーダーは、


1（右）城戸
2（遊）白石
3（中）クロフォード
4（左）森高
5（三）吉岡
6（一）徳川
7（二）石川
8（指）山下  南方
9（捕）滝沢  比村


他にも、乃木  本木  玉城  庵野  藤村等の野手が控えに回っているが、活躍次第ではレギュラーになれる可能性は十分だ。