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栄冠
最終決戦その8
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ツーアウト、ランナーは三塁二塁。
ノーワインドアップから渾身の力でバレットを投じた。
ギューン!と生き物の様に白球が襲いかかる。
「ここだっ!」
毒島はタイミングを合わせてフルスイング!
ガゴン!という大きな音を響かせ、打球は左中間へ。
センター高野、レフトヘンダーソンが懸命に追う。
【入れ、入るんだ!】
【捕ってくれ、頼む!】
両軍ベンチは祈るような気持ちで打球の行方を追う。
高野が追いつき、フェンス手前でジャンプした。
…だが、打球は僅か数センチ上を通過してスタンド最前列に入った。
球場が一段と歓声に沸く。
「入った!」
「やった、ホームランだ!」
「スゲーぞ、とうとう天海を攻略したぞ!」
「It's a great home run!(素晴らしい、ナイスホームランだ!)」
「スゴーイ!3点も入ったわよ!」
スカイウォーカーズのベンチは蜂の巣をつついた様な騒ぎだ。
毒島の第40号スリーランで一挙3点をもぎ取った。
「打たれたか…」
サードの羽田は目を閉じた。
毒島は右手を高々と上げ、ベースを回った。
マウンド上の天海はスタンドを見ている。
オーロラビジョンには、【167km/h】と表示されていた。
自己最速のバレットをスタンドを放り込まれたが、不思議と悔しい感じは無い。
寧ろ、悔いのない渾身のバレットを打たれたのだから、それを打った毒島の方が上だ、と。
「ったく…今までで1番速い球なのに、それをスタンドに叩き込むとは…まだまだオレの球は進化する余地がありそうやな」
清々しい表情でマウンドを降りた。
まだ交代は告げられてないが、オレの役目は終わった…そう言いたげな雰囲気だ。
テリー監督はそんな天海を見て労いの言葉を掛けた。
「Good job, Amami. You're the number one pitcher.(素晴らしいピッチングだ天海。キミはナンバーワンピッチャーだ)」
テリー監督が天海の肩をポンポンと叩く。
涙腺が崩壊するように、涙が止めどなく溢れた。
ベンチに座ると、人目をはばからず泣いた。
打たれた悔しさと、今までで自分を助けてくれたチームメイトに感謝する想いが交差していた。
テリー監督はベンチを出てピッチャー交代を告げた。
この一発が決勝点となり、最終回は抑えのジェイクが3人をピシャリと抑え、スカイウォーカーズが栄冠を手にした。
「やった~っ、優勝だ!」
「バンザーイ、バンザーイ!」
「やったぜ、こんちくちょう!」
「イェー!サイコーだぜ!」
グラウンドでは選手がマウンドに駆け寄り、喜びを爆発させる。
ベンチから監督、コーチが飛び出す。
「とうとう優勝したぜ!」
「皆、よくやった!」
「こんな嬉しい事は他に無い!」
「It's the best day of my life!(人生最高の日だ!)」
「皆~っ、よくやったわ!ホントにありがとう!」
マウンドは大きな輪になり、榊を中心に選手達がはしゃぎ回っている。
「よし、監督を胴上げだ!」
キャプテン結城の掛け声で選手達は榊を持ち上げた。
「おっ、ちょ、ちょっと大丈夫かよ」
榊は戸惑いながらも、選手達に身を任せて宙に舞った。
【バンザーイ!バンザーイ!】
二度、三度と榊の身体が宙に舞う。
「スゲーっ!胴上げって、こんなに気持ちイイもんなのかよ!」
初めて胴上げを経験した。
7回宙に舞い、夢見心地な気分に浸っていた。
その後、全員ベンチ前に整列してスタンドのファンに深々と頭を下げた。
東北のマーリンズファンも素直にスカイウォーカーズを祝福した。
【いいぞー!】
【よくやった!】
【優勝おめでとう!】
【来年はマーリンズに優勝させろよ!】
チャンピオンフラッグを手に記念撮影した後、グラウンドを1周回ってファンの声援に応えた。
一塁側ベンチでは、破れたマーリンズの選手達がその様子を眺めていた。
号泣していた天海も、目を真っ赤にさせてスカイウォーカーズの雄姿を見る。
「天海、今まででありがとうな」
隣の羽田が礼を述べる。
「ありがとうって…オレの方こそ、皆にありがとうや」
照れた表情で羽田に礼を言う。
「来年は必ず優勝しよう」
「勿論や!絶対に優勝したる!」
「おし!じゃあ、コッチも胴上げだ!羽田、天海を胴上げしようぜ!」
高野の掛け声で一斉に天海を抱えて宙へ。
【ワーッショイ、ワーッショイ!】
監督やコーチも加わり、天海が10回宙に舞った。
「も、もう、ええって!堪忍や!」
顔を紅潮させながら天海は叫んだ!
「This team will be stronger... I'm looking forward to next year.(このチームは更に強くなる…来年が楽しみだ)」
テリー監督はチームメイトを見て確信した。
かくして、ネプチューンリーグはスカイウォーカーズの優勝でペナントレースを終えた。
この後は日本一を決めるチャンピオンズカップ。
アポロリーグは昨年まで最下位だった、琉球マシンガンズが優勝を決めた。
チャンピオンズカップは二週間後、武蔵野ボールパークでスタートする。
ノーワインドアップから渾身の力でバレットを投じた。
ギューン!と生き物の様に白球が襲いかかる。
「ここだっ!」
毒島はタイミングを合わせてフルスイング!
ガゴン!という大きな音を響かせ、打球は左中間へ。
センター高野、レフトヘンダーソンが懸命に追う。
【入れ、入るんだ!】
【捕ってくれ、頼む!】
両軍ベンチは祈るような気持ちで打球の行方を追う。
高野が追いつき、フェンス手前でジャンプした。
…だが、打球は僅か数センチ上を通過してスタンド最前列に入った。
球場が一段と歓声に沸く。
「入った!」
「やった、ホームランだ!」
「スゲーぞ、とうとう天海を攻略したぞ!」
「It's a great home run!(素晴らしい、ナイスホームランだ!)」
「スゴーイ!3点も入ったわよ!」
スカイウォーカーズのベンチは蜂の巣をつついた様な騒ぎだ。
毒島の第40号スリーランで一挙3点をもぎ取った。
「打たれたか…」
サードの羽田は目を閉じた。
毒島は右手を高々と上げ、ベースを回った。
マウンド上の天海はスタンドを見ている。
オーロラビジョンには、【167km/h】と表示されていた。
自己最速のバレットをスタンドを放り込まれたが、不思議と悔しい感じは無い。
寧ろ、悔いのない渾身のバレットを打たれたのだから、それを打った毒島の方が上だ、と。
「ったく…今までで1番速い球なのに、それをスタンドに叩き込むとは…まだまだオレの球は進化する余地がありそうやな」
清々しい表情でマウンドを降りた。
まだ交代は告げられてないが、オレの役目は終わった…そう言いたげな雰囲気だ。
テリー監督はそんな天海を見て労いの言葉を掛けた。
「Good job, Amami. You're the number one pitcher.(素晴らしいピッチングだ天海。キミはナンバーワンピッチャーだ)」
テリー監督が天海の肩をポンポンと叩く。
涙腺が崩壊するように、涙が止めどなく溢れた。
ベンチに座ると、人目をはばからず泣いた。
打たれた悔しさと、今までで自分を助けてくれたチームメイトに感謝する想いが交差していた。
テリー監督はベンチを出てピッチャー交代を告げた。
この一発が決勝点となり、最終回は抑えのジェイクが3人をピシャリと抑え、スカイウォーカーズが栄冠を手にした。
「やった~っ、優勝だ!」
「バンザーイ、バンザーイ!」
「やったぜ、こんちくちょう!」
「イェー!サイコーだぜ!」
グラウンドでは選手がマウンドに駆け寄り、喜びを爆発させる。
ベンチから監督、コーチが飛び出す。
「とうとう優勝したぜ!」
「皆、よくやった!」
「こんな嬉しい事は他に無い!」
「It's the best day of my life!(人生最高の日だ!)」
「皆~っ、よくやったわ!ホントにありがとう!」
マウンドは大きな輪になり、榊を中心に選手達がはしゃぎ回っている。
「よし、監督を胴上げだ!」
キャプテン結城の掛け声で選手達は榊を持ち上げた。
「おっ、ちょ、ちょっと大丈夫かよ」
榊は戸惑いながらも、選手達に身を任せて宙に舞った。
【バンザーイ!バンザーイ!】
二度、三度と榊の身体が宙に舞う。
「スゲーっ!胴上げって、こんなに気持ちイイもんなのかよ!」
初めて胴上げを経験した。
7回宙に舞い、夢見心地な気分に浸っていた。
その後、全員ベンチ前に整列してスタンドのファンに深々と頭を下げた。
東北のマーリンズファンも素直にスカイウォーカーズを祝福した。
【いいぞー!】
【よくやった!】
【優勝おめでとう!】
【来年はマーリンズに優勝させろよ!】
チャンピオンフラッグを手に記念撮影した後、グラウンドを1周回ってファンの声援に応えた。
一塁側ベンチでは、破れたマーリンズの選手達がその様子を眺めていた。
号泣していた天海も、目を真っ赤にさせてスカイウォーカーズの雄姿を見る。
「天海、今まででありがとうな」
隣の羽田が礼を述べる。
「ありがとうって…オレの方こそ、皆にありがとうや」
照れた表情で羽田に礼を言う。
「来年は必ず優勝しよう」
「勿論や!絶対に優勝したる!」
「おし!じゃあ、コッチも胴上げだ!羽田、天海を胴上げしようぜ!」
高野の掛け声で一斉に天海を抱えて宙へ。
【ワーッショイ、ワーッショイ!】
監督やコーチも加わり、天海が10回宙に舞った。
「も、もう、ええって!堪忍や!」
顔を紅潮させながら天海は叫んだ!
「This team will be stronger... I'm looking forward to next year.(このチームは更に強くなる…来年が楽しみだ)」
テリー監督はチームメイトを見て確信した。
かくして、ネプチューンリーグはスカイウォーカーズの優勝でペナントレースを終えた。
この後は日本一を決めるチャンピオンズカップ。
アポロリーグは昨年まで最下位だった、琉球マシンガンズが優勝を決めた。
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