121 / 125
クライマックス
攻略法その6
しおりを挟む
毎年3割を打つロドリゲスは、ブンブン振り回すだけのフリースインガーではない。
バットコントロールに優れ、逆方向へ打ち返す技術も兼ね備えている。
ホームラン狙いに徹すれば、年間50本は打てるだろうと専門家は言う。
キングダムでは自分はあくまでも翔田に繋ぐ為の役割と考え、長打に頼らず状況に応じたバッティングをする。
(しかしまぁ、何処投げても届きそうなリーチだな)
リードに悩む。
ロドリゲスはインハイに弱いというが、インハイ一辺倒のピッチングでは打たれてしまうし、一歩間違えればデッドボールにもなりかねない。
サンピエールの球種は速球系(フォーシーム、ツーシーム)縦横のスライダー、チェンジアップ。
以前カーブにトライしたが、曲がりが小さく打ち頃のボールになってしまう為、封印している。
(力で押すしか無い)
力には力で、保坂のリードは決まった。
サインに頷き、トルネードから初球を投げた。
勢いのあるフォーシームが高目へ。
ピクっと一瞬手が動いたが、スイングの動作には入ってない。
「ボール!」
高目に外れたが、スピードガンは161kmを表示。
160kmという、限界を超えた左腕は未知の世界へ突入したかのように、期待と不安が入り混じる。
(ビビる事は無ぇ、ドンドン攻めるんだ)
強気のリードでサンピエールを引っ張る。
サンピエールはサインに頷き、速いモーションから二球目を投げた。
インコース低目へ今度はツーシーム。
「haッ…」
ロドリゲスは動きを読んでいたかの様に、オープンスタンスから凄まじい速さでボールを捕えた。
打球はグーンと左へ切れてファール。
154kmのツーシームだったが、コースは読まれていた。
(どんな速い球を投げても、打たれる時は打たれるんだ)
そう思い、開き直ってフォーシームのサインを出した。
(ん?待てよ…)
保坂は咄嗟にサインを引っ込めた。
(速い球だから打たれる…速くない球だったら?)
逆の発想で新たなサインを出す。
サンピエールは一瞬「…ん?」という顔をしたが、すぐさま投球動作に入った。
先程と同じく、速いモーションから鋭く左腕を振り抜いた。
ロドリゲスは同時にバットスイングの動作に入ったが、スピードはかなり遅い。
「oh…」
タイミングを外されたロドリゲス。
ボールはバットの先端に当たり、力の無い打球はショートへ。
石川が軽快に捌いてスリーアウトチェンジ。
1回の裏、キングダムの攻撃は三者凡退に終わった。
その後両チームは無得点のまま、7回の裏まで進む。
この回、打順は5番丸藤から。
【5番キャッチャー丸藤】
自然色のバットを手に、丸藤が右打席に入り左肘のエルボーガードを直し、足元を固める。
ここ数試合は坂上に代わり、5番を打つ。
オールスター前までは2割前半の打率だったが、後半戦から調子を取り戻し打率は283まで上昇。
本塁打の数は5と少ないが、チャンスに強く得点圏打率は3割5分を越える。
マウンド上のサンピエールはここまで86球を投げて被安打4、2四球、7奪三振。
序盤飛ばし過ぎたせいか、球速は150km前後まで落ちた。
「監督、どうします?」
櫻井は続投か否かを聞く。
まだ100球を越えてないが、そろそろ交代時だ。
「ケースケ、どうだアイツ?」
榊は高峰に委ねる。
「ウーン…まだピンチになってないですし、これから下位打線だからもう少し様子を見たいですね」
左のエースとして、ここを乗り越えて欲しいと願う。
高峰はブルペンに電話を繋いだ。
「そっちはどうなってる?」
「今ね、加勢くんと山本くんが急ピッチで肩を作ってる最中だから、もう少し時間をくれる?」
水卜はブルペンでリリーフ陣の様子を伝える。
「カントク、まだ肩が出来上がってないみたいです」
「そうか…仕方ない、この回は何がなんでも乗り越えてもらわないと」
「いいえ、もう交代です」
櫻井は交代するべきだと言う。
「ヒロト、まだ肩が出来上がってないんだぞ!それを交代だなんて、ムリだ」
高峰は首を振る。
「高峰さん…ペナントはもう大詰めなんですよ?私情を挟む余地は無いんです。
いいですか、今日はどんな事があっても勝つんです!
そして、翔田というピッチャーに引導を渡すんですっ!」
冷静沈着な櫻井が声を張り上げ、交代を主張する。
ここまで執拗にこだわるのは全て翔田という、日本球界が誇る二刀流を完膚なきまでに打ちのめす為だ。
「ふざけるなっ!いくらヘッドコーチと言えど、投手交代の権限はオレにあるんだ!勝手な事するな!」
高峰も負けじと応戦する。
「甘いですよ、高峰さん!アナタ、本気で優勝するつもりあるんですか?」
櫻井も一歩も引かない。
「Stop fighting, both of you!(二人ともケンカは止めろ!)」
トーマスが間に割って入る。
「ケースケ、ヒロト!こんな時に言い争いしてる場合じゃないだろ!」
大和守備走塁コーチも二人をなだめる。
榊はその様子を腕組みしながら見ている。
「ヨシっ、ピッチャー交代だ!」
榊は交代する事に決めた。
「カントク、何いってんですか!もう少しだけ待って下さい!」
「ケースケ、ここはオレに任せろ!いいな」
高峰の肩をポンと叩き、榊はベンチを出た。
主審に交代を告げると、マウンドに向かった。
【スカイウォーカーズ選手の交代をお知らせします。ピッチャー サンピエールに代わって東山。ピッチャー サンピエールに代わって東山。背番号11】
ルーキー東山がリリーフに回った。
「カントクっ…東山は今度の登板予定なのにっ!」
これじゃローテーションがおかしくなる!高峰は怒りに任せ、ベンチの椅子を蹴り上げ、スポーツドリンクの入ったサーバーをバットで叩きつけて壊し、床にスポーツドリンクが溢れてユニフォームが濡れてしまう選手も。
「冗談じゃない!これじゃ、オレがいる意味が無いだろ!」
吐き捨てる様にしてベンチの奥へ消えていった。
この交代でコーチ同士が衝突したスカイウォーカーズベンチ。
それでも櫻井は勝利の為に非情になる。
バットコントロールに優れ、逆方向へ打ち返す技術も兼ね備えている。
ホームラン狙いに徹すれば、年間50本は打てるだろうと専門家は言う。
キングダムでは自分はあくまでも翔田に繋ぐ為の役割と考え、長打に頼らず状況に応じたバッティングをする。
(しかしまぁ、何処投げても届きそうなリーチだな)
リードに悩む。
ロドリゲスはインハイに弱いというが、インハイ一辺倒のピッチングでは打たれてしまうし、一歩間違えればデッドボールにもなりかねない。
サンピエールの球種は速球系(フォーシーム、ツーシーム)縦横のスライダー、チェンジアップ。
以前カーブにトライしたが、曲がりが小さく打ち頃のボールになってしまう為、封印している。
(力で押すしか無い)
力には力で、保坂のリードは決まった。
サインに頷き、トルネードから初球を投げた。
勢いのあるフォーシームが高目へ。
ピクっと一瞬手が動いたが、スイングの動作には入ってない。
「ボール!」
高目に外れたが、スピードガンは161kmを表示。
160kmという、限界を超えた左腕は未知の世界へ突入したかのように、期待と不安が入り混じる。
(ビビる事は無ぇ、ドンドン攻めるんだ)
強気のリードでサンピエールを引っ張る。
サンピエールはサインに頷き、速いモーションから二球目を投げた。
インコース低目へ今度はツーシーム。
「haッ…」
ロドリゲスは動きを読んでいたかの様に、オープンスタンスから凄まじい速さでボールを捕えた。
打球はグーンと左へ切れてファール。
154kmのツーシームだったが、コースは読まれていた。
(どんな速い球を投げても、打たれる時は打たれるんだ)
そう思い、開き直ってフォーシームのサインを出した。
(ん?待てよ…)
保坂は咄嗟にサインを引っ込めた。
(速い球だから打たれる…速くない球だったら?)
逆の発想で新たなサインを出す。
サンピエールは一瞬「…ん?」という顔をしたが、すぐさま投球動作に入った。
先程と同じく、速いモーションから鋭く左腕を振り抜いた。
ロドリゲスは同時にバットスイングの動作に入ったが、スピードはかなり遅い。
「oh…」
タイミングを外されたロドリゲス。
ボールはバットの先端に当たり、力の無い打球はショートへ。
石川が軽快に捌いてスリーアウトチェンジ。
1回の裏、キングダムの攻撃は三者凡退に終わった。
その後両チームは無得点のまま、7回の裏まで進む。
この回、打順は5番丸藤から。
【5番キャッチャー丸藤】
自然色のバットを手に、丸藤が右打席に入り左肘のエルボーガードを直し、足元を固める。
ここ数試合は坂上に代わり、5番を打つ。
オールスター前までは2割前半の打率だったが、後半戦から調子を取り戻し打率は283まで上昇。
本塁打の数は5と少ないが、チャンスに強く得点圏打率は3割5分を越える。
マウンド上のサンピエールはここまで86球を投げて被安打4、2四球、7奪三振。
序盤飛ばし過ぎたせいか、球速は150km前後まで落ちた。
「監督、どうします?」
櫻井は続投か否かを聞く。
まだ100球を越えてないが、そろそろ交代時だ。
「ケースケ、どうだアイツ?」
榊は高峰に委ねる。
「ウーン…まだピンチになってないですし、これから下位打線だからもう少し様子を見たいですね」
左のエースとして、ここを乗り越えて欲しいと願う。
高峰はブルペンに電話を繋いだ。
「そっちはどうなってる?」
「今ね、加勢くんと山本くんが急ピッチで肩を作ってる最中だから、もう少し時間をくれる?」
水卜はブルペンでリリーフ陣の様子を伝える。
「カントク、まだ肩が出来上がってないみたいです」
「そうか…仕方ない、この回は何がなんでも乗り越えてもらわないと」
「いいえ、もう交代です」
櫻井は交代するべきだと言う。
「ヒロト、まだ肩が出来上がってないんだぞ!それを交代だなんて、ムリだ」
高峰は首を振る。
「高峰さん…ペナントはもう大詰めなんですよ?私情を挟む余地は無いんです。
いいですか、今日はどんな事があっても勝つんです!
そして、翔田というピッチャーに引導を渡すんですっ!」
冷静沈着な櫻井が声を張り上げ、交代を主張する。
ここまで執拗にこだわるのは全て翔田という、日本球界が誇る二刀流を完膚なきまでに打ちのめす為だ。
「ふざけるなっ!いくらヘッドコーチと言えど、投手交代の権限はオレにあるんだ!勝手な事するな!」
高峰も負けじと応戦する。
「甘いですよ、高峰さん!アナタ、本気で優勝するつもりあるんですか?」
櫻井も一歩も引かない。
「Stop fighting, both of you!(二人ともケンカは止めろ!)」
トーマスが間に割って入る。
「ケースケ、ヒロト!こんな時に言い争いしてる場合じゃないだろ!」
大和守備走塁コーチも二人をなだめる。
榊はその様子を腕組みしながら見ている。
「ヨシっ、ピッチャー交代だ!」
榊は交代する事に決めた。
「カントク、何いってんですか!もう少しだけ待って下さい!」
「ケースケ、ここはオレに任せろ!いいな」
高峰の肩をポンと叩き、榊はベンチを出た。
主審に交代を告げると、マウンドに向かった。
【スカイウォーカーズ選手の交代をお知らせします。ピッチャー サンピエールに代わって東山。ピッチャー サンピエールに代わって東山。背番号11】
ルーキー東山がリリーフに回った。
「カントクっ…東山は今度の登板予定なのにっ!」
これじゃローテーションがおかしくなる!高峰は怒りに任せ、ベンチの椅子を蹴り上げ、スポーツドリンクの入ったサーバーをバットで叩きつけて壊し、床にスポーツドリンクが溢れてユニフォームが濡れてしまう選手も。
「冗談じゃない!これじゃ、オレがいる意味が無いだろ!」
吐き捨てる様にしてベンチの奥へ消えていった。
この交代でコーチ同士が衝突したスカイウォーカーズベンチ。
それでも櫻井は勝利の為に非情になる。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
〖完結〗その子は私の子ではありません。どうぞ、平民の愛人とお幸せに。
藍川みいな
恋愛
愛する人と結婚した…はずだった……
結婚式を終えて帰る途中、見知らぬ男達に襲われた。
ジュラン様を庇い、顔に傷痕が残ってしまった私を、彼は醜いと言い放った。それだけではなく、彼の子を身篭った愛人を連れて来て、彼女が産む子を私達の子として育てると言い出した。
愛していた彼の本性を知った私は、復讐する決意をする。決してあなたの思い通りになんてさせない。
*設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
*全16話で完結になります。
*番外編、追加しました。
挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました
結城芙由奈@12/27電子書籍配信
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】
今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。
「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」
そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。
そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。
けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。
その真意を知った時、私は―。
※暫く鬱展開が続きます
※他サイトでも投稿中
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
【取り下げ予定】愛されない妃ですので。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃になんて、望んでなったわけではない。
国王夫妻のリュシアンとミレーゼの関係は冷えきっていた。
「僕はきみを愛していない」
はっきりそう告げた彼は、ミレーゼ以外の女性を抱き、愛を囁いた。
『お飾り王妃』の名を戴くミレーゼだが、ある日彼女は側妃たちの諍いに巻き込まれ、命を落としてしまう。
(ああ、私の人生ってなんだったんだろう──?)
そう思って人生に終止符を打ったミレーゼだったが、気がつくと結婚前に戻っていた。
しかも、別の人間になっている?
なぜか見知らぬ伯爵令嬢になってしまったミレーゼだが、彼女は決意する。新たな人生、今度はリュシアンに関わることなく、平凡で優しい幸せを掴もう、と。
*年齢制限を18→15に変更しました。
【完結】婚約破棄される前に私は毒を呷って死にます!当然でしょう?私は王太子妃になるはずだったんですから。どの道、只ではすみません。
つくも茄子
恋愛
フリッツ王太子の婚約者が毒を呷った。
彼女は筆頭公爵家のアレクサンドラ・ウジェーヌ・ヘッセン。
なぜ、彼女は毒を自ら飲み干したのか?
それは婚約者のフリッツ王太子からの婚約破棄が原因であった。
恋人の男爵令嬢を正妃にするためにアレクサンドラを罠に嵌めようとしたのだ。
その中の一人は、アレクサンドラの実弟もいた。
更に宰相の息子と近衛騎士団長の嫡男も、王太子と男爵令嬢の味方であった。
婚約者として王家の全てを知るアレクサンドラは、このまま婚約破棄が成立されればどうなるのかを知っていた。そして自分がどういう立場なのかも痛いほど理解していたのだ。
生死の境から生還したアレクサンドラが目を覚ました時には、全てが様変わりしていた。国の将来のため、必要な処置であった。
婚約破棄を宣言した王太子達のその後は、彼らが思い描いていたバラ色の人生ではなかった。
後悔、悲しみ、憎悪、果てしない負の連鎖の果てに、彼らが手にしたものとは。
「小説家になろう」「カクヨム」「ノベルバ」にも投稿しています。
【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる