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クライマックス
全て真正面の打球
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蒸し暑い空気が漂う中、試合はスタートした。
初回を三者凡退で退け、上々の滑り出しで1回の裏スカイウォーカーズの攻撃。
リードオフマンのラファエルが右打席に立つ。
レッズ先発の吉村は今シーズン7勝4敗、防御率4.03という成績。
球種はMAX145kmのストレートにスライダー、カーブ、シンカー。
特に大きく沈むシンカーは右バッターに有効で、被打率197とかなり優秀だ。
スリークォーターから初球を投げた。
ブレーキのかかったカーブが大きく弧を描き、ミットに吸い込まれる。
「ストライク!」
ラファエルは見送る。
ノーワインドアップからの二球目、今度は直球。
しかし、これは僅かに外へ。
「ボール!」
防御率は4点台だが、コントロールも平均以上で球の回転数もそれなりに良い。
ラファエルはトップバッターらしく、待球戦法で様子を見る。
三球目、懐をえぐるようなスライダー。
だが、ラファエルはこれをカット。
「ファール!」
中々良いスライダーだ。
「The ball's sharpness is good... It may be a bit difficult.(球のキレが良い…少々手こずるかも)」
ラファエルはバットを少し寝かせ気味に構えた。
吉村が四球目を投げた。
アウトコース低目にボールが。
ラファエルはノーステップでコンパクトにバットを合わせた。
(…っ!シンカーだと?)
ボールは大きく外へ沈む。
ラファエルは体勢を崩しながらボールを捕らえた。
痛烈なライナーが右へ!
バシッ!
だが、ファーストの真正面。
「アウト!」
ファーストワグナーが定位置で掴んでワンナウト。
ラファエルがヘルメットを取る。
(ナイスキャッチ!)
ウインクをしてベンチに戻った。
「いい当たりだったけど、真正面…か。
ボールのキレは良さそうだ」
【2番センター唐澤 背番号1】
ネクストバッターズサークルで唐澤が立ち上がる。
球のキレは良いと判断。
ゆっくり左打席に入ると、左手でユニフォームの袖を直す。
バットをクルクルと回してピタッと構えた。
凛とした佇まいにオーラを感じる。
左対左だが、唐澤は左投手を苦にしない。
吉村が大きく息を吐いて、初球を投げた。
「インハイのストレート…」
配球を読んで、流れるフォームから腕を畳んで、鋭いスイングでボールを弾き返した。
痛烈なライナーがセカンドを襲う。
だが、これも真正面。
セカンド八木がキャッチしてツーアウト。
「初球に手を出したが、絶好球だったのかな?」
すれ違いざま、結城と目が合う。
「えぇ、でも予想以上のキレで真正面になりましたけど」
「なるほど、よく分かった」
穏やかな表情で打席に向かう。
【3番ファースト結城 背番号23】
バットを両手に掲げ、左右に上体を傾ける。
柔軟な身体はグニャリと横に曲がる。
バットでベースをコンコンと叩き、自然体でグリップをトップに構える。
「唐澤くんはキレのある変化球だと言ったが、果たしてどうかな…」
唐澤同様、凛とした佇まいで微動だにせず。
結城も左投手を苦にしないタイプだ。
口を真一文字に結び、吉村が初球を投げた。
インハイだ。
結城は手を出さない。
「ストライク!」
143kmのストレートが決まる。
(球速以上に速く感じる。ストレートのノビも良い)
球筋を見る限り、手元でホップする様な軌道で捕らえるのが難しい。
吉村はサインを覗き込む。
一旦首を振ってから、二度目のサインに頷いた。
(変化球か…)
スリークォーターの左腕からボールが放たれた。
「スライダー…」
「えっ?」
結城はリリースの瞬間、球種を読み当てた。
その言葉通り、スライダーが外角へ。
「ボール!」
(球種を読んでいたとは…これは一筋縄ではいかないな)
キャッチャーの林は配球を組み立て直す。
(これでどうだ)
林がサインを出す。
吉村が頷き、三球目を投げた。
「カーブ」
「…っ、まただ」
読み通り、縦に割れるカーブが外角低目へ。
「ボール!」
僅かに外れ、カウントはツーボール、ワンストライク。
(まさか、カーブまで読み当てるとは…ダテに打率トップをキープしてるワケじゃないか)
結城は動かず、バットを構えた状態でマウンドの吉村を見る。
(よし、じゃあ次はこれだ)
サインに頷き、四球目を投げた。
インコース低目へ決め球のシンカーが。
結城はトップの位置からスムーズにバットを出した。
柔らかく、滑らかなスイングはボールを捕らえ、素早く振り抜く。
カァーン!…
打球音と共に痛烈なライナーが一二塁間の頭上を越える。
だがライトの三浦が前進守備をしていた為、正面でキャッチ。
「アウト!」
「思ったより、シンカーのキレが良かった…唐澤くんの言う通りだったな」
捕らえたと思ったが、キレが良く僅かにポイントがズレた。
1回の裏、スカイウォーカーズは三者凡退で終了した。
初回を三者凡退で退け、上々の滑り出しで1回の裏スカイウォーカーズの攻撃。
リードオフマンのラファエルが右打席に立つ。
レッズ先発の吉村は今シーズン7勝4敗、防御率4.03という成績。
球種はMAX145kmのストレートにスライダー、カーブ、シンカー。
特に大きく沈むシンカーは右バッターに有効で、被打率197とかなり優秀だ。
スリークォーターから初球を投げた。
ブレーキのかかったカーブが大きく弧を描き、ミットに吸い込まれる。
「ストライク!」
ラファエルは見送る。
ノーワインドアップからの二球目、今度は直球。
しかし、これは僅かに外へ。
「ボール!」
防御率は4点台だが、コントロールも平均以上で球の回転数もそれなりに良い。
ラファエルはトップバッターらしく、待球戦法で様子を見る。
三球目、懐をえぐるようなスライダー。
だが、ラファエルはこれをカット。
「ファール!」
中々良いスライダーだ。
「The ball's sharpness is good... It may be a bit difficult.(球のキレが良い…少々手こずるかも)」
ラファエルはバットを少し寝かせ気味に構えた。
吉村が四球目を投げた。
アウトコース低目にボールが。
ラファエルはノーステップでコンパクトにバットを合わせた。
(…っ!シンカーだと?)
ボールは大きく外へ沈む。
ラファエルは体勢を崩しながらボールを捕らえた。
痛烈なライナーが右へ!
バシッ!
だが、ファーストの真正面。
「アウト!」
ファーストワグナーが定位置で掴んでワンナウト。
ラファエルがヘルメットを取る。
(ナイスキャッチ!)
ウインクをしてベンチに戻った。
「いい当たりだったけど、真正面…か。
ボールのキレは良さそうだ」
【2番センター唐澤 背番号1】
ネクストバッターズサークルで唐澤が立ち上がる。
球のキレは良いと判断。
ゆっくり左打席に入ると、左手でユニフォームの袖を直す。
バットをクルクルと回してピタッと構えた。
凛とした佇まいにオーラを感じる。
左対左だが、唐澤は左投手を苦にしない。
吉村が大きく息を吐いて、初球を投げた。
「インハイのストレート…」
配球を読んで、流れるフォームから腕を畳んで、鋭いスイングでボールを弾き返した。
痛烈なライナーがセカンドを襲う。
だが、これも真正面。
セカンド八木がキャッチしてツーアウト。
「初球に手を出したが、絶好球だったのかな?」
すれ違いざま、結城と目が合う。
「えぇ、でも予想以上のキレで真正面になりましたけど」
「なるほど、よく分かった」
穏やかな表情で打席に向かう。
【3番ファースト結城 背番号23】
バットを両手に掲げ、左右に上体を傾ける。
柔軟な身体はグニャリと横に曲がる。
バットでベースをコンコンと叩き、自然体でグリップをトップに構える。
「唐澤くんはキレのある変化球だと言ったが、果たしてどうかな…」
唐澤同様、凛とした佇まいで微動だにせず。
結城も左投手を苦にしないタイプだ。
口を真一文字に結び、吉村が初球を投げた。
インハイだ。
結城は手を出さない。
「ストライク!」
143kmのストレートが決まる。
(球速以上に速く感じる。ストレートのノビも良い)
球筋を見る限り、手元でホップする様な軌道で捕らえるのが難しい。
吉村はサインを覗き込む。
一旦首を振ってから、二度目のサインに頷いた。
(変化球か…)
スリークォーターの左腕からボールが放たれた。
「スライダー…」
「えっ?」
結城はリリースの瞬間、球種を読み当てた。
その言葉通り、スライダーが外角へ。
「ボール!」
(球種を読んでいたとは…これは一筋縄ではいかないな)
キャッチャーの林は配球を組み立て直す。
(これでどうだ)
林がサインを出す。
吉村が頷き、三球目を投げた。
「カーブ」
「…っ、まただ」
読み通り、縦に割れるカーブが外角低目へ。
「ボール!」
僅かに外れ、カウントはツーボール、ワンストライク。
(まさか、カーブまで読み当てるとは…ダテに打率トップをキープしてるワケじゃないか)
結城は動かず、バットを構えた状態でマウンドの吉村を見る。
(よし、じゃあ次はこれだ)
サインに頷き、四球目を投げた。
インコース低目へ決め球のシンカーが。
結城はトップの位置からスムーズにバットを出した。
柔らかく、滑らかなスイングはボールを捕らえ、素早く振り抜く。
カァーン!…
打球音と共に痛烈なライナーが一二塁間の頭上を越える。
だがライトの三浦が前進守備をしていた為、正面でキャッチ。
「アウト!」
「思ったより、シンカーのキレが良かった…唐澤くんの言う通りだったな」
捕らえたと思ったが、キレが良く僅かにポイントがズレた。
1回の裏、スカイウォーカーズは三者凡退で終了した。
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