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優勝するためには
交流戦 2
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試合が始まった。
マシンガンズのトップバッターはショートの照屋。
中邑が第一球を投げた。
ストレートがインコースに決まり、まずはワンストライク。
電光掲示板には157kmと表示された。
二球目は緩いカーブ。
これを照屋は読んでいたのか、バットを出すが右に切れてファール。
三球目は高目に外してワンボール。
武蔵野ボールパークは今日も満員で、ライトスタンドには応援団が鳴り物で応援している。
その声援を受けて中邑が四球目を投げた。
真ん中やや外より。照屋をバットを合わせたが、ボールは鋭く変化。
「ストライクアウト!」
ブーメランのような、鋭いスライダーで三振。
先ずは幸先のいいスタートを切った。
続いて2番のセカンド下平がバッターボックスに入る。
今年は既に12犠打でリーグトップ。
その下平への初球はツーシームが低めに決まった。
ファーストストライクを積極的にとりにいく中邑のピッチングはテンポが良く、バックもリズム良く守備につける。
二球目は高目に外したストレート。
これでワンボール、ワンストライク。
三球目は緩いカーブ。
タイミングを外された下平はバットに手が出ない。
これでツーストライク。
四球目は再度カーブ。先程より少し速めだが、縦に割れる鋭い変化。
「ボール!」
際どいところだったが、判定はボール。
これでツーナッシング。
五球目を投げた。
今度は真ん中低目へ。
下平はバットを出すが、ボールはストンとバットの下を通過。
ワンバンになって保坂が止めた。
「ストライクアウト!」
落差のあるフォークボールで空振り三振。
これでツーアウト。
次はアポロリーグの打率トップを誇る3番 サード比嘉が右打席に入る。
現在346の打率と15本のホームランを打つマシンガンズの主砲。
筋骨隆々な身体で沖縄県民独特の彫りの深い顔立ち。
昨年までメジャーリーグのワシントン・クリッパーズに所属していたが、喜屋武が監督に就任するとクリッパーズを退団してマシンガンズに入団。
この選手も走攻守三拍子揃ったマルチプレイヤーだ。
その比嘉はバットの先端を相手に向ける独特の構えをする。
この体勢から鋭いスイングで打球を右方向へ運ぶのが比嘉の持ち味だ。
「あのバッター、要注意だな」
櫻井は比嘉を見てそう思った。
「そうかぁ?コイツよりも後の外人の方を警戒するんじゃないのか」
「いえ、怖いのはこの選手です。ボーンという選手も体型に似合わず柔らかいバッティングをしますが、比嘉という選手は率も残せて長打もある。今年は右方向への打球が多いですが、これも好調の為でしょう」
「あんな構えでよく打てるよな」
比嘉はかつて北九州ドジャースに所属していたが、このバッティングフォームを矯正させようとするコーチと対立してドジャースを退団。
単身アメリカに渡り、マイナーリーグからスタートして2年後にメジャーに昇格した。
メジャーリーグでは僅か3シーズンという短い期間だったが、打率は3割を越え、ホームランも20本以上マーク。
喜屋武は高校の先輩にあたり、監督に就任すると喜屋武を慕ってマシンガンズに入団した。
その比嘉への初球はアウトコース一杯にツーシームを投げた。
比嘉は構えを解いて見送る。
「ストライク!」
狙ってるコースじゃなかったのか、それとも最初から打つ気が無かったのか。
再びバットを中邑に向けて構えた。
二球目はスライダーを外へ。しかし、コースに外れた。
これも見送る。
「ボール」
「インコース狙いか?」
「アウトコースの球は平然と見送ってますね。インコース狙いなのか、それとも…」
比嘉の狙いはインコースなのか。
その三球目はインコース低目からボールになるフォークを投げた。
見送ればボールになる低さだ。
「フン!…」
「えっ?」
気合いと共に、中邑に向けたバットを鋭いアッパースイングでフォークを捕らえた。
打球はライトへグーンと伸び、梁屋は一歩も動かず打球を見上げた。
スタンド中段へ突き刺さる先制のソロアーチでマシンガンズが1点を先取。
「はー…あのワンバンになりそうな低いフォークを、アッパースイングであそこまで運ぶのかよ」
榊は口をポカーンと開けている。
「凄いスイングスピードですね」
櫻井が要注意人物と言っただけある。
比嘉は今ホームイン。
マシンガンズ初回から1点を先行。
「交流戦って…難しいですね」
その割には櫻井の顔には笑みが。
「あの選手、そう簡単に抑える事は出来なさそうだ」
今日も敗けてしまうのだろうか。
マシンガンズのトップバッターはショートの照屋。
中邑が第一球を投げた。
ストレートがインコースに決まり、まずはワンストライク。
電光掲示板には157kmと表示された。
二球目は緩いカーブ。
これを照屋は読んでいたのか、バットを出すが右に切れてファール。
三球目は高目に外してワンボール。
武蔵野ボールパークは今日も満員で、ライトスタンドには応援団が鳴り物で応援している。
その声援を受けて中邑が四球目を投げた。
真ん中やや外より。照屋をバットを合わせたが、ボールは鋭く変化。
「ストライクアウト!」
ブーメランのような、鋭いスライダーで三振。
先ずは幸先のいいスタートを切った。
続いて2番のセカンド下平がバッターボックスに入る。
今年は既に12犠打でリーグトップ。
その下平への初球はツーシームが低めに決まった。
ファーストストライクを積極的にとりにいく中邑のピッチングはテンポが良く、バックもリズム良く守備につける。
二球目は高目に外したストレート。
これでワンボール、ワンストライク。
三球目は緩いカーブ。
タイミングを外された下平はバットに手が出ない。
これでツーストライク。
四球目は再度カーブ。先程より少し速めだが、縦に割れる鋭い変化。
「ボール!」
際どいところだったが、判定はボール。
これでツーナッシング。
五球目を投げた。
今度は真ん中低目へ。
下平はバットを出すが、ボールはストンとバットの下を通過。
ワンバンになって保坂が止めた。
「ストライクアウト!」
落差のあるフォークボールで空振り三振。
これでツーアウト。
次はアポロリーグの打率トップを誇る3番 サード比嘉が右打席に入る。
現在346の打率と15本のホームランを打つマシンガンズの主砲。
筋骨隆々な身体で沖縄県民独特の彫りの深い顔立ち。
昨年までメジャーリーグのワシントン・クリッパーズに所属していたが、喜屋武が監督に就任するとクリッパーズを退団してマシンガンズに入団。
この選手も走攻守三拍子揃ったマルチプレイヤーだ。
その比嘉はバットの先端を相手に向ける独特の構えをする。
この体勢から鋭いスイングで打球を右方向へ運ぶのが比嘉の持ち味だ。
「あのバッター、要注意だな」
櫻井は比嘉を見てそう思った。
「そうかぁ?コイツよりも後の外人の方を警戒するんじゃないのか」
「いえ、怖いのはこの選手です。ボーンという選手も体型に似合わず柔らかいバッティングをしますが、比嘉という選手は率も残せて長打もある。今年は右方向への打球が多いですが、これも好調の為でしょう」
「あんな構えでよく打てるよな」
比嘉はかつて北九州ドジャースに所属していたが、このバッティングフォームを矯正させようとするコーチと対立してドジャースを退団。
単身アメリカに渡り、マイナーリーグからスタートして2年後にメジャーに昇格した。
メジャーリーグでは僅か3シーズンという短い期間だったが、打率は3割を越え、ホームランも20本以上マーク。
喜屋武は高校の先輩にあたり、監督に就任すると喜屋武を慕ってマシンガンズに入団した。
その比嘉への初球はアウトコース一杯にツーシームを投げた。
比嘉は構えを解いて見送る。
「ストライク!」
狙ってるコースじゃなかったのか、それとも最初から打つ気が無かったのか。
再びバットを中邑に向けて構えた。
二球目はスライダーを外へ。しかし、コースに外れた。
これも見送る。
「ボール」
「インコース狙いか?」
「アウトコースの球は平然と見送ってますね。インコース狙いなのか、それとも…」
比嘉の狙いはインコースなのか。
その三球目はインコース低目からボールになるフォークを投げた。
見送ればボールになる低さだ。
「フン!…」
「えっ?」
気合いと共に、中邑に向けたバットを鋭いアッパースイングでフォークを捕らえた。
打球はライトへグーンと伸び、梁屋は一歩も動かず打球を見上げた。
スタンド中段へ突き刺さる先制のソロアーチでマシンガンズが1点を先取。
「はー…あのワンバンになりそうな低いフォークを、アッパースイングであそこまで運ぶのかよ」
榊は口をポカーンと開けている。
「凄いスイングスピードですね」
櫻井が要注意人物と言っただけある。
比嘉は今ホームイン。
マシンガンズ初回から1点を先行。
「交流戦って…難しいですね」
その割には櫻井の顔には笑みが。
「あの選手、そう簡単に抑える事は出来なさそうだ」
今日も敗けてしまうのだろうか。
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