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凛のこれから

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その夜・・・


 病院へ連れて行かれた僕はスパイクで蹴られたこともあり、全治3ヶ月と診断された。返ったらすぐに凛人に電話をかける・・・

「お疲れ、リン。」
「あーコウ!大丈夫か、膝?」
「あー問題ないよ。全治3ヶ月とは言われたけど、あんまり痛くはないし・・・それより、さすがの対応力だったね。」
「3ヶ月!?まじかよ・・・まぁお大事に。それよかちょっとやり過ぎたかも知んないぜ?部停1年になりそうだってよ。」

「ほんとか?それは悪いことをしちゃったなー。これをきっかけに部活をやめようとは思っていたけど、リンにまで迷惑をかけちゃうとはな・・・」
「え?コウ、サッカーやめんの?」
「あぁ、他のチームにいっても同じようなことになるだろうし、そもそも3年がかわいそうに思えてきちゃった。受験も考えないとだしなね。」

「ほんと、なんつー自信だよ。そっかー残念だな。コウとインターハイ出たかったのにな・・・。」
「ごめん。これも勝手な話だけど、リンにはサッカーを続けてほしい。結季と一緒に3人の夢を叶えてほしいんだ。」

「あぁ!絶対やってみせる。プロになってお前より凄いことを証明してやる。」
「期待してるぜ。クラブチームも幾つか推薦来てたから、代わりにリンを推しとくよ。」
「おぉ、さすがだ・・・そーいや、コウは次の部活どうすんの?」
「んー。まだ考えてないな。特に入る予定はないけど・・・1年から帰宅部というのも少し嫌だな。」

 と、笑いながら言ったところであくびが聞こえてきた。
「もう12時か。今日は色々あったから少し疲れたな。明日一緒に退部届けを出そうか。」
「え?もう?俺宿題やってなかった!!宿題やらなきゃだから、面倒な手続きは頼んだ!バイバイ。」

 慌ただしい奴である。
「リンの推薦も今日中にするか・・・」とつぶやいて、深呼吸。体を一伸ばしして、作業に取りかかる。静かな夜は更けていった。
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