76 / 114
生死の間の町
005
しおりを挟む
「なんつーか、ふっつーの街だな」
文弘は煙草を咥えながら呟く。
「田舎って感じ」
「田舎ですよ。コンビニなんてありませんし、こっちの方は。繁華街の方に二店舗くらいありますが」
理緒は繁華街のある方を指す。
「あっちはメイン通りみたいな感じで、ここの市長がやっている社会復帰施設があります」
「市長が? へえ……」
「うちの市長は凄いですよ。色々な問題を抱えている人たちを支えていますからね」
「ほぅ。それは凄いな。そんな凄い人、一度は見てみたいもんだ」
「先生にも会ってほしいです。が、この時期は市長はいつも忙しくて街にあまりいないんですよね」
「ふうん」
「そのうち会えると思いますから、話をしてみてください。是非」
「ん」
文弘は頷き、先の方にある大きな屋敷を見る。
「あの屋敷は?」
「あれは南条家。この街の地主というか、この街の持ち主です」
「持ち主?」
「ここは南条家の土地なんです。全部」
「マジか」
「マジです。そこの当主が僕の友人の南条由一。アホです」
「アホなんだ」
「アホです。というかデリカシーのない男です」
行ってみますか? と、理緒が訊くと。
行ってみる、と文弘は頷く。
「何かしら得られそうだ」
文弘は煙草を咥えながら呟く。
「田舎って感じ」
「田舎ですよ。コンビニなんてありませんし、こっちの方は。繁華街の方に二店舗くらいありますが」
理緒は繁華街のある方を指す。
「あっちはメイン通りみたいな感じで、ここの市長がやっている社会復帰施設があります」
「市長が? へえ……」
「うちの市長は凄いですよ。色々な問題を抱えている人たちを支えていますからね」
「ほぅ。それは凄いな。そんな凄い人、一度は見てみたいもんだ」
「先生にも会ってほしいです。が、この時期は市長はいつも忙しくて街にあまりいないんですよね」
「ふうん」
「そのうち会えると思いますから、話をしてみてください。是非」
「ん」
文弘は頷き、先の方にある大きな屋敷を見る。
「あの屋敷は?」
「あれは南条家。この街の地主というか、この街の持ち主です」
「持ち主?」
「ここは南条家の土地なんです。全部」
「マジか」
「マジです。そこの当主が僕の友人の南条由一。アホです」
「アホなんだ」
「アホです。というかデリカシーのない男です」
行ってみますか? と、理緒が訊くと。
行ってみる、と文弘は頷く。
「何かしら得られそうだ」
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
リモート刑事 笹本翔
雨垂 一滴
ミステリー
『リモート刑事 笹本翔』は、過去のトラウマと戦う一人の刑事が、リモート捜査で事件を解決していく、刑事ドラマです。
主人公の笹本翔は、かつて警察組織の中でトップクラスの捜査官でしたが、ある事件で仲間を失い、自身も重傷を負ったことで、外出恐怖症(アゴラフォビア)に陥り、現場に出ることができなくなってしまいます。
それでも、彼の卓越した分析力と冷静な判断力は衰えず、リモートで捜査指示を出しながら、次々と難事件を解決していきます。
物語の鍵を握るのは、翔の若き相棒・竹内優斗。熱血漢で行動力に満ちた優斗と、過去の傷を抱えながらも冷静に捜査を指揮する翔。二人の対照的なキャラクターが織りなすバディストーリーです。
翔は果たして過去のトラウマを克服し、再び現場に立つことができるのか?
翔と優斗が数々の難事件に挑戦します!
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる