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41,そろそろレブナートの頭がバカになりそう
しおりを挟む「……それで他の武器はどうするんです?」
アリスは10分ほど愛とはなにかを考え、クリスティーナは芝生の上で身もだえ、レブナートはどうしたらいいのかわからなかったので無言でいた。そして、どうしようもなくなったレブナートが口を開いた。
「私はやってもいいが……」
横目でクリスティーナを見る。
「……し、シナが疲れたみたいだし、そろそろ体を返すわ。じゃあね……レブナート」
レブナートだけに手を振り、シナへと戻った。
「……顔が熱いです⁉ 熱ですか⁉」
事態が呑み込めていなかったシナは相変わらずクエスチョンマークを飛ばしまくっていた。が――
「……なるほどー、これはこれは」
いきなりシナがうふふ……というより、デュフフと悪い顔で笑った。
「うわっ、気持ちわりぃ笑い方」
レブナートが一歩引く。
「……とりあえず、クリスティーナから色々聞いたから、鉄拳制裁!」
「いてぇーー⁉」
今日何度目かわからない鉄拳がレブナートを襲った。
「いてぇ……いてぇよ……」
涙目のレブナートを尻目に、シナは呟く。
「まったく、この男のどこがいいのかしら……? レブのいいところってどこでしょうねお嬢様?」
また愛とは何かの検証に入ろうとするアリスを止めるべく、シナはアリスに質問を投げかけた。
「レブナートのいいところか。そうだな……私が導き出した最適解は、強いことだ」
あまりにもどストレートというべきか、捻りの無いというべきか、そこじゃないと言うべきか言葉に困る回答が飛んできてシナは苦笑いをした。
「で、でも、強いってのは重要な事だからな!」
すかさず涙目のレブナートがフォローする。
「そ、それはそうだけど……強さかぁ……」
いまいち納得の行っていないシナ。
「なんだよ、文句あるか?」
「いや、アンタが強いのは認めるけどね……うーん、そう考えると難しいわね」
シナがうんうん考えていると、屋敷からいつの間にか消えていたケレナとクロイツが出てきた。
「お嬢様―、昼食の準備ができました。食堂へどうぞ!」
クロイツが手を振る。
「もうそんな時間か」
朝から色々な事があった。というより、ありすぎた。
「流石に空腹だ。二人とも食事に行くぞ」
ガシャガシャと武器を片づける。
「あら……懐かしいですね」
そんな武器たちを見て、ケレナが目を細める。
「これは、最初の当主が残した武器です。私も詳しくは聞いていないのですが、先代のメイド長によれば、クロード・オリヴァレンが使っていた武器だそうです。初めてこの屋敷に来た時に見せていただきました。でも、あの地下室の行き方は私とオリヴァレン家の者しかしらないはず……」
首をかしげるケレナ。それを見てシナが目をそらした。
「……まあいいでしょう。クロイツが作ったお食事が冷めてしまいます。片づけは後でいいので、とりあえずお越しください」
ケレナがそう言うのでアリスは武器を置き、ケレナとクロイツについていった。
「……もしかして、掃除中にいつの間にかいなくなってて、屋敷のどこ探してもいないときって……」
「……行くわよ! 冷める前に!」
レブナートの鋭い指摘から逃げるようにシナは屋敷へ歩いていった。
「図星だなありゃ……」
やれやれとレブナートもシナと共に屋敷に戻った。
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