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150,デビュー目前!

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「はい、二週間お疲れ様」
「……もう二度とこんな忙しさを体験したくないです」
 この激動の二週間を乗り越えた私は、一回りも二回りも成長していた。あ、胸囲は成長してませんからね……。
「メディアにも大量のアピールをしておいた。映画ももう公開される」
 佐島さんは本当に嬉しそうにタブレットの売上予想を見せてくる。
「まあ、売上はあまり気にしないけどね。そうしないと役員どもが怒るんだよー」
 ほんとにあの頑固頭共はとつまらなそうにため息をつく。
「えーっとですね、その」
 私はさっきから気になっていたことを聞くことにした。
「ん? どうしたんだい?」
「ここの番組出演というのは……」
 今配られたスケジュール表に書いてあったこの、番組出演という、謎のワードについて質問してみる。
「ああこれかい? 映画の宣伝も兼ねて、Mストに枠確保しておいた」
「なんてことをぉぉぉぉ!?」
 私は頭を抱えて立ち上がった。
「早すぎますよね!? ねえ!?」
 まだ色々と至らないところが多すぎるんですけど!
「ははは、まあ、何事も経験さ。がんばってネ」
 と、無責任にも笑って済まされてしまった。
「ああ、そう言えば」
 ふと思い出したように佐島さんがつぶやく。
「世界を救うとか言っていたけど、なにか進展はあったのかい?」
「あー……」
 覚えてましたかー。あー、覚えてましたかー。
 この前ついポロッと言ってしまった言葉。世界を救うこと。ナンバーズ習得のために、デビューしたと言っても過言ではないので、そこは重要です。で、結果なんですけど…………


 全然習得の兆しも見えませんでしたっ!

 歌ったり、踊ったりしているときも、一度もナンバーズ発動の兆しは見えませんでした! 歌とかダンスはうまくなってきているけれど、一向にナンバーズ習得に関することは進んでいません!
「うぅ、進展なしです……」
 一体どうしたらいいんですかね……
 しょんぼりとした私を見て、佐島さんは、秘書さんに何か耳打ちした。
「七香ちゃん、気にすることはないさ。そういうのはね、時期が来れば自然に進むんだよ。私もそうだったからね」
 佐島さんは焦りを知らない。私はそう思いました。どこまでも楽観的。でも、それこそが成功の秘訣なのかもしれません。
「おし、こういうときは、パーッと飲んで、気分転換をしようじゃないか!」
「だから未成年ですってば!」
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