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77,契約完了
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「リサ、本気か?」
「ええ、本気よ」
私の決心は揺るがない。
「元々悪い魔獣だったらどうするのじゃ?」
「そのときは……そのときよ」
はあ、と大きくため息をつくソア。
「まあいいわい。ただし、責任はしっかり持つんじゃぞ」
「はい」
なんかペットを飼うみたいな言い方みたい。
「じゃ、契約の魔法陣を書きますか」
そして十分後。
「ほれ、そこのスペルが間違っとるぞ。そのままだと、召喚の際の魔力消費が倍になるぞい」
「そこじゃそこ! gとhが逆じゃ! 機能しない魔法陣を作るつもりか!」
「なんじゃこの配置は! もう少し間隔を開けい!」
……とても厳しいソア先生のご指導の元、ようやく契約魔法陣が完成した。
「まあ、まずまずじゃな。これぐらいしっかりできていれば、契約不履行でもまあなんとかなるじゃろ。よし、やってみぃ」
け、契約不履行って……。
「じゃ、じゃあ行きます!」
すぅ、大きく息を吸った。
「汝我が呼びかけに答えよ。我が名は梨沙、魔導師なり。我汝の力欲するなり」
「……我は許そう。汝の呼びかけに対し、許諾。汝に尽くし我が力を貸さん」
魔獣の応答は良し。後は血の盟約だ。
私は、腰に掛けてある剣を抜き、軽く腕に押し当てる。すると、すーっと赤い線が入り、そこからぽたりぽたりと血が垂れ、魔法陣に染み込んでいく。
「……契約の対価はここに支払われた。我名はマルバス。契約は完了した」
そう言って魔獣は溶けるように消えた。
「……成功した?」
「そうじゃな。しかしあの魔獣、ソロモンの七十二柱の第五柱とはな」
「…………え? ソロモンの悪魔? 第五柱?」
「うむ。マルバスと言ったらかなり高位の悪魔じゃ。しかも、かなりいいヤツじゃ。リサ、本当に良い魔獣と契約できたの」
……ホントに運がいいのやら、悪いのやら。
「ええ、本気よ」
私の決心は揺るがない。
「元々悪い魔獣だったらどうするのじゃ?」
「そのときは……そのときよ」
はあ、と大きくため息をつくソア。
「まあいいわい。ただし、責任はしっかり持つんじゃぞ」
「はい」
なんかペットを飼うみたいな言い方みたい。
「じゃ、契約の魔法陣を書きますか」
そして十分後。
「ほれ、そこのスペルが間違っとるぞ。そのままだと、召喚の際の魔力消費が倍になるぞい」
「そこじゃそこ! gとhが逆じゃ! 機能しない魔法陣を作るつもりか!」
「なんじゃこの配置は! もう少し間隔を開けい!」
……とても厳しいソア先生のご指導の元、ようやく契約魔法陣が完成した。
「まあ、まずまずじゃな。これぐらいしっかりできていれば、契約不履行でもまあなんとかなるじゃろ。よし、やってみぃ」
け、契約不履行って……。
「じゃ、じゃあ行きます!」
すぅ、大きく息を吸った。
「汝我が呼びかけに答えよ。我が名は梨沙、魔導師なり。我汝の力欲するなり」
「……我は許そう。汝の呼びかけに対し、許諾。汝に尽くし我が力を貸さん」
魔獣の応答は良し。後は血の盟約だ。
私は、腰に掛けてある剣を抜き、軽く腕に押し当てる。すると、すーっと赤い線が入り、そこからぽたりぽたりと血が垂れ、魔法陣に染み込んでいく。
「……契約の対価はここに支払われた。我名はマルバス。契約は完了した」
そう言って魔獣は溶けるように消えた。
「……成功した?」
「そうじゃな。しかしあの魔獣、ソロモンの七十二柱の第五柱とはな」
「…………え? ソロモンの悪魔? 第五柱?」
「うむ。マルバスと言ったらかなり高位の悪魔じゃ。しかも、かなりいいヤツじゃ。リサ、本当に良い魔獣と契約できたの」
……ホントに運がいいのやら、悪いのやら。
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