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203,謎の影の正体とは
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203,謎の影の正体とは
「あー、食べた食べたー。ごちそうさまでした」
もう食えねぇ……。
「ごちそうさまでした」
リーヴァはあの山のような米をどこに入れたのかはわからないが、それを米粒一粒残さずペロリと食べきった。しかも肉もかなりの枚数を食べてた。
「さー、片付けをするか」
俺はまず空になった皿を台所に運ぶ。台所も広いな……。
「ああ、すいません。片付けをやらせてしまって」
「いえいえ、流石にタダ飯をがっつけほど肝が太くないんで。それに、シーナさんも手術でお疲れでしょう? 二人でやれば早く終わりますし」
ちなみにリーヴァは食堂の清掃をしてくれるらしい。ナナカは……知らん。
「……お優しいのですね、ネリアさんは」
「そうですか? うちでは普通ですよ。働かざる者食うべからず、そして働けなかったら後に挽回せよってね」
俺はスポンジを手に取り、洗剤をつけて皿を洗い始める。
「そういえば、さっき妹さんらしき人を見かけたんですけど」
シャコシャコ皿を擦りながらさっき見た人影の話をする。
「……妙ですね……あの子はまだ休眠中のはずなのですが……それに、他のお姉様方やソア様でもなさそうです」
「え? でも、この魔書館はナンバーズとソアさんしか入れないのでは?」
「ええ。そのとおりです。……この件は、ソア様に報告しておきます」
「でも、見間違いだったかもしれないんですけど……」
そこまで言われてしまうと、見間違いだった可能性が浮上してきた。
「いいえ、一応報告しておきましょう。万が一、なんてこともありますし」
謎の影の報告をしているうちに、皿の枚数は残り数枚となった。
「あとはやっておます。ネリアさんは先に部屋に戻ってお休みください」
「あー、じゃあすいません。お疲れさまでした」
「はい、ゆっくりお休みください」
「リーヴァ、お疲れ」
ほうきを持って、文字通り部屋を飛び回って掃除をしているリーヴァに声をかける。
「ご主人様こそお疲れさまです。もうじき終わりますので、少々お待ち下さい」
「あ、そう?」
俺は首をゴキゴキと鳴らす。あー、めっちゃ肩コリすげぇ。
「終わりました。おまたせしました」
「いや、流石だなリーヴァ。仕事が丁寧で完璧だ」
「そ、そんなことはございませんよ……えへへ」
……最近可愛さ指数爆上がりですよリーヴァさん!
「もう戻って休んでていいって言われたんだけど、少し暇だからさ、ちょっと話そうぜ」
「是非! お任せください!」
「おお、よかった。じゃあ、立ち話ってのもなんだから、部屋でするか」
「わかりました」
「ぬぬぬ……」
「ですので、ここの魔法式はこう転用すれば魔力効率がよくなるのです」
「なるほどなぁ……」
部屋に着いて、適当会話をしているうちにネタが尽きてきて、結局こういう話になってしまった。
「それでさ、その話の応用でこういう魔法陣を形成して威力をブーストしてみたいんだけど、どう思う?」
「いいアイディアだと思います。ただ、魔法陣を書くスピードが問題だと思います」
「だよなぁ……」
難しいなぁ。
「それよりもご主人様は瞬間的に魔力が上がったり下がったりするクセをなんとかすれば、もう少し威力という点でも良くなると思います」
「なる……ほど……」
……やば……急に眠くなってきた……。
「すまん……ちょっと寝る」
「はい、おやすみなさいませご主人様」
「あー、食べた食べたー。ごちそうさまでした」
もう食えねぇ……。
「ごちそうさまでした」
リーヴァはあの山のような米をどこに入れたのかはわからないが、それを米粒一粒残さずペロリと食べきった。しかも肉もかなりの枚数を食べてた。
「さー、片付けをするか」
俺はまず空になった皿を台所に運ぶ。台所も広いな……。
「ああ、すいません。片付けをやらせてしまって」
「いえいえ、流石にタダ飯をがっつけほど肝が太くないんで。それに、シーナさんも手術でお疲れでしょう? 二人でやれば早く終わりますし」
ちなみにリーヴァは食堂の清掃をしてくれるらしい。ナナカは……知らん。
「……お優しいのですね、ネリアさんは」
「そうですか? うちでは普通ですよ。働かざる者食うべからず、そして働けなかったら後に挽回せよってね」
俺はスポンジを手に取り、洗剤をつけて皿を洗い始める。
「そういえば、さっき妹さんらしき人を見かけたんですけど」
シャコシャコ皿を擦りながらさっき見た人影の話をする。
「……妙ですね……あの子はまだ休眠中のはずなのですが……それに、他のお姉様方やソア様でもなさそうです」
「え? でも、この魔書館はナンバーズとソアさんしか入れないのでは?」
「ええ。そのとおりです。……この件は、ソア様に報告しておきます」
「でも、見間違いだったかもしれないんですけど……」
そこまで言われてしまうと、見間違いだった可能性が浮上してきた。
「いいえ、一応報告しておきましょう。万が一、なんてこともありますし」
謎の影の報告をしているうちに、皿の枚数は残り数枚となった。
「あとはやっておます。ネリアさんは先に部屋に戻ってお休みください」
「あー、じゃあすいません。お疲れさまでした」
「はい、ゆっくりお休みください」
「リーヴァ、お疲れ」
ほうきを持って、文字通り部屋を飛び回って掃除をしているリーヴァに声をかける。
「ご主人様こそお疲れさまです。もうじき終わりますので、少々お待ち下さい」
「あ、そう?」
俺は首をゴキゴキと鳴らす。あー、めっちゃ肩コリすげぇ。
「終わりました。おまたせしました」
「いや、流石だなリーヴァ。仕事が丁寧で完璧だ」
「そ、そんなことはございませんよ……えへへ」
……最近可愛さ指数爆上がりですよリーヴァさん!
「もう戻って休んでていいって言われたんだけど、少し暇だからさ、ちょっと話そうぜ」
「是非! お任せください!」
「おお、よかった。じゃあ、立ち話ってのもなんだから、部屋でするか」
「わかりました」
「ぬぬぬ……」
「ですので、ここの魔法式はこう転用すれば魔力効率がよくなるのです」
「なるほどなぁ……」
部屋に着いて、適当会話をしているうちにネタが尽きてきて、結局こういう話になってしまった。
「それでさ、その話の応用でこういう魔法陣を形成して威力をブーストしてみたいんだけど、どう思う?」
「いいアイディアだと思います。ただ、魔法陣を書くスピードが問題だと思います」
「だよなぁ……」
難しいなぁ。
「それよりもご主人様は瞬間的に魔力が上がったり下がったりするクセをなんとかすれば、もう少し威力という点でも良くなると思います」
「なる……ほど……」
……やば……急に眠くなってきた……。
「すまん……ちょっと寝る」
「はい、おやすみなさいませご主人様」
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