301 / 598
第4章 分かり合えない
同情が正しいとは限らない
しおりを挟む
無理に打たれた点滴のおかげで、熱は一日で平熱まで下がった。
しかし、念のためにもう一日は安静にするように言われ、その一日を乗り切った今日には、ドラゴン出現ときた。
おかげであの日以来、シアノには会えないまま。
くすぶった気持ちは、もやもやと不快感を煽るばかり。
今は仕事中だ。
ちゃんと、切り替えなければ。
そうは思うのだが、耳につけたイヤホンから流れてくる喧騒がいやに遠く感じる。
どうしても、心の一部はシアノの方へと向いてしまうのだ。
「……ったく。見てらんねぇな。」
ふとそう声をかけられて隣を見れば、顔をしかめたルカが溜め息をついていた。
いつもなら一人で別場所待機をするのだが、今日はルカが一緒についてきてくれている。
あのルカが、文句の一つも言わずについてきてくれるのだ。
これは、よほど周囲に心配をかけたと見える。
「ごめんね。合図がきたら、ちゃんと切り替えるから。」
「分かってるよ。この程度で落ちぶれるような剣の腕じゃねえってことくらい。オレが見てらんねぇって言ってんのは、そういう意味じゃない。」
ルカは静かに、首を横に振る。
「前々から思ってたけど、お前は他人に感情移入しすぎなとこがあるよな。自分は自分、他人は他人でいいじゃねぇか。」
簡単にそう言うけど……
口をつぐんだキリハに、ルカはまた溜め息を吐き出す。
「言っとくけど、オレは別に、他人に冷たくなれって言ってるわけじゃないからな。お前の場合、他人への同情がいきすぎてるから、少しは気楽に考えろってことだから。」
ルカはそこで一度、イヤホンの向こうに意識を向けた。
戦況はまだまだ穏やか。
呼び出しの合図がかかるまでには、まだ余裕がありそうだ。
そう判断したルカは、また口を開く。
「お前の理想が高いのは知ってるよ。だけどな、出会う奴にいちいち同情なんてしてたら、さすがのお前も疲れるだろうが。自分と他人を分けて考えることは、自分の心を守るためにも必要なことなんだよ。」
「………」
「納得できねぇって顔だな。じゃあ、言い方を変えてやる。」
難しげに眉を寄せて地面を見つめるキリハに対し、ルカは特に悩まずに次の言葉を投げかけた。
「同情することが、必ずしも他人のためになるわけじゃない。特に、シアノの場合はそうなんじゃねぇかと、オレは思うぞ。」
「……え?」
それを聞いたキリハは、顔を跳ね上げる。
それは、一体どういうことなのだろう。
キリハの表情からそんな疑問を感じ取ったらしく、ルカは澱みなく語る。
「お前は、あいつのことを可哀想だと思ったんだろう。だけど、あいつは自分のことを可哀想だなんて思ってないんだ。他人に嫌な目を向けられることも、親に愛されなかったことも、あいつにとっては普通のことなんだ。」
「そんなの…っ」
「とりあえず、話は最後まで聞け。大事なのはここからだ。」
口を挟みかけたキリハを一蹴し、ルカは淡々と続けた。
「世間一般の普通とは違っても、それがあいつにとっての普通なんだ。どんなに理不尽な境遇にいたとしても、それが普通で日常なら、多少不愉快でもつらくはないもんだ。だからあいつは、割とケロッとしてただろ。」
「あ…」
「そんなあいつに、オレらが下手に同情したせいで、〝自分が可哀想なんだ〟って自覚させちまったらどうする? なんとも思ってなかった普通をつらいと思わせたら、その時になって泣きを見るのはオレらじゃないんだぞ。せっかく、今の普通をすんなりと受け入れられてるんだ。わざわざ、それを否定させなくてもいいだろう。」
「そっ…か……」
目を見開いて、茫然と呟くキリハ。
ルカの指摘で、今まで見えていなかったものが露わになる。
確かに、シアノは言っていた。
嫌われているのは知っていたから、捨てられたと知っても悲しくはなかったと。
自分が普通じゃないことは知っている、と。
なんとも思っていないような口調でシアノがそう告げたのは、別につらいことを我慢しているからじゃない。
単純に、それが普通と比べたら悲しくてつらいことだと知らないからなのだ。
三日前は色んなことを知らないシアノに対して胸が痛くなったが、知らないことはシアノの心を守ることに一役買っていたわけだ。
でも、だったら……
「俺、どうすればいいんだろう。」
途端に、心は不安で覆い尽くされる。
「ああ?」
怪訝そうな声をあげるルカに、キリハは青い顔で続ける。
「だって俺、本当にどうすればいいか分からないんだもん。同情してシアノの代わりに泣いたり怒ったりしても、あまり意味がないことは分かったけど…。だからといって、シアノのために何をすればいいのかは、分からないまんまで……」
この三日、切ないくらいに悩んだ。
自分は、シアノのために何をしてやれる?
シアノは何を求めているのだろう。
どうすれば、シアノのこれからを変えていけるのだろう。
考えても考えても分からなくて、時間はただ過ぎていくばかりで。
こうしている間にも、現在進行形でエリクに迷惑をかけていると思うと、気が焦って思考が空回りして。
「……なあ。一つ、訊いていいか?」
眉を下げるキリハに、ルカが問う。
「お前さ、熱でぶっ倒れた日から、やたらとシアノに会いに行きたがってたよな? 会って、何がしたかったんだ? 何をすりゃいいか、分からないんだろ?」
「それは……その……」
単刀直入に訊ねられ、キリハは思いきり狼狽えた。
当然ながら、即答できるほどの答えなど持っていなかったからだ。
「よく、分からない……」
十数秒考えても答えを引き出せず、キリハはしょんぼりと肩を落とした。
「でも、ただ傍にいてあげたい……って、そう思ったんだ。シアノは変じゃないって。シアノが悪いんじゃないって。それに、俺は絶対に味方だって。それだけは、どうしても伝えたくて……」
何がシアノのためなのかは分からない。
でも、シアノが自分自身のことを変だと思っているのだとしたら、それだけは違うと伝えたかった。
言葉じゃ伝えきれなくても、傍にいることで何かしら伝わればいい。
自分はシアノのことを受け入れているんだと、少しでもこの気持ちが伝わればいい。
そう思ったのだ。
「なら、それが答えでいいんじゃねぇか。」
じっとこちらの言葉に耳を傾けていたルカが告げたのは、そんな一言だった。
しかし、念のためにもう一日は安静にするように言われ、その一日を乗り切った今日には、ドラゴン出現ときた。
おかげであの日以来、シアノには会えないまま。
くすぶった気持ちは、もやもやと不快感を煽るばかり。
今は仕事中だ。
ちゃんと、切り替えなければ。
そうは思うのだが、耳につけたイヤホンから流れてくる喧騒がいやに遠く感じる。
どうしても、心の一部はシアノの方へと向いてしまうのだ。
「……ったく。見てらんねぇな。」
ふとそう声をかけられて隣を見れば、顔をしかめたルカが溜め息をついていた。
いつもなら一人で別場所待機をするのだが、今日はルカが一緒についてきてくれている。
あのルカが、文句の一つも言わずについてきてくれるのだ。
これは、よほど周囲に心配をかけたと見える。
「ごめんね。合図がきたら、ちゃんと切り替えるから。」
「分かってるよ。この程度で落ちぶれるような剣の腕じゃねえってことくらい。オレが見てらんねぇって言ってんのは、そういう意味じゃない。」
ルカは静かに、首を横に振る。
「前々から思ってたけど、お前は他人に感情移入しすぎなとこがあるよな。自分は自分、他人は他人でいいじゃねぇか。」
簡単にそう言うけど……
口をつぐんだキリハに、ルカはまた溜め息を吐き出す。
「言っとくけど、オレは別に、他人に冷たくなれって言ってるわけじゃないからな。お前の場合、他人への同情がいきすぎてるから、少しは気楽に考えろってことだから。」
ルカはそこで一度、イヤホンの向こうに意識を向けた。
戦況はまだまだ穏やか。
呼び出しの合図がかかるまでには、まだ余裕がありそうだ。
そう判断したルカは、また口を開く。
「お前の理想が高いのは知ってるよ。だけどな、出会う奴にいちいち同情なんてしてたら、さすがのお前も疲れるだろうが。自分と他人を分けて考えることは、自分の心を守るためにも必要なことなんだよ。」
「………」
「納得できねぇって顔だな。じゃあ、言い方を変えてやる。」
難しげに眉を寄せて地面を見つめるキリハに対し、ルカは特に悩まずに次の言葉を投げかけた。
「同情することが、必ずしも他人のためになるわけじゃない。特に、シアノの場合はそうなんじゃねぇかと、オレは思うぞ。」
「……え?」
それを聞いたキリハは、顔を跳ね上げる。
それは、一体どういうことなのだろう。
キリハの表情からそんな疑問を感じ取ったらしく、ルカは澱みなく語る。
「お前は、あいつのことを可哀想だと思ったんだろう。だけど、あいつは自分のことを可哀想だなんて思ってないんだ。他人に嫌な目を向けられることも、親に愛されなかったことも、あいつにとっては普通のことなんだ。」
「そんなの…っ」
「とりあえず、話は最後まで聞け。大事なのはここからだ。」
口を挟みかけたキリハを一蹴し、ルカは淡々と続けた。
「世間一般の普通とは違っても、それがあいつにとっての普通なんだ。どんなに理不尽な境遇にいたとしても、それが普通で日常なら、多少不愉快でもつらくはないもんだ。だからあいつは、割とケロッとしてただろ。」
「あ…」
「そんなあいつに、オレらが下手に同情したせいで、〝自分が可哀想なんだ〟って自覚させちまったらどうする? なんとも思ってなかった普通をつらいと思わせたら、その時になって泣きを見るのはオレらじゃないんだぞ。せっかく、今の普通をすんなりと受け入れられてるんだ。わざわざ、それを否定させなくてもいいだろう。」
「そっ…か……」
目を見開いて、茫然と呟くキリハ。
ルカの指摘で、今まで見えていなかったものが露わになる。
確かに、シアノは言っていた。
嫌われているのは知っていたから、捨てられたと知っても悲しくはなかったと。
自分が普通じゃないことは知っている、と。
なんとも思っていないような口調でシアノがそう告げたのは、別につらいことを我慢しているからじゃない。
単純に、それが普通と比べたら悲しくてつらいことだと知らないからなのだ。
三日前は色んなことを知らないシアノに対して胸が痛くなったが、知らないことはシアノの心を守ることに一役買っていたわけだ。
でも、だったら……
「俺、どうすればいいんだろう。」
途端に、心は不安で覆い尽くされる。
「ああ?」
怪訝そうな声をあげるルカに、キリハは青い顔で続ける。
「だって俺、本当にどうすればいいか分からないんだもん。同情してシアノの代わりに泣いたり怒ったりしても、あまり意味がないことは分かったけど…。だからといって、シアノのために何をすればいいのかは、分からないまんまで……」
この三日、切ないくらいに悩んだ。
自分は、シアノのために何をしてやれる?
シアノは何を求めているのだろう。
どうすれば、シアノのこれからを変えていけるのだろう。
考えても考えても分からなくて、時間はただ過ぎていくばかりで。
こうしている間にも、現在進行形でエリクに迷惑をかけていると思うと、気が焦って思考が空回りして。
「……なあ。一つ、訊いていいか?」
眉を下げるキリハに、ルカが問う。
「お前さ、熱でぶっ倒れた日から、やたらとシアノに会いに行きたがってたよな? 会って、何がしたかったんだ? 何をすりゃいいか、分からないんだろ?」
「それは……その……」
単刀直入に訊ねられ、キリハは思いきり狼狽えた。
当然ながら、即答できるほどの答えなど持っていなかったからだ。
「よく、分からない……」
十数秒考えても答えを引き出せず、キリハはしょんぼりと肩を落とした。
「でも、ただ傍にいてあげたい……って、そう思ったんだ。シアノは変じゃないって。シアノが悪いんじゃないって。それに、俺は絶対に味方だって。それだけは、どうしても伝えたくて……」
何がシアノのためなのかは分からない。
でも、シアノが自分自身のことを変だと思っているのだとしたら、それだけは違うと伝えたかった。
言葉じゃ伝えきれなくても、傍にいることで何かしら伝わればいい。
自分はシアノのことを受け入れているんだと、少しでもこの気持ちが伝わればいい。
そう思ったのだ。
「なら、それが答えでいいんじゃねぇか。」
じっとこちらの言葉に耳を傾けていたルカが告げたのは、そんな一言だった。
0
お気に入りに追加
60
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢にざまぁされた王子のその後
柚木崎 史乃
ファンタジー
王子アルフレッドは、婚約者である侯爵令嬢レティシアに窃盗の濡れ衣を着せ陥れようとした罪で父王から廃嫡を言い渡され、国外に追放された。
その後、炭鉱の町で鉱夫として働くアルフレッドは反省するどころかレティシアや彼女の味方をした弟への恨みを募らせていく。
そんなある日、アルフレッドは行く当てのない訳ありの少女マリエルを拾う。
マリエルを養子として迎え、共に生活するうちにアルフレッドはやがて自身の過去の過ちを猛省するようになり改心していった。
人生がいい方向に変わったように見えたが……平穏な生活は長く続かず、事態は思わぬ方向へ動き出したのだった。
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
4層世界の最下層、魔物の森で生き残る~生存率0.1%未満の試練~
TOYA
ファンタジー
~完結済み~
「この世界のルールはとても残酷だ。10歳の洗礼の試練は避ける事が出来ないんだ」
この世界で大人になるには、10歳で必ず発生する洗礼の試練で生き残らなければならない。
その試練はこの世界の最下層、魔物の巣窟にたった一人で放り出される残酷な内容だった。
生存率は1%未満。大勢の子供たちは成す術も無く魔物に食い殺されて行く中、
生き延び、帰還する為の魔法を覚えなければならない。
だが……魔法には帰還する為の魔法の更に先が存在した。
それに気がついた主人公、ロフルはその先の魔法を習得すべく
帰還せず魔物の巣窟に残り、奮闘する。
いずれ同じこの地獄へと落ちてくる、妹弟を救うために。
※あらすじは第一章の内容です。
―――
本作品は小説家になろう様 カクヨム様でも連載しております。
【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
グライフトゥルム戦記~微笑みの軍師マティアスの救国戦略~
愛山雄町
ファンタジー
エンデラント大陸最古の王国、グライフトゥルム王国の英雄の一人である、マティアス・フォン・ラウシェンバッハは転生者である。
彼は類い稀なる知力と予知能力を持つと言われるほどの先見性から、“知将マティアス”や“千里眼のマティアス”と呼ばれることになる。
彼は大陸最強の軍事国家ゾルダート帝国や狂信的な宗教国家レヒト法国の侵略に対し、優柔不断な国王や獅子身中の虫である大貴族の有形無形の妨害にあいながらも、旧態依然とした王国軍の近代化を図りつつ、敵国に対して謀略を仕掛け、危機的な状況を回避する。
しかし、宿敵である帝国には軍事と政治の天才が生まれ、更に謎の暗殺者集団“夜(ナハト)”や目的のためなら手段を選ばぬ魔導師集団“真理の探究者”など一筋縄ではいかぬ敵たちが次々と現れる。
そんな敵たちとの死闘に際しても、絶対の自信の表れとも言える余裕の笑みを浮かべながら策を献じたことから、“微笑みの軍師”とも呼ばれていた。
しかし、マティアスは日本での記憶を持った一般人に過ぎなかった。彼は情報分析とプレゼンテーション能力こそ、この世界の人間より優れていたものの、軍事に関する知識は小説や映画などから得たレベルのものしか持っていなかった。
更に彼は生まれつき身体が弱く、武術も魔導の才もないというハンディキャップを抱えていた。また、日本で得た知識を使った技術革新も、世界を崩壊させる危険な技術として封じられてしまう。
彼の代名詞である“微笑み”も単に苦し紛れの策に対する苦笑に過ぎなかった。
マティアスは愛する家族や仲間を守るため、大賢者とその配下の凄腕間者集団の力を借りつつ、優秀な友人たちと力を合わせて強大な敵と戦うことを決意する。
彼は情報の重要性を誰よりも重視し、巧みに情報を利用した謀略で敵を混乱させ、更に戦場では敵の意表を突く戦術を駆使して勝利に貢献していく……。
■■■
あらすじにある通り、主人公にあるのは日本で得た中途半端な知識のみで、チートに類する卓越した能力はありません。基本的には政略・謀略・軍略といったシリアスな話が主となる予定で、恋愛要素は少なめ、ハーレム要素はもちろんありません。前半は裏方に徹して情報収集や情報操作を行うため、主人公が出てくる戦闘シーンはほとんどありません。
■■■
小説家になろう、カクヨム、ノベルアップ+でも掲載しております。
超時空スキルを貰って、幼馴染の女の子と一緒に冒険者します。
烏帽子 博
ファンタジー
クリスは、孤児院で同い年のララと、院長のシスター メリジェーンと祝福の儀に臨んだ。
その瞬間クリスは、真っ白な空間に召喚されていた。
「クリス、あなたに超時空スキルを授けます。
あなたの思うように過ごしていいのよ」
真っ白なベールを纏って後光に包まれたその人は、それだけ言って消えていった。
その日クリスに司祭から告げられたスキルは「マジックポーチ」だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる