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7.初仕事
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「………だれ?」
ギシッとわたしの部屋の前の床が軋んだ音がした。
おそるおそる戸をあけてみると、
「スズナ様!アキラ様がお待ちです。ご一緒にお越しください!」
わたしのまえで跪いて話す人がいた。
この人は……ヤマトさんでもカケルさんでもない……。
アキラ様…………って、あぁ、あの怖い王様ね。
そういえば、昨日なにか重要な約束をしたような気が……。
疲れすぎてあまり覚えていないけれど…
今から彼のところに行かなきゃいけないなんて……、気が重いわ…。
っていうか!
なによ!"スズナ様"って!!
わたし"様"っていうガラじゃないわよ!
「…、わかりました…行きます…。それより、そのスズナ様っていうの、やめてくれないかしら。わたしは"様"なんてつけられるような人間じゃないわ。」
「いえ!!あなた様はアキラ様に見初められたお方!敬わずにはおれません。さあ、アキラ様がお待ちです。行きましょう!」
と言って彼は立ち上がり歩き出した。
…なによ、見初められたって。
見初められた記憶が全くないのですが…。
まあ、とりあえずついて行きましょう。
・ ・ ・ ・ ・
「アキラ様!お待たせいたしました!」
彼の声とともにわたしは昨日と同じ部屋へと足を踏み出した。
はぁ…
相変わらず大きな扉ね。
「おぉ、待っていたぞ。ユキナリ、ご苦労であった。下がってよいぞ。」
「はっ!」
"ユキナリ"と呼ばれたその男の人はすっと私たちの前を後にした。
「さて……。昨晩はよく眠れたか?」
王がわたしに問いかける。
昨日……は、
ああ、泣いているうちに眠ってしまったんだな…。
なんだか泣いたからか、昨日よりもすっきりとした気持ちでここにたてている気がする。
「ええ、眠れました。ありがとうございます。」
彼はじっとわたしの目を見ながらわたしの話すことを聞いていた。
なんだか心の中まで見透かされているような気がしてまた少し恐れを感じてしまった。
少し時間が経って彼は
「そうか、それは良かった。」
と言った。
わたしはその瞬間少しドキッとしてしまった。
だって、あんまりにも彼が綺麗に微笑むから…。
まるで、心の底から安心したかのような…。
やっぱり整った顔をしているな、と改めて思った。
「さて……昨日言っていた仕事のことだがな…」
……そういえばそんなことを言っていたような…。
そうですよねー、さすがにタダで住めるとか思っていませんよー。
もうこの際なんでもこい!!
少し身構えていると、
「ふっ…、そんなにガチガチにならんでよい。お前の今日の仕事はカケルと町に出かけてきて欲しい。ここは初めてだろう。せっかくだ、少しこの辺に慣れた方がいいからな。」
…………え??
そ、そんなことで……
「そ…それだけですか??」
思わず心の声が出てしまうと、彼は
「………不満か?ならもっとキツイ仕事を任せてもよいがな。」
と不敵に笑った。
ああ、背筋が凍りそうだ。
「いえいえいえいえ!!!町に出かけてきます!」
そういうと、彼はニヤリと笑って
「カケル!」
と呼んだ。
「はっ!!」
………はやっ!
カケルさん…いつからいたのよ……。
「全部聞いていたな。では、スズナのこと、頼んだぞ。」
「はっ!」
「では、スズナ、行こうか。」
ゆったりと柔らかな笑みを浮かべるカケルさんが目の前にいた。
「……はい……。」
わたしはなんとも拍子抜けした感じでこの部屋を後にした。
アキラ様がこのような仕事をわたしに託したのも、彼なりの優しさだったと気づいたのはもう少し先の話だ。
ギシッとわたしの部屋の前の床が軋んだ音がした。
おそるおそる戸をあけてみると、
「スズナ様!アキラ様がお待ちです。ご一緒にお越しください!」
わたしのまえで跪いて話す人がいた。
この人は……ヤマトさんでもカケルさんでもない……。
アキラ様…………って、あぁ、あの怖い王様ね。
そういえば、昨日なにか重要な約束をしたような気が……。
疲れすぎてあまり覚えていないけれど…
今から彼のところに行かなきゃいけないなんて……、気が重いわ…。
っていうか!
なによ!"スズナ様"って!!
わたし"様"っていうガラじゃないわよ!
「…、わかりました…行きます…。それより、そのスズナ様っていうの、やめてくれないかしら。わたしは"様"なんてつけられるような人間じゃないわ。」
「いえ!!あなた様はアキラ様に見初められたお方!敬わずにはおれません。さあ、アキラ様がお待ちです。行きましょう!」
と言って彼は立ち上がり歩き出した。
…なによ、見初められたって。
見初められた記憶が全くないのですが…。
まあ、とりあえずついて行きましょう。
・ ・ ・ ・ ・
「アキラ様!お待たせいたしました!」
彼の声とともにわたしは昨日と同じ部屋へと足を踏み出した。
はぁ…
相変わらず大きな扉ね。
「おぉ、待っていたぞ。ユキナリ、ご苦労であった。下がってよいぞ。」
「はっ!」
"ユキナリ"と呼ばれたその男の人はすっと私たちの前を後にした。
「さて……。昨晩はよく眠れたか?」
王がわたしに問いかける。
昨日……は、
ああ、泣いているうちに眠ってしまったんだな…。
なんだか泣いたからか、昨日よりもすっきりとした気持ちでここにたてている気がする。
「ええ、眠れました。ありがとうございます。」
彼はじっとわたしの目を見ながらわたしの話すことを聞いていた。
なんだか心の中まで見透かされているような気がしてまた少し恐れを感じてしまった。
少し時間が経って彼は
「そうか、それは良かった。」
と言った。
わたしはその瞬間少しドキッとしてしまった。
だって、あんまりにも彼が綺麗に微笑むから…。
まるで、心の底から安心したかのような…。
やっぱり整った顔をしているな、と改めて思った。
「さて……昨日言っていた仕事のことだがな…」
……そういえばそんなことを言っていたような…。
そうですよねー、さすがにタダで住めるとか思っていませんよー。
もうこの際なんでもこい!!
少し身構えていると、
「ふっ…、そんなにガチガチにならんでよい。お前の今日の仕事はカケルと町に出かけてきて欲しい。ここは初めてだろう。せっかくだ、少しこの辺に慣れた方がいいからな。」
…………え??
そ、そんなことで……
「そ…それだけですか??」
思わず心の声が出てしまうと、彼は
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と不敵に笑った。
ああ、背筋が凍りそうだ。
「いえいえいえいえ!!!町に出かけてきます!」
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「はっ!」
「では、スズナ、行こうか。」
ゆったりと柔らかな笑みを浮かべるカケルさんが目の前にいた。
「……はい……。」
わたしはなんとも拍子抜けした感じでこの部屋を後にした。
アキラ様がこのような仕事をわたしに託したのも、彼なりの優しさだったと気づいたのはもう少し先の話だ。
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