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6.夜の闇

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わたしはカケルさんとヤマトさんに連れられて、一つの部屋の前にたどり着いた。

「ここが今日からお前の部屋だ。まあ、好きに使うといい。なにかあったらいつでも俺らを呼べ。向かいの部屋にいるからな。」

「慣れないことが多いとは思うが、まずは今日しっかり休め。では、また明日な。」

ヤマトさんとカケルさんは一言ずつわたしに声をかけると、自分の部屋へ歩いて行った。


わたしは2人が見えなくなるまで呆然とその場に立ち尽くし、不意に我に返って部屋へと入って行った。


ここがお前の部屋だと言われたけれど……、

辺りを見回してみると、

ただ一言。


広すぎでは??


どこからきたのかわからないような女に貸すような部屋ではないと思われる………。

いや、てかまあ、身元不明正体不明の女に易々と仕事を手伝わせるこの城の王も相当な変わり者だと思ったけど……。


綺麗な白の障子が張られた戸が何枚も連なっている。
部屋の真ん中には布団が敷いてあって、その隣には机が置いてある。
まるで誰かが来るのがわかっていたかのような準備の良さに、少し驚きを感じた。


しかし、1番に感じた違和感は……


電気がない!!!

置いてあるのはちょうちん……なのかしら。
ランプ?ろうそく?のようなものが枕元に1つだけ、置いてあった。



あぁ………、やっぱりわたしは過去に来てしまったのね……。

しかも、わたしの知らない歴史の過去の世界に……。

自分の中でわたしの身に起きていることを認めさせるにはあまりにも厳しい出来事だった。


ずっとバタバタと行動していたから深く考えられなかったけれど、ふと自分の時間をとると、言い表しようのない心細さに立っていられなくなる。

ふらふらとわたしは布団に腰を下ろした。


「………っふっ……。……う、、うぅ……。」

自然と涙が溢れた。

ねえ、わたしはどうしていけばいいの?
このまま家に帰れなかったらどうしたらいいの…?

「おか…あ…さん……。お…と、さん…。
………。」


1人つぶやいてみるけれど、誰も聞いてはいないのね。

そう思うと寂しさが増してしまったような気がした。


私がいま持っているものは、学校のカバンの中の教科書と携帯だけ……。
しかも携帯は繋がらないし。

なんの役にも立たないわ。

布団の中に顔を埋める。

あぁ、この暗さは今のわたしの未来を示しているようね。

もう、なにも、考えられない……。



・・・・・




気がつくと、朝日が差し込んでいた。

あぁ、、やっぱり夢じゃない。
わたしが見ている光景は昨日見た部屋と同じで、明るくなると昨日以上に広く感じた。


その時、部屋の外で床が軋む音がした。


「……………だれ?」

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