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エピローグ(完結です!)
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邪神の側にいたレグルスを呼んだ。
「レグルス、後は私がやろう。すべての罪は私が、背負う!」
ジャンヌはレグルスから神剣を借りると邪神の側で祈りを捧げた。
「女神の使徒であるジャンヌ・ダルクが、女神様に安らぎと力をお返し致します!」
神力を込めた神剣を邪神の心臓に突き刺した。
神剣は邪神の身体に吸い込まれるように消えていき、一瞬ではあったが女神本来の姿に戻ると蒼い炎に包まれ消えていった。
「ジャンヌ団長、今のは………」
「さぁな。神は不滅だ。信仰心が生き続ければ、いつか力を取り戻し、また顕現されるかもね。まぁ、何百年も先の話しだろうがな」
ジャンヌは周囲を見渡して皆に言った。
「これから忙しくなるぞ!みんな、最後までは力を貸して欲しい!」
レグルスを含めて皆が力強く頷いた。カーラの死で落ち込んでいたミリアも、涙を拭いてやる気に満ちていた。
・
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あれから確かに忙しくて大変だった。
インペリアル国は全地域で洗脳されており、ブラドが死んだ時、洗脳の魔術は解けたが、薬の影響は残ったままだった。解毒剤と魔法で、各国に現状を伝えて医師団と薬を送って貰った。
ブラドの言った通り、国民に死ねといった洗脳の言葉は実行されていた。それなりの民が自殺していたのだ。
しかし、そのほとんどは未遂で助かった。
催眠術でも無意識に自分が死ぬ、傷付く暗示は自己防衛が働き拒否されるようだ。
それによりジャンヌ団長及び神炎騎士団は一部、非難されたが、国を救った事は本当であり、ジャンヌに統治された場所の地域は、かつてより栄えている事もあり、非難はすぐに収まっていった。
そしてしばらくの月日が流れた───
あれから3年経ち、各地の情勢も落ち着きを取り戻し、インペリアル国も新たな執政官が一生懸命に働き、国民も洗脳の後遺症が治って活気を取り戻してきた。
「あ~あ、今頃、団長はどこで何をしているんだろうね」
「さぁね。でもあの二人なら何があっても大丈夫じゃない?それに、私達に何か困った事があれば助けに戻ってきてくれるよ」
聖王国に戻ったリタとミリアは、居なくなった二人を思い出していた。
ジャンヌ団長は、大陸を統一する偉業を達成した。邪神の使徒の暗躍があったとはいえ、邪神を倒した事も各地で讃えられた。
しかし、2年経って、情勢が落ち着いてきた頃を見計らって、団長及び教皇の座を辞退して旅にでると言い出した。
大陸の戦争を無くす為に、1番の血を流させたのが自分だと自覚していたのだ。
そして、それにレグルスも同行していった。ジャンヌが人知れず消えるつもりだと感じていたからだ。
一部の権力者は大陸を統一したジャンヌ・ダルクを危険視する者もいた。
故に、ジャンヌは傭兵を各国の騎士団に編入させたり、希望者には土地を与えて、帰る場所を与える事により、戦力を分散させ危険視する声を抑えた。
その根回しに2年の時間を要したのだ。
各地では小さないざこざは確かにある。しかし、国を上げての戦はなくなり、傭兵達が騎士団となって巡回する事で、街道が安全になり物流がより潤滑に通る様になった。
それにより、大陸中が好景気になったのだった。
バルドも国に戻り、より自国を豊かにする為に、国民総出で土地を耕し豊かにしていった。
副団長のクレアは神炎騎士団の団長を引き継ぎ、厳しく騎士団を鍛えている。いつジャンヌ団長が戻ってきても良いように。
そして、もう少し後になるが、レグルスと親しかったミリアとリタは、レグルスがやってきた怒涛の日々を小説として書き出し出版した。
大陸を統一したジャンヌ・ダルクの側近が書いた『史実』を元にした小説は飛ぶように売れて、人々の記憶に長く残る事になる。
そして更に月日は流れて────
時々、変わった風の噂が流れてくるようになった。
男女の子連れの傭兵が盗賊を退治しているという。
1人は美しい金髪の女性で、1人は黒髪の男だという。
ジャンヌ団長と勇者レグルスを知っている仲間達はその噂を聞いて、酒の肴として笑顔で笑ったという。
【FIN】
これで完結です!
約半年もの間、お付き合いして頂きありがとうございました!
次の新作小説でお会いしましょう!
「レグルス、後は私がやろう。すべての罪は私が、背負う!」
ジャンヌはレグルスから神剣を借りると邪神の側で祈りを捧げた。
「女神の使徒であるジャンヌ・ダルクが、女神様に安らぎと力をお返し致します!」
神力を込めた神剣を邪神の心臓に突き刺した。
神剣は邪神の身体に吸い込まれるように消えていき、一瞬ではあったが女神本来の姿に戻ると蒼い炎に包まれ消えていった。
「ジャンヌ団長、今のは………」
「さぁな。神は不滅だ。信仰心が生き続ければ、いつか力を取り戻し、また顕現されるかもね。まぁ、何百年も先の話しだろうがな」
ジャンヌは周囲を見渡して皆に言った。
「これから忙しくなるぞ!みんな、最後までは力を貸して欲しい!」
レグルスを含めて皆が力強く頷いた。カーラの死で落ち込んでいたミリアも、涙を拭いてやる気に満ちていた。
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あれから確かに忙しくて大変だった。
インペリアル国は全地域で洗脳されており、ブラドが死んだ時、洗脳の魔術は解けたが、薬の影響は残ったままだった。解毒剤と魔法で、各国に現状を伝えて医師団と薬を送って貰った。
ブラドの言った通り、国民に死ねといった洗脳の言葉は実行されていた。それなりの民が自殺していたのだ。
しかし、そのほとんどは未遂で助かった。
催眠術でも無意識に自分が死ぬ、傷付く暗示は自己防衛が働き拒否されるようだ。
それによりジャンヌ団長及び神炎騎士団は一部、非難されたが、国を救った事は本当であり、ジャンヌに統治された場所の地域は、かつてより栄えている事もあり、非難はすぐに収まっていった。
そしてしばらくの月日が流れた───
あれから3年経ち、各地の情勢も落ち着きを取り戻し、インペリアル国も新たな執政官が一生懸命に働き、国民も洗脳の後遺症が治って活気を取り戻してきた。
「あ~あ、今頃、団長はどこで何をしているんだろうね」
「さぁね。でもあの二人なら何があっても大丈夫じゃない?それに、私達に何か困った事があれば助けに戻ってきてくれるよ」
聖王国に戻ったリタとミリアは、居なくなった二人を思い出していた。
ジャンヌ団長は、大陸を統一する偉業を達成した。邪神の使徒の暗躍があったとはいえ、邪神を倒した事も各地で讃えられた。
しかし、2年経って、情勢が落ち着いてきた頃を見計らって、団長及び教皇の座を辞退して旅にでると言い出した。
大陸の戦争を無くす為に、1番の血を流させたのが自分だと自覚していたのだ。
そして、それにレグルスも同行していった。ジャンヌが人知れず消えるつもりだと感じていたからだ。
一部の権力者は大陸を統一したジャンヌ・ダルクを危険視する者もいた。
故に、ジャンヌは傭兵を各国の騎士団に編入させたり、希望者には土地を与えて、帰る場所を与える事により、戦力を分散させ危険視する声を抑えた。
その根回しに2年の時間を要したのだ。
各地では小さないざこざは確かにある。しかし、国を上げての戦はなくなり、傭兵達が騎士団となって巡回する事で、街道が安全になり物流がより潤滑に通る様になった。
それにより、大陸中が好景気になったのだった。
バルドも国に戻り、より自国を豊かにする為に、国民総出で土地を耕し豊かにしていった。
副団長のクレアは神炎騎士団の団長を引き継ぎ、厳しく騎士団を鍛えている。いつジャンヌ団長が戻ってきても良いように。
そして、もう少し後になるが、レグルスと親しかったミリアとリタは、レグルスがやってきた怒涛の日々を小説として書き出し出版した。
大陸を統一したジャンヌ・ダルクの側近が書いた『史実』を元にした小説は飛ぶように売れて、人々の記憶に長く残る事になる。
そして更に月日は流れて────
時々、変わった風の噂が流れてくるようになった。
男女の子連れの傭兵が盗賊を退治しているという。
1人は美しい金髪の女性で、1人は黒髪の男だという。
ジャンヌ団長と勇者レグルスを知っている仲間達はその噂を聞いて、酒の肴として笑顔で笑ったという。
【FIN】
これで完結です!
約半年もの間、お付き合いして頂きありがとうございました!
次の新作小説でお会いしましょう!
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