☆レグルス戦記☆

naturalsoft

文字の大きさ
上 下
130 / 130

エピローグ(完結です!)

しおりを挟む
邪神の側にいたレグルスを呼んだ。

「レグルス、後は私がやろう。すべての罪は私が、背負う!」

ジャンヌはレグルスから神剣を借りると邪神の側で祈りを捧げた。

「女神の使徒であるジャンヌ・ダルクが、女神様に安らぎと力をお返し致します!」

神力を込めた神剣を邪神の心臓に突き刺した。
神剣は邪神の身体に吸い込まれるように消えていき、一瞬ではあったが女神本来の姿に戻ると蒼い炎に包まれ消えていった。

「ジャンヌ団長、今のは………」
「さぁな。神は不滅だ。信仰心が生き続ければ、いつか力を取り戻し、また顕現されるかもね。まぁ、何百年も先の話しだろうがな」

ジャンヌは周囲を見渡して皆に言った。

「これから忙しくなるぞ!みんな、最後までは力を貸して欲しい!」

レグルスを含めて皆が力強く頷いた。カーラの死で落ち込んでいたミリアも、涙を拭いてやる気に満ちていた。











あれから確かに忙しくて大変だった。
インペリアル国は全地域で洗脳されており、ブラドが死んだ時、洗脳の魔術は解けたが、薬の影響は残ったままだった。解毒剤と魔法で、各国に現状を伝えて医師団と薬を送って貰った。

ブラドの言った通り、国民に死ねといった洗脳の言葉は実行されていた。それなりの民が自殺していたのだ。

しかし、そのほとんどは未遂で助かった。
催眠術でも無意識に自分が死ぬ、傷付く暗示は自己防衛が働き拒否されるようだ。

それによりジャンヌ団長及び神炎騎士団は一部、非難されたが、国を救った事は本当であり、ジャンヌに統治された場所の地域は、かつてより栄えている事もあり、非難はすぐに収まっていった。

そしてしばらくの月日が流れた───

あれから3年経ち、各地の情勢も落ち着きを取り戻し、インペリアル国も新たな執政官が一生懸命に働き、国民も洗脳の後遺症が治って活気を取り戻してきた。

「あ~あ、今頃、団長はどこで何をしているんだろうね」

「さぁね。でもあの二人なら何があっても大丈夫じゃない?それに、私達に何か困った事があれば助けに戻ってきてくれるよ」

聖王国に戻ったリタとミリアは、居なくなった二人を思い出していた。

ジャンヌ団長は、大陸を統一する偉業を達成した。邪神の使徒の暗躍があったとはいえ、邪神を倒した事も各地で讃えられた。
しかし、2年経って、情勢が落ち着いてきた頃を見計らって、団長及び教皇の座を辞退して旅にでると言い出した。

大陸の戦争を無くす為に、1番の血を流させたのが自分だと自覚していたのだ。

そして、それにレグルスも同行していった。ジャンヌが人知れず消えるつもりだと感じていたからだ。

一部の権力者は大陸を統一したジャンヌ・ダルクを危険視する者もいた。
故に、ジャンヌは傭兵を各国の騎士団に編入させたり、希望者には土地を与えて、帰る場所を与える事により、戦力を分散させ危険視する声を抑えた。

その根回しに2年の時間を要したのだ。
各地では小さないざこざは確かにある。しかし、国を上げての戦はなくなり、傭兵達が騎士団となって巡回する事で、街道が安全になり物流がより潤滑に通る様になった。

それにより、大陸中が好景気になったのだった。

バルドも国に戻り、より自国を豊かにする為に、国民総出で土地を耕し豊かにしていった。

副団長のクレアは神炎騎士団の団長を引き継ぎ、厳しく騎士団を鍛えている。いつジャンヌ団長が戻ってきても良いように。

そして、もう少し後になるが、レグルスと親しかったミリアとリタは、レグルスがやってきた怒涛の日々を小説として書き出し出版した。

大陸を統一したジャンヌ・ダルクの側近が書いた『史実』を元にした小説は飛ぶように売れて、人々の記憶に長く残る事になる。



そして更に月日は流れて────



時々、変わった風の噂が流れてくるようになった。
男女の子連れの傭兵が盗賊を退治しているという。

1人は美しい金髪の女性で、1人は黒髪の男だという。

ジャンヌ団長と勇者レグルスを知っている仲間達はその噂を聞いて、酒の肴として笑顔で笑ったという。


【FIN】



これで完結です!
約半年もの間、お付き合いして頂きありがとうございました!

次の新作小説でお会いしましょう!
しおりを挟む
感想 1

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(1件)

蠣崎若狭守
2023.02.15 蠣崎若狭守
ネタバレ含む
naturalsoft
2023.02.15 naturalsoft

最後までお読み頂きありがとうございました。

まさかの長期連載になり、自分の未熟差を痛感しました。

そしてなんとか完結できました。
次回作に取り掛かっているのでまたよろしくお願い致します。

解除

あなたにおすすめの小説

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~

菱沼あゆ
キャラ文芸
 突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。  洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。  天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。  洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。  中華後宮ラブコメディ。

天日ノ艦隊 〜こちら大和型戦艦、異世界にて出陣ス!〜 

八風ゆず
ファンタジー
時は1950年。 第一次世界大戦にあった「もう一つの可能性」が実現した世界線。1950年4月7日、合同演習をする為航行中、大和型戦艦三隻が同時に左舷に転覆した。 大和型三隻は沈没した……、と思われた。 だが、目覚めた先には我々が居た世界とは違った。 大海原が広がり、見たことのない数多の国が支配者する世界だった。 祖国へ帰るため、大海原が広がる異世界を旅する大和型三隻と別世界の艦船達との異世界戦記。 ※異世界転移が何番煎じか分からないですが、書きたいのでかいています! 面白いと思ったらブックマーク、感想、評価お願いします!!※ ※戦艦など知らない人も楽しめるため、解説などを出し努力しております。是非是非「知識がなく、楽しんで読めるかな……」っと思ってる方も読んでみてください!※

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。