123 / 130
真実
しおりを挟む
まだ意識がはっきりしていない女神?邪神?であるミネルヴァはまだそのまま動かないでいた。
「ウソと言われてもねぇ?ミリア、現実を見た方が良いよ。それより気にならないかい?レグルスを召喚した女神様が邪神だと言う事実にね」
!?
「ミリア、カーラの真意は後で問いただそう。今は女神様の事を聞きたい」
レグルスの言葉にまだ何か言いたかったミリアは言葉を呑んで頷いた。
今、何が1番重要な事なのか理解しているからだ。
「カーラ、君は何を知っている?」
カーラは宙に浮いているミネルヴァを見て、まだ時間が掛かると判断し、質問に答えた。
「そうだね。君達にも真実を知る権利があるね。ぶっちゃけ、女神と邪神は同一人物なのさ」
!?
「バカなっ!?そんな話は聞いた事がないぞ!?」
「まぁ、歴史の闇に葬られた事実だしね。バルド族が信仰する独自の神様と、大陸で信仰している神様が同一人物だと言う事は、バルド族を迫害する時に都合が悪いから、時の教会と権力者達が【禁書】扱いにして、書物や寺院を燃やして、人々の記憶から忘れ去られたんだよ」
この言葉はバルドにも衝撃だった。
「肌の色が違うとかで、王家や教会に向けられる不満の逃げ道にバルド族を糾弾して迫害する事で避けていたんだよ。本当に胸糞悪いよね」
カーラの顔には怒りが滲んでいた。
「それよりどうして女神様と邪神が同一人物なんだ?」
「元々、女神ミネルヴァ様は慈愛の女神と信仰されていたが、悪には天罰を授ける過激な側面もあったの。これはジャンヌ団長も知っているでしょう。しかし、長い年月の中、教会が耳当たりの良い言葉を民衆に言い聞かせる中で、女神の特性である【悪を裁く】と言う所を、【邪神】が現れ、女神が討伐したと言う風に『作り変えられた』のが全ての始まりなのよ」
どういう事だ?
この話になんの意味が?
カーラの言葉は続いた。
「不思議な顔をしているね。まぁ最後まで聞いてくれ。存在しない邪神と言う空想の神様が人々の中に生まれた。そして、その神様は実在する女神様と同一人物だったの。神様の力の源は信仰心と人々の知識に存在を知って貰う事。同じ神様なのに人々は違う神様として【認識】された事により、女神ミネルヴァは【二重人格】になってしまったのよ」
!?
「そんな事が!?」
僕達は驚く事しか出来なかった。
「人々を守りたい慈愛の女神の意識と、世界に仇をなし、忌み嫌われ存在を消されたい邪神の心がせめぎ合い、女神は【自分で】神器と言う中に封印される事を選んだのよ」
そんな…………だったら僕はどうして召喚されたんだ?
「ウソと言われてもねぇ?ミリア、現実を見た方が良いよ。それより気にならないかい?レグルスを召喚した女神様が邪神だと言う事実にね」
!?
「ミリア、カーラの真意は後で問いただそう。今は女神様の事を聞きたい」
レグルスの言葉にまだ何か言いたかったミリアは言葉を呑んで頷いた。
今、何が1番重要な事なのか理解しているからだ。
「カーラ、君は何を知っている?」
カーラは宙に浮いているミネルヴァを見て、まだ時間が掛かると判断し、質問に答えた。
「そうだね。君達にも真実を知る権利があるね。ぶっちゃけ、女神と邪神は同一人物なのさ」
!?
「バカなっ!?そんな話は聞いた事がないぞ!?」
「まぁ、歴史の闇に葬られた事実だしね。バルド族が信仰する独自の神様と、大陸で信仰している神様が同一人物だと言う事は、バルド族を迫害する時に都合が悪いから、時の教会と権力者達が【禁書】扱いにして、書物や寺院を燃やして、人々の記憶から忘れ去られたんだよ」
この言葉はバルドにも衝撃だった。
「肌の色が違うとかで、王家や教会に向けられる不満の逃げ道にバルド族を糾弾して迫害する事で避けていたんだよ。本当に胸糞悪いよね」
カーラの顔には怒りが滲んでいた。
「それよりどうして女神様と邪神が同一人物なんだ?」
「元々、女神ミネルヴァ様は慈愛の女神と信仰されていたが、悪には天罰を授ける過激な側面もあったの。これはジャンヌ団長も知っているでしょう。しかし、長い年月の中、教会が耳当たりの良い言葉を民衆に言い聞かせる中で、女神の特性である【悪を裁く】と言う所を、【邪神】が現れ、女神が討伐したと言う風に『作り変えられた』のが全ての始まりなのよ」
どういう事だ?
この話になんの意味が?
カーラの言葉は続いた。
「不思議な顔をしているね。まぁ最後まで聞いてくれ。存在しない邪神と言う空想の神様が人々の中に生まれた。そして、その神様は実在する女神様と同一人物だったの。神様の力の源は信仰心と人々の知識に存在を知って貰う事。同じ神様なのに人々は違う神様として【認識】された事により、女神ミネルヴァは【二重人格】になってしまったのよ」
!?
「そんな事が!?」
僕達は驚く事しか出来なかった。
「人々を守りたい慈愛の女神の意識と、世界に仇をなし、忌み嫌われ存在を消されたい邪神の心がせめぎ合い、女神は【自分で】神器と言う中に封印される事を選んだのよ」
そんな…………だったら僕はどうして召喚されたんだ?
0
お気に入りに追加
13
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
懐妊を告げずに家を出ます。最愛のあなた、どうかお幸せに。
梅雨の人
恋愛
最愛の夫、ブラッド。
あなたと共に、人生が終わるその時まで互いに慈しみ、愛情に溢れる時を過ごしていけると信じていた。
その時までは。
どうか、幸せになってね。
愛しい人。
さようなら。
勇者に闇討ちされ婚約者を寝取られた俺がざまあするまで。
飴色玉葱
ファンタジー
王都にて結成された魔王討伐隊はその任を全うした。
隊を率いたのは勇者として名を挙げたキサラギ、英雄として誉れ高いジークバルト、さらにその二人を支えるようにその婚約者や凄腕の魔法使いが名を連ねた。
だがあろうことに勇者キサラギはジークバルトを闇討ちし行方知れずとなってしまう。
そして、恐るものがいなくなった勇者はその本性を現す……。
〈完結〉妹に婚約者を獲られた私は実家に居ても何なので、帝都でドレスを作ります。
江戸川ばた散歩
ファンタジー
「私」テンダー・ウッドマンズ伯爵令嬢は両親から婚約者を妹に渡せ、と言われる。
了承した彼女は帝都でドレスメーカーの独立工房をやっている叔母のもとに行くことにする。
テンダーがあっさりと了承し、家を離れるのには理由があった。
それは三つ下の妹が生まれて以来の両親の扱いの差だった。
やがてテンダーは叔母のもとで服飾を学び、ついには?
100話まではヒロインのテンダー視点、幕間と101話以降は俯瞰視点となります。
200話で完結しました。
今回はあとがきは無しです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる