☆レグルス戦記☆

naturalsoft

文字の大きさ
上 下
98 / 130

結果☆

しおりを挟む
この港町にきてから一週間ほど経った。

亜人の住む中央都市も落ち着きを取り戻してきた所だ。
結果だけ言うと、町長もグルだった。
これだけ大規模な誘拐事件だ。街の有力者の口利きがなければ積荷の検査の時に見つかるはずだからだ。

泳がせてみたら次の日にはインペリアルの間者と密会した現場を取り押さえた。
残念ながら間者は毒を飲んで自害したが、町長は罪を減刑する為に知っている事を何でも吐いて協力的だった。

インペリアル国から金を詰まれて目立たない端っこに船を停泊させる事と、検査を見逃されていたようだった。

まぁ、町長には減刑と言ったが拐われた亜人達が多過ぎる為に死刑は確実なんだけどな。
ちなみに、町長は人間である。

港町は良くも悪くも人の流れるが多い。
今回の件でインペリアル国の船は入航と出航際、厳重な検査が行われる事になった。



そして───

「レグルス達はインペリアル大国と事を構えるつもりで、仲間を探しにきたと言う事で合っているかな?」








執務室にフェンリーとエルミアを呼んで今後の事を話した。

「そうだね。正直、君達亜人達には関係ない話だ。だから大軍ではなく腕の良い弓使いなど何人か融通して欲しくて来たんだ。傭兵のような扱いになる。万が一、僕達が負けても言い訳がたつので、君達の国には迷惑を掛けないと約束する」

絶壁の砦を攻略する為に弓矢の得意なエルフが仲間になってくれればと最初は思ってきた。
しかし、人間よりも体力があり、力の強い獣人の兵士も欲しいと思っていた。

「レグルス殿、丁度よかった。我々、獣人は恩義に報いる種族です。すでに仲間と話は付けてあります。我々獣人族は5千の兵を連れて参戦致します!」

フェンリーの言葉にエルミアも──

「我々エルフも3千の兵士を送ります。その代わり拐われた同族の調査に協力をお願い致します」

レグルスは一瞬唖然としたがすぐに聞き直した。

「それだけの大軍だと負けた時に言い逃れができないが大丈夫か?」

レグルスの言葉にフェンリーが気まずそうに言った。

「正直、こちらも事情があります。我々の5千の兵士は誘拐に手を貸していた者達とその家族で、このままでは同族の目が厳しく、内乱になる可能性があります。故に、罪を償うつもりで誘拐された仲間を助けにいく体裁の為に連れていきます」

なるほど。
それなら理解できるな。
視線をエルミアに向けると同じ理由であった。

「それに負けなければいいのです。インペリアル国の事情は我々も把握しています。どの陣営かは分かりませんが、強大な力を得る為に生贄を求めていたのでしょう。自国の民ではなく、我々を狙った事は絶対に許しません!」

「そうだ!レグルスの恩に報いる為に全力を尽くします!」

レグルス達は目的が1つになった事で硬く握手を交わしたのだった。







しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

【完結】私だけが知らない

綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。 優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。 やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。 記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。 【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ 2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位 2023/12/19……番外編完結 2023/12/11……本編完結(番外編、12/12) 2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位 2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」 2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位 2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位 2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位 2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位 2023/08/14……連載開始

懐妊を告げずに家を出ます。最愛のあなた、どうかお幸せに。

梅雨の人
恋愛
最愛の夫、ブラッド。 あなたと共に、人生が終わるその時まで互いに慈しみ、愛情に溢れる時を過ごしていけると信じていた。 その時までは。 どうか、幸せになってね。 愛しい人。 さようなら。

無能なので辞めさせていただきます!

サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。 マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。 えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって? 残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、 無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって? はいはいわかりました。 辞めますよ。 退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。 自分無能なんで、なんにもわかりませんから。 カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

夜会の夜の赤い夢

豆狸
恋愛
……どうして? どうしてフリオ様はそこまで私を疎んでいるの? バスキス伯爵家の財産以外、私にはなにひとつ価値がないというの? 涙を堪えて立ち去ろうとした私の体は、だれかにぶつかって止まった。そこには、燃える炎のような赤い髪の──

幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話

妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』 『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』 『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』  大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。

勇者に闇討ちされ婚約者を寝取られた俺がざまあするまで。

飴色玉葱
ファンタジー
王都にて結成された魔王討伐隊はその任を全うした。 隊を率いたのは勇者として名を挙げたキサラギ、英雄として誉れ高いジークバルト、さらにその二人を支えるようにその婚約者や凄腕の魔法使いが名を連ねた。 だがあろうことに勇者キサラギはジークバルトを闇討ちし行方知れずとなってしまう。 そして、恐るものがいなくなった勇者はその本性を現す……。

処理中です...