☆レグルス戦記☆

naturalsoft

文字の大きさ
上 下
9 / 130

進軍☆

しおりを挟む
主要メンバーの自己紹介が終わり、作戦会議に移った。

「後1日の距離に蛮族の国を監視する国境砦ガーターが見えてくる。知っての通り、すでに蛮族達の居城となっている」




「今回の作戦は国境砦を取り戻して、蛮族達の戦力に打撃を与えるのが目的である」

ジャンヌの言葉にメビウスが質問した。

「首尾よく国境砦を取り戻した後、蛮族の国に攻め入るのかい?」
「いいや、蛮族とて人間だ。子供も含めて一人残らず虐殺するわけにもいかない。『取引』もあるし戦力として、すぐに立ち直れないほどの打撃さえ与えれば作戦は終了とする」

コンドはレグルスが質問した。

「蛮族はどれほどの数がいるんでしょうか?」
「そうだな。ヴァイキングという国で言えば30万ほどだろう。そして砦にいる戦力は1万5千ほどと報告を受けている」

!?

「こちらより5千も多いじゃないですか!しかも砦攻めって通常は3倍の数が必要ではなかったですか!?」

「うむ、よく知っているじゃないか。『一般的』な戦争ではそうだな。こちらも、もう少し傭兵を雇う予定だったのだが、聖王の邪魔が入ってな。もっともらしい理由をでっちあげられて遠征軍の数を減らされたんだ」

ジャンヌはやれやれと言った感じで首を振った。

「いや、やれやれじゃないでしょう!?少ない兵力でどうやって砦を攻略するんですか!?」

ジャンヌはその言葉を待ってましたと言う風に不敵に微笑んだ。

「言っただろ?一般的な戦争では厳しいが、こちらには『切札』が2つある。まず、向こうには魔術師が居ない。『賢者の塔』は邪教徒に、魔術師を派遣しないことになっている。魔法で城門を破壊し、一気に占拠する予定だ」

「な、なるほど。それなら何とかなりそうですね。それでもう1つの切札とは?」

ジャンヌはビシッと指を差した。

「それはお前だよ!最悪、魔法で城門が破壊できなくとも、レグルスの『神剣』ならバターを切るように城門も破壊できるだろう?」

「確かに神剣の切れ味ならいけますね」
「期待しているぞ。この戦いでお前には悪いが神託の勇者と言う事を触れ込む。いずれ次の戦いの布石になるからな。十分な戦果を上げて欲しい」

「頑張ります!」

こうして細かい作戦を話しながら時間が過ぎていった。次の日になりしばらく歩くと遂に国境砦が見えてきた。


「今日はここで野営をする!広範囲に斥候を放ち、奇襲を警戒せよ!明日の早朝に総攻撃を仕掛ける!各自、準備を怠るなよ!」

「「はいっ!!!!了解しました!」

レグルス達は街道を進み、小さな山を越えた頂上で野営の準備に入った。ここなら国境砦が一望でき、奇襲もわかり易いという理由からだった。街道の左右はちょっとした森にもなっているので防衛にも向いていた。

レグルス達ははやる気持ちを抑えて一夜を過ごすのだった。







しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

スライムからパンを作ろう!〜そのパンは全てポーションだけど、絶品!!〜

櫛田こころ
ファンタジー
僕は、諏方賢斗(すわ けんと)十九歳。 パンの製造員を目指す専門学生……だったんだけど。 車に轢かれそうになった猫ちゃんを助けようとしたら、あっさり事故死。でも、その猫ちゃんが神様の御使と言うことで……復活は出来ないけど、僕を異世界に転生させることは可能だと提案されたので、もちろん承諾。 ただ、ひとつ神様にお願いされたのは……その世界の、回復アイテムを開発してほしいとのこと。パンやお菓子以外だと家庭レベルの調理技術しかない僕で、なんとか出来るのだろうか心配になったが……転生した世界で出会ったスライムのお陰で、それは実現出来ることに!! 相棒のスライムは、パン製造の出来るレアスライム! けど、出来たパンはすべて回復などを実現出来るポーションだった!! パン職人が夢だった青年の異世界のんびりスローライフが始まる!!

聖典のファルザーン

佐々城鎌乃
ライト文芸
【内容】 都会暮らしの高校生、長井与一(17)は、少しオタクな普通の少年だった。 しかしある出来事を境に、ひょんな事から異世界へと飛ばされてしまい、戦場の真ん中へと迷い込んでしまう。 そこでは想像も出来ない"リアル"な戦場があった。 飛ばされた与一は森の中で、大陸の一角を統べる皇国の皇子ファルシール(16)と出会い、物語は始まる。与一はどうやら賢者として召喚されたらしくて......。 交わることのなかった2人の少年の青春は、やがて大きな渦を巻き起こしていく。 高校生とクセあり皇子が繰り広げていく、異世界オリエント歴史ファンタジー開幕!! 《《本作は縦書きビュアー推奨です》》 注)小説投稿サイト エブリスタにて主に投稿しているものと同一のものです。その他、カクヨム、魔法のiらんどでも掲載しております。

処理中です...