☆レグルス戦記☆

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翌日、北に向けて移動が始まった。
ジャンヌから聞いた話では神炎騎士団は1万もの数で遠征に来ているそうだ。

「これだけの人数が動くと凄いですね。そう言えば、初めてあった村は数が少なかったような?」

レグルスの呟きにジャンヌが答えた。

「ああ、あれは先行していた物見部隊から村が襲われていると報告がきたので、騎馬隊のみで駆け付けたからだ。村の後始末と貴様の看護で3日間の時間が空いたから後続が追い付いたんだよ。それに正規の騎士団は7千ほどで残りの3千は傭兵なんだ。戦乱が続いて人手不足なのもあるのでな」

なるほど。そうだったのか。
レグルスは歩きながら、周辺を観察しながら進んだ。そして夕方になり、日が落ち始めたので野営の準備になった。

「レグルス君、軍議を開くので団長のテントに来て下さい」

治癒師のミリアが呼びにきた。

「はい!わかりました」

レグルスは返事をしてからミリアと一緒に向かった。

「もうこの騎士団に慣れたかしら?」
「ええ、皆さん優しくて親切ですので助かりました。とても軍規が行き届いていて驚きましたよ」

「それは団長のおかげですね。団長は清廉潔白で公正な方ですから。部下の手柄をきちんと認めて報奨も出してくれるので人気が高いのですよ。酷い所だと上の者が手柄を横取りしますからね」

少し一緒にいてジャンヌ団長は素晴らしい人柄だと思った。

「でもまぁ、少し石頭な所もありますけどね♪」

クスリッと笑いながら言った。

「あ~何となくわかります。融通が利かない所があるかも」
「よく見てるじゃない♪」

二人はお互いの顔を見ながら笑った。
テントに着くと、だいたいの幹部が揃っていた。

「来たな。レグルスにはまだミリア以外正式に紹介していなかったので、ここで紹介しておこう」

ジャンヌの隣には同じく白銀の鎧を着た女性が立っていた。凛とした姿はジャンヌ団長に似ていて、規律に厳しそうな印象だった。




「君がレグルス君だな。私は【クレア・バーボン】、この神炎騎士団の副団長をやっている者よ。宜しく頼む」

「僕はレグルスと言います。この遠征に協力する事になりました。こちらこそ宜しくお願い致します!」

ガシッと硬い握手を交わした。

「はい!はーい!次は私ね。私は【リタ】って言うの。仕事は主に斥候や偵察ね。よろしく♪」




茶髪の少し小柄な女性だった。服装は、鎧は着ていないが、冒険者風の服装で身軽な格好であった。

「レグルスです。よろしくお願いします」

レグルスは頭を下げた。

「私も平民だから畏まらなくていいよ~」
「リタ、集会の時は騎士団のマントを着る様に!」

副団長のクレアに指摘され、リタはハイッ!と敬礼をした。

「………次は我だな。我は魔術師のメビウス。神の使徒である勇者に興味がある。是非、解剖させてもらいたい」



際どい黒いローブを着こなし、豊満な胸に目が行ってしまいそうになる美しい女性だったが、流石にレグルスはえっ?と固まってしまった。

「それくらいにしておけ。レグルスが固まっているではないか。それに貴様は『客将』であって神炎騎士団のメンバーではない。問題を起こすなら即刻出ていってもらうぞ」

ジャンヌが睨みながら言った。

「やれやれ。団長殿は本当に頭が固いのぅ?ちょっとした会話のジョークではないか」

「お前の言葉はジョークに聞こえん!」

ジャンヌは腕を組んで軽くため息を吐くのだった。

「客将と言うのは?」

レグルスが尋ねるとジャンヌが答えた。




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