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8章:エルフの国のエロフ!
狂った宗教は狂っている事に気付かない。
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多くの者が呼ぶ神国と言う国は正式には『聖ローラ神国』という。
大教皇がトップで国を廻している宗教の国である。
この世界ではまず【正義の女神アストライア】を第一に祈りを捧げ、聖女と呼ばれる聖職者は「星のごとく輝く者」「星乙女」と言う2つ名で国民に支持される。
昔は特別な力を持つ者が居たが、今は形骸化し、宗教のシンボル(アイドル)が指名されいる。
そして、中央の首都にある大聖堂の最上階にて大教皇は怒りに満ちた表情で呟いていた。
「なんと言うことか!セフィリト王国だけではなく、あの帝国にまでも精霊様が顕現されるとは!?どうして我が神国に現れないのだ!」
女神アストライアを崇める第一の信仰国であり、その女神の下に、【精霊王】が世界のバランスを保っていると言われ、各属性の精霊を祀っている。
精霊とは女神の使いであると信じられているのだ。その精霊が信仰深い我が国に現れない事が問題であった。
「これでは信徒に示しがつかん。何かしらの手を打たねば………」
コンッコンッ
ドアを叩く音がした。
「入りなさい」
先ほどまでと違い、穏やかな声で声を掛ける。大教皇ともなれば感情の入れ替えなど瞬時に出来るのだ。
「はっ!失礼致します」
部屋に入ってきたのは大教皇の次に権力を握る枢機卿の1人である腹心イマジンであった。
「ずいぶんとご立腹ですね。やはり精霊の事でしょうか?」
「うむ、忌々しい事に帝国まで上位精霊様が顕現され、王族と契約したというではないか。何故に我が国に現れぬのかわからぬ」
大教皇は、いずれ信徒にこの事実が知れ渡り、暴動になることを懸念していた。
「確かに、なぜ精霊が我が信仰深い国に現れぬのか不思議でありますな。民に示しが付きませぬ。大教皇様はそれを懸念されているのですね?」
大教皇の腹心として仕えているイマジンは大教皇の考えをある程度察していた。
「何か知恵はあるかのぅ?」
少し考えてから、イマジンは提案した。
「1つだけ、提案があります」
「ほほぅ?聞こう」
イマジンの提案はこうであった。
最近、信仰が低下し信仰心が薄れてきている。それは清浄な神気が淀んできており、早急に正さねば大変な事になる。正義の女神アストライアの名の下に、悪魔の使徒を屠り信仰心を取り戻さねばならぬと………
「なるほど。精霊様が顕現出来ぬのは悪魔の使徒達のせいにする訳か」
「ええ、如何でしょうか?」
少し心配そうに伺いを立てると、大教皇はにこやかに言った。
「素晴らしい。流石は枢機卿イマジン殿じゃな。よく精霊様が顕現出来ぬ【原因】を探り当てた。ならば我が大教皇の名の下に『聖戦』の号令を掛けるとしよう。人選は任せてもよろしいかな?」
「ははっ!謹んで拝命致します」
深く頭を下げて部屋を出ていったイマジンを見送ると、大教皇は部屋の窓から街並みを見下ろして呟いた。
「我が聖ローラ神国こそが、女神様の寵愛を受けて、精霊が多く現れる国であるべきなのだ。その障害になるものは何者も許さん!」
大教皇の目には狂気にも似た光を映していた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「よろしいのですか?ファントム様」
大教皇の部屋から自身の自室に戻った枢機卿イマジンは闇の中から聞こえる声に返事をした。
「何がだ?デモンズよ」
姿を現さず闇の中から声だけが響き渡った。
「貴方様が大教皇になられた方が我らの思惑通りに事が進めやすいのではないでしょうか?」
枢機卿は少し思案する仕草をしたのちに答えた。
「確かにそうなのだがな。しかし、神国全体で何かあればトップが疑われる。今はうまく操り、大教皇に意識が集中するようにするのが得策だ。失敗は許されんのだから……」
「そうでしたか。無知な質問をして申し訳ありませんファントム様」
「よい。ただデモンズよ。誰が聞いているかわからぬ。その名前で呼ぶのはやめよ」
「はっ!申し訳ありません。『猊下』」
枢機卿は闇の者に命じた。
「それより、すでにエルフ国にも精霊が誕生している。兵士の中に紛れて契約者を探し出し殺せ!」
!?
枢機卿の言葉にデモンズと呼ばれた闇の中の声に動揺が走った。
「エルフ国にもですか?」
「そうだ。彼の地からも精霊の気配がするようになった。それも上位レベルの…………な」
「厄介ですね。【我が神】の復活も間近な時にかつての精霊王達が産まれてきているとは」
枢機卿は忌々しといった感じでいった。
「全くだ。【我が神】の威光を示すために『聖戦』を行わなければならないとはな」
枢機卿の言葉に闇の声は不気味に嗤った。
「クックック、聖職者も板に付いてきたようで…………では、私は『仕事』へ戻ります」
そして最初から誰も居なかったように枢機卿のみ部屋に残されたのだった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
【後書き】
シオン
「宗教っていやねー。怖いわー」
愚者の声
「そだねー。シオンって怖いわー」
ガシッ!
シオン
「宗・教・ね!」
愚者の声
「痛い!痛い!」
シオン
「貴方も宗教に入りなさい。そうすれば、その穢れた心と体と魂まで浄化され現世から消えるわよ♪」
愚者の声
「それって死んじゃうって事だよね!?」
Σ(×_×;)!
大教皇がトップで国を廻している宗教の国である。
この世界ではまず【正義の女神アストライア】を第一に祈りを捧げ、聖女と呼ばれる聖職者は「星のごとく輝く者」「星乙女」と言う2つ名で国民に支持される。
昔は特別な力を持つ者が居たが、今は形骸化し、宗教のシンボル(アイドル)が指名されいる。
そして、中央の首都にある大聖堂の最上階にて大教皇は怒りに満ちた表情で呟いていた。
「なんと言うことか!セフィリト王国だけではなく、あの帝国にまでも精霊様が顕現されるとは!?どうして我が神国に現れないのだ!」
女神アストライアを崇める第一の信仰国であり、その女神の下に、【精霊王】が世界のバランスを保っていると言われ、各属性の精霊を祀っている。
精霊とは女神の使いであると信じられているのだ。その精霊が信仰深い我が国に現れない事が問題であった。
「これでは信徒に示しがつかん。何かしらの手を打たねば………」
コンッコンッ
ドアを叩く音がした。
「入りなさい」
先ほどまでと違い、穏やかな声で声を掛ける。大教皇ともなれば感情の入れ替えなど瞬時に出来るのだ。
「はっ!失礼致します」
部屋に入ってきたのは大教皇の次に権力を握る枢機卿の1人である腹心イマジンであった。
「ずいぶんとご立腹ですね。やはり精霊の事でしょうか?」
「うむ、忌々しい事に帝国まで上位精霊様が顕現され、王族と契約したというではないか。何故に我が国に現れぬのかわからぬ」
大教皇は、いずれ信徒にこの事実が知れ渡り、暴動になることを懸念していた。
「確かに、なぜ精霊が我が信仰深い国に現れぬのか不思議でありますな。民に示しが付きませぬ。大教皇様はそれを懸念されているのですね?」
大教皇の腹心として仕えているイマジンは大教皇の考えをある程度察していた。
「何か知恵はあるかのぅ?」
少し考えてから、イマジンは提案した。
「1つだけ、提案があります」
「ほほぅ?聞こう」
イマジンの提案はこうであった。
最近、信仰が低下し信仰心が薄れてきている。それは清浄な神気が淀んできており、早急に正さねば大変な事になる。正義の女神アストライアの名の下に、悪魔の使徒を屠り信仰心を取り戻さねばならぬと………
「なるほど。精霊様が顕現出来ぬのは悪魔の使徒達のせいにする訳か」
「ええ、如何でしょうか?」
少し心配そうに伺いを立てると、大教皇はにこやかに言った。
「素晴らしい。流石は枢機卿イマジン殿じゃな。よく精霊様が顕現出来ぬ【原因】を探り当てた。ならば我が大教皇の名の下に『聖戦』の号令を掛けるとしよう。人選は任せてもよろしいかな?」
「ははっ!謹んで拝命致します」
深く頭を下げて部屋を出ていったイマジンを見送ると、大教皇は部屋の窓から街並みを見下ろして呟いた。
「我が聖ローラ神国こそが、女神様の寵愛を受けて、精霊が多く現れる国であるべきなのだ。その障害になるものは何者も許さん!」
大教皇の目には狂気にも似た光を映していた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「よろしいのですか?ファントム様」
大教皇の部屋から自身の自室に戻った枢機卿イマジンは闇の中から聞こえる声に返事をした。
「何がだ?デモンズよ」
姿を現さず闇の中から声だけが響き渡った。
「貴方様が大教皇になられた方が我らの思惑通りに事が進めやすいのではないでしょうか?」
枢機卿は少し思案する仕草をしたのちに答えた。
「確かにそうなのだがな。しかし、神国全体で何かあればトップが疑われる。今はうまく操り、大教皇に意識が集中するようにするのが得策だ。失敗は許されんのだから……」
「そうでしたか。無知な質問をして申し訳ありませんファントム様」
「よい。ただデモンズよ。誰が聞いているかわからぬ。その名前で呼ぶのはやめよ」
「はっ!申し訳ありません。『猊下』」
枢機卿は闇の者に命じた。
「それより、すでにエルフ国にも精霊が誕生している。兵士の中に紛れて契約者を探し出し殺せ!」
!?
枢機卿の言葉にデモンズと呼ばれた闇の中の声に動揺が走った。
「エルフ国にもですか?」
「そうだ。彼の地からも精霊の気配がするようになった。それも上位レベルの…………な」
「厄介ですね。【我が神】の復活も間近な時にかつての精霊王達が産まれてきているとは」
枢機卿は忌々しといった感じでいった。
「全くだ。【我が神】の威光を示すために『聖戦』を行わなければならないとはな」
枢機卿の言葉に闇の声は不気味に嗤った。
「クックック、聖職者も板に付いてきたようで…………では、私は『仕事』へ戻ります」
そして最初から誰も居なかったように枢機卿のみ部屋に残されたのだった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
【後書き】
シオン
「宗教っていやねー。怖いわー」
愚者の声
「そだねー。シオンって怖いわー」
ガシッ!
シオン
「宗・教・ね!」
愚者の声
「痛い!痛い!」
シオン
「貴方も宗教に入りなさい。そうすれば、その穢れた心と体と魂まで浄化され現世から消えるわよ♪」
愚者の声
「それって死んじゃうって事だよね!?」
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