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出会い
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展望台からの景色は絶景でした。
水しぶきで、傘を差していても少し濡れてしますが、それも旅の醍醐味である。
「凄いねーーー!!!」
「これは絶景ね♪」
初めての大滝にテンションが上がるシオンだった。
珍しくいつも無表情のお父様も、どこか嬉しそうに大滝を見ていた。
「ねぇ、ここからでも良い眺めだけど、やっぱり滝壺近くまで行かない?」
「うん!賛成!」
「あ、それならレインコートもレンタル出来ますので、着てから行きましょう」
エリザが係の人に言ってレインコートを借りてきてくれた。そうして、大滝の滝壺近くまで歩いて行きました。
ゴゴゴゴゴゴッ!!!!
「やっぱり近くで見ると迫力ありますね~」
「ええ、そうね♪あんな大きな龍は初めてみたわ
♪」
「そうですね。あんな大きな───龍???」
お母様の言葉にシオンとエリザが首を傾げて大滝を見ると、薄っすらと滝の裏側から大きな龍が佇んでいた。
「ひっ!?この迫力…………上位龍!?」
「こ、この地の護り神でしょうか?」
(襲って来ないよね?)
そう思っていると、大きな龍はゆっくりと滝の裏側から顔を出してきた。
シオン達はすぐに戦闘態勢をとった。
「油断しないで!襲ってきたら応戦するわよ!」
「ええ、わかっている!」
シオンとエリザは構えたが、お父様とお母様は動かなかった。
「父上、どうしたのですか?」
強大な龍を目の前に戦闘態勢を取らない両親にカストルは尋ねた。
「敵意が感じられない。攻撃をしてくるまでは手を出すな」
父の言葉に頷くと、ゆっくりと出てくる龍に集中した。
『懐かしい気配がすると思えば……………森の精霊ドリアード、生きていたのか?』
頭の中に響くような声が聞こえてきました。
「ドリアード様の知り合い!?」
すると、お母様の隣りから光の輪が現れると森の精霊ドリアード様が現れた。
「お久しぶりです。【古代龍ミズチ】。永らく邪神に封印されていましたが、ここにいるシオンに、グリーンウッド家に助けられました。今は契約を交わして、力を貸している所です」
『そうか。少し前に東の地でダンジョンコアが起こした騒動を鎮めたのはお前達だったか。我とドリアードは女神様に仕える眷属の1人である。しかし、数百年前の大戦で、多くの眷属が散ってしまった。我もこの地を守護するので精一杯で動けぬ』
「あなたがここに居るとは知りませんでした。ミズチもだいぶん力を失ったのですね」
『お互い様だな。なんとか邪神を封印することはできたが、殆どの眷属は消滅したか、逆に封印されたか、辛うじて生き延びたかの何れかだ。他の仲間の眷属を探すほど余裕などなかった』
それからドリアード様ミズチは長い間話し合いました。
「良かったですね♪お知り合いに会えて!」
「そうね。一緒に戦った仲間に会えるのがこんなに嬉しいなんて思わなかったわ」
そろそろ日が落ちてきて、空が赤くなり始めた頃になりました。
『そこの娘よ。御主はローズガーデンの王家に連なる者だな?』
エリザは緊張した。
「は、はい!そうです!今度、グリーンウッド家に嫁ぎますが!?」
テンパって余計なことまで言っていまうが───
『その昔、ローズガーデン王家と契約を交わしているのだ!故に、傷と魔力を癒やしながらこの地を守っている。まぁ、人間同士の戦争には介入しないがな』
ミズチはそう言うと、エリザに向かって光を放った。
「えっ?なに???」
エリザの目の前に、一振りの『刀』が現れた。
『また邪神やその眷属も動きだしてきた。世界を廻るのであれば、我の力を貸そう。手に取るがよい。我が力の結晶であり、水の属性の力を宿した刀で、【水龍刀】(スイリュウトウ)と言う。我とも離れていても話すことができる。持っていくがいい』
ミズチはそう言うとまた大滝の裏側に消えていった。
水しぶきで、傘を差していても少し濡れてしますが、それも旅の醍醐味である。
「凄いねーーー!!!」
「これは絶景ね♪」
初めての大滝にテンションが上がるシオンだった。
珍しくいつも無表情のお父様も、どこか嬉しそうに大滝を見ていた。
「ねぇ、ここからでも良い眺めだけど、やっぱり滝壺近くまで行かない?」
「うん!賛成!」
「あ、それならレインコートもレンタル出来ますので、着てから行きましょう」
エリザが係の人に言ってレインコートを借りてきてくれた。そうして、大滝の滝壺近くまで歩いて行きました。
ゴゴゴゴゴゴッ!!!!
「やっぱり近くで見ると迫力ありますね~」
「ええ、そうね♪あんな大きな龍は初めてみたわ
♪」
「そうですね。あんな大きな───龍???」
お母様の言葉にシオンとエリザが首を傾げて大滝を見ると、薄っすらと滝の裏側から大きな龍が佇んでいた。
「ひっ!?この迫力…………上位龍!?」
「こ、この地の護り神でしょうか?」
(襲って来ないよね?)
そう思っていると、大きな龍はゆっくりと滝の裏側から顔を出してきた。
シオン達はすぐに戦闘態勢をとった。
「油断しないで!襲ってきたら応戦するわよ!」
「ええ、わかっている!」
シオンとエリザは構えたが、お父様とお母様は動かなかった。
「父上、どうしたのですか?」
強大な龍を目の前に戦闘態勢を取らない両親にカストルは尋ねた。
「敵意が感じられない。攻撃をしてくるまでは手を出すな」
父の言葉に頷くと、ゆっくりと出てくる龍に集中した。
『懐かしい気配がすると思えば……………森の精霊ドリアード、生きていたのか?』
頭の中に響くような声が聞こえてきました。
「ドリアード様の知り合い!?」
すると、お母様の隣りから光の輪が現れると森の精霊ドリアード様が現れた。
「お久しぶりです。【古代龍ミズチ】。永らく邪神に封印されていましたが、ここにいるシオンに、グリーンウッド家に助けられました。今は契約を交わして、力を貸している所です」
『そうか。少し前に東の地でダンジョンコアが起こした騒動を鎮めたのはお前達だったか。我とドリアードは女神様に仕える眷属の1人である。しかし、数百年前の大戦で、多くの眷属が散ってしまった。我もこの地を守護するので精一杯で動けぬ』
「あなたがここに居るとは知りませんでした。ミズチもだいぶん力を失ったのですね」
『お互い様だな。なんとか邪神を封印することはできたが、殆どの眷属は消滅したか、逆に封印されたか、辛うじて生き延びたかの何れかだ。他の仲間の眷属を探すほど余裕などなかった』
それからドリアード様ミズチは長い間話し合いました。
「良かったですね♪お知り合いに会えて!」
「そうね。一緒に戦った仲間に会えるのがこんなに嬉しいなんて思わなかったわ」
そろそろ日が落ちてきて、空が赤くなり始めた頃になりました。
『そこの娘よ。御主はローズガーデンの王家に連なる者だな?』
エリザは緊張した。
「は、はい!そうです!今度、グリーンウッド家に嫁ぎますが!?」
テンパって余計なことまで言っていまうが───
『その昔、ローズガーデン王家と契約を交わしているのだ!故に、傷と魔力を癒やしながらこの地を守っている。まぁ、人間同士の戦争には介入しないがな』
ミズチはそう言うと、エリザに向かって光を放った。
「えっ?なに???」
エリザの目の前に、一振りの『刀』が現れた。
『また邪神やその眷属も動きだしてきた。世界を廻るのであれば、我の力を貸そう。手に取るがよい。我が力の結晶であり、水の属性の力を宿した刀で、【水龍刀】(スイリュウトウ)と言う。我とも離れていても話すことができる。持っていくがいい』
ミズチはそう言うとまた大滝の裏側に消えていった。
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