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舞台の裏側………
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さて、シオンとクリスがキャッキャッウフフを堪能しながら楽しい時間を過ごしている臨海学校の裏側ではこんな事が起こっていた。
合宿1日目の夜─
「さて、『シオン様』は夕飯を食べてクラスメイトと楽しい時間を過ごしておられます」
夜も深まり時間帯は21時頃であった。シオン合宿会場である温泉旅館を取り囲むように、氷の上位精霊であるスノーが生徒達を守る護衛の精霊達をまとめていた。
「我々の仕事はなんだ!」
「「はっ!四大精霊の契約者であるシオン様を御守りする事です!」」
「第2の我々の仕事はなんだ!」
「「はっ!シオン様がくつろいで頂けるようにゴミを掃除する事です!」
「第3の我々の仕事はなんだ!」
「「はっ!シオン様の私生活を覗き見る事です!」」
「よし!」
いや、よしじゃねーよ!?
最後の仕事要らなくない?プライバシーの侵害だよ!?
ここにツッコミ役のシオンがいない為、やりたい放題である。
現在のスノーはいつものメイド服ではあるが、戦闘モードの顔になっていた。現在、スノー直属の精霊達は30人?ほどいて整列していた。
「報告を!」
スノーの言葉に配下の精霊から声が上がった。
「はっ!日中なのですが、この旅館に移動中に生徒の何名かが襲撃にあいました。無論、気付かれる前に撃退致しました!」
「うむ、それで気付いた事はあるか?」
「襲撃に会いそうになった生徒はBとCクラスの生徒でシオン様と関わりのない生徒でした。そこから考えられるのは、シオン様の周囲はガードが厳しいため、末端の生徒を襲い成り代わる事が目的ではないかと推測されます」
スノーは顎に手をやり答えた。
「そうか………重要度の低いといったら悪いが、下位の生徒なら護衛もないと思ったのか」
スノーは思った。この精霊学園では完全な実力でクラスの順位が決まるが、それでも各国からのエリートが選ばれてやってくるのだ。成績の悪い者でも、王族など含まれるために必ず精霊の護衛が付いているのだ。
(成績が悪いといっても、国に戻れば十分に実力者である)
「シルフィに連絡をして下位のクラスメイトの護衛を強化するよう進言しておこう。そして問題はそこではない。敵は正確に生徒の情報を掴んでいる事が問題である!」
!?
厳重に警備してある精霊学園で、生徒の名前やどのクラスに属しているのか知られている事が問題である。
「………それはまさかすでに敵が紛れ込んでいると言うことでしょうか?」
「その可能性も考慮しておけ。で、なければ正確に下位の生徒のみ狙えんだろう?まぁ、後考えられるのが、家族など人質を取られて情報をリークしている者がいるか………だがな?」
スノーの言葉に即座に何人かの精霊が動いた。
「すぐに各生徒の実家、及び周辺を確認して参ります!」
数名の精霊が音もなく消えた。
「よし!では夜間警備に移る!現在周囲を警備している者と交代して引き継ぎを!この時が1番危険であるため、十分に気を付けるように!」
「「「了解しました!!!」」」
上位精霊スノーの言葉に精霊達が散っていった。スノーは精霊達が目の前からいなくなったのを確認して小さく呟いた。
「お嬢様と一緒にいると退屈しないのよね。ウンディーネの気持ちがよくわかるわ。…………だからそれを邪魔する敵は許さない」
スノーは氷精霊にふさわしく、氷の笑み浮かべて襲撃してくる敵をどう凍り漬けにして殺そうかと思案するのだった。
合宿1日目の夜─
「さて、『シオン様』は夕飯を食べてクラスメイトと楽しい時間を過ごしておられます」
夜も深まり時間帯は21時頃であった。シオン合宿会場である温泉旅館を取り囲むように、氷の上位精霊であるスノーが生徒達を守る護衛の精霊達をまとめていた。
「我々の仕事はなんだ!」
「「はっ!四大精霊の契約者であるシオン様を御守りする事です!」」
「第2の我々の仕事はなんだ!」
「「はっ!シオン様がくつろいで頂けるようにゴミを掃除する事です!」
「第3の我々の仕事はなんだ!」
「「はっ!シオン様の私生活を覗き見る事です!」」
「よし!」
いや、よしじゃねーよ!?
最後の仕事要らなくない?プライバシーの侵害だよ!?
ここにツッコミ役のシオンがいない為、やりたい放題である。
現在のスノーはいつものメイド服ではあるが、戦闘モードの顔になっていた。現在、スノー直属の精霊達は30人?ほどいて整列していた。
「報告を!」
スノーの言葉に配下の精霊から声が上がった。
「はっ!日中なのですが、この旅館に移動中に生徒の何名かが襲撃にあいました。無論、気付かれる前に撃退致しました!」
「うむ、それで気付いた事はあるか?」
「襲撃に会いそうになった生徒はBとCクラスの生徒でシオン様と関わりのない生徒でした。そこから考えられるのは、シオン様の周囲はガードが厳しいため、末端の生徒を襲い成り代わる事が目的ではないかと推測されます」
スノーは顎に手をやり答えた。
「そうか………重要度の低いといったら悪いが、下位の生徒なら護衛もないと思ったのか」
スノーは思った。この精霊学園では完全な実力でクラスの順位が決まるが、それでも各国からのエリートが選ばれてやってくるのだ。成績の悪い者でも、王族など含まれるために必ず精霊の護衛が付いているのだ。
(成績が悪いといっても、国に戻れば十分に実力者である)
「シルフィに連絡をして下位のクラスメイトの護衛を強化するよう進言しておこう。そして問題はそこではない。敵は正確に生徒の情報を掴んでいる事が問題である!」
!?
厳重に警備してある精霊学園で、生徒の名前やどのクラスに属しているのか知られている事が問題である。
「………それはまさかすでに敵が紛れ込んでいると言うことでしょうか?」
「その可能性も考慮しておけ。で、なければ正確に下位の生徒のみ狙えんだろう?まぁ、後考えられるのが、家族など人質を取られて情報をリークしている者がいるか………だがな?」
スノーの言葉に即座に何人かの精霊が動いた。
「すぐに各生徒の実家、及び周辺を確認して参ります!」
数名の精霊が音もなく消えた。
「よし!では夜間警備に移る!現在周囲を警備している者と交代して引き継ぎを!この時が1番危険であるため、十分に気を付けるように!」
「「「了解しました!!!」」」
上位精霊スノーの言葉に精霊達が散っていった。スノーは精霊達が目の前からいなくなったのを確認して小さく呟いた。
「お嬢様と一緒にいると退屈しないのよね。ウンディーネの気持ちがよくわかるわ。…………だからそれを邪魔する敵は許さない」
スノーは氷精霊にふさわしく、氷の笑み浮かべて襲撃してくる敵をどう凍り漬けにして殺そうかと思案するのだった。
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