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頑張りますわ

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ゼファーは口が固く秘密を守る事のできる植物学者の仲間を呼び寄せた。無論、先王カイルに許可を取り、シオンの秘密は話さないよう言われたが、上級薬草などの栽培については、どんどん思い付いた事を試すよう言い付かった。

「お久しぶりですな!」
「ああ、お前達も息災でなによりだ」

ゼファーが呼んだのは3名だった。

名前が、ハル、ナツ、アキと言う筋肉ムキムキのボディービルダーのような方々だった。

あれ?フユさんはいないの?とは、聞かなかったよ?気にはなるけどね!

「偏見で申し訳ないのですが、植物学者と言うと、ヒョロヒョロのモヤシのような人を思い浮かべるのですが、全然違うのですわね?」

シオンの感想に、3人は………いや、ゼファーを含めて4人大いに笑った。

「ははははっ!確かにそういう想像をする者は多いでしょうな!しかし、植物学者とは意外とハードな仕事なのですよ。珍しい植物を探しに、山に登る事も多いので」

「そうそう、断崖絶壁に作られるツバメの巣のような植物を取りに、命綱一本で降りたりもしますしな!」

「魔物が多く生息する地域にも足を運ぶので、肉体を鍛えるのは当然なのですぞ!」

ワハハハハッ!!!!

そう笑う植物学者達のシオンは引き攣った笑顔をするのがやっとだった。

学者達がきてからしばらく経つと、兄のペルセウスが興味を持ち、研究を手伝わせて欲しいと言ってきた。

「目の前に高級な植物があるのに知識が無いため見落としていたんだ。もっと、身近なもので領地を豊かにしたいんだ」

素晴らしい意気込みですわ!
お兄様、立派になられてシオンは嬉しいですわ♪

ゼファーさんにお邪魔にならないようお兄様に動植物の知識の勉強をお願いしたのだった。

それから植物学者達が、あっちこっちに【紫陽花】の花を植えているのを見掛けたので、理由を尋ねた。

「どうして紫陽花を植えているのですか」
「おおっ、シオンお嬢様。これには深ーい訳がありまして…………」

ふむふむ。

「殺風景な庭に色彩を添える目的がありましてな~」

「ほぅ?それはそれは素晴らしいお考えで──なんでやねーーーん!」

バシッと手刀を喰らわせるシオンだった。

「わっはははは!素晴らしいノリツッコミでしたぞ。冗談はさておき、紫陽花には土壌の成分によって花の色を変える性質があるのです」

「なんと!そんな性質があるのですね!?」

シオンは驚きながら紫陽花を見詰めた。

「はい。まず上級薬草の生えている周囲に紫陽花を植えて花の色で土壌の成分を調べます。そして、同じ土壌の成分の土を使い畑で栽培して見ようと思っております」

詳しく話を聞くと、ただの筋肉おじさんではなく、立派な植物学者だなぁ~と思ったシオンだった。





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