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今度はお茶会ですよ
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お母様が大々的に動き出した頃───
「しばらくは、ほぼ毎日お茶会かぁ~~」
シオンは仕事に忙殺されていた。
「ハル、お母様は大丈夫?」
「少なくとも、マリア様は毒に耐性をお持ちなので、余程の事がない限り大丈夫かと」
王族であるお母様も、幼少の頃は微量の毒を舐めて訓練しており耐性を持っているのです。
「しかし、意外な所からお誘いがきましたね?」
明日向かう家はブルーネット公爵家。
あの王妃筆頭と噂のエリスからの招待だった。
「ようやく心の整理がついたのかしらね………」
あの決闘から先日の夜会でも、挨拶以外の会話はできてなかった。
シオンが書類仕事に忙殺されている頃、
ブルーネット公爵家では───
「来てくれるのかしら…………」
エリスは落ち着かない様子で明日の事を考えていた。
「落ち着きなさい。明日のお茶会には参加すると便りが来ただろう?」
「お父様!いらっしていたのですか!?」
エリスは慌てて立ち上がり頭を下げた。
「別に挨拶はよい。それより明日、シオン御令嬢が来たらわかっているな?」
「それはっ!………はい…」
そう、息子を殺した相手に思う所はあるだろうが、息子の形見を持ってきてくれた事には、最低限の礼をせねばならない。それが高位貴族なら尚更礼儀を尽くさなければならない。
「息子を殺された恨みはあるが、王国側からしたら、我々は侵略者に過ぎないのだ。どこかで恨みは断ち切らねばならないのだ」
お父様も思う所があるのか遠い目をして言った。
「しかし、お前の話でも信じられんな、帝国でも名の通った我が息子を倒したのが、シオン令嬢とは………」
「正直、手合わせしましたが、まったく刃が立ちませんでした」
悔しそうに拳を握った。
「うむ、護衛達からも報告は受けている。明日、会うのが楽しみだ」
そう言ってブルーネット公爵はその場を立ち去った。
「楽しみって、お父様は何をなさろうとしているのかしら?」
少し不安を抱えながら次の日になった。
ブルーネット公爵家の正門にて───
「この度はお招き頂きありがとうございます」
ドレスの裾を掴んで綺麗なカーテシーをして挨拶した。そう、隣には美の化身であるお母様がいるのだ。少しでも粗相したら命はない!
シオンは必殺技の猫かぶり3倍を発動していた。
「こちらこそ、来て頂き嬉しく思います。今日は天気が良いので外に会場をご用意しました。どうぞこちらへ」
エリスの案内で庭に行くと、思ったより豪勢な会場が用意されていた。綺麗な白いテーブルに白い椅子。白色を基本に、そこにブルー色の花々が飾られており、色彩が目立つようになっていた。
「これは素敵ですわね」
「気に入って貰えて嬉しいですわ」
席に着こうとする前に、エリスの御両親も現れた。
「あら?すみません。私の両親でございます。ご挨拶してもよろしいでしょうか?」
「ええ構いませんよ」
エリスが仲立ちになり、挨拶してきた。
「先日の夜会では挨拶も出来ず申し訳ございせんでした。私がエリスの父でバードン・ブルーネットです。こちらは我が妻、エリーゼ・ブルーネットです」
「エリーゼとお呼び下さい」
「ご丁寧な挨拶ありがとうございます。私がシオンの母、マリア・オリオンです。どうぞ良しなに」
バチバチッとマリアとエリーゼの間に火花が飛び散った。
シオンは猫かぶり3倍では足りないと感じ、さらに10倍の猫かぶりを発動した。顔の筋肉がつって身体の負荷が大きいが、負けられない戦いがあるのだ。グギギギッ…………
「お母様、そろそろ席についてお茶を楽しみませんか?」
この目に見えない激戦の中に割って入る勇気を褒めて欲しい。
ハル、アキ、私は今日帰れないかも知れない。強く生きてね。キランッ
シオンはニコニコしながら提案したが、内心では断崖絶壁に立たされている心境だった。
「そうね。せっかくご招待されたですから楽しんでいきましょう」
ようやく席に座ると、異例なことではあるがエリスの父親も同席してのお茶会という名の戦争が始まった。
「それにしてもマリア様は本当にお若いですわ。夜会でも注目されてましたし、ぜひここはどう言ったものをご利用されているのか教えて頂きたいですわね」
「うむ、シオン令嬢と姉妹と言われても違和感がないですな」
エリスの父親の言葉に妻のエリーゼがギロッと睨んだ。
「王国に居た時はそんな事は言われたことがなかったのですよ?国が違うと感じ方も違うのでしょうかね?」
元王族のマリアにそのような事を話せる、度胸のある者がいなかっただけであるのだが。
「それと、夜会で殺到してしまいましたが、これがお肌を潤いをもたらせる乳液という化粧水です」
おおっ!とエリーゼとエリスの目の色が変わった。
「ちなみに普通の化粧品と何が違うのでしょうか?」
「そうですね。乳液と言うのは肌に活性力をもたらし、化粧のノリをより良くする物とお考えください。なので、既存の化粧品とセットで使うので、今までの化粧品がダメというわけではありません」
なるほど!と、周囲にいるメイド達も頷き、乳液をジッと見ています。
「エリスさんとは良きライバルとして切磋琢磨していって欲しいと思っています。なので───」
マリアは視線を私達の従者に向けると、リアカーに積んだ大量の乳液の瓶を運んできた。
「こちらの乳液は、これからの【ご縁】の為に差し上げますわ」
「こんなに沢山・・・」
「無論、屋敷で働く若いメイド達にも配ってくださいね。全て自分の懐に入れるのはお任せしますが」
マリアは不敵に微笑んだ。
「ここでそんなことをすれば、うちのメイド達は大量に辞めるでしょうね。私もそこまで許容が小さくありませんわ」
わあぁぁぁ!メイド達が歓声の声を上げた。
「さて、そろそろ本題に入りましょうか」
ホワイ???
お母様?本題とはなんでしょうか?
私は何も聞いていませんよ???
「そうですな。では本題に入りましょうか」
えっ、ブルーネット公爵も知っているの?
公爵は人払いをさせると数人の執事と護衛のみ残った。
おそらく信用できる配下の者なのだろう。
「まずは息子バリスの形見を届けてくれた事を感謝致す」
公爵は座りながらではあるが深く頭を下げた。
「いいえ、私も重荷が取れて良かったです。それと、息子さんを直接手に掛けたのは私です。でも私は頭を下げる事はありません。その理由はお分かりですね?」
バンっと母親であるエリーゼがテーブルを叩いた。
「ふざけないでくださいまし!私の大切な息子を手にかけて謝る事もしないですって!」
普通ならエリーゼの憤怒は当然である。
「やめろっ!お前もわかっているだろう?恨むなとは言わん。だがここは落ち着きなさい」
公爵の一声で、エリーゼは拳を強く握って耐えた。
「妻が失礼した。そちらの言い分は理解しているつもりだ。我々は侵略者であり、君たちは国を守る為に戦っただけだということを」
「そうですね。でもそれでは半分の正解です。バリス殿は強かった。もし私が謝れば、国の為に、仲間の為に、誇り高く全力で戦ったバリス殿を汚すことになります。私は生涯バリス殿のことを忘れない」
ハッとシオンの方を見るエリーゼの目から涙が溢れた。
「私ならいくらでも恨んでください。でもバリス殿の誇りを汚す事だけはしないと約束してください」
シオンの力強い目に、視線が逸らせなくなった。
「娘のシオンがここまで言ったのです。後は貴方達の判断に任せます。正直、娘のシオンが殺されれば、私なら持てる力の全て使ってでも、相手を殺すでしょう。それが私怨だったとしてもね。だから私からは何も言いません」
マリアはシオンの手を握った。
それは、シオンは一人じゃないと言っているようだった。
「しばらくは、ほぼ毎日お茶会かぁ~~」
シオンは仕事に忙殺されていた。
「ハル、お母様は大丈夫?」
「少なくとも、マリア様は毒に耐性をお持ちなので、余程の事がない限り大丈夫かと」
王族であるお母様も、幼少の頃は微量の毒を舐めて訓練しており耐性を持っているのです。
「しかし、意外な所からお誘いがきましたね?」
明日向かう家はブルーネット公爵家。
あの王妃筆頭と噂のエリスからの招待だった。
「ようやく心の整理がついたのかしらね………」
あの決闘から先日の夜会でも、挨拶以外の会話はできてなかった。
シオンが書類仕事に忙殺されている頃、
ブルーネット公爵家では───
「来てくれるのかしら…………」
エリスは落ち着かない様子で明日の事を考えていた。
「落ち着きなさい。明日のお茶会には参加すると便りが来ただろう?」
「お父様!いらっしていたのですか!?」
エリスは慌てて立ち上がり頭を下げた。
「別に挨拶はよい。それより明日、シオン御令嬢が来たらわかっているな?」
「それはっ!………はい…」
そう、息子を殺した相手に思う所はあるだろうが、息子の形見を持ってきてくれた事には、最低限の礼をせねばならない。それが高位貴族なら尚更礼儀を尽くさなければならない。
「息子を殺された恨みはあるが、王国側からしたら、我々は侵略者に過ぎないのだ。どこかで恨みは断ち切らねばならないのだ」
お父様も思う所があるのか遠い目をして言った。
「しかし、お前の話でも信じられんな、帝国でも名の通った我が息子を倒したのが、シオン令嬢とは………」
「正直、手合わせしましたが、まったく刃が立ちませんでした」
悔しそうに拳を握った。
「うむ、護衛達からも報告は受けている。明日、会うのが楽しみだ」
そう言ってブルーネット公爵はその場を立ち去った。
「楽しみって、お父様は何をなさろうとしているのかしら?」
少し不安を抱えながら次の日になった。
ブルーネット公爵家の正門にて───
「この度はお招き頂きありがとうございます」
ドレスの裾を掴んで綺麗なカーテシーをして挨拶した。そう、隣には美の化身であるお母様がいるのだ。少しでも粗相したら命はない!
シオンは必殺技の猫かぶり3倍を発動していた。
「こちらこそ、来て頂き嬉しく思います。今日は天気が良いので外に会場をご用意しました。どうぞこちらへ」
エリスの案内で庭に行くと、思ったより豪勢な会場が用意されていた。綺麗な白いテーブルに白い椅子。白色を基本に、そこにブルー色の花々が飾られており、色彩が目立つようになっていた。
「これは素敵ですわね」
「気に入って貰えて嬉しいですわ」
席に着こうとする前に、エリスの御両親も現れた。
「あら?すみません。私の両親でございます。ご挨拶してもよろしいでしょうか?」
「ええ構いませんよ」
エリスが仲立ちになり、挨拶してきた。
「先日の夜会では挨拶も出来ず申し訳ございせんでした。私がエリスの父でバードン・ブルーネットです。こちらは我が妻、エリーゼ・ブルーネットです」
「エリーゼとお呼び下さい」
「ご丁寧な挨拶ありがとうございます。私がシオンの母、マリア・オリオンです。どうぞ良しなに」
バチバチッとマリアとエリーゼの間に火花が飛び散った。
シオンは猫かぶり3倍では足りないと感じ、さらに10倍の猫かぶりを発動した。顔の筋肉がつって身体の負荷が大きいが、負けられない戦いがあるのだ。グギギギッ…………
「お母様、そろそろ席についてお茶を楽しみませんか?」
この目に見えない激戦の中に割って入る勇気を褒めて欲しい。
ハル、アキ、私は今日帰れないかも知れない。強く生きてね。キランッ
シオンはニコニコしながら提案したが、内心では断崖絶壁に立たされている心境だった。
「そうね。せっかくご招待されたですから楽しんでいきましょう」
ようやく席に座ると、異例なことではあるがエリスの父親も同席してのお茶会という名の戦争が始まった。
「それにしてもマリア様は本当にお若いですわ。夜会でも注目されてましたし、ぜひここはどう言ったものをご利用されているのか教えて頂きたいですわね」
「うむ、シオン令嬢と姉妹と言われても違和感がないですな」
エリスの父親の言葉に妻のエリーゼがギロッと睨んだ。
「王国に居た時はそんな事は言われたことがなかったのですよ?国が違うと感じ方も違うのでしょうかね?」
元王族のマリアにそのような事を話せる、度胸のある者がいなかっただけであるのだが。
「それと、夜会で殺到してしまいましたが、これがお肌を潤いをもたらせる乳液という化粧水です」
おおっ!とエリーゼとエリスの目の色が変わった。
「ちなみに普通の化粧品と何が違うのでしょうか?」
「そうですね。乳液と言うのは肌に活性力をもたらし、化粧のノリをより良くする物とお考えください。なので、既存の化粧品とセットで使うので、今までの化粧品がダメというわけではありません」
なるほど!と、周囲にいるメイド達も頷き、乳液をジッと見ています。
「エリスさんとは良きライバルとして切磋琢磨していって欲しいと思っています。なので───」
マリアは視線を私達の従者に向けると、リアカーに積んだ大量の乳液の瓶を運んできた。
「こちらの乳液は、これからの【ご縁】の為に差し上げますわ」
「こんなに沢山・・・」
「無論、屋敷で働く若いメイド達にも配ってくださいね。全て自分の懐に入れるのはお任せしますが」
マリアは不敵に微笑んだ。
「ここでそんなことをすれば、うちのメイド達は大量に辞めるでしょうね。私もそこまで許容が小さくありませんわ」
わあぁぁぁ!メイド達が歓声の声を上げた。
「さて、そろそろ本題に入りましょうか」
ホワイ???
お母様?本題とはなんでしょうか?
私は何も聞いていませんよ???
「そうですな。では本題に入りましょうか」
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公爵は座りながらではあるが深く頭を下げた。
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バンっと母親であるエリーゼがテーブルを叩いた。
「ふざけないでくださいまし!私の大切な息子を手にかけて謝る事もしないですって!」
普通ならエリーゼの憤怒は当然である。
「やめろっ!お前もわかっているだろう?恨むなとは言わん。だがここは落ち着きなさい」
公爵の一声で、エリーゼは拳を強く握って耐えた。
「妻が失礼した。そちらの言い分は理解しているつもりだ。我々は侵略者であり、君たちは国を守る為に戦っただけだということを」
「そうですね。でもそれでは半分の正解です。バリス殿は強かった。もし私が謝れば、国の為に、仲間の為に、誇り高く全力で戦ったバリス殿を汚すことになります。私は生涯バリス殿のことを忘れない」
ハッとシオンの方を見るエリーゼの目から涙が溢れた。
「私ならいくらでも恨んでください。でもバリス殿の誇りを汚す事だけはしないと約束してください」
シオンの力強い目に、視線が逸らせなくなった。
「娘のシオンがここまで言ったのです。後は貴方達の判断に任せます。正直、娘のシオンが殺されれば、私なら持てる力の全て使ってでも、相手を殺すでしょう。それが私怨だったとしてもね。だから私からは何も言いません」
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