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ついに対面!☆

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【妃選定の儀】に参加する女性達が一同に集まる日になった。

「ドキドキするね~~」

シオンはハルとアキを連れて歩いていた。

「ウフフッ、どんな方がライバルなんでしょうか、気になりますね」

「そうすっね。まぁ、お嬢には敵わないでしょうが、楽しめそうじゃないっすか?」

ここは王妃宮から、王城に向かう途中である。
王妃宮は王城の裏手にあるので、それほど人通りがある訳ではない。

真っ昼間ではあるが、シオン達は黒ずくめの男達に襲われていた。











「まぁ、準備運動しながら行くのも良いんじゃない?」

シオン達は会話しながら、剣を振りかざす暗殺者達を軽くいなしていく。
シオン達は武器を持っていなく、素手で昏倒させていく。

形勢が不利とわかると残った敵2人が逃げ出した。

「逃さないよわっ!」

ハルとアキがシュッと、相手より素早く追いつき気絶させた。

「ハァハァ、終わりましたかい?」

そこに鎧をきた騎士団が到着した。

「ゼータ、わかっているわね?」
「もちろんですぜ!だから、野郎どもを連れてきたんです」

騎士団は眠り薬と、歯を抜く道具を持ってきていた。そう、事前にシオンが襲われる可能性があると情報を得ていたのだ。

過去にも、多くの王妃達がこの通路で襲われていた血塗られた道(ロード)。
故に、普通は多くの護衛を連れて移動するのだが、シオンは敢えて少ないお供を連れて移動することで、暗殺者達を釣ったのである。

まさか、日の高い内から襲われないだろうという、暗殺者達の狙いもあったのだが、無意味であった。

そして、暗殺者達を薬で深く眠らせてから、自決させない為に、歯を全部抜くのだ。

後は、まぁ、【丁寧】に尋問して黒幕を吐かせる予定。

「ここからは、我々が護衛に付きます」

ここでいつもの護衛騎士達が5人付いてくる事になった。

「よし!準備運動もできたし、行きますか!」

こうして、王妃候補が集まる会場へ向かうのであった。

まだシオン達が入った事のない部屋に案内された。

「ここからはお付きの方は2名までとなります」

護衛の騎士達は、残念そうに…………では、なく嬉しそうに見送った。

「頑張って下さいね~~!」

『やったぜ!皇帝とかお偉い方の部屋で何時間も立っているのはしんどいから助かった♪』

これがシオンの護衛騎士の本音だった。
シオン達が大きな部屋で、お茶会と言う戦争をしている間は、手前にある待合室で、騎士達はのんびり過ごすはずだったが───

「失礼する!我々はエリス・ブルーネット公爵令嬢様の護衛騎士だ。よかったら情報交換させて欲しい。もう襲われたと聞いたぞ」

他の令嬢の騎士達だった。
こうしてゼータやリオンと言った騎士達は情報交換と言う、交流を始めるのであった。

そして───

王妃候補が集まる会場は重苦しい空気が漂っていた。部屋に入るとシオンが1番最後であった。

「お初にお目にかかります。隣国、オリオン辺境伯家が長女シオン・オリオンでございます」

綺麗なカーテシーをして部屋に入った。
視線がシオンに集中する。

「こちらこそ初めまして、セラ・ラビットと申します」

メガネを掛けた知的な女性が挨拶してくれた。
その後、エリス・ブルーネットさんも丁寧に挨拶をしたが、バーネット令嬢だけは、シオンを睨むだけで挨拶しなかった。

私なんかしたっけ?
シオンだけは首を傾げるのだった。

『どういう事よ!あの人質姫、まだ死んでいなかったの!?』

役に立たないヤツラね。
いくら前金を渡したと思っているのよっ!

バーネットは苛立っていた。
盤石だと思っていた東部の大貴族ヴァイス侯爵家が没落したのだ。
そして、調べた結果その原因を作ったのが、目の前にいるシオン・オリオン令嬢なのだ。

バーネット・メイゲン伯爵令嬢は、父親の命令で複数の候補と結託して、利益だけでせしめるつもりだった。自分で表に立たず、恨みを買わないようにして、恩だけ売る。そういう世渡りをしてきたのだ。

その手を結んでいた令嬢達が全て脱落したせいで、自分に白羽の矢が立ってしまった。

エリスとセラに協力の打診をした所、冷たい目で見られて拒否された。ここにいるメンバーで協力をする事ができないのだ。

シオンに恨みの目を向けたくなるのも無理ないのである。






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