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さぁ!断罪のお時間デスよ!
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夜も深まりシオン達は行動を開始した。ハルとアキが見つけてきた証拠の品を見たカノンさんの険しい目つきが印象的だった。
カノンさんも悪を許さない正義の心があるのね!
なんやかんやで、まだ会って間もないカノンの好感度は高かった。
「さて、派手に行きますか!」
あのクソゴミクズドラ息子の屋敷は、街の北側にあり、この街は交通の名所として、西から東に街を貫く様に大きな街道がある。無論、城塞都市のような街なので、西と東に大きな城門が設置されており、夜は閉まっている。
「どうやって忍び込むのですか?」
カノンは詳しい侵入方法を知らされていなかった。
「フフフッ!そんなの決まっているじゃない!」
ポカンッとするカノンを放置して、前回男爵の門を破壊したのと同じ方法を取った。
シオンが手を握ると魔力が集まり光だした。
『魔力持ち』!?
この世界には【魔力】があり【魔法】がある。
しかし、魔力を持っている者は少なく、余り見かけない。何故なら魔力持ちは見つけ次第、国で囲うからだ。魔法使いは重宝され、高待遇で召し抱えられる。戦争以外でも、水魔法が使える者は、水不足の地域に派遣され、民の為に働く。
まぁ、まっとうな為政者の元で働いている魔法使いならだが。最近は戦争で使われる事がほとんどだ。
だから魔力持ちは隠れるように暮らす者や魔力があるのを隠して暮らす者が出てきている。
シオンは集めた魔力を門に放った。
ドッガーーーーーン!!!!!!
大きな爆破音が鳴り響き、伯爵家の門が粉々になった。
「えっ?普通は音を立てずに侵入するのでは………」
今だに唖然としているカノンの肩にリオンは手を置いて首を振った。
「諦めて下さい。お嬢は派手好きなんです」
ハラハラと涙を流しながらリオンは悟った様な顔で助言した。
「は、ははは………」
カノンは、まだシオンと言う令嬢の事を理解出来てないらしいと、引き攣った笑い声しか出なかった。
門を破るとゆっくりと歩き出した。
中庭を半分ほど進んだ所で、ようやく屋敷の入口が開き、警護の者達が慌てて出てきた。
「……20点ね。出てくるのが遅すぎる。主がクズだと配下もクズになるのね」
「本当ですね。出てきたのは守衛でしょうか?鎧を着ている者が半数とは嘆かわしいですね」
「鎧を着ていないヤツは非番だったのか……お楽しみ中だったのか………不快です」
無言で武器を構えるハルとアキに、シオンは出てきた屋敷を守る守衛達を見渡した。
『質が悪いわね。流石に男爵の所にいたゴロツキよりはマシってぐらい』
「貴様ら!何者だ!?ここをどなたの屋敷と心得る!ワルノヨー伯爵様の屋敷だぞ!」
ようやくリーダー格の男が武器を構えて立ちふさがる仲間の後ろから怒鳴った。
「ええ、知っているわ。そのワルノヨー伯爵家のクズドラ息子を退治しにきたのよ」
屋敷を守る守衛兵達に言った。
「たったそれだけでか?ワハハハッ!!!」
リーダー格の男と一緒に周囲も笑い出す。
出てきた守衛達も同時に笑い出した。
「こちらは50人以上いるんだぞ?まだ屋敷の中にも更に仲間がいる!10人もいないお前達に勝ち目はない!」
自分達が有利だと気付くと、ジリジリと間合いを詰めてきた。
『あのクズドラ息子はやっぱりでて来ないか』
一緒に出てきてくれれば手間が省けるんだが……少し暴れれば、仲間が助けに報告しに行くでしょう。
「さぁ!野郎ども!断罪の時間だ!今回は思いっきり暴れて良いわよ!!!」
腕を組み、不敵に笑うシオンのオーラに圧倒され、屋敷を守る兵士達は冷や汗を出すのだった。
カノンさんも悪を許さない正義の心があるのね!
なんやかんやで、まだ会って間もないカノンの好感度は高かった。
「さて、派手に行きますか!」
あのクソゴミクズドラ息子の屋敷は、街の北側にあり、この街は交通の名所として、西から東に街を貫く様に大きな街道がある。無論、城塞都市のような街なので、西と東に大きな城門が設置されており、夜は閉まっている。
「どうやって忍び込むのですか?」
カノンは詳しい侵入方法を知らされていなかった。
「フフフッ!そんなの決まっているじゃない!」
ポカンッとするカノンを放置して、前回男爵の門を破壊したのと同じ方法を取った。
シオンが手を握ると魔力が集まり光だした。
『魔力持ち』!?
この世界には【魔力】があり【魔法】がある。
しかし、魔力を持っている者は少なく、余り見かけない。何故なら魔力持ちは見つけ次第、国で囲うからだ。魔法使いは重宝され、高待遇で召し抱えられる。戦争以外でも、水魔法が使える者は、水不足の地域に派遣され、民の為に働く。
まぁ、まっとうな為政者の元で働いている魔法使いならだが。最近は戦争で使われる事がほとんどだ。
だから魔力持ちは隠れるように暮らす者や魔力があるのを隠して暮らす者が出てきている。
シオンは集めた魔力を門に放った。
ドッガーーーーーン!!!!!!
大きな爆破音が鳴り響き、伯爵家の門が粉々になった。
「えっ?普通は音を立てずに侵入するのでは………」
今だに唖然としているカノンの肩にリオンは手を置いて首を振った。
「諦めて下さい。お嬢は派手好きなんです」
ハラハラと涙を流しながらリオンは悟った様な顔で助言した。
「は、ははは………」
カノンは、まだシオンと言う令嬢の事を理解出来てないらしいと、引き攣った笑い声しか出なかった。
門を破るとゆっくりと歩き出した。
中庭を半分ほど進んだ所で、ようやく屋敷の入口が開き、警護の者達が慌てて出てきた。
「……20点ね。出てくるのが遅すぎる。主がクズだと配下もクズになるのね」
「本当ですね。出てきたのは守衛でしょうか?鎧を着ている者が半数とは嘆かわしいですね」
「鎧を着ていないヤツは非番だったのか……お楽しみ中だったのか………不快です」
無言で武器を構えるハルとアキに、シオンは出てきた屋敷を守る守衛達を見渡した。
『質が悪いわね。流石に男爵の所にいたゴロツキよりはマシってぐらい』
「貴様ら!何者だ!?ここをどなたの屋敷と心得る!ワルノヨー伯爵様の屋敷だぞ!」
ようやくリーダー格の男が武器を構えて立ちふさがる仲間の後ろから怒鳴った。
「ええ、知っているわ。そのワルノヨー伯爵家のクズドラ息子を退治しにきたのよ」
屋敷を守る守衛兵達に言った。
「たったそれだけでか?ワハハハッ!!!」
リーダー格の男と一緒に周囲も笑い出す。
出てきた守衛達も同時に笑い出した。
「こちらは50人以上いるんだぞ?まだ屋敷の中にも更に仲間がいる!10人もいないお前達に勝ち目はない!」
自分達が有利だと気付くと、ジリジリと間合いを詰めてきた。
『あのクズドラ息子はやっぱりでて来ないか』
一緒に出てきてくれれば手間が省けるんだが……少し暴れれば、仲間が助けに報告しに行くでしょう。
「さぁ!野郎ども!断罪の時間だ!今回は思いっきり暴れて良いわよ!!!」
腕を組み、不敵に笑うシオンのオーラに圧倒され、屋敷を守る兵士達は冷や汗を出すのだった。
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