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有名なアレ!☆
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アーク・ダイカーン男爵家──
「クククッ、今回は上玉揃いだったなぁ~」
男爵は下卑た顔で笑っていた。男爵は不衛生が祟っているのか、まんまる体型で禿げ頭と言う、ブサイクな男であった。
男爵の目の前には牢屋の様な作りの頑丈な馬車が停まっていた。そう外からの攻撃を防ぐためではなく、中から逃さい為のものだ。
「さて、これを届けたら、そろそろ目標額に達する。そうすれば、ワシは侯爵様の側近として今以上の地位を得られるのだ!」
もしかしたら子爵位に陞爵してもらえるかも知れない。ダイカーン男爵はまだ見ぬ栄光に胸を踊らせた。
「さっ、早く住民に見つからない内に運び出せ!」
「了解でさぁ!」
馬車に閉じ込められた女達は猿轡を付けられており、ううー!とうめき声を出すだけで、大声が出せない為に、通り掛かっても馬車の音でかき消されてしまう。これまで見つからずに女達が運ばれていたのだ。男爵も油断していた。
ドーーーーン!!!!!
突然、爆発音と共に屋敷の門が破壊されたのだ。
「な、何事だ!?」
慌てた男爵と雇われ護衛が駆け付けると───
爆煙の中から数名の人影が見えた。
「お前達何者だ!?ここがアーク・ダイカーン男爵の屋敷と知っての狼藉かっ!!!」
クスクスッと笑い声が聞こえてきた。
「ええっ、知っていてよ?賄賂の資金を得る為に、領地の税を不当に上げ、領民を困窮させて、さらに借金を返せなくなった娘達を売り飛ばす外道の屋敷でしょう?その借金の大半は騙して払えなくした詐欺の手口でね」
「なっ!?巫山戯るな!どこにそんな証拠がある!?」
パチンッとシオンは指を鳴らした。
「まず証人として、この子達に見覚えはありませんか?」
シオンは護衛の騎士に捕えたゴロツキ達を連れてきていた。
「お前達!?」
「だ、男爵様!申し訳ありません!」
縄で縛られ、地面に転がりながら謝るゴロツキ達だった。
「ふ、ふん!そんなヤツラの証言など証拠になるか!」
「あら、確かにそうですわね」
シオンはあっさり認めた。
そして、懐から盗み出した不正の書類を突き出した。
「ならこれはどうですか?貴方の書斎の中にあった不正取引の契約書など。ダメじゃないですか?こういった物は別の隠し金庫などに隠しておかないとね?」
男爵は真っ青になって叫んだ。
「貴様ら!どうしてそれを…………いや、もうどうでもよい!であえぃ!であえぃ!お前達、こいつ等を殺してしまえっ!殺した後に書類を回収すればよい!不当に侵入した侵入者達を殺すのだーーー!!!」
屋敷からぞろぞろと、ゴロツキ達が大勢現れた。
「あなた、仮にも男爵なのに、正規な騎士団を保有していないのね~?皆さん、顔の悪い………失礼、顔の恐いゴロツキ達しかいないじゃないの?」
「黙れっ!黙れっ!誰だか知らんがここから生きて帰れると思うなよ!」
シオンは手を顔に当てると静かに言った。
「貴方はやり過ぎました。悪女より悪名い高いなんて許せませんわ。お覚悟よろしくて?ハルさん、アキさん、懲らしめてあげなさい!」
ハルとアキは飛び出して、襲ってくるゴロツキと戦い出した。シオンの護衛騎士も、目に出てシオンを守りながら戦った。ゴロツキ達は数こそ多いが、正式な訓練も積んでいない素人ばかりで、シオン達には手も足も出ずどんどん倒されていった。
「クククッ、今回は上玉揃いだったなぁ~」
男爵は下卑た顔で笑っていた。男爵は不衛生が祟っているのか、まんまる体型で禿げ頭と言う、ブサイクな男であった。
男爵の目の前には牢屋の様な作りの頑丈な馬車が停まっていた。そう外からの攻撃を防ぐためではなく、中から逃さい為のものだ。
「さて、これを届けたら、そろそろ目標額に達する。そうすれば、ワシは侯爵様の側近として今以上の地位を得られるのだ!」
もしかしたら子爵位に陞爵してもらえるかも知れない。ダイカーン男爵はまだ見ぬ栄光に胸を踊らせた。
「さっ、早く住民に見つからない内に運び出せ!」
「了解でさぁ!」
馬車に閉じ込められた女達は猿轡を付けられており、ううー!とうめき声を出すだけで、大声が出せない為に、通り掛かっても馬車の音でかき消されてしまう。これまで見つからずに女達が運ばれていたのだ。男爵も油断していた。
ドーーーーン!!!!!
突然、爆発音と共に屋敷の門が破壊されたのだ。
「な、何事だ!?」
慌てた男爵と雇われ護衛が駆け付けると───
爆煙の中から数名の人影が見えた。
「お前達何者だ!?ここがアーク・ダイカーン男爵の屋敷と知っての狼藉かっ!!!」
クスクスッと笑い声が聞こえてきた。
「ええっ、知っていてよ?賄賂の資金を得る為に、領地の税を不当に上げ、領民を困窮させて、さらに借金を返せなくなった娘達を売り飛ばす外道の屋敷でしょう?その借金の大半は騙して払えなくした詐欺の手口でね」
「なっ!?巫山戯るな!どこにそんな証拠がある!?」
パチンッとシオンは指を鳴らした。
「まず証人として、この子達に見覚えはありませんか?」
シオンは護衛の騎士に捕えたゴロツキ達を連れてきていた。
「お前達!?」
「だ、男爵様!申し訳ありません!」
縄で縛られ、地面に転がりながら謝るゴロツキ達だった。
「ふ、ふん!そんなヤツラの証言など証拠になるか!」
「あら、確かにそうですわね」
シオンはあっさり認めた。
そして、懐から盗み出した不正の書類を突き出した。
「ならこれはどうですか?貴方の書斎の中にあった不正取引の契約書など。ダメじゃないですか?こういった物は別の隠し金庫などに隠しておかないとね?」
男爵は真っ青になって叫んだ。
「貴様ら!どうしてそれを…………いや、もうどうでもよい!であえぃ!であえぃ!お前達、こいつ等を殺してしまえっ!殺した後に書類を回収すればよい!不当に侵入した侵入者達を殺すのだーーー!!!」
屋敷からぞろぞろと、ゴロツキ達が大勢現れた。
「あなた、仮にも男爵なのに、正規な騎士団を保有していないのね~?皆さん、顔の悪い………失礼、顔の恐いゴロツキ達しかいないじゃないの?」
「黙れっ!黙れっ!誰だか知らんがここから生きて帰れると思うなよ!」
シオンは手を顔に当てると静かに言った。
「貴方はやり過ぎました。悪女より悪名い高いなんて許せませんわ。お覚悟よろしくて?ハルさん、アキさん、懲らしめてあげなさい!」
ハルとアキは飛び出して、襲ってくるゴロツキと戦い出した。シオンの護衛騎士も、目に出てシオンを守りながら戦った。ゴロツキ達は数こそ多いが、正式な訓練も積んでいない素人ばかりで、シオン達には手も足も出ずどんどん倒されていった。
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