102 / 109
邪神
しおりを挟む
黒いスライムみたいな物体がグニュグニュと動いていた。
「なんだあれは!?」
「あの物体からシオンから取り除いた呪いの匂いを感じるわ」
!?
アクアの言葉に視線が集中した。
「であれば、アレがクロウをおかしくさせた元凶なのか?」
『それは違うな。ヤツは元々が濁った魂の持ち主だったのだ』
どこから発しているのかわからないが、黒いスライムから声が聞こえた。
『我は取引したに過ぎぬ。しかし感謝しよう古龍よ。貴様がクロウにダメージを与えたおかげで我は自由に力を使えるようになった』
「どういうことだ!」
紅さんは火炎弾を放つが、今度はあっさりと防がれた。黒いスライムは形を変えて、真っ黒な人の形に变化した。
「ふむ、この姿の方が安定するな。我とクロウは契約したのだよ。我がクロウの魔力を引出し、この国有数の魔術師にする代わりにシオンを抹殺するという契約をな」
ニヤリと不気味に嗤った。
「この外道が………」
「貴方が最初からクロウを乗っ取れば早かったのではないのかしら?」
スカーレットの言葉に腕を組みながら答えた。
「この者も警戒して、魔法契約の文言に危害を与えない、精神を乗っ取らないなど入れたのだよ。しかし、緊急時の命の危険があるやむ終えない場合は、魔法の扱いに長けている私に身体の主導権を譲ると入れたのだ。こうして私は触媒を得て自由に動けるようになったのだよ」
全員が身構えて臨戦態勢を取っていた。
「その契約………【一時的に】主導権を譲ると言う言葉を抜かしたわね?これで永久にクロウ王子の身体はあなたの物となった。違うかしら?」
黒い物体は拍手をして称賛した。
「正解だ!」
この物体に嫌悪感を覚えるには十分であった。
「シオンが聖属性のスキルを授かったおかげで身体から追い出されたが、ちょうどいい!自由に動けるようになったお陰で、今まで以上に貴様を狙える!」
「話は聞いたけど、あなたは邪神なの?」
「如何にも。その邪神が死の間際に放った呪いが具現化したものよ」
フィーネが前に飛び出した。
「フィーネ!?」
「邪神が死んで千年以上経っているわ!そして生まれ変わったシオンを何度も殺したじゃない!もういい加減にしてよ!!!」
!?
フィーネの言葉にシオン以外の仲間が目を開いて驚いた。
「何度も………殺した………?」
「シオンの前世では私が少し目を離したスキに事故で亡くなったわ。その前の人生でも、前々の人生でも、邪神の死の呪いのせいでちょっとした事で命を落としていたのよ。それを何とかしたくて女神アルテミス様がこの世界に呼んだんです!この世界のスキルや魔法の力なら邪神の呪いを解呪できるかもと思って」
そうだったのね。
シオンはやっと理解した。
自分が護られていた事を知った。
「はぁ~何を言うかと思えば。我の行動理念はシオンを殺すこと。何度生まれ変わってもそれは変わらん!」
ブチッ!!!
邪神の言葉に何かがキレる音がした。
「なんだあれは!?」
「あの物体からシオンから取り除いた呪いの匂いを感じるわ」
!?
アクアの言葉に視線が集中した。
「であれば、アレがクロウをおかしくさせた元凶なのか?」
『それは違うな。ヤツは元々が濁った魂の持ち主だったのだ』
どこから発しているのかわからないが、黒いスライムから声が聞こえた。
『我は取引したに過ぎぬ。しかし感謝しよう古龍よ。貴様がクロウにダメージを与えたおかげで我は自由に力を使えるようになった』
「どういうことだ!」
紅さんは火炎弾を放つが、今度はあっさりと防がれた。黒いスライムは形を変えて、真っ黒な人の形に变化した。
「ふむ、この姿の方が安定するな。我とクロウは契約したのだよ。我がクロウの魔力を引出し、この国有数の魔術師にする代わりにシオンを抹殺するという契約をな」
ニヤリと不気味に嗤った。
「この外道が………」
「貴方が最初からクロウを乗っ取れば早かったのではないのかしら?」
スカーレットの言葉に腕を組みながら答えた。
「この者も警戒して、魔法契約の文言に危害を与えない、精神を乗っ取らないなど入れたのだよ。しかし、緊急時の命の危険があるやむ終えない場合は、魔法の扱いに長けている私に身体の主導権を譲ると入れたのだ。こうして私は触媒を得て自由に動けるようになったのだよ」
全員が身構えて臨戦態勢を取っていた。
「その契約………【一時的に】主導権を譲ると言う言葉を抜かしたわね?これで永久にクロウ王子の身体はあなたの物となった。違うかしら?」
黒い物体は拍手をして称賛した。
「正解だ!」
この物体に嫌悪感を覚えるには十分であった。
「シオンが聖属性のスキルを授かったおかげで身体から追い出されたが、ちょうどいい!自由に動けるようになったお陰で、今まで以上に貴様を狙える!」
「話は聞いたけど、あなたは邪神なの?」
「如何にも。その邪神が死の間際に放った呪いが具現化したものよ」
フィーネが前に飛び出した。
「フィーネ!?」
「邪神が死んで千年以上経っているわ!そして生まれ変わったシオンを何度も殺したじゃない!もういい加減にしてよ!!!」
!?
フィーネの言葉にシオン以外の仲間が目を開いて驚いた。
「何度も………殺した………?」
「シオンの前世では私が少し目を離したスキに事故で亡くなったわ。その前の人生でも、前々の人生でも、邪神の死の呪いのせいでちょっとした事で命を落としていたのよ。それを何とかしたくて女神アルテミス様がこの世界に呼んだんです!この世界のスキルや魔法の力なら邪神の呪いを解呪できるかもと思って」
そうだったのね。
シオンはやっと理解した。
自分が護られていた事を知った。
「はぁ~何を言うかと思えば。我の行動理念はシオンを殺すこと。何度生まれ変わってもそれは変わらん!」
ブチッ!!!
邪神の言葉に何かがキレる音がした。
0
お気に入りに追加
131
あなたにおすすめの小説
城で侍女をしているマリアンネと申します。お給金の良いお仕事ありませんか?
甘寧
ファンタジー
「武闘家貴族」「脳筋貴族」と呼ばれていた元子爵令嬢のマリアンネ。
友人に騙され多額の借金を作った脳筋父のせいで、屋敷、領土を差し押さえられ事実上の没落となり、その借金を返済する為、城で侍女の仕事をしつつ得意な武力を活かし副業で「便利屋」を掛け持ちしながら借金返済の為、奮闘する毎日。
マリアンネに執着するオネエ王子やマリアンネを取り巻く人達と様々な試練を越えていく。借金返済の為に……
そんなある日、便利屋の上司ゴリさんからの指令で幽霊屋敷を調査する事になり……
武闘家令嬢と呼ばれいたマリアンネの、借金返済までを綴った物語
悪女と言われた令嬢は隣国の王妃の座をお金で買う!
naturalsoft
恋愛
隣国のエスタナ帝国では七人の妃を娶る習わしがあった。日月火水木金土の曜日を司る七人の妃を選び、日曜が最上の正室であり月→土の順にランクが下がる。
これは過去に毎日誰の妃の下に向かうのか、熾烈な後宮争いがあり、多くの妃や子供が陰謀により亡くなった事で制定された制度であった。無論、その日に妃の下に向かうかどうかは皇帝が決めるが、溺愛している妃がいても、その曜日以外は訪れる事が禁じられていた。
そして今回、隣の国から妃として連れてこられた一人の悪女によって物語が始まる──
※キャライラストは専用ソフトを使った自作です。
※地図は専用ソフトを使い自作です。
※背景素材は一部有料版の素材を使わせて頂いております。転載禁止
婚約破棄され逃げ出した転生令嬢は、最強の安住の地を夢見る
拓海のり
ファンタジー
階段から落ちて死んだ私は、神様に【救急箱】を貰って異世界に転生したけれど、前世の記憶を思い出したのが婚約破棄の現場で、私が断罪される方だった。
頼みのギフト【救急箱】から出て来るのは、使うのを躊躇うような怖い物が沢山。出会う人々はみんな訳ありで兵士に追われているし、こんな世界で私は生きて行けるのだろうか。
破滅型の転生令嬢、腹黒陰謀型の年下少年、腕の立つ元冒険者の護衛騎士、ほんわり癒し系聖女、魔獣使いの半魔、暗部一族の騎士。転生令嬢と訳ありな皆さん。
ゆるゆる異世界ファンタジー、ご都合主義満載です。
タイトル色々いじっています。他サイトにも投稿しています。
完結しました。ありがとうございました。
男爵家の厄介者は賢者と呼ばれる
暇野無学
ファンタジー
魔法もスキルも授からなかったが、他人の魔法は俺のもの。な~んちゃって。
授けの儀で授かったのは魔法やスキルじゃなかった。神父様には読めなかったが、俺には馴染みの文字だが魔法とは違う。転移した世界は優しくない世界、殺される前に授かったものを利用して逃げ出す算段をする。魔法でないものを利用して魔法を使い熟し、やがては無敵の魔法使いになる。
異世界転生した時に心を失くした私は貧民生まれです
ぐるぐる
ファンタジー
前世日本人の私は剣と魔法の世界に転生した。
転生した時に感情を欠落したのか、生まれた時から心が全く動かない。
前世の記憶を頼りに善悪等を判断。
貧民街の狭くて汚くて臭い家……家とはいえないほったて小屋に、生まれた時から住んでいる。
2人の兄と、私と、弟と母。
母親はいつも心ここにあらず、父親は所在不明。
ある日母親が死んで父親のへそくりを発見したことで、兄弟4人引っ越しを決意する。
前世の記憶と知識、魔法を駆使して少しずつでも確実にお金を貯めていく。
悪役令嬢エリザベート物語
kirara
ファンタジー
私の名前はエリザベート・ノイズ
公爵令嬢である。
前世の名前は横川禮子。大学を卒業して入った企業でOLをしていたが、ある日の帰宅時に赤信号を無視してスクランブル交差点に飛び込んできた大型トラックとぶつかりそうになって。それからどうなったのだろう。気が付いた時には私は別の世界に転生していた。
ここは乙女ゲームの世界だ。そして私は悪役令嬢に生まれかわった。そのことを5歳の誕生パーティーの夜に知るのだった。
父はアフレイド・ノイズ公爵。
ノイズ公爵家の家長であり王国の重鎮。
魔法騎士団の総団長でもある。
母はマーガレット。
隣国アミルダ王国の第2王女。隣国の聖女の娘でもある。
兄の名前はリアム。
前世の記憶にある「乙女ゲーム」の中のエリザベート・ノイズは、王都学園の卒業パーティで、ウィリアム王太子殿下に真実の愛を見つけたと婚約を破棄され、身に覚えのない罪をきせられて国外に追放される。
そして、国境の手前で何者かに事故にみせかけて殺害されてしまうのだ。
王太子と婚約なんてするものか。
国外追放になどなるものか。
乙女ゲームの中では一人ぼっちだったエリザベート。
私は人生をあきらめない。
エリザベート・ノイズの二回目の人生が始まった。
⭐️第16回 ファンタジー小説大賞参加中です。応援してくれると嬉しいです
妹が聖女の再来と呼ばれているようです
田尾風香
ファンタジー
ダンジョンのある辺境の地で回復術士として働いていたけど、父に呼び戻されてモンテリーノ学校に入学した。そこには、私の婚約者であるファルター殿下と、腹違いの妹であるピーアがいたんだけど。
「マレン・メクレンブルク! 貴様とは婚約破棄する!」
どうやらファルター殿下は、"低能"と呼ばれている私じゃなく、"聖女の再来"とまで呼ばれるくらいに成績の良い妹と婚約したいらしい。
それは別に構わない。国王陛下の裁定で無事に婚約破棄が成った直後、私に婚約を申し込んできたのは、辺境の地で一緒だったハインリヒ様だった。
戸惑う日々を送る私を余所に、事件が起こる。――学校に、ダンジョンが出現したのだった。
更新は不定期です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる