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うちの近衛騎士団より強くね?

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執事に案内され、裏庭のグランドのような所の訓練所にきた国王と宰相は驚愕した。

「ほらほらっ!そこっ!打ち込みが甘いぞ!」
「「はいっ!」」

「魔法には集中力が重要よ。どんな状況でも集中を途切れさせない!遠い国ではそれぞれにあった呼吸方法で集中力を常住させる所もあると聞くわ。わかったかしら?」
「「はい!わかりました!」」

公爵家の騎士団の訓練を見た国王は宰相に尋ねた。

「………ここは女性が教官なのか。うちの騎士団も毎日、これだけの訓練をしているのか?」
「……いいえ、遊んではいませんが、ここまではやっていませんね」

各隊員のやる気の高さに目を見張るものがあった。

「うん?あれはなんの訓練だ?」

見てみると、魔導師の隊員が3人で一組になっていた。

「教官!どうして3人一組なんですか?」
「うん?これが魔導師部隊の標準でしょう?」

「えっ?」
「えっ、今の時代は違うの!?」

魔法担当のリヴァイアサンの『蒼』が驚いた声を出した。お互いに認識の違いがあったからだ。

「………まさか、魔導技術がここまで衰退していたなんて知らなかったわ。魔導師は3人で行動するのが普通の隊列だと認識を改めなさい」
「「はいっ!」」

蒼は国王が見ている事に気付かず訓練を続けた。

「そこのあなた達、三人で結界を張りなさい」

別けられた組で、言われた通り結界を張った。

「紅、剣士を1人借りるわよ?」
「うん?ああ、いいぞ!そこのお前、蒼の手伝いに行け」
「はっ!」

剣術主体の隊員が1人向かった。

「その剣で三人の張った結界を壊れるまで叩き斬りなさい!」

!?

「えっ………宜しいのですか?」
「ええ、全力でやりなさい」

剣士は一呼吸置いてから、日頃の訓練の成果をみせるように、鋭い斬激を連続で放った。

ガンッ!ガンッ!

魔導師達は全力で結界を張っている。

「ほら!集中を切らさない!魔力は十分に残っているでしょう!結界の強度は集中力で決まるのよ!」
「で、でも!真剣で切りつけられていて集中出来ません!」

魔導師の1人が叫んだ!

「なんの為に三人もいると思っているの!あなたが集中力を切らせば、自分だけじゃなく隣にいる仲間も死ぬのよ!」

!?

『くっ………そうだ!私のせいで仲間が死ぬなんて嫌よ!』

ガギッーーーーン!!!!

明らかに結界の強度が上がった。

「よし!次の部隊、前線で結界を張ってくれている部隊が敵をしのいでいる間に、攻撃魔法の準備をしなさい!」

「しかし、後ろからでは味方を巻き込んでしまいます!」

蒼は首を振って答えた。

「少しは頭を使いなさい。土系統の魔法を使い四方に土の壁を作り、逃げ道を防ぎなさい」
「はいっ!」

剣士の左右と後ろに3メートルほどの土の壁が現れた。

「さらに、次の部隊!逃げ道を失った敵の頭上から雷の魔法を落としなさい!」

「はっ!」

3組目の部隊が空から電撃を落とした。

「ぐわっーーー!!!!!」

直撃を受けた剣士は感電しながら倒れた。

「やった…………」

結界を解いた魔導師達はお互いの顔みて笑った。

「ありがとう!もうダメかと思ったわ」
「私もよ。やったわね!」

キャピッキャピッと女の子の魔術師の隊員は誉め合った。

「あれ?オレ生きてる?」
「当たり前だろうが。与えた剣にはレジストの魔法を掛けておいた。軽症だろう?大丈夫か?」
「あ、はい!平気です!」

剣士は治療の為、別の隊員に連れられていった。

「さて、わかったかしら?誰が魔導師は前衛のタンクがいないと弱いと言ったのかしら?結界を張れる部隊がいれば、十分に魔導師だけの部隊でも前線で戦えるのよ。結界を張って敵を足止めして、その間に別の組部隊が後方から支援と攻撃を仕掛ける。今回は逃げ道を防いだけど、他にも色々とやり方があるわ。それを訓練で身に付けていきましょう♪」

「「「はい!お願い致します!」」」

三人一組になるのは、連帯感を持たせ、自分のせいで仲間が死ぬかも知れないと思えば、より力をだせるからだ。この隊列にも意味があると察しのよい隊員は気付いていた。

この訓練を見ていた国王と宰相は冷や汗を描いていた。

「………こんな魔導師の兵達の運用があると知っていたか?」
「いえ、普通は前線で兵士が敵を止めている間に、後方で魔導師達が最大火力で敵を吹き飛ばすのが通常戦略ですので………」

国王と宰相はここでの訓練を、穴が空くほど見つめるのだった。





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