31 / 84
3章:アーティファクト
お城です!
しおりを挟む
次の日になり、シオン達は宿屋で朝食を取ってお城に向かう事にした。
「さて、食事も済んだしお城へいきますか」
ちょうど宿屋を出た所で馬車が停まった。
「おおっ!間に合って良かった。すみません!お迎えに参りました!」
馬車から身なりの良い初老の人物が降りてきた。
「えっと迎えですか?」
「はい、昨日冒険者ギルドのマスターから連絡がありました。私はラルフ・マクレーンと申します。この国の宰相を勤めております」
!?
「ふぇっ!?」
まさかの国王の次に偉い人が直々にお迎えにくてくれたの!?
ラルフさんはニコニコしながら馬車に乗るように言った。シオン達は恐縮しながら乗るのだった。
「あの、どうして宰相様のような方が直々に来られたのですか?」
「ふぉふぉ、そんなに畏まらないでいいですよ。全ては大賢者アイラ様の御令嬢にして、『聖剣』の所有者だからです」
!?
お母さんの事はともかく、聖剣の事はまだ誰にも言ってないはずなのに!?
「詳しくは国王様の前でお伝えしますが、我が国に聖剣が封印されていることは、王家の一部の者と勇者の隠れ里の者の一握りしか知りません。そして、王家には封印が解かれた場合にわかる様になっていたのです」
なるほどなるほど………うんっ?
「聖剣の封印が解けたのがわかっても、誰が聖剣の所有者かわかりませんよね?」
「確かにそうです。しかし、勇者の隠れ里の事はすでに報告を受けています。その情報を精査すれば、おのずと誰が聖剣を手に入れたかわかると言うものです」
ラルフさんは、魔王軍の襲撃前に私とグレンが何処かに出掛けた情報を持っていた。そして私かグレンのどちらかが聖剣を手に入れたと確信しているようだった。グレンと私なら大賢者の娘である私が聖剣を手に入れたと思ったそうだ。
流石は王家の権力と情報力だよ。少し怖いわー!
馬車はお城の正面ではなく、裏手に周り裏口からお城へ入って行った。
「気を悪くしないで下さい。魔王軍にあなた達の事を秘密にしたいのです。万が一知られれば、命を狙われますからね」
なるほど………
こうしてシオン達は、余り人に見られることなくお城の中へと入るのだった。
城の中に入るともの珍しく、おのぼりさんの様にキョロキョロするシオンとグレン、唯一アークだけは堂々と歩いていた。
「凄いねー!」
「ああ、こんな所、滅多にこないからな」
浮かれるシオン達は気付いていなかった。広い城と言っても、誰にもすれ違わないことに。
明らかに人払いしている通路を歩いている。アークは油断せずに緊張感を持って歩くのだった。
「あ、見て高そうな絵画だよ!」
「本当だ。綺麗だな~」
この二人を見ていると力が抜けそうになるのは気のせいではないだろう。
「さて、食事も済んだしお城へいきますか」
ちょうど宿屋を出た所で馬車が停まった。
「おおっ!間に合って良かった。すみません!お迎えに参りました!」
馬車から身なりの良い初老の人物が降りてきた。
「えっと迎えですか?」
「はい、昨日冒険者ギルドのマスターから連絡がありました。私はラルフ・マクレーンと申します。この国の宰相を勤めております」
!?
「ふぇっ!?」
まさかの国王の次に偉い人が直々にお迎えにくてくれたの!?
ラルフさんはニコニコしながら馬車に乗るように言った。シオン達は恐縮しながら乗るのだった。
「あの、どうして宰相様のような方が直々に来られたのですか?」
「ふぉふぉ、そんなに畏まらないでいいですよ。全ては大賢者アイラ様の御令嬢にして、『聖剣』の所有者だからです」
!?
お母さんの事はともかく、聖剣の事はまだ誰にも言ってないはずなのに!?
「詳しくは国王様の前でお伝えしますが、我が国に聖剣が封印されていることは、王家の一部の者と勇者の隠れ里の者の一握りしか知りません。そして、王家には封印が解かれた場合にわかる様になっていたのです」
なるほどなるほど………うんっ?
「聖剣の封印が解けたのがわかっても、誰が聖剣の所有者かわかりませんよね?」
「確かにそうです。しかし、勇者の隠れ里の事はすでに報告を受けています。その情報を精査すれば、おのずと誰が聖剣を手に入れたかわかると言うものです」
ラルフさんは、魔王軍の襲撃前に私とグレンが何処かに出掛けた情報を持っていた。そして私かグレンのどちらかが聖剣を手に入れたと確信しているようだった。グレンと私なら大賢者の娘である私が聖剣を手に入れたと思ったそうだ。
流石は王家の権力と情報力だよ。少し怖いわー!
馬車はお城の正面ではなく、裏手に周り裏口からお城へ入って行った。
「気を悪くしないで下さい。魔王軍にあなた達の事を秘密にしたいのです。万が一知られれば、命を狙われますからね」
なるほど………
こうしてシオン達は、余り人に見られることなくお城の中へと入るのだった。
城の中に入るともの珍しく、おのぼりさんの様にキョロキョロするシオンとグレン、唯一アークだけは堂々と歩いていた。
「凄いねー!」
「ああ、こんな所、滅多にこないからな」
浮かれるシオン達は気付いていなかった。広い城と言っても、誰にもすれ違わないことに。
明らかに人払いしている通路を歩いている。アークは油断せずに緊張感を持って歩くのだった。
「あ、見て高そうな絵画だよ!」
「本当だ。綺麗だな~」
この二人を見ていると力が抜けそうになるのは気のせいではないだろう。
0
お気に入りに追加
16
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
タイムワープ艦隊2024
山本 双六
SF
太平洋を横断する日本機動部隊。この日本があるのは、大東亜(太平洋)戦争に勝利したことである。そんな日本が勝った理由は、ある機動部隊が来たことであるらしい。人呼んで「神の機動部隊」である。
この世界では、太平洋戦争で日本が勝った世界戦で書いています。(毎回、太平洋戦争系が日本ばかり勝っ世界線ですいません)逆ファイナルカウントダウンと考えてもらえればいいかと思います。只今、続編も同時並行で書いています!お楽しみに!
秋津皇国興亡記
三笠 陣
ファンタジー
東洋の端に浮かぶ島国「秋津皇国」。
戦国時代の末期から海洋進出を進めてきたこの国はその後の約二〇〇年間で、北は大陸の凍土から、南は泰平洋の島々を植民地とする広大な領土を持つに至っていた。
だが、国内では産業革命が進み近代化を成し遂げる一方、その支配体制は六大将家「六家」を中心とする諸侯が領国を支配する封建体制が敷かれ続けているという歪な形のままであった。
一方、国外では西洋列強による東洋進出が進み、皇国を取り巻く国際環境は徐々に緊張感を孕むものとなっていく。
六家の一つ、結城家の十七歳となる嫡男・景紀は、父である当主・景忠が病に倒れたため、国論が攘夷と経済振興に割れる中、結城家の政務全般を引き継ぐこととなった。
そして、彼に付き従うシキガミの少女・冬花と彼へと嫁いだ少女・宵姫。
やがて彼らは激動の時代へと呑み込まれていくこととなる。
※表紙画像・キャラクターデザインはイラストレーターのSioN先生にお願いいたしました。
イラストの著作権はSioN先生に、独占的ライセンス権は筆者にありますので無断での転載・利用はご遠慮下さい。
(本作は、「小説家になろう」様にて連載中の作品を転載したものです。)
シアカラーステッチ
乾寛
ファンタジー
王の政策によって故郷の村を襲撃されたレクロマ。両親も妹も幼馴染も死に、レクロマ自身も四肢が不自由になった。レクロマがベッドに寝かされているところに、ある女性が現れる。その女性はアングレディシアと名乗る。アングレディシアは剣になること、そして感情を色として見ることができるという。
剣となったアングレディシア、通称シアを握ることで、レクロマは動けるようになる。そして、レクロマは王に復讐を誓う。
しかし、レクロマは移動も戦闘もなにもかも依存していき、シアにのめり込んでいく。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
ちょっとエッチな執事の体調管理
mm
ファンタジー
私は小川優。大学生になり上京して来て1ヶ月。今はバイトをしながら一人暮らしをしている。
住んでいるのはそこらへんのマンション。
変わりばえない生活に飽き飽きしている今日この頃である。
「はぁ…疲れた」
連勤のバイトを終え、独り言を呟きながらいつものようにマンションへ向かった。
(エレベーターのあるマンションに引っ越したい)
そう思いながらやっとの思いで階段を上りきり、自分の部屋の方へ目を向けると、そこには見知らぬ男がいた。
「優様、おかえりなさいませ。本日付けで雇われた、優様の執事でございます。」
「はい?どちら様で…?」
「私、優様の執事の佐川と申します。この度はお嬢様体験プランご当選おめでとうございます」
(あぁ…!)
今の今まで忘れていたが、2ヶ月ほど前に「お嬢様体験プラン」というのに応募していた。それは無料で自分だけの執事がつき、身の回りの世話をしてくれるという画期的なプランだった。執事を雇用する会社はまだ新米の執事に実際にお嬢様をつけ、3ヶ月無料でご奉仕しながら執事業を学ばせるのが目的のようだった。
「え、私当たったの?この私が?」
「さようでございます。本日から3ヶ月間よろしくお願い致します。」
尿・便表現あり
アダルトな表現あり
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる