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2章:旅立ち!

実戦テスト!②

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ついにシオンの番になった。

「なぁ、盗賊退治で少しシオンの腕を見たがどれほどなんだ?」

アークがシオンの実力を尋ねた。

「…………『今の』状態なら僕とほぼ同じくらいかな?隠れ里では同年代が少ないから、いつも組手を一緒にやっていたからね」

グレンの言葉に引っ掛かりを覚えて再度尋ねた。

「今の状態とはどういうことだ?」
「余り他言しないでくれよ?シオンはその身体に膨大な魔力を宿していて、自分の身体も壊してしまうから、アイラ様が封印を施したんだ。そのせいで身体にも負荷が掛かって動きが制限されているんだよ」

!?

「とてもそうは見えないがな………?」

向こうで木剣を持ったシオンを見た。

「まぁ、長い年月を掛けて慣れたんだよ。前に封印が弱まって動いたら、腕は折れるは大変だったよ」

アイラの回復魔法を掛け続けて動く方法は、実はシオンを見て思い付いたのだった。

「さぁ!行くよー!」

遂にシオンの準備が整い、ギルマスに向かって行った!

ガシッ!?

「ふむ、鋭い剣撃ではあるが女であるが故に、重みが今一つだな!」

バッ!と、シオンを弾くとそのまま斬り掛かった。

ガンッ!!!

「なに!?」

シオンを捉えた上段から振り下ろした木剣が地面を叩いた事に驚いた。

「はあぁぁぁぁ!!!!!」

その隙をを付いてシオンが横から薙ぎ払った!

「なんの!」

素早く木剣を引いてシオンの木剣を防いだ。ここからしばらくお互いの剣撃が響き渡り、お互いに一歩も引かない戦いとなった。

しかし─

『これはおかしいぞ!どうして俺の方が息切れを起こす?向こうの太刀筋は見えている。しかし、こちらから攻撃をすると全て受け流される…………そうか!?』

長年の経験からギルマスは柔と剛の技を思い出した。

『ならば!?』

シオンから見たらギルマスの渾身の一撃が振り下ろされるように見えて、同じく受け流そうとしたが、ぶつかる瞬間に手首を返して衝撃を緩和して受け流しを止めた。

!?

「えっ!?」

急に攻撃が変わり動揺したシオンに、ギルマスはシオンの首に木剣を軽く当てた。

「ふぅ~、ギルドマスターの権威は保たれたかな?気付くのがもう少し遅かったら体力切れでヤバかったぜ!やるじゃないか?」
「うぅ~!負けた!!!!悔しいーーーー!!!!」

ムキー!と悔しがるシオンだった。

「おいおい、俺は元Aランク冒険者だったんだぞ?新人に負けてられるかよ」

でも勝ちたかったとプクーと膨れるシオンでした。

「それより俺達のランクはどうなる?」

アークが聞いた。

「そうだな。知っていると思うが確認の為に言っておこう。冒険者にはランクがありS、A、B、C、D、Eと言う順になっている。基本的には新人はEランクからだが、このテストで優秀な成績を修めたものはDからスタートになる。お前達はDランクからだな」

「えぇ~せめてCランクからにしてよ!」
「無茶言うな。Cランクからはギルドの貢献ポイントが関係してくる。たまに傭兵や騎士団所属だった者で、前職の勤務態度や任務の貢献度でCランクからスタートするやつはいるが、お前達は盗賊を倒しただけで、貢献ポイントが足りないから無理だな。理解したか?」

そこでシオンは手をポンッと叩き、盗賊のアジトで倒した魔族の事をギルマスに伝えるのだった。
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