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地下へ続く道─

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シオンの予想は的を射ていた。
しかし、本能で動き廻る昆虫系の魔物に、こんな心理的な策略を立てる事が出きるだろうか?いや、出来ない!(反語)

「シオンの言う事が本当なら、昆虫系の魔物を操り、地下で世界樹を枯らそうとしている『何者』かがいることになるぞぃ?」

ギルド長は顔が強ばっていた。

「何十年も掛けての、気の遠くなるような作戦だのぅ?であれば恐らく─」

ウンディーネはノームの方を見て言うのだった。

「はぁ~、私の時みたいに魔王軍が一枚噛んでいる可能性があるのね」

ノームの言葉にフローリアが反応した。まだノームの事を聞いていなかったからだ。
フローリアにシオン達はどうして四大精霊を集めているのか伝えるのだった。

「そんな事があったのですね………」

事の深刻さにフローリアは真面目な顔で言うのだった。

「この件、我々亜人連合も協力させて下さい!これは大陸全土の問題です!」

「そうじゃな。シオン、妾は賛成じゃ。国単位での協力はあった方がよいじゃろう?」

ウンディーネの賛成もあって、シオンは了解です!と答えた。

「これで、リュミナス王国、ガイア帝国、亜人連合国が協力体制を取れると言う事じゃな?」
「今思えば凄いことだわ!?」

ギルド長などは何気に結ばれた大同盟に興奮を隠せなかった。

「転移のお陰で、いつでも各国首脳会談ができるね~」

!?

「「「なんか凄いね!!!」」」

この世界では各国のトップが会うにはとてつもない準備と調整と時間が必要になる。情勢が変われば進めていた会談がキャンセルになることも多々あるのだ。
国の威信の為に、そっちからうちにこいといって、逆に戦争になりかけた事もあった。
上層部が穏便に小競り合いを静めたいと思っても、上手く行かないこともあるだろう。
それが、お互いのトップが秘密裏に会談し、口裏を合わせれば、静めることも可能になるのだ。

ここに来て、初めて転移の本当の使い方を知り、その利便性と重要性を実感したのだった。

休憩も終わり、シオン達は『宿り木』を解除しマップの西端まで向かった。
途中で、魔物が行く手を遮るかのように立ち塞がったが、リヴィの敵では無かった。

そして、途中まで進んだ所でシオンがみんなを呼び止めた。

「ちょっと待って!」

シオンが呼び止めたのはちょうど角で行き止まりになっている所だった。

【鑑定】
『隠し通路あり』

そう、シオンは鑑定の魔法を使いながら地下への通路を探していたのだ!これこそが地味にシオンが自信を持っていた理由であったのだ!?凄いぞ!流石は我らのヒーローだ!
(たまには持ち上げますよ?)

「あれは…………」

ノームが微弱な魔力を察知した。
そして、その場所へ向かうと消えた─

「えっ!?」

突然消えたノームに驚いたが、すぐにノームがひょっこりと地面から出てきた。

「うわっ!びっくりしたよ~!みんな、ここの地面に『幻影』の魔法が掛けられているよ!」

ただの石畳のような場所だったが、そこに行くとすり抜けるように、地下へ続く『坂』が現れた。

「魔物が上がって来やすいように、階段じゃないのね」
「流石はシオンね。ビンゴよ!」
「これでもっと戦えるのだな!」

うん、リヴィはすっかり戦闘狂になったなぁー?1人だけ感想の違うリヴィに、苦笑いしか出来ないシオンであったが、頼もしくもあった。

各自、感想は色々だったがようやく世界樹の原因の手掛かりを掴んだシオン達。

「みんな!ここからが本番だよ!まだこの先がどうなっているかわからない、未知の領域だからね。気を引き締めて向かうよ!」

「そうじゃな。油断せずに、いつでも戦闘態勢に入れるように準備しておくのじゃ!」
「私の水魔法で一網打尽にしてくれる!」
「罠の探索は任せてね!常時、エコー魔法を使って調べながら進むから!」

「シルフィードの気配を探りながら、最短ルートを進みましょう。敵がどれほどいるのかわかりませんので、余力を残しながら行くのよ」

各自、気合いを入れて未知なる領域へと進んで行くのだった。

















【世界樹の深層】

『……………誰かきた?』

深い闇の中で、懐かしい気配を感じた人物がいた。

『お願い…………助けて。このままでは、世界樹が枯れて、周辺の大地が死んでしまう………』

地下深く深い闇の中で、一切の身動きの取れない人物は願いを込めて祈るしか出来なかった。





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