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戻ってきた日常

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こうしてシオン達は四大精霊のノームを助けるという偉業を成し遂げたのだが、依然として魔王軍の動きが気になるのだった。

ガイヤ帝国の不作が解決したという事で、シオン達は1度シルクード領へ戻った。

「おおっ!魔境の森は知っていたけど、その入口にこんなに発展した街ができているなんて!?」

初めてきたノームは驚き、屋敷の外を眺めた。

「ノームさん、取り敢えず私の屋敷を覚えてね?それから、暫くはウンディーネか別の屋敷の者と同伴なら街中を見て廻ってもいいよ。でも、魔王軍に狙われている事を覚えておいてね?」

「ええ、わかったわ!シオンに迷惑を掛けない様にするからね」

シオンはこの時のノームの言葉を信じた自分を殴ってやりたかった。後に、ノームがとんでも無いことしでかして、王国が内乱に陥る寸前になることをまだ知らない。









それから暫く経って─

シオンは帝国の領地『緑化計画』を始動していた。

「はいはーい!美味しい作物よ!育て!!!緑聖魔術!!!」

とある領地の田畑を豊作にしていた。

「おおっ!?ありがたやー!ありがたやー!」

農家の方々は深く何度も頭を下げて感謝していた。グイードさんが、帝国にも四大精霊を発見し、大地が甦ると高らかに宣言して、その四大精霊の『巫女』である私が帝国の田畑を甦らせるというパフォーマンスをして、その存在感をアピールするのだった。

「私は契約者であって、精霊を崇める巫女じゃないのに!」

「まぁまぁ、契約者ってより精霊をお世話する巫女の方が帝国ではしっくりくる風習だからね」

シオンだけでは危険なため、クリス王子も同行し、無論レアやアース王子も一緒だった。フレイちゃんは帝国へ行く時の約束のため、習い事が多く入り、余り来る事が出来なかった。

そして、暫く一緒に行動する内にみんなの仲が縮まりました。

「師匠!今日もお願いしますっ!」

アース君は、無言で頷くウッド君を師匠と崇め、一生懸命に修行していた。
そして、実力を付けていくアースに負けまいと、クリス王子も一緒に組手を組んでいた。

「はぁはぁ!行くぞ!」
「おうっ!」

二人係りでウッド君に立ち向かっていく。すでに二人は阿吽の呼吸で、息ぴったりに連携しウッド君へ攻撃を仕掛けれるようになっていた。

「おいっ!行動が一秒遅いぞ!」
「違う!お前が一秒早かったんだ!」

二人は口喧嘩をしながらも、息のあった連携でウッド君に切り結んでゆく。まぁ、勝てはしないのだが、日々成長していった。

こうして素晴らしい友情が育まれていったのだった。

………ん?恋愛?ナニソレオイシイノ???
そして、ここから始まる美少年同士の絡み合いが─

ドゲシッ!!!

「あいたっ!?」

『わたし』がナレーションをしていると頭を叩かれました。痛いです!

「気持ち悪い事を書くな!フレイ!」

なんと!途中からのナレーションは習い事が多く、ストレスの溜まったフレイのストレス発散BLって良いよね♪の、秘密日記だったのだ!

「いきなり叩かないでよ!最近、みんなと遊べなくてストレスが溜まっているんだから!」

わずか6歳でBLにハマりかけって作者は書いていて心配デス。

フレイは秘密日記をしまうとクリス王子に文句を言った。

「せめてシオンと俺の事を書いてくれよ。お前は文才があるんだから!」

「えぇ~?」
「露骨に嫌そうな顔をするな!」

シオンとクリスの恋愛小説を書いてもらい、本当にこうなったらいいなぁ~と妄想したいクリスの願望であった。

「だからヘタレって言われるのよ!」
「お前にしか呼ばれないがっ!?」

こうして平和な時間が流れていくのでした。

「ぐへへへっ♪」

大量の報酬である金貨を見つめて、下品な笑いを浮かべる強欲少女のどこがよいのか………




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