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魂の抜けたグイード皇帝をよそにグランお爺さんはやれやれっと言った感じでため息を付いた。
「まったく、この程度で放心するとは情けないのぅ?」
グランは口では厳しい事を言っても、息子のグイードを高く評価していた。武力こそ自分には及ばないものの、物事の本質をしっかり見る目が備わっており、甘言ばかり言う貴族を遠ざけ、優秀な実力のある者を周りに置き、わからない事をちゃんと相談できる心の柔軟さを持っている自慢の息子なのだ。
ちなみに、グイードは何人かいる王子の長男であり皇太子であった。年齢は28歳で『7歳の息子と娘』がいる。
(ここテストにでるよ!)
リュミナス王国の国王と余り歳が変わらないのだ。
唯一足りないのは『経験』である。
故に、多少混乱した帝国で、揉まれることで度胸と経験を積ませようとした考えもあったのだ。無論、皇太子として一部の領地の運営や政策の手伝いなど政務を行っていたが、国の根幹である重要政策の裁決権などの重みを今回、経験していた。
ただこの父グランの失敗は、それを伝える事を怠ったことであろう。認めているからこそ、きちんとやってくれると信じている反面、息子グイードにしては、せめて相談してくれっ!と、いった気持ちが強かった。
いつも急過ぎるのだ。この豪快な老皇帝は!
少しして、我に返ったグイードは改めて周りを見渡し、深いため息を付いた。夢であって欲しかったと…………
しかしいつまでも現実逃避をしている訳にもいかず重い口を開いた。
「…………久し振りだなクソ親父!」
「少しみない内に口が悪くなったのぅ?親子二人の時は良いが、客人のいる前では常々皇帝として振る舞えと言っておいたはずじゃが?」
バチバチッ!
見えない火花が散ったように見えた。
「いきなり執務室へ、アポも無しに現れた者を客人とは呼ばん!それに、相談もなしにいきなり失踪して、この1ヶ月!どれだけ苦労したと思っている!!!」
「だが、お前ならきちんと対処出来ると信じていたぞ。だからこそ全てを託し、安心して旅に出る事ができたのじゃ………頑張ったようじゃな」
!?
「親父……………」
ジーン!
この厳粛な父親から初めて誉められ、認められた気がした。
そして、二人の間に入って行けない他のメンバーは空気を読んで、静かにしていた。
そう、ここにいるメンバーは空気を読めるのだ!
まぁ、どうでも良い話ある。
・
・
・
・
・
そして、ようやく本題へと入りました。
かくかくしかじかへむへむでして~
四大精霊の動向を確認することで、何か危機が迫っていないのか調べる事になったことを説明しました。
「なるほど………まさかそんな事になっていたとは」
「ただウンディーネの場合であって、ノームがどういう状況なのか分かりません。ただ単純に何処かで引き込もっているだけかも知れませんし」
ノームよ。シオンから、ただの引きこもり認定されているぞ。
「了解した。できる限り協力しよう!」
「ありがとうございます!」
グイードはグランをみて言った。
「ただ、何処かのバカな老人のせいで帝国の政策に遅れがでている。数日だけで良いのでこちらにも協力して貰いたい」
はて?協力とは一体………?
「なに、たいした事ではない。君達を客人として紹介したいのだ。まぁ、パーティーの参加だな」
ほぇ?そんな事で良いの?
いまいち、よくわかっていないシオンに、クリス王子がコソッと教えてくれた。
「さっきの話で、グランさんが急に居なくなった事でグイード皇帝陛下は苦労しているだろう?だから陛下が、伝説上の四大精霊とその契約者を交渉した上で、正式に招待したという実績を求めているんだよ。少なくともグランさん並みの政治的手腕があるとみられるし、四大精霊と繋がりを持ったという、目に見える実績があれば今後の政策に口出しする者は激減するだろうね」
なるほどねー!
一般市民であった私には、まったくわからない世界だよ!
(シオンもこの世界では貴族である事を忘れています)
「ディーネは大丈夫?」
「うむ、人間世界とは何とも面倒よのぅ。しかし、主殿が有名になるのは悪くないのぅ!」
いや、ウンディーネの契約者だからであって、私が凄い訳じゃないよ?
「ウンディーネ殿の御了承が頂けて安心したよ。近年、帝国内の作物の不作が続いて民の不満が高まっていてな………はぁ~」
グイードさんは深いため息を付いた。
「あっ、それなら私がなんとか出来ますよ?」
「シオンっ!?」
シオンはウンディーネの契約者として有名であるが、『緑聖魔術』で植物を操れる事は他国ではまだ知られてはいない。せいぜい、ウッドゴーレムを召喚できることぐらいしか知られていないのだ。
リュミナス王国の上層部ではウンディーネの契約者以外で、この緑聖魔術が重要視されているのだ。飢饉の時に安心できると。
「クリス、元々シルクード領は何もしないクズ両親のせいで貧しかった。それを知っている私は、国同士のいざこざはあるかも知れないけど、『民』が飢えているのに手を差し出さないなんてできないわ!」
!?
クリスはシオンが1度決めると意見を変えない事を知っているので、深いため息を付くのだった。
「まったく、この程度で放心するとは情けないのぅ?」
グランは口では厳しい事を言っても、息子のグイードを高く評価していた。武力こそ自分には及ばないものの、物事の本質をしっかり見る目が備わっており、甘言ばかり言う貴族を遠ざけ、優秀な実力のある者を周りに置き、わからない事をちゃんと相談できる心の柔軟さを持っている自慢の息子なのだ。
ちなみに、グイードは何人かいる王子の長男であり皇太子であった。年齢は28歳で『7歳の息子と娘』がいる。
(ここテストにでるよ!)
リュミナス王国の国王と余り歳が変わらないのだ。
唯一足りないのは『経験』である。
故に、多少混乱した帝国で、揉まれることで度胸と経験を積ませようとした考えもあったのだ。無論、皇太子として一部の領地の運営や政策の手伝いなど政務を行っていたが、国の根幹である重要政策の裁決権などの重みを今回、経験していた。
ただこの父グランの失敗は、それを伝える事を怠ったことであろう。認めているからこそ、きちんとやってくれると信じている反面、息子グイードにしては、せめて相談してくれっ!と、いった気持ちが強かった。
いつも急過ぎるのだ。この豪快な老皇帝は!
少しして、我に返ったグイードは改めて周りを見渡し、深いため息を付いた。夢であって欲しかったと…………
しかしいつまでも現実逃避をしている訳にもいかず重い口を開いた。
「…………久し振りだなクソ親父!」
「少しみない内に口が悪くなったのぅ?親子二人の時は良いが、客人のいる前では常々皇帝として振る舞えと言っておいたはずじゃが?」
バチバチッ!
見えない火花が散ったように見えた。
「いきなり執務室へ、アポも無しに現れた者を客人とは呼ばん!それに、相談もなしにいきなり失踪して、この1ヶ月!どれだけ苦労したと思っている!!!」
「だが、お前ならきちんと対処出来ると信じていたぞ。だからこそ全てを託し、安心して旅に出る事ができたのじゃ………頑張ったようじゃな」
!?
「親父……………」
ジーン!
この厳粛な父親から初めて誉められ、認められた気がした。
そして、二人の間に入って行けない他のメンバーは空気を読んで、静かにしていた。
そう、ここにいるメンバーは空気を読めるのだ!
まぁ、どうでも良い話ある。
・
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・
そして、ようやく本題へと入りました。
かくかくしかじかへむへむでして~
四大精霊の動向を確認することで、何か危機が迫っていないのか調べる事になったことを説明しました。
「なるほど………まさかそんな事になっていたとは」
「ただウンディーネの場合であって、ノームがどういう状況なのか分かりません。ただ単純に何処かで引き込もっているだけかも知れませんし」
ノームよ。シオンから、ただの引きこもり認定されているぞ。
「了解した。できる限り協力しよう!」
「ありがとうございます!」
グイードはグランをみて言った。
「ただ、何処かのバカな老人のせいで帝国の政策に遅れがでている。数日だけで良いのでこちらにも協力して貰いたい」
はて?協力とは一体………?
「なに、たいした事ではない。君達を客人として紹介したいのだ。まぁ、パーティーの参加だな」
ほぇ?そんな事で良いの?
いまいち、よくわかっていないシオンに、クリス王子がコソッと教えてくれた。
「さっきの話で、グランさんが急に居なくなった事でグイード皇帝陛下は苦労しているだろう?だから陛下が、伝説上の四大精霊とその契約者を交渉した上で、正式に招待したという実績を求めているんだよ。少なくともグランさん並みの政治的手腕があるとみられるし、四大精霊と繋がりを持ったという、目に見える実績があれば今後の政策に口出しする者は激減するだろうね」
なるほどねー!
一般市民であった私には、まったくわからない世界だよ!
(シオンもこの世界では貴族である事を忘れています)
「ディーネは大丈夫?」
「うむ、人間世界とは何とも面倒よのぅ。しかし、主殿が有名になるのは悪くないのぅ!」
いや、ウンディーネの契約者だからであって、私が凄い訳じゃないよ?
「ウンディーネ殿の御了承が頂けて安心したよ。近年、帝国内の作物の不作が続いて民の不満が高まっていてな………はぁ~」
グイードさんは深いため息を付いた。
「あっ、それなら私がなんとか出来ますよ?」
「シオンっ!?」
シオンはウンディーネの契約者として有名であるが、『緑聖魔術』で植物を操れる事は他国ではまだ知られてはいない。せいぜい、ウッドゴーレムを召喚できることぐらいしか知られていないのだ。
リュミナス王国の上層部ではウンディーネの契約者以外で、この緑聖魔術が重要視されているのだ。飢饉の時に安心できると。
「クリス、元々シルクード領は何もしないクズ両親のせいで貧しかった。それを知っている私は、国同士のいざこざはあるかも知れないけど、『民』が飢えているのに手を差し出さないなんてできないわ!」
!?
クリスはシオンが1度決めると意見を変えない事を知っているので、深いため息を付くのだった。
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