七色の魔弾使い

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人差し指に【赤の魔弾装填】
中指に【緑の魔弾装填】

【トリガーセット】


「複合魔弾!フレア・ストーム!!!!」


シオンの奥の手である複数の魔弾の混合弾。
相乗効果で数倍の威力のでる攻撃方法だ。

余り大勢の眼の前で使いたくなかった必殺技を出さざるおえなかったのだ。

複合魔弾はボルドーの黒焔斬を呑み込み、ボルドーへ着弾した。

断末魔の叫び声とともに爆発した。
モクモクと立ち上る煙が晴れるの待ちながらシオンはいつでも動ける様に集中していた。
敵の姿が見えない時が1番危ないからだ。

少しして煙が晴れると、地面に倒れて動かないボルドーの姿が現れた。

「ボルドー選手、戦闘不能のためシオン選手の勝利です!!!」

司会の声が響いた。
ようやくシオンも深い息を吐き、警戒を解いたのだった。

『なかなか危ない勝負だった。もしボルドーがもう少しあの力に慣れていたら、もっと苦戦していただろうな』

確かに凄い力ではあったが、ただ力任せに振るっていただけで、応用などなかったのに気づいていた。
黒焔斬も、連続で細く飛ばしたり、真っ直ぐではなくカーブさせたりと、もっと工夫できたはずだ。

まぁ、相手の戦い方など親切丁寧に教えてやる義理はないが、この短期間にこんな力を覚える訳がない。何か不正を行ったはずだ。

シオンは教師陣のいる方に視線を送るとミント先生と目が合い、真剣な目で頷くのが見えた。

『よかった。教師陣もボルドーの様子がおかしい事に気付いてくれたか』

後は学園の教師に任せるか。
シオンは会場を後にしようとした時、ボルドーを運ぼうと駆け付けた救護班から悲鳴が起こった。

「なんだ?」

シオンは振り返ると驚愕した。
ボルドー立ち上がっており、救護班の人間を殴り飛ばしていたからだ。

それだけではない。
ボルドーの肌色が黒紫に変色しており、頭から角の様なものが生えていた。

会場の誰かが叫んだ!

「ま、魔族だわ!!!」


!?


会場がパニックになった。
人類の敵であり、魔王の眷属と言われる魔族が現れたからだ。更にボルドーだったものは腕を空に上げると、そこから巨大な魔法を放った。

魔法は結界を突き破りて会場の観客席に着弾している悲鳴とともに観客達は逃げ出した。

「やめろ!

【赤の魔弾を作成】

【魔弾装填】

【トリガーセット】


「赤の魔弾、フレイム・バレット!」

シオンはボルドーの頭を狙って魔弾を撃ち込んだ!

ドーーーーン!!!!

かなり危険な攻撃だったがようやくボルドーの動きが止まった。しかし───


「おいおい、顔面にモロに喰らって立っているのかよ………」

シオンの額から冷や汗が流れた。
ボルドーの視線がシオンを捕らえると、カッと眼を開いてシオンに襲い掛かった。

「速い!?」

横に飛ぶと、シオンのいた地面に伸びた爪を突き刺して地面にヒビを入れた。

『剣も持たずに肉弾戦?意識がなく本能で動いているのか?』

シオンは冷静にボルドーの動きを観察していた。









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