七色の魔弾使い

naturalsoft

文字の大きさ
上 下
12 / 52

保険室で

しおりを挟む
シオンはルビーを保険室に連れていくとベットに座らせた。

「シシシシッシオン!?ななななっっ、ナニヲするつもりですの!?」

ルビーはハレンチな想像をして取り乱した。

「なにをって、ルビーの手当をするんだよ。いくら結界内であったとはいえ、軽い火傷や、すり傷など受けているだろう?ほら、手当するよ」

シオンは包帯を出すとルビーの腕に巻いていった。

「うんうん、若いっていいわね~」

何故かミント先生がいた。

「どうしてミント先生が?」
「ちょうど、ここの保険医さんが別の生徒を見に行ったので私が留守番を頼まれたのですよ~エッヘン!」

何故か胸を張るミント先生は隣りで寝かせたマリンの具合いをみるのだった。

「あらあらまぁまぁ、結界内でこれは酷いわね~流石に、自分とルビーさんの二人分の魔法を受けたのだから怪我が酷いわ~」

ミント先生はシオンとアッシュにベットから離れるように言うと、包帯を巻きながら回復魔法を唱えた。

「これでも先生は回復魔法が得意なのですよ~エッヘン!」

またまた何故か、胸を張るミント先生にルビーは安堵した。
万が一、取り返しの付かない怪我をさせては寝覚めが悪いからだ。

「それにして、【聖女】かも知れないマリン・ストローク令嬢によく勝てましたね~先生も鼻が高いですよ~」

!?


「「聖女」」

シオン、ルビー、アッシュの声がハモった。

この国でも聖女は重要な人物だ。
【勇者】のサポート役として一緒に【魔王】を倒すとされている【数少ない】ジョブである。

魔王については、また後日述べるとして、聖女とは光属性のエキスパートである。
魔力も並の魔術師より潤沢にあり、回復魔法が得意。

しかし、入学したばかりの一年生でここまでの実力を持つ者はいないだろう。

「なるほどね。聖女とは意外だったわ」
「でも聖女っていうよりは攻撃魔法が得意だったような…………」


腕を組んで、う~んと唸るアッシュにシオンも同意した。

「そうだな。アッシュのいう通り、あの水魔法は使い方が上手かった。かなり訓練をしたんだと思うよ」
「そうね。悔しいけどギリギリの勝負だったわ。これほどの実力があるのに、無名で知られていない人物がいたなんてね」

これほどの実力があればもう少し名前が知られているはずである。

「まぁ、それについては僕から報告するよ。先生、治療が終わったらマリン嬢と二人にして貰えます?少し話たいことがあるので」

ミント先生は一瞬、ポカンッとしてからすぐに我に返った。

「えーあー、その………ね。アッシュ君、先生はアッシュ君の事を信じてるよ?(疑問形)でも、気を失った女の子に、ハレンチな事をするのは見逃せないかな~?」

ミント先生の言葉にシオンとルビーは虫けらを見るような目でアッシュをみた。

「アッシュ………お前………」
「サイテーね」

「お前ら!信じてるよね!?僕がそんな事をしないって!?」

だってねぇ?
だってなぁ?

「「だってアッシュだし?」」


「ちくしょうーーーーー!!!!!」

アッシュは涙を流しながら出ていくのであった。







しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

かつてダンジョン配信者として成功することを夢見たダンジョン配信者マネージャー、S級ダンジョンで休暇中に人気配信者に凸られた結果バズる

竜頭蛇
ファンタジー
伊藤淳は都内の某所にあるダンジョン配信者事務所のマネージャーをしており、かつて人気配信者を目指していた時の憧憬を抱えつつも、忙しない日々を送っていた。 ある時、ワーカーホリックになりかねていた淳を心配した社長から休暇を取らせられることになり、特に休日に何もすることがなく、暇になった淳は半年先にあるS級ダンジョン『破滅の扉』の配信プロジェクトの下見をすることで時間を潰すことにする. モンスターの攻撃を利用していたウォータースライダーを息抜きで満喫していると、日本発のS級ダンジョン配信という箔に目が眩んだ事務所のNO.1配信者最上ヒカリとそのマネージャーの大口大火と鉢合わせする. その配信で姿を晒すことになった淳は、さまざまな実力者から一目を置かれる様になり、世界に名を轟かす配信者となる.

魔銃士(ガンナー)とフェンリル ~最強殺し屋が異世界転移して冒険者ライフを満喫します~

三田村優希(または南雲天音)
ファンタジー
依頼完遂率100%の牧野颯太は凄腕の暗殺者。世界を股にかけて依頼をこなしていたがある日、暗殺しようとした瞬間に落雷に見舞われた。意識を手放す颯太。しかし次に目覚めたとき、彼は異様な光景を目にする。 眼前には巨大な狼と蛇が戦っており、子狼が悲痛な遠吠えをあげている。 暗殺者だが犬好きな颯太は、コルト・ガバメントを引き抜き蛇の眉間に向けて撃つ。しかし蛇は弾丸などかすり傷にもならない。 吹き飛ばされた颯太が宝箱を目にし、武器はないかと開ける。そこには大ぶりな回転式拳銃(リボルバー)があるが弾がない。 「氷魔法を撃って! 水色に合わせて、早く!」 巨大な狼の思念が頭に流れ、颯太は色づけされたチャンバーを合わせ撃つ。蛇を一撃で倒したが巨大な狼はそのまま絶命し、子狼となりゆきで主従契約してしまった。 異世界転移した暗殺者は魔銃士(ガンナー)として冒険者ギルドに登録し、相棒の子フェンリルと共に様々なダンジョン踏破を目指す。 【他サイト掲載】カクヨム・エブリスタ

僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?

闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。 しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。 幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。 お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。 しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。 『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』 さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。 〈念の為〉 稚拙→ちせつ 愚父→ぐふ ⚠︎注意⚠︎ 不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。

二人の男爵令嬢の成り上がり!でも、結末は──

naturalsoft
恋愛
オーラシア大陸の南に姉妹国と呼ばれる二つの国があった。 西側のアネーデス王国 東側のイモート王国 過去にはお互いの王族を嫁がせていた事もあり、お互いにそれぞれの王族の血が受け継がれている。 そして、アネーデス王国で周辺国を驚かすニュースが大陸を駆け抜けた。 その国のとある男爵令嬢が、王太子に見初められ【正しい正規の手続き】を踏んで、王太子妃になったのである。 その出来事から1年後、隣のイモート王国でも、その国の男爵令嬢が【第一王子】の【婚約者】になったと騒がれたのだった。 しかし、それには公衆の面前で元婚約者に婚約破棄を突き付けたりと、【正規の手続きを踏まず】に決行した悪質なやり方であった。 この二人の結末はいかに── タイトルイラスト 素材提供 『背景素材屋さんみにくる』

気弱な私が転生したら、チートを持っていたのは婚約者の方だった件について─

naturalsoft
ファンタジー
【次世代ファンタジーカップ】に参加中です!お気に入り登録などお願い致します! ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ 皆さんこんにちは。わたくしはシオン・ファーレンド公爵令嬢です。はぁ~、せっかく異世界転生して無双する夢がどうしてこうなった!? 「ふははは!流石は私の嫁だな♪似合い過ぎだろう!」 そう、この異世界でチート能力を持っていたのは、婚約者であるレイン・ムーンスターのせいである。 幼馴染であり、許嫁である美少女顔のシオンを澱愛するチート能力を持った婚約者レインが夢想……じゃなかった、無双する話です。(多分) いやいや!主人公(笑)は、わたくしだからね!!!! ふはははは!!!! 嫁よ、私に全て任せなさい!ドラゴンでも魔王でも瞬殺してきたからな! きけよーーーーーーーーーーー!!!!!! ※無自覚ざまぁです。少し先になります。 ※短編で書いていた『未発表作品』を長編に変えたので早い段階でネタバレしてます。暖かい目でお読み下さい。

お持ち帰り召喚士磯貝〜なんでも持ち運び出来る【転移】スキルで異世界つまみ食い生活〜

双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
ひょんなことから男子高校生、磯貝章(いそがいあきら)は授業中、クラス毎異世界クラセリアへと飛ばされた。 勇者としての役割、与えられた力。 クラスメイトに協力的なお姫様。 しかし能力を開示する魔道具が発動しなかったことを皮切りに、お姫様も想像だにしない出来事が起こった。 突如鳴り出すメール音。SNSのメロディ。 そして学校前を包囲する警察官からの呼びかけにクラスが騒然とする。 なんと、いつの間にか元の世界に帰ってきてしまっていたのだ! ──王城ごと。 王様達は警察官に武力行為を示すべく魔法の詠唱を行うが、それらが発動することはなく、現行犯逮捕された! そのあとクラスメイトも事情聴取を受け、翌日から普通の学校生活が再開する。 何故元の世界に帰ってきてしまったのか? そして何故か使えない魔法。 どうも日本では魔法そのものが扱えない様で、異世界の貴族達は魔法を取り上げられた平民として最低限の暮らしを強いられた。 それを他所に内心あわてている生徒が一人。 それこそが磯貝章だった。 「やっべー、もしかしてこれ、俺のせい?」 目の前に浮かび上がったステータスボードには異世界の場所と、再転移するまでのクールタイムが浮かび上がっていた。 幸い、章はクラスの中ではあまり目立たない男子生徒という立ち位置。 もしあのまま帰って来なかったらどうなっていただろうというクラスメイトの話題には参加させず、この能力をどうするべきか悩んでいた。 そして一部のクラスメイトの独断によって明かされたスキル達。 当然章の能力も開示され、家族ごとマスコミからバッシングを受けていた。 日々注目されることに辟易した章は、能力を使う内にこう思う様になった。 「もしかして、この能力を金に変えて食っていけるかも?」 ──これは転移を手に入れてしまった少年と、それに巻き込まれる現地住民の異世界ドタバタコメディである。 序章まで一挙公開。 翌日から7:00、12:00、17:00、22:00更新。 序章 異世界転移【9/2〜】 一章 異世界クラセリア【9/3〜】 二章 ダンジョンアタック!【9/5〜】 三章 発足! 異世界旅行業【9/8〜】 四章 新生活は異世界で【9/10〜】 五章 巻き込まれて異世界【9/12〜】 六章 体験! エルフの暮らし【9/17〜】 七章 探索! 並行世界【9/19〜】 95部で第一部完とさせて貰ってます。 ※9/24日まで毎日投稿されます。 ※カクヨムさんでも改稿前の作品が読めます。 おおよそ、起こりうるであろう転移系の内容を網羅してます。 勇者召喚、ハーレム勇者、巻き込まれ召喚、俺TUEEEE等々。 ダンジョン活動、ダンジョンマスターまでなんでもあります。

動物に好かれまくる体質の少年、ダンジョンを探索する 配信中にレッドドラゴンを手懐けたら大バズりしました!

海夏世もみじ
ファンタジー
 旧題:動物に好かれまくる体質の少年、ダンジョン配信中にレッドドラゴン手懐けたら大バズりしました  動物に好かれまくる体質を持つ主人公、藍堂咲太《あいどう・さくた》は、友人にダンジョンカメラというものをもらった。  そのカメラで暇つぶしにダンジョン配信をしようということでダンジョンに向かったのだが、イレギュラーのレッドドラゴンが現れてしまう。  しかし主人公に攻撃は一切せず、喉を鳴らして好意的な様子。その様子が全て配信されており、拡散され、大バズりしてしまった!  戦闘力ミジンコ主人公が魔物や幻獣を手懐けながらダンジョンを進む配信のスタート!

処理中です...