204 / 237
第179話 過去のおはなし(15)
しおりを挟む
辺境の街での人間連続殺人事件!治安当局が本格的な操作開始!情報求む!
「号外!号外!」
「何でもいいです!どんな些細な事でも…」
「うちの子供が現場を見て…それ以来ずっと泣いて…どうしてくれるの!」
「かなりの魔法の使い手だ。人をこんな簡単にネジったり溶かすなんて…」
「魔法省からも数人派遣してくれるそうだ!」
「一刻も早く捕まえとくれ!そんな穢らわしい奴なんかにはギロチンが一番だ!」
「そうだ!火炙りにしないと!幼い子供が見てるんだ!一生もののトラウマになるかもしれないんだぞ!」
「被害者の情報もかなり少ないです!一人のみ顔が鮮明なのでかろうじて分かりそうですが…」
「どん面してこの街にいやがる!?そいつは正気か!?とっとと死刑にしろ!」
____________________
アパートのドアを叩く音。
ドンドンドンドンドンドン
「いないのか?もしかしたらこのアパートじゃないんじゃ…」
ドンドンドンドンドンドン
「いや、ここの部屋であってるはずだ。ちゃんと確認してきた」
「アナリスさん!いらっしゃいますよね?魔法省から派遣された者なんですけど!先週に起きた殺人事件についてなんですけど!」
「本当に留守なのか?でも冒険者ギルドにはしばらく顔を出してないそうだぞ」
「お願いですから出てもらえますかぁ!出ないならこちらも強硬的なしゅだんおおぉぉ………!!!」
「どうし…え?ぶっっ!!!」
二人の魔法省職員はこの瞬間、はるか彼方まで吹き飛ばされ、原型を留めない形で絶命していた。それはある種の魔法によるものだった。
だがその魔法を使ったのは彼ら職員が探していた少女とは違う者だった。
「は?」
「建物が…!」
「おい!そこに人が……ぎゃあっ!」
「なんだアイツ!?……おがっあ!」
奴は近くにいた通行人やらを無差別に巻き込み、周囲の建物を魔法で蹴散らしていく。
「また会えるといいな。あの子もここにいるんだろ?」
「何者だ?お前…!?」
近くにいた冒険者の中年の男がその魔法を使った人物に問いかけた。
「僕は…魔王軍幹部のファランクス。この街の住人と共にパーティーを始めるために来た」
____________________
「パーティーにはゲームが付き物だ。そこで今からあるゲームを始める。今から10分間、僕と戦う者はこの街に、戦えない者は街の外に。その間僕は何もしない。そして10分を過ぎた時、今度はこの街の中にいる人を殺して回る。女子供老人も病人も赤子も殺す。殺されたくない者は街の外に。じゃあ始めよう!」
彼は破壊された建物を背後にそう宣言する。周りには野次馬が集まり、冒険者らしき男は剣やら魔法やらの準備をしていた。
「……おいおい、あそこにいるのはイカれたエルフさんじゃないですか?」
「おや?君は?」
一人の男が前に出た。そいつはどこか見た目の悪そうな風貌をしていた。
「俺の名前はジョニー。この街の女の子には手を出させぶっっ……!!!」
ドッッッ!!!!
「それじゃあ始まりだ。こんな感じで舐めてもらったら困るよ」
ジョニーはその場に倒れ伏す。圧倒的な魔力と上位魔法によって一瞬にして胸と腹に穴を開けられた。
「今のは見せしめだ。悪く思わないでくれよ。そもそもその実力で僕に挑むつもりだったのかい?」
ファランクスはジョニーを踏みつけるようにしてそう言う。ジョニーはもう動かなかった。
____________________
「あいつの言う事が本当だったらやばいぞ!馬車を出せ!」
「子供達がまだ家の中に!私の赤ちゃんだって!」
「おじいちゃん早く逃げないと!僕達死んじゃうよ!」
「時間がねぇぞ!あと5分で殺戮が始まっちまう!」
「腕のある者はあいつを殺しに行くぞ!全員集めろ!」
そして10分が経った。ファランクスは移動し、街の真ん中にそびえ立つ塔の上にいた。
「…気配を隠しているのか。どこにいるのか分からないな、でもまあいいや。
ここら一体吹き飛ばして君の死体でも何でもいいから…うん今日はその体を犯そうかな」
その瞬間、ファランクスは塔の上で魔法を発動させた。至って単純な物体を宙に浮かす空中浮遊の魔法。しかしその威力は塔以外の周りの建物を浮かすまでに及んだ。
「冒険者ギルドは…なるほど」
ファランクスは一目で冒険者ギルドの場所を把握するとそちらに手をかざした。
____________________
「いいか皆!まだ逃げ遅れた人が大勢この街にいる。そして今その人達を守れるのは俺達しかいない!俺達冒険者が力を合わせてこの街を守r………」
ガガガガガガ!!!!!
「へっ?」
「ひぃっ…」
冒険者ギルドの真ん中で冒険者全体に演説を行っていた筋肉質な男のその姿は飛んできた民家によって失われていた。
他の冒険者は装備を整えるため冒険者ギルドにいた。そしてそれらの半分は民家の砲撃によって爆散していた。
「ぼ、冒険者ギルドが一瞬で…」
「う、うわあああ!!!は、早くここから逃げなきゃ!」
「ねぇ、ねぇ起きてよ!ねぇ!死なないでってば!」
一瞬にして冒険者ギルドは阿鼻叫喚に包まれる。それぞれがバラけ、辺り一面に錯乱していた。
その時だった。民家の砲撃によってポッカリと開いた冒険者ギルドの天井からまるで天使のようにゆっくりと何かが舞い降りてきた。
「……まだ生きてるんだ」
しかしそれは悪魔あるいは堕天使の間違いだった。そいつは笑いながら殺戮を始めた。
さらに5分が経ち、遂に冒険者ギルドは壊滅していた。
「よ、よくも!」
最後の若い女冒険者はファランクスに飛び掛かりながら手に持つ片手剣を振るおうとする。
長い茶色の髪をした可愛い女の子だった。歳は14歳くらいで…あ、胸は大きい。その顔は怒りと恐怖に支配されていた。
ファランクスは避ける事なく、その振り下ろされた片手剣を右手で折って見せる。
「な…う、嘘…」
「嘘じゃないよ」
ファランクスは笑顔で実に嬉しそうにそう言った瞬間、少女の怒りは消え、純粋な恐怖飲みが体を支配していた。
「な、何するの、お、お願い。殺さないで…」
「…分かった」
そう言うとファランクスは少女に向けて手を振った。少女はしばらく動けずにやがてヨロヨロと逃げ出し…出せなかった。
「あれ?なんで私…走れない。なんで…ねぇ!なんで!?」
少女はずっと立ち上がることができなかった。その少女の両足の太腿には鋭い物を刺したような大きな傷があった。
「種明かし。君は幻覚を見て、私だけ五体満足でいれてると思ってた。でも実際は違ってて、君は足に大きな怪我をしていた。痛みを感じなくしたのは僕だけど、君は自ら膝ごと剣で貫き、自分で自分を逃げれなくした」
その瞬間、少女は絶叫した。痛みから来る叫びだった。
「…いいねその表情最高だ!人間だったらこういうのを絶頂って言うんだっけ?アハハ、楽しかったよ、じゃあね!」
ファランクスはその直後あっさりと彼女を魔法で灰へと燃やし尽くした。
残されたのは真っ赤な地面、血が滴る音、異臭と折れた武器。破片に変わった椅子と長机。穴だらけの側壁と天井。
そして受付嬢はまだ生きていた。ファランクスはそれを一目見るとそばに近寄った。
「あ…」
受付嬢はヘタリと座り込んでいた。ファランクスは何も言わずに彼女の目の前に立った。
「お、お願いやめ…」
受付嬢がそう言った瞬間、ファランクスは彼女の前で手を振った。
「号外!号外!」
「何でもいいです!どんな些細な事でも…」
「うちの子供が現場を見て…それ以来ずっと泣いて…どうしてくれるの!」
「かなりの魔法の使い手だ。人をこんな簡単にネジったり溶かすなんて…」
「魔法省からも数人派遣してくれるそうだ!」
「一刻も早く捕まえとくれ!そんな穢らわしい奴なんかにはギロチンが一番だ!」
「そうだ!火炙りにしないと!幼い子供が見てるんだ!一生もののトラウマになるかもしれないんだぞ!」
「被害者の情報もかなり少ないです!一人のみ顔が鮮明なのでかろうじて分かりそうですが…」
「どん面してこの街にいやがる!?そいつは正気か!?とっとと死刑にしろ!」
____________________
アパートのドアを叩く音。
ドンドンドンドンドンドン
「いないのか?もしかしたらこのアパートじゃないんじゃ…」
ドンドンドンドンドンドン
「いや、ここの部屋であってるはずだ。ちゃんと確認してきた」
「アナリスさん!いらっしゃいますよね?魔法省から派遣された者なんですけど!先週に起きた殺人事件についてなんですけど!」
「本当に留守なのか?でも冒険者ギルドにはしばらく顔を出してないそうだぞ」
「お願いですから出てもらえますかぁ!出ないならこちらも強硬的なしゅだんおおぉぉ………!!!」
「どうし…え?ぶっっ!!!」
二人の魔法省職員はこの瞬間、はるか彼方まで吹き飛ばされ、原型を留めない形で絶命していた。それはある種の魔法によるものだった。
だがその魔法を使ったのは彼ら職員が探していた少女とは違う者だった。
「は?」
「建物が…!」
「おい!そこに人が……ぎゃあっ!」
「なんだアイツ!?……おがっあ!」
奴は近くにいた通行人やらを無差別に巻き込み、周囲の建物を魔法で蹴散らしていく。
「また会えるといいな。あの子もここにいるんだろ?」
「何者だ?お前…!?」
近くにいた冒険者の中年の男がその魔法を使った人物に問いかけた。
「僕は…魔王軍幹部のファランクス。この街の住人と共にパーティーを始めるために来た」
____________________
「パーティーにはゲームが付き物だ。そこで今からあるゲームを始める。今から10分間、僕と戦う者はこの街に、戦えない者は街の外に。その間僕は何もしない。そして10分を過ぎた時、今度はこの街の中にいる人を殺して回る。女子供老人も病人も赤子も殺す。殺されたくない者は街の外に。じゃあ始めよう!」
彼は破壊された建物を背後にそう宣言する。周りには野次馬が集まり、冒険者らしき男は剣やら魔法やらの準備をしていた。
「……おいおい、あそこにいるのはイカれたエルフさんじゃないですか?」
「おや?君は?」
一人の男が前に出た。そいつはどこか見た目の悪そうな風貌をしていた。
「俺の名前はジョニー。この街の女の子には手を出させぶっっ……!!!」
ドッッッ!!!!
「それじゃあ始まりだ。こんな感じで舐めてもらったら困るよ」
ジョニーはその場に倒れ伏す。圧倒的な魔力と上位魔法によって一瞬にして胸と腹に穴を開けられた。
「今のは見せしめだ。悪く思わないでくれよ。そもそもその実力で僕に挑むつもりだったのかい?」
ファランクスはジョニーを踏みつけるようにしてそう言う。ジョニーはもう動かなかった。
____________________
「あいつの言う事が本当だったらやばいぞ!馬車を出せ!」
「子供達がまだ家の中に!私の赤ちゃんだって!」
「おじいちゃん早く逃げないと!僕達死んじゃうよ!」
「時間がねぇぞ!あと5分で殺戮が始まっちまう!」
「腕のある者はあいつを殺しに行くぞ!全員集めろ!」
そして10分が経った。ファランクスは移動し、街の真ん中にそびえ立つ塔の上にいた。
「…気配を隠しているのか。どこにいるのか分からないな、でもまあいいや。
ここら一体吹き飛ばして君の死体でも何でもいいから…うん今日はその体を犯そうかな」
その瞬間、ファランクスは塔の上で魔法を発動させた。至って単純な物体を宙に浮かす空中浮遊の魔法。しかしその威力は塔以外の周りの建物を浮かすまでに及んだ。
「冒険者ギルドは…なるほど」
ファランクスは一目で冒険者ギルドの場所を把握するとそちらに手をかざした。
____________________
「いいか皆!まだ逃げ遅れた人が大勢この街にいる。そして今その人達を守れるのは俺達しかいない!俺達冒険者が力を合わせてこの街を守r………」
ガガガガガガ!!!!!
「へっ?」
「ひぃっ…」
冒険者ギルドの真ん中で冒険者全体に演説を行っていた筋肉質な男のその姿は飛んできた民家によって失われていた。
他の冒険者は装備を整えるため冒険者ギルドにいた。そしてそれらの半分は民家の砲撃によって爆散していた。
「ぼ、冒険者ギルドが一瞬で…」
「う、うわあああ!!!は、早くここから逃げなきゃ!」
「ねぇ、ねぇ起きてよ!ねぇ!死なないでってば!」
一瞬にして冒険者ギルドは阿鼻叫喚に包まれる。それぞれがバラけ、辺り一面に錯乱していた。
その時だった。民家の砲撃によってポッカリと開いた冒険者ギルドの天井からまるで天使のようにゆっくりと何かが舞い降りてきた。
「……まだ生きてるんだ」
しかしそれは悪魔あるいは堕天使の間違いだった。そいつは笑いながら殺戮を始めた。
さらに5分が経ち、遂に冒険者ギルドは壊滅していた。
「よ、よくも!」
最後の若い女冒険者はファランクスに飛び掛かりながら手に持つ片手剣を振るおうとする。
長い茶色の髪をした可愛い女の子だった。歳は14歳くらいで…あ、胸は大きい。その顔は怒りと恐怖に支配されていた。
ファランクスは避ける事なく、その振り下ろされた片手剣を右手で折って見せる。
「な…う、嘘…」
「嘘じゃないよ」
ファランクスは笑顔で実に嬉しそうにそう言った瞬間、少女の怒りは消え、純粋な恐怖飲みが体を支配していた。
「な、何するの、お、お願い。殺さないで…」
「…分かった」
そう言うとファランクスは少女に向けて手を振った。少女はしばらく動けずにやがてヨロヨロと逃げ出し…出せなかった。
「あれ?なんで私…走れない。なんで…ねぇ!なんで!?」
少女はずっと立ち上がることができなかった。その少女の両足の太腿には鋭い物を刺したような大きな傷があった。
「種明かし。君は幻覚を見て、私だけ五体満足でいれてると思ってた。でも実際は違ってて、君は足に大きな怪我をしていた。痛みを感じなくしたのは僕だけど、君は自ら膝ごと剣で貫き、自分で自分を逃げれなくした」
その瞬間、少女は絶叫した。痛みから来る叫びだった。
「…いいねその表情最高だ!人間だったらこういうのを絶頂って言うんだっけ?アハハ、楽しかったよ、じゃあね!」
ファランクスはその直後あっさりと彼女を魔法で灰へと燃やし尽くした。
残されたのは真っ赤な地面、血が滴る音、異臭と折れた武器。破片に変わった椅子と長机。穴だらけの側壁と天井。
そして受付嬢はまだ生きていた。ファランクスはそれを一目見るとそばに近寄った。
「あ…」
受付嬢はヘタリと座り込んでいた。ファランクスは何も言わずに彼女の目の前に立った。
「お、お願いやめ…」
受付嬢がそう言った瞬間、ファランクスは彼女の前で手を振った。
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
《勘違い》で婚約破棄された令嬢は失意のうちに自殺しました。
友坂 悠
ファンタジー
「婚約を考え直そう」
貴族院の卒業パーティーの会場で、婚約者フリードよりそう告げられたエルザ。
「それは、婚約を破棄されるとそういうことなのでしょうか?」
耳を疑いそう聞き返すも、
「君も、その方が良いのだろう?」
苦虫を噛み潰すように、そう吐き出すフリードに。
全てに絶望し、失意のうちに自死を選ぶエルザ。
絶景と評判の観光地でありながら、自殺の名所としても知られる断崖絶壁から飛び降りた彼女。
だったのですが。
虐げられた令嬢、ペネロペの場合
キムラましゅろう
ファンタジー
ペネロペは世に言う虐げられた令嬢だ。
幼い頃に母を亡くし、突然やってきた継母とその後生まれた異母妹にこき使われる毎日。
父は無関心。洋服は使用人と同じくお仕着せしか持っていない。
まぁ元々婚約者はいないから異母妹に横取りされる事はないけれど。
可哀想なペネロペ。でもきっといつか、彼女にもここから救い出してくれる運命の王子様が……なんて現れるわけないし、現れなくてもいいとペネロペは思っていた。何故なら彼女はちっとも困っていなかったから。
1話完結のショートショートです。
虐げられた令嬢達も裏でちゃっかり仕返しをしていて欲しい……
という願望から生まれたお話です。
ゆるゆる設定なのでゆるゆるとお読みいただければ幸いです。
R15は念のため。
【完結】言いたいことがあるなら言ってみろ、と言われたので遠慮なく言ってみた
杜野秋人
ファンタジー
社交シーズン最後の大晩餐会と舞踏会。そのさなか、第三王子が突然、婚約者である伯爵家令嬢に婚約破棄を突き付けた。
なんでも、伯爵家令嬢が婚約者の地位を笠に着て、第三王子の寵愛する子爵家令嬢を虐めていたというのだ。
婚約者は否定するも、他にも次々と証言や証人が出てきて黙り込み俯いてしまう。
勝ち誇った王子は、最後にこう宣言した。
「そなたにも言い分はあろう。私は寛大だから弁明の機会をくれてやる。言いたいことがあるなら言ってみろ」
その一言が、自らの破滅を呼ぶことになるなど、この時彼はまだ気付いていなかった⸺!
◆例によって設定ナシの即興作品です。なので主人公の伯爵家令嬢以外に固有名詞はありません。頭カラッポにしてゆるっとお楽しみ下さい。
婚約破棄ものですが恋愛はありません。もちろん元サヤもナシです。
◆全6話、約15000字程度でサラッと読めます。1日1話ずつ更新。
◆この物語はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。
◆9/29、HOTランキング入り!お読み頂きありがとうございます!
10/1、HOTランキング最高6位、人気ランキング11位、ファンタジーランキング1位!24h.pt瞬間最大11万4000pt!いずれも自己ベスト!ありがとうございます!
婚約破棄と領地追放?分かりました、わたしがいなくなった後はせいぜい頑張ってくださいな
カド
ファンタジー
生活の基本から領地経営まで、ほぼ全てを魔石の力に頼ってる世界
魔石の浄化には三日三晩の時間が必要で、この領地ではそれを全部貴族令嬢の主人公が一人でこなしていた
「で、そのわたしを婚約破棄で領地追放なんですね?
それじゃ出ていくから、せいぜいこれからは魔石も頑張って作ってくださいね!」
小さい頃から搾取され続けてきた主人公は 追放=自由と気付く
塔から出た途端、暴走する力に悩まされながらも、幼い時にもらった助言を元に中央の大教会へと向かう
一方で愛玩され続けてきた妹は、今まで通り好きなだけ魔石を使用していくが……
◇◇◇
親による虐待、明確なきょうだい間での差別の描写があります
(『嫌なら読むな』ではなく、『辛い気持ちになりそうな方は無理せず、もし読んで下さる場合はお気をつけて……!』の意味です)
◇◇◇
ようやく一区切りへの目処がついてきました
拙いお話ですがお付き合いいただければ幸いです
王子は婚約破棄をし、令嬢は自害したそうです。
七辻ゆゆ
ファンタジー
「アリシア・レッドライア! おまえとの婚約を破棄する!」
公爵令嬢アリシアは王子の言葉に微笑んだ。「殿下、美しい夢をありがとうございました」そして己の胸にナイフを突き立てた。
血に染まったパーティ会場は、王子にとって一生忘れられない景色となった。冤罪によって婚約者を自害させた愚王として生きていくことになる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる