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第57話 ヒカルとユウタとアオイ
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「久しぶり~。ちょっと用事があってねぇ」
「そうなんだ。私嬉しいなぁ」
目の前にいる少女も10代。正確にはどちらとも16歳なのだが彼女の名前は憂井崎 葵
多分今まで見た中で一番可愛いくてきれいでスタイル抜群で明るくて優しくて気さくに話しかけてくれるから俺も話しやすくてノリが良くて器用で料理もできてしっかり者だが本人は意外と怠け者で笑顔が天使でその笑顔も絶やさなくて色っぽくて清潔感があって性格が良くて艷やかな長い黒髪が特徴で俺とほぼ同じ身長の女の子。最高。
ただし頭の容量と胸の大きさはそこまでないのだがそこがまた良い。奪いたい。
「ねぇ~アオイ。俺の彼女になってほしい~」
「えぇ~。でも私にはユウタがいるからなぁ~」
「…よしてくれ」
当のユウタは顔色一つ変えることなくそう言う。
「それで何しに来たのヒカル。私に会いに来たとか?」
「それもあるけどね。ユウタ本題入っていい?」
「…………」
「ユウタ。ヒカルも久しぶりに来たんだしさぁ。そんな冷たくならないで~」
やっぱアオイは天使かもしれない。
「はいはい。それで何しに来たんだよ?」
「家を探してくれ。シェアハウスできそうなくらいの?」
「「へ?」」
ユウタとアオイはハモる。
「え?シェアハウス?てことはヒカル彼女できたの?よかったじゃん!おめでとう!でも私となってほしいってさっき…」
「…防衛省にハッキングしろとか言うと思った。つーか家くらい自分で探せ」
「16歳の少年が不動産屋に行ったらまずいでしょ。あとそういうの複雑そうやん?」
「…………なんでシェアハウスなんだ?」
ユウタの一言に一瞬静寂がよぎる。
「え?シェアハウスじゃ駄目なのか?」
「いや別に。ただお前みたいな奴がシェアハウスねぇ。過去の素性と合わせるとどうにも怪しいんだよな」
「それお前が言うかよ」
ここにきて俺とユウタの対立が始まってしまった。
「まぁまぁ二人共落ち着いてよ。いいじゃんユウタ。久しぶりに来てくれたんだしさ」
「…はぁ」
アオイが仲裁に入ってくれた。ナイスだグッジョブ。ユウタもため息をついたあとパソコンをいじり始めた。
「どこでもいいのか?」
「できれば国際空港に近いところで」
「国際空港だと?海外と関係あるのか?」
「まぁ…そんな感じ」
あんまりここで言葉を濁しくはなかった。意外とユウタには鋭いところがある。国際空港の近くと言わなければよかったかもしれない。
「どこでもいいんだよな?千葉の方にあったぞ」
「仕事が早いな。慣れてるねやっぱり」
「うるさい。ダークウェブを数年使ってたらこうなるさ」
大須裕太。10歳にしてNASAのネットワークをハッキングした大物。やっぱりすごいな。
その後俺はユウタから諸々の説明をされた頃には辺りは暗くなっていた。
「サンキュー。助かった。手際が良すぎて正直驚いた。じゃあ帰るよ」
「えぇ~。帰るの?せっかくだし泊まっていってよ」
「泊まるって言ってもな…持ち合わせが…」
「いいじゃん。アオイがそう言ってんだし」
おや?アオイならまだしもユウタが泊まっていけというのは天変地異でも起こったか?いやこれは…
「それに辺りが暗いからな。山道は危ないぞ」
ユウタは無表情で俺に告げる。結局俺は電話して泊まると異世界人一行に伝えた。
その夜。アオイの手作り料理の肉じゃが(絶品)を食べ、風呂に一人で入って(アオイを誘ったがあしらわれた)来た時と変わらない服を着て、敷かれた川の字布団の一番右側に寝ようとしていた。
このまま夢見心地を味わえると思ったが、そうはいかない。真ん中で寝ているユウタが俺に話しかけてきた。
「ヒカル。お前のシェアハウスで暮らすやつらの名前教えてくれないか?」
「なんで?悪いけど個人情報なんでね」
「じゃあいい。だが聞きたいことがまだある」
「何?」
「そのシェアハウスは海外の一連の事件と関係あるだろ?」
「……ないよ?なんでそんなことを?」
「フードの中にレンガの破片があった。小さかったけどあの赤い感じは西洋のレンガ」
「レンガなんか日本でもあるだろ」
「お前が勝手に建物を壊すやつじゃないことは分かる」
「あっそう。信用してくれてどうもありがとう」
やはりというか…ユウタが追及してきた。服はパッパッとはらったはずだし、魔法できれいにしてもらったはずだ。それでも取れなかったのが一部あるとは…魔法とはなんとも杜撰なものだろう。
「それだけじゃない。お前のバック。外見は新品だったが中身に布のほつれた跡がいくつもあった。アオイが縫うとか言ってたな」
「縫ってくれるんだ。助かるな。それでユウタは何が言いたいわけ?」
「隠していることを俺に話せ。秘密なら俺だって隠し通せる」
「へぇ~。それが国家を破滅させるような事でもか?」
「国家だと…?お前一体何を…」
「悪いけどもういいか?今日は眠いんだ。時差ボケのせいでな」
俺はユウタの返事を待たずして布団を被ることにする。ユウタはそれ以上は追及してこなかった。
その夜何かの物音で目を覚ます。何事かと起き上がると居間の部分の電気がついている。
隣を見るとユウタが寝そべっているのでいるのはアオイだろう。
案の定居間ではアオイがちゃぶ台にもたれかかり、自身の腕で遊んでいる。
「あ、起こしちゃった?ごめんね」
「そこで寝そべるなら布団で目を閉じればいいのに」
「あはは、なんだか眠れなくてさ。こうして3人で集まるの久しぶりすぎてほんと」
しばらくお互い何も言わない状態が続く。
その静寂は俺にとってはあまり好きなものではない。とは言っても何の話題があるだろうか…
「ヒカル今までどこに行ってたの?」
おっと先に聞いてきたのはアオイのほうか。
「俺か?日本中周ったり、海外に行ったりしてた」
「そうなんだ。あ、そうだ。私もスマホ買ってもらったんだよ。LINE交換しようよ!」
アオイは笑顔でそう言うとスマホを差し出す。俺もスマホをバッグから取り出しQRコードのやつをする。
「あ、ヒカルのアイコン…相変わらずな感じだね」
アニメキャラのLINEアイコンはアオイには不評というわけでもないらしい。
「なんというか平和に暮らしてそうで安心した。アオイも大分慣れてきたでしょ?」
「…そうだねうん。慣れてきた。ここは居心地が良い。安心できる場所。ユウタも不器用だけど私に優しくしてくれるから。だから私もユウタの傍にいたい」
天使は微笑みながらそう言った。
「そうなんだ。私嬉しいなぁ」
目の前にいる少女も10代。正確にはどちらとも16歳なのだが彼女の名前は憂井崎 葵
多分今まで見た中で一番可愛いくてきれいでスタイル抜群で明るくて優しくて気さくに話しかけてくれるから俺も話しやすくてノリが良くて器用で料理もできてしっかり者だが本人は意外と怠け者で笑顔が天使でその笑顔も絶やさなくて色っぽくて清潔感があって性格が良くて艷やかな長い黒髪が特徴で俺とほぼ同じ身長の女の子。最高。
ただし頭の容量と胸の大きさはそこまでないのだがそこがまた良い。奪いたい。
「ねぇ~アオイ。俺の彼女になってほしい~」
「えぇ~。でも私にはユウタがいるからなぁ~」
「…よしてくれ」
当のユウタは顔色一つ変えることなくそう言う。
「それで何しに来たのヒカル。私に会いに来たとか?」
「それもあるけどね。ユウタ本題入っていい?」
「…………」
「ユウタ。ヒカルも久しぶりに来たんだしさぁ。そんな冷たくならないで~」
やっぱアオイは天使かもしれない。
「はいはい。それで何しに来たんだよ?」
「家を探してくれ。シェアハウスできそうなくらいの?」
「「へ?」」
ユウタとアオイはハモる。
「え?シェアハウス?てことはヒカル彼女できたの?よかったじゃん!おめでとう!でも私となってほしいってさっき…」
「…防衛省にハッキングしろとか言うと思った。つーか家くらい自分で探せ」
「16歳の少年が不動産屋に行ったらまずいでしょ。あとそういうの複雑そうやん?」
「…………なんでシェアハウスなんだ?」
ユウタの一言に一瞬静寂がよぎる。
「え?シェアハウスじゃ駄目なのか?」
「いや別に。ただお前みたいな奴がシェアハウスねぇ。過去の素性と合わせるとどうにも怪しいんだよな」
「それお前が言うかよ」
ここにきて俺とユウタの対立が始まってしまった。
「まぁまぁ二人共落ち着いてよ。いいじゃんユウタ。久しぶりに来てくれたんだしさ」
「…はぁ」
アオイが仲裁に入ってくれた。ナイスだグッジョブ。ユウタもため息をついたあとパソコンをいじり始めた。
「どこでもいいのか?」
「できれば国際空港に近いところで」
「国際空港だと?海外と関係あるのか?」
「まぁ…そんな感じ」
あんまりここで言葉を濁しくはなかった。意外とユウタには鋭いところがある。国際空港の近くと言わなければよかったかもしれない。
「どこでもいいんだよな?千葉の方にあったぞ」
「仕事が早いな。慣れてるねやっぱり」
「うるさい。ダークウェブを数年使ってたらこうなるさ」
大須裕太。10歳にしてNASAのネットワークをハッキングした大物。やっぱりすごいな。
その後俺はユウタから諸々の説明をされた頃には辺りは暗くなっていた。
「サンキュー。助かった。手際が良すぎて正直驚いた。じゃあ帰るよ」
「えぇ~。帰るの?せっかくだし泊まっていってよ」
「泊まるって言ってもな…持ち合わせが…」
「いいじゃん。アオイがそう言ってんだし」
おや?アオイならまだしもユウタが泊まっていけというのは天変地異でも起こったか?いやこれは…
「それに辺りが暗いからな。山道は危ないぞ」
ユウタは無表情で俺に告げる。結局俺は電話して泊まると異世界人一行に伝えた。
その夜。アオイの手作り料理の肉じゃが(絶品)を食べ、風呂に一人で入って(アオイを誘ったがあしらわれた)来た時と変わらない服を着て、敷かれた川の字布団の一番右側に寝ようとしていた。
このまま夢見心地を味わえると思ったが、そうはいかない。真ん中で寝ているユウタが俺に話しかけてきた。
「ヒカル。お前のシェアハウスで暮らすやつらの名前教えてくれないか?」
「なんで?悪いけど個人情報なんでね」
「じゃあいい。だが聞きたいことがまだある」
「何?」
「そのシェアハウスは海外の一連の事件と関係あるだろ?」
「……ないよ?なんでそんなことを?」
「フードの中にレンガの破片があった。小さかったけどあの赤い感じは西洋のレンガ」
「レンガなんか日本でもあるだろ」
「お前が勝手に建物を壊すやつじゃないことは分かる」
「あっそう。信用してくれてどうもありがとう」
やはりというか…ユウタが追及してきた。服はパッパッとはらったはずだし、魔法できれいにしてもらったはずだ。それでも取れなかったのが一部あるとは…魔法とはなんとも杜撰なものだろう。
「それだけじゃない。お前のバック。外見は新品だったが中身に布のほつれた跡がいくつもあった。アオイが縫うとか言ってたな」
「縫ってくれるんだ。助かるな。それでユウタは何が言いたいわけ?」
「隠していることを俺に話せ。秘密なら俺だって隠し通せる」
「へぇ~。それが国家を破滅させるような事でもか?」
「国家だと…?お前一体何を…」
「悪いけどもういいか?今日は眠いんだ。時差ボケのせいでな」
俺はユウタの返事を待たずして布団を被ることにする。ユウタはそれ以上は追及してこなかった。
その夜何かの物音で目を覚ます。何事かと起き上がると居間の部分の電気がついている。
隣を見るとユウタが寝そべっているのでいるのはアオイだろう。
案の定居間ではアオイがちゃぶ台にもたれかかり、自身の腕で遊んでいる。
「あ、起こしちゃった?ごめんね」
「そこで寝そべるなら布団で目を閉じればいいのに」
「あはは、なんだか眠れなくてさ。こうして3人で集まるの久しぶりすぎてほんと」
しばらくお互い何も言わない状態が続く。
その静寂は俺にとってはあまり好きなものではない。とは言っても何の話題があるだろうか…
「ヒカル今までどこに行ってたの?」
おっと先に聞いてきたのはアオイのほうか。
「俺か?日本中周ったり、海外に行ったりしてた」
「そうなんだ。あ、そうだ。私もスマホ買ってもらったんだよ。LINE交換しようよ!」
アオイは笑顔でそう言うとスマホを差し出す。俺もスマホをバッグから取り出しQRコードのやつをする。
「あ、ヒカルのアイコン…相変わらずな感じだね」
アニメキャラのLINEアイコンはアオイには不評というわけでもないらしい。
「なんというか平和に暮らしてそうで安心した。アオイも大分慣れてきたでしょ?」
「…そうだねうん。慣れてきた。ここは居心地が良い。安心できる場所。ユウタも不器用だけど私に優しくしてくれるから。だから私もユウタの傍にいたい」
天使は微笑みながらそう言った。
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