57 / 237
第56話 [俺]
しおりを挟む
「ビジネスホテルでも3時からしか開いてないってのがなぁ。暇だぞこの先」
「500円玉がめちゃくちゃジャラジャラするんだが」
「財布買いに行くかって…あ…」
「どした~?」
ヒカルは何かを思い出したかのように立ち止まる。
「その前に銀行だ!この国の法律で同じ硬貨を10枚以上使ったら駄目なんだ!」
「はぁ!?そんなこと先に言えよ!」
500円玉を造幣したアナリスが怒る。
てな訳でまずは銀行に行って、安物の財布買って、バック買ってなどを繰り返していたらいつの間にか1時を過ぎていた。
その後はコンビニで買った弁当を食べて移動をしていたらなんと驚き3時を過ぎていた。
時間が経つのが早いと感じた瞬間だ。
そして俺達がビジネスホテルとか言うお手打ちの値段のホテルへと行く途中のことだ。ヒカルが俺に質問してきたがその内容は結構驚いた。
「異世界の1日は24時間なんだよな?」
「当たり前だろ。365日で1年だ」
「へ?アナリスの話じゃあ異世界の面積は地球の面積の3倍なんだろ?自転周期や公転周期が速いのか?」
「知るかよその辺のことは」
難しい単語をぶつけられて思わず頭が痛くなった。
「えっと?いいですか?私達の世界では1分は60秒。1時間は60分なのですが」
カノンが話に割り込んできた。無論これは俺達にとって当たり前のことなのだが。
「ほ、ほう?なるほどな。ますます分からんぞ」
ヒカルは勝手に頭を抱えた。
「何が分からないんだ?」
キルアは素っ頓狂な声でそう聞く。俺も何が分からないのかが分からない(?)するとアナリスが
「要するになんでこの世界と異世界の時系列が同じになってるかってことでしょ?」
「そういうこと。聞いた話だと四季や北点や南点もあるんだろ?この世界とほとんど同じなんだよなぁ。魔法がないだけで」
「私もそれは気になってたんだよ。結構似てるよねこの世界。文明レベルは俄然違うけど」
アナリスが話すと誰も話題を思いつかないのか一気にシーンとなる。俺が悪いわけではないがなんとなく気まずい。そうこう考えていると目的地にはついていた。
「ホテルはここだ。金は払っといてくれ。早速俺行かなきゃいけない」
「いってら~」
俺はそう言うとヒカルは手を降って足早に去っていく。
_________________
彼らと別れて20分くらいだろうか。京急蒲田駅に着いたのは。
京急蒲田駅から品川駅。品川駅から東京駅。東京駅から群馬県高崎駅。
計3つの乗り継ぎを繰り返した先からはバスからバスへと乗り継ぎ、山奥へと行かなければ行けない。そこからは歩き。ここまで3時間を要したため日が暮れそうになっている。
目的地に着いた頃には太陽は既に地平線とほぼ同一線上に存在していた。
目の前には一軒家。小綺麗だが周りの雑木林のせいで幽霊屋敷にも見える。人が住んでそうな痕跡としては庭や屋根に置いてある太陽光パネルが唯一というくらいか。
ヒカルは取り付けてあるインターフォンを鳴らす。だがしばらく家主が家から出てこないことは知っている。この対処法はしばらく時間が経ってからまたインターフォンを鳴らす。それだけだ。
すると家主は家の扉をギッーと音を立てながらあける。ぼさぼさした黒髪と家の中なのに帽子をつけた10代程度の少年が出てくる。
「……また面倒事か?断るぞ」
「そう言わずに頼む」
俺はわざとらしく手を合わせる。しかし少年は無表情のままこちらを見ている。
「…入れ」
「お邪魔しま~す。彼女いるぅ?」
「…いるよ」
俺は気楽に家の中に入る。靴を脱いで玄関に立つとアパートのように居間がいきなり現れる部屋となっている。その中にはゲーマーが使いそうなパソコンとキャスター付きの椅子。そしてWiFiのサーバーが目に入る。真ん中には申し訳程度のちゃぶ台も置いてあるが。
「まだきれいに保ってんのね」
「…当たり前だろ。ここがなくなったらホームレスになるからな」
「へ~…本題に入っていい?」
「嫌だ」
「ユウタ君、話くらいは聞いてほしいんだが」
「めんどい」
目の前の男、大須裕太は無愛想な返事をする。
「はいはい。まだ話さないよまだね。それで彼女は?」
「まだ寝てる」
「へ?今午後6時だぞ」
「多分もうすぐ起きる」
ユウタは彼女の生活習慣を知っているのか特に動じる様子はない。
すると襖のある部屋から物音がする。何かが跳ねのけられる音。そして勢いよく襖の扉が開けられる。
「…おはよって、あっ!久しぶりじゃん来たの!」
彼女は微笑んで俺を迎えてくれた。
「500円玉がめちゃくちゃジャラジャラするんだが」
「財布買いに行くかって…あ…」
「どした~?」
ヒカルは何かを思い出したかのように立ち止まる。
「その前に銀行だ!この国の法律で同じ硬貨を10枚以上使ったら駄目なんだ!」
「はぁ!?そんなこと先に言えよ!」
500円玉を造幣したアナリスが怒る。
てな訳でまずは銀行に行って、安物の財布買って、バック買ってなどを繰り返していたらいつの間にか1時を過ぎていた。
その後はコンビニで買った弁当を食べて移動をしていたらなんと驚き3時を過ぎていた。
時間が経つのが早いと感じた瞬間だ。
そして俺達がビジネスホテルとか言うお手打ちの値段のホテルへと行く途中のことだ。ヒカルが俺に質問してきたがその内容は結構驚いた。
「異世界の1日は24時間なんだよな?」
「当たり前だろ。365日で1年だ」
「へ?アナリスの話じゃあ異世界の面積は地球の面積の3倍なんだろ?自転周期や公転周期が速いのか?」
「知るかよその辺のことは」
難しい単語をぶつけられて思わず頭が痛くなった。
「えっと?いいですか?私達の世界では1分は60秒。1時間は60分なのですが」
カノンが話に割り込んできた。無論これは俺達にとって当たり前のことなのだが。
「ほ、ほう?なるほどな。ますます分からんぞ」
ヒカルは勝手に頭を抱えた。
「何が分からないんだ?」
キルアは素っ頓狂な声でそう聞く。俺も何が分からないのかが分からない(?)するとアナリスが
「要するになんでこの世界と異世界の時系列が同じになってるかってことでしょ?」
「そういうこと。聞いた話だと四季や北点や南点もあるんだろ?この世界とほとんど同じなんだよなぁ。魔法がないだけで」
「私もそれは気になってたんだよ。結構似てるよねこの世界。文明レベルは俄然違うけど」
アナリスが話すと誰も話題を思いつかないのか一気にシーンとなる。俺が悪いわけではないがなんとなく気まずい。そうこう考えていると目的地にはついていた。
「ホテルはここだ。金は払っといてくれ。早速俺行かなきゃいけない」
「いってら~」
俺はそう言うとヒカルは手を降って足早に去っていく。
_________________
彼らと別れて20分くらいだろうか。京急蒲田駅に着いたのは。
京急蒲田駅から品川駅。品川駅から東京駅。東京駅から群馬県高崎駅。
計3つの乗り継ぎを繰り返した先からはバスからバスへと乗り継ぎ、山奥へと行かなければ行けない。そこからは歩き。ここまで3時間を要したため日が暮れそうになっている。
目的地に着いた頃には太陽は既に地平線とほぼ同一線上に存在していた。
目の前には一軒家。小綺麗だが周りの雑木林のせいで幽霊屋敷にも見える。人が住んでそうな痕跡としては庭や屋根に置いてある太陽光パネルが唯一というくらいか。
ヒカルは取り付けてあるインターフォンを鳴らす。だがしばらく家主が家から出てこないことは知っている。この対処法はしばらく時間が経ってからまたインターフォンを鳴らす。それだけだ。
すると家主は家の扉をギッーと音を立てながらあける。ぼさぼさした黒髪と家の中なのに帽子をつけた10代程度の少年が出てくる。
「……また面倒事か?断るぞ」
「そう言わずに頼む」
俺はわざとらしく手を合わせる。しかし少年は無表情のままこちらを見ている。
「…入れ」
「お邪魔しま~す。彼女いるぅ?」
「…いるよ」
俺は気楽に家の中に入る。靴を脱いで玄関に立つとアパートのように居間がいきなり現れる部屋となっている。その中にはゲーマーが使いそうなパソコンとキャスター付きの椅子。そしてWiFiのサーバーが目に入る。真ん中には申し訳程度のちゃぶ台も置いてあるが。
「まだきれいに保ってんのね」
「…当たり前だろ。ここがなくなったらホームレスになるからな」
「へ~…本題に入っていい?」
「嫌だ」
「ユウタ君、話くらいは聞いてほしいんだが」
「めんどい」
目の前の男、大須裕太は無愛想な返事をする。
「はいはい。まだ話さないよまだね。それで彼女は?」
「まだ寝てる」
「へ?今午後6時だぞ」
「多分もうすぐ起きる」
ユウタは彼女の生活習慣を知っているのか特に動じる様子はない。
すると襖のある部屋から物音がする。何かが跳ねのけられる音。そして勢いよく襖の扉が開けられる。
「…おはよって、あっ!久しぶりじゃん来たの!」
彼女は微笑んで俺を迎えてくれた。
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
新人神様のまったり天界生活
源 玄輝
ファンタジー
死後、異世界の神に召喚された主人公、長田 壮一郎。
「異世界で勇者をやってほしい」
「お断りします」
「じゃあ代わりに神様やって。これ決定事項」
「・・・え?」
神に頼まれ異世界の勇者として生まれ変わるはずが、どういうわけか異世界の神になることに!?
新人神様ソウとして右も左もわからない神様生活が今始まる!
ソウより前に異世界転生した人達のおかげで大きな戦争が無い比較的平和な下界にはなったものの信仰が薄れてしまい、実はピンチな状態。
果たしてソウは新人神様として消滅せずに済むのでしょうか。
一方で異世界の人なので人らしい生活を望み、天使達の住む空間で住民達と交流しながら料理をしたり風呂に入ったり、時にはイチャイチャしたりそんなまったりとした天界生活を満喫します。
まったりゆるい、異世界天界スローライフ神様生活開始です!
わし七十歳定年退職者、十七歳冒険者と魂だけが入れ替わる ~17⇔70は地球でも異世界でも最強です~
天宮暁
ファンタジー
東京郊外で定年後の穏やかな生活を送る元会社員・桜塚猛(さくらづかたける)、70歳。
辺境の街サヴォンに暮らす万年D級冒険者ロイド・クレメンス、17歳。
冒険者ランク昇格をかけて遺跡の奥に踏み込んだロイドは、東京・桜塚家で目を覚ます。
一方、何事もなく眠りについたはずの桜塚猛は、冒険者の街サヴォンの宿屋で目を覚ました。
目覚めた二人は、自分の姿を見て驚愕する。ロイドはまったく見覚えのない老人の身体に、桜塚は若く精悍な冒険者の身体に変わっていたのだ。
何の接点もなかったはずの二人の意識が、世界を跨いで入れ替わってしまったのだ!
七十歳が十七歳に、十七歳が七十歳に――
いきなり常識の通じない「異世界」に放り出された二人の冒険が、今始まる!
※ 異世界、地球側並行で話が進みます。
完結まで毎日更新の予定です。
面白そう!と思ってもらえましたら、ご応援くださいませ。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
勇者現代へ帰る。でも、国ごと付いてきちゃいました。
Azanasi
ファンタジー
突然召喚された卒業間近の中学生、直人
召喚の途中で女神の元へ……女神から魔神の討伐を頼まれる。
断ればそのまま召喚されて帰るすべはないと女神は言い、討伐さえすれば元の世界の元の時間軸へ帰してくれると言う言葉を信じて異世界へ。
直人は魔神を討伐するが帰れない。実は魔神は元々そんなに力があるわけでもなくただのハリボテだった。そう、魔法で強く見せていただけだったのだが、女神ともなればそれくらい簡単に見抜けるはずなおだが見抜けなかった。女神としては責任問題だここでも女神は隠蔽を施す。
帰るまで数年かかると直人に伝える、直人は仕方なくも受け入れて現代の知識とお買い物スキルで国を発展させていく
ある時、何の前触れもなく待望していた帰還が突然がかなってしまう。
それには10年の歳月がかかっていた。おまけにあろうことか国ごと付いてきてしまったのだ。
現代社会に中世チックな羽毛の国が現れた。各国ともいろんな手を使って取り込もうとするが直人は抵抗しアルスタン王国の将来を模索して行くのだった。
■小説家になろうにも掲載
踊れば楽し。
紫月花おり
ファンタジー
【前世は妖!シリアス、ギャグ、バトル、なんとなくブロマンスで、たまにお食事やもふもふも!?なんでもありな和風ファンタジー!!?】
俺は常識人かつ現実主義(自称)な高校生なのに、前世が妖怪の「鬼」らしい!?
だがもちろん前世の記憶はないし、命を狙われるハメになった俺の元に現れたのは──かつての仲間…キャラの濃い妖怪たち!!?
ーーー*ーーー*ーーー
ある日の放課後──帰宅中に謎の化け物に命を狙われた高校2年生・高瀬宗一郎は、天狗・彼方に助けられた。
そして宗一郎は、自分が鬼・紅牙の生まれ変わりであり、その紅牙は妖の世界『幻妖界』や鬼の宝である『鬼哭』を盗んだ大罪人として命を狙われていると知る。
前世の記憶も心当たりもない、妖怪の存在すら信じていなかった宗一郎だが、平凡な日常が一変し命を狙われ続けながらも、かつての仲間であるキャラの濃い妖たちと共に紅牙の記憶を取り戻すことを決意せざるをえなくなってしまった……!?
迫り来る現実に混乱する宗一郎に、彼方は笑顔で言った。
「事実は変わらない。……せっかくなら楽しんだほうが良くない?」
そして宗一郎は紅牙の転生理由とその思いを、仲間たちの思いを、真実を知ることになっていく──
※カクヨム、小説家になろう にも同名義同タイトル小説を先行掲載
※以前エブリスタで作者が書いていた同名小説(未完)を元に加筆改変をしています
私(僕)達は同じ過ちを繰り返さないために・・・
ちょこあいす
ファンタジー
世界中で起きた異変
バケモノがはびこる世界
必死に生き延びる人達
命のやり取りが当たり前の世界
不定期更新なので気長に待ってください
怠惰の魔王
sasina
ファンタジー
年齢一桁で異世界転移してしまった天月 鈴。
運良く拾ってもらい、10年間育てられる。
ある日、この異世界イデアが違う世界と繋がってしまい、その繋がってしまった世界と言うのが10年前の地球だった。
折角、繋がったので懐かしの地球に行ってみると、世界の強制力か、体も10年前の姿に戻ってしまった。
ダンジョンで有名モデルを助けたら公式配信に映っていたようでバズってしまいました。
夜兎ましろ
ファンタジー
高校を卒業したばかりの少年――夜見ユウは今まで鍛えてきた自分がダンジョンでも通用するのかを知るために、はじめてのダンジョンへと向かう。もし、上手くいけば冒険者にもなれるかもしれないと考えたからだ。
ダンジョンに足を踏み入れたユウはとある女性が魔物に襲われそうになっているところに遭遇し、魔法などを使って女性を助けたのだが、偶然にもその瞬間がダンジョンの公式配信に映ってしまっており、ユウはバズってしまうことになる。
バズってしまったならしょうがないと思い、ユウは配信活動をはじめることにするのだが、何故か助けた女性と共に配信を始めることになるのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる