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第34話 アフガニスタン(5)

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戦闘は激化していた。
ある場所では3台のハンヴィーがM2重機関銃でサソリを撃ちまくり、蜂の巣へと変えていた。
またある場所ではM203グレネードランチャーを撃ち、サソリを爆発させた。
襲撃して来たサソリは最初こそ優勢だったものの弱点の判明や兵士が統率されて来た今、それは崩されようとしており、今のサソリの数は3匹にまで減らされていた。

だがサソリも負けてはいなかった。

「こちら司令塔。誰か救援を頼む!奴らこの建物を登ってきてる!」

灯台のようなその建物をサソリは自らのハサミを突き立てながら登ってきている。ハサミが建物に食い込むたびに欠片がパラパラと落ちていく。

先程の無線が届いたのか、3台のハンヴィーが司令塔の前に止まる。

そのうちの真ん中のハンヴィーに乗っていたアレックス達は、司令塔の内部に入ろうとする兵士達を止める。

「待て!この扉じゃあ奴ら入れないだろ」

ロイドの言うとおり司令塔に入る扉は、成人男性がちょうど入るほどの横の大きさだ。
サソリの横幅は少なくともアレックスの2倍はあった。
それが分かったのはサソリが目の前で死んだからだ。

「だが登ってきていると…奴らはどこに…?」

そう言ったとき、パラパラと欠片が落ちる。全員が上に注目すると例の塔上がりサソリがいた。

全員がうおわっ!?となりそして

「撃て!!ぶっ殺してやれ!!」

誰が言ったのかは分からないが兵士達は塔上がりのサソリを撃ちまくる。

ライフルは効かないとは言ったが、さすがに衝撃までは耐えられなかったのだろう。
サソリはバランスを崩し、地面に落ちる。

その落ちたサソリにアレックスは近づき、M9へと持ち替え、サソリの顎部分に一発撃つと、サソリは動かなくなった。

「あと何匹だ…誰か現状を報告できるものはいるか!」

アレックスがそう言うと、しばらくジジッと無線が鳴った後…

『ジ…管制……入っ…………る』

「管制?管制室か!こちらアレックス中尉。管制室に向かえる部隊はいるか?」

『俺達がそこに近い!任せろ!』

どうやら別の部隊が管制室へと向かってくれるようだ。
_________________

その頃管制室では、多数の兵士が右往左往していた。何故ならサソリは既に中に入ってきたからだ。

サソリは狭い廊下を火の玉をあちこちに放ちながら迫ってきている。狭い廊下なので兵士達が隠れる場所がなく、退避を余儀なくされる。

そしてパソコンだらけの部屋。正確に言えば管制室の中枢に来るとサソリは火の玉を放とうとする。そこには退避できていない多くの兵士がいた。

その時だ。アルフレッド大佐がスイッチだらけの機械の影から現れ、サソリの首に何かを振り下ろす。

サソリはアルフレッド大佐の攻撃により、地面に叩きつけられる。何か…アルフレッド大佐が持っている斧で切られた場所には大きい裂傷が見られる。

アルフレッド大佐は再度斧を振り下ろすと、サソリの頭と体が2つに分かれる。

「……全員大丈夫だな?持ち場にもどるぞ。地上部隊をすぐに誘導させろ。装甲車両の準備も急がせろ!」
_________________
サソリは近くに停めてあったC-130に飛び乗り、辺り一面を火の海にしようとする。

気づいた兵士達が近づこうとするが、サソリは兵士達を寄せ付けないように撃ちまくっている。

誰もが近づけない。そう思った時だ。

ブーンと何かが車道を走る音がしたのは。
兵士達は振り返るとそこには、マジギレさせた米軍の最終形態があった。

編成としてはスラットアーマーとブラストパネルをつけたストライカー装甲車が5台こちらへと来ていた。
ストライカー装甲車には7.62mm機関銃がプロテクターM151によって取り付けられており、その機体は重々しさを感じさせ、実際にはC-130で運べるほど軽いとは思わせないぶりだ。

ストライカー装甲車部隊は、サソリが乗っている(上に)C-130に近づく。サソリは火の玉をストライカー装甲車に向かって撃つが、スラットアーマーとブラストパネルに防がれてしまう。
サソリはそれでも諦めずに何度も撃とうするが…

「「全員撃ちまくれ!!!」」

ババババババ!!!という音ともにストライカー装甲車の周りは弾倉が落ち、サソリはM4やM16で貫かれなかったとは思えないほど穴だらけになる。
サソリはストライカー装甲車の機銃によって蜂の巣にされC-130からポロリと落ちる。
これで1件落着!ではなく、サソリが乗っていたC-130も穴だらけにしてしまったつけを彼らはどう払うのだろうか…
だが、彼らはサソリを殺したことで喜びに浸っているようだった。







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