29 / 237
第28話 ホテルと落ち着き
しおりを挟む
ホテルに帰った俺達は、各々の部屋で体を休めることにした。
その前にだ…
「それじゃあ洗濯するよ」
アナリスが俺とヒカルの前に立ち、手をかざす。
アナリスの手が緑色に光ったかと思うと、俺の服に染み付いていたジメジメ感が完全に消え去る。
「おぉ、すご。世の中の主婦がこぞって欲しがるような魔法だな」
ヒカルが感想を述べると、アナリスは「じゃあまたね」と言って自身の部屋に戻って行く。
そう言ったアナリスの姿は可愛いと感じさせる。
「あいつあんなんだったっけ?」
ヒカルもどうやら俺と同じことを思ったのかそう言ってきた。案外男同士で気が合うかもしれない。
ヒカルはその後、ガチャガチャと部屋のドアを開ける。俺はその後に続き、何時間ぶりかの我がホテルの部屋を目にした。
「ガイムゥ。俺が先に風呂入っていいか?」
「どーぞ」
俺がそう答えるとヒカルは「サンキュー」と言ってユニットバスがある部屋へと向かった。
俺はその間までに、テレビとか言う物をつけることにした。
リモコンと言う物で操作するらしいがいかんせん使い方が分からない。
とりあえず赤いボタンを……あ、ついた。
テレビではちょうどニューヨークの件についての報道であった。
『現時刻は午後8時30分とニューヨークの悲劇から約4時間が経過しましたが、いまだに火災が続いており、鎮火の目処は立っておらず、救助が難航しているとのことです』
リポーターだろうか。そこにいる人が言う通り、橋をまたいでカメラに映るニューヨークの画像は、夜の闇が辺りをおおっても紅く光っていた。
それだけ火災が続いているということだろう。
『この事件の発端となった、えぇ現在、巨大生物ですが、ニューヨークの街中からその影は消え去っています。この生物の情報はいまだ発表されておらず、様々な見解が飛び交っていますが、我々アメリカ国民の敵であることには間違いないはずです!この惨状を改めて見てみてください!』
リポーターは最後のほうには興奮して前へと乗り出している。
その後は被害状況や専門家による意見などが出たが、結果としてあの生物は分からないとのことだった。
「国際問題」や「宣戦布告」などの言葉がでていたが大丈夫なのだろうか。
「お~い。上がったぞ~」
おそらく10分くらい経ったのだろう。ヒカルが風呂から上がっていた。
「じゃあ俺入るよ」
俺はそう言うと、一気に風呂に駆け込み衣類を脱ぐ。
湯船の中で俺は考えていた。もしこの世界に来なかったらおそらく魔王の幹部と戦うことなど生涯なかったはずだ。
だが不思議と帰りたいと思っていた気持ちが変わっていってる気がする。
そうだ、もしこの世界に来なかったらアナリスやカノン、ヒカルには会えなかった。
アナリスは俺とは明らかに位が違う冒険者だし、カノンは王女だからご法度だ。
ヒカルに関しては住む世界(そのままの意味)が違う。
魔王の幹部はあと何人だろうか。俺達がこのあと俺達と同じ処遇の異世界人を探しに行った場所でまた戦うのだろうか。
考えても仕方ないことだ。魔法で未来を見たり変えることはできないのだから。
俺は風呂から上がり、パパッと頭と体を拭いたあと、さっき脱いでいた衣類を着た。
「お?早かったねぇ」
ヒカルは俺の姿を見るなりそう言ってくる。
「湯船につかりたかっただけだからな。それより早く寝たいし」
「まぁその気持ち分かるわ。てか異世界にも風呂ってあるんだな」
そういえば風呂という文化は共通らしい。
「まぁすっきりしないから作ったんじゃないの?俺の世界もヒカルの世界も」
「因果関係とかじゃないよな?まぁ寝るとしようか。俺も疲れたし」
ヒカルはそう言うと2つあるベッドのうち片方のベッドに飛び込む。
「電気消すぞぉ~」
布団でくぐもった声がする。
俺はもう1つあるベッドのかけ布団をあげ、横になる。
柔らかいとも固いとも言えない枕だったが、それでも睡魔というものは襲ってくる。
すぐにでもウトウトとしそうだったが、ヒカルが話しかけてきた。
「なぁ、お前どっちがタイプだ?」
「どっちって?」
「アナリスとカノン。どっちとも結構美人だぞ。若いってのもあるんだろうが」
あぁ、そういう話ね。だが残念だったな。
俺は生涯女の子とあんなことやこんなことをする相手ではないのだ。
何故ならできないからである(ため息)
まぁでもヒカルが話したそうなので仕方なく話を合わせよう。仕方なく
「あぁ、どっちもいいと思う」
「答えになってねぇー。まぁどっちともスタイルはいいし、顔も良い。あとあれも俺の好みだからな」
「あれとは?」
「胸」
胸?アナリスとカノンの胸か…
てか待て。確か俺が覚えてる限り両方…
「お前貧乳好きだろ」
「そーだ。ついで女子中学生くらいの子が一番好きだ。世間一般ではロリコンとも言われる歳だがこれの何が悪い」
「お、おう。そ、そうか」
「そういうガイムはどんな女がタイプなんだ?」
俺か……たいぷ?どんなたいぷだ?
「ない。考えたこともない」
「…なんというか可哀相なやつだな」
ヒカルに言われるとものすごく悲しくなる。やっぱこの世界来なかったほうが良かったのでは…
_________________
2022年7月11日 アメリカ東部標準時
午後9時21分
アメリカ合衆国 メリーランド州
アンドルーズ空軍基地
青をイメージカラーとさせる1機の飛行機が滑走路へと着陸する。
それに合わせたかのように黒色のキャデラックが3台近づく。
「夜になるのが早いもんだ。時差の影響かね…」
青の飛行機、エアフォースワンの扉が開くのを待っている人物は言う。
そしてタラップ車がやってき、その車に搭載されている階段がエアフォースワンの扉につき、降りられるようになる。
そしてエアフォースワンの扉が開き、中にいた現アメリカ大統領のジョン ヴォイドは階段をゆっくりと降りる。
完全に降りた先に待ち構えていたのは、キャデラックに乗っていたSP達だ。
「お待ちしていました。大統領」
「うむ、ホワイトハウスまで、速めに頼む」
ヴォイドはそう言うと、真ん中のキャデラックに乗り込む。
それを見たSP達も持ち場をつくかのようにそれぞれの車に乗る。
空港から出た先では、数台のパトカーと白バイがキャデラックが来るのを待機していた。
やがて先頭のキャデラックが止まると、パトカーと白バイが先頭へと行き、先導して車列を動かす。残ったパトカーと白バイは車列の一番後ろについた。
夜の闇に赤と青の蛍光灯が辺りを照らしていた。
その前にだ…
「それじゃあ洗濯するよ」
アナリスが俺とヒカルの前に立ち、手をかざす。
アナリスの手が緑色に光ったかと思うと、俺の服に染み付いていたジメジメ感が完全に消え去る。
「おぉ、すご。世の中の主婦がこぞって欲しがるような魔法だな」
ヒカルが感想を述べると、アナリスは「じゃあまたね」と言って自身の部屋に戻って行く。
そう言ったアナリスの姿は可愛いと感じさせる。
「あいつあんなんだったっけ?」
ヒカルもどうやら俺と同じことを思ったのかそう言ってきた。案外男同士で気が合うかもしれない。
ヒカルはその後、ガチャガチャと部屋のドアを開ける。俺はその後に続き、何時間ぶりかの我がホテルの部屋を目にした。
「ガイムゥ。俺が先に風呂入っていいか?」
「どーぞ」
俺がそう答えるとヒカルは「サンキュー」と言ってユニットバスがある部屋へと向かった。
俺はその間までに、テレビとか言う物をつけることにした。
リモコンと言う物で操作するらしいがいかんせん使い方が分からない。
とりあえず赤いボタンを……あ、ついた。
テレビではちょうどニューヨークの件についての報道であった。
『現時刻は午後8時30分とニューヨークの悲劇から約4時間が経過しましたが、いまだに火災が続いており、鎮火の目処は立っておらず、救助が難航しているとのことです』
リポーターだろうか。そこにいる人が言う通り、橋をまたいでカメラに映るニューヨークの画像は、夜の闇が辺りをおおっても紅く光っていた。
それだけ火災が続いているということだろう。
『この事件の発端となった、えぇ現在、巨大生物ですが、ニューヨークの街中からその影は消え去っています。この生物の情報はいまだ発表されておらず、様々な見解が飛び交っていますが、我々アメリカ国民の敵であることには間違いないはずです!この惨状を改めて見てみてください!』
リポーターは最後のほうには興奮して前へと乗り出している。
その後は被害状況や専門家による意見などが出たが、結果としてあの生物は分からないとのことだった。
「国際問題」や「宣戦布告」などの言葉がでていたが大丈夫なのだろうか。
「お~い。上がったぞ~」
おそらく10分くらい経ったのだろう。ヒカルが風呂から上がっていた。
「じゃあ俺入るよ」
俺はそう言うと、一気に風呂に駆け込み衣類を脱ぐ。
湯船の中で俺は考えていた。もしこの世界に来なかったらおそらく魔王の幹部と戦うことなど生涯なかったはずだ。
だが不思議と帰りたいと思っていた気持ちが変わっていってる気がする。
そうだ、もしこの世界に来なかったらアナリスやカノン、ヒカルには会えなかった。
アナリスは俺とは明らかに位が違う冒険者だし、カノンは王女だからご法度だ。
ヒカルに関しては住む世界(そのままの意味)が違う。
魔王の幹部はあと何人だろうか。俺達がこのあと俺達と同じ処遇の異世界人を探しに行った場所でまた戦うのだろうか。
考えても仕方ないことだ。魔法で未来を見たり変えることはできないのだから。
俺は風呂から上がり、パパッと頭と体を拭いたあと、さっき脱いでいた衣類を着た。
「お?早かったねぇ」
ヒカルは俺の姿を見るなりそう言ってくる。
「湯船につかりたかっただけだからな。それより早く寝たいし」
「まぁその気持ち分かるわ。てか異世界にも風呂ってあるんだな」
そういえば風呂という文化は共通らしい。
「まぁすっきりしないから作ったんじゃないの?俺の世界もヒカルの世界も」
「因果関係とかじゃないよな?まぁ寝るとしようか。俺も疲れたし」
ヒカルはそう言うと2つあるベッドのうち片方のベッドに飛び込む。
「電気消すぞぉ~」
布団でくぐもった声がする。
俺はもう1つあるベッドのかけ布団をあげ、横になる。
柔らかいとも固いとも言えない枕だったが、それでも睡魔というものは襲ってくる。
すぐにでもウトウトとしそうだったが、ヒカルが話しかけてきた。
「なぁ、お前どっちがタイプだ?」
「どっちって?」
「アナリスとカノン。どっちとも結構美人だぞ。若いってのもあるんだろうが」
あぁ、そういう話ね。だが残念だったな。
俺は生涯女の子とあんなことやこんなことをする相手ではないのだ。
何故ならできないからである(ため息)
まぁでもヒカルが話したそうなので仕方なく話を合わせよう。仕方なく
「あぁ、どっちもいいと思う」
「答えになってねぇー。まぁどっちともスタイルはいいし、顔も良い。あとあれも俺の好みだからな」
「あれとは?」
「胸」
胸?アナリスとカノンの胸か…
てか待て。確か俺が覚えてる限り両方…
「お前貧乳好きだろ」
「そーだ。ついで女子中学生くらいの子が一番好きだ。世間一般ではロリコンとも言われる歳だがこれの何が悪い」
「お、おう。そ、そうか」
「そういうガイムはどんな女がタイプなんだ?」
俺か……たいぷ?どんなたいぷだ?
「ない。考えたこともない」
「…なんというか可哀相なやつだな」
ヒカルに言われるとものすごく悲しくなる。やっぱこの世界来なかったほうが良かったのでは…
_________________
2022年7月11日 アメリカ東部標準時
午後9時21分
アメリカ合衆国 メリーランド州
アンドルーズ空軍基地
青をイメージカラーとさせる1機の飛行機が滑走路へと着陸する。
それに合わせたかのように黒色のキャデラックが3台近づく。
「夜になるのが早いもんだ。時差の影響かね…」
青の飛行機、エアフォースワンの扉が開くのを待っている人物は言う。
そしてタラップ車がやってき、その車に搭載されている階段がエアフォースワンの扉につき、降りられるようになる。
そしてエアフォースワンの扉が開き、中にいた現アメリカ大統領のジョン ヴォイドは階段をゆっくりと降りる。
完全に降りた先に待ち構えていたのは、キャデラックに乗っていたSP達だ。
「お待ちしていました。大統領」
「うむ、ホワイトハウスまで、速めに頼む」
ヴォイドはそう言うと、真ん中のキャデラックに乗り込む。
それを見たSP達も持ち場をつくかのようにそれぞれの車に乗る。
空港から出た先では、数台のパトカーと白バイがキャデラックが来るのを待機していた。
やがて先頭のキャデラックが止まると、パトカーと白バイが先頭へと行き、先導して車列を動かす。残ったパトカーと白バイは車列の一番後ろについた。
夜の闇に赤と青の蛍光灯が辺りを照らしていた。
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
虐げられた令嬢、ペネロペの場合
キムラましゅろう
ファンタジー
ペネロペは世に言う虐げられた令嬢だ。
幼い頃に母を亡くし、突然やってきた継母とその後生まれた異母妹にこき使われる毎日。
父は無関心。洋服は使用人と同じくお仕着せしか持っていない。
まぁ元々婚約者はいないから異母妹に横取りされる事はないけれど。
可哀想なペネロペ。でもきっといつか、彼女にもここから救い出してくれる運命の王子様が……なんて現れるわけないし、現れなくてもいいとペネロペは思っていた。何故なら彼女はちっとも困っていなかったから。
1話完結のショートショートです。
虐げられた令嬢達も裏でちゃっかり仕返しをしていて欲しい……
という願望から生まれたお話です。
ゆるゆる設定なのでゆるゆるとお読みいただければ幸いです。
R15は念のため。
【完結】言いたいことがあるなら言ってみろ、と言われたので遠慮なく言ってみた
杜野秋人
ファンタジー
社交シーズン最後の大晩餐会と舞踏会。そのさなか、第三王子が突然、婚約者である伯爵家令嬢に婚約破棄を突き付けた。
なんでも、伯爵家令嬢が婚約者の地位を笠に着て、第三王子の寵愛する子爵家令嬢を虐めていたというのだ。
婚約者は否定するも、他にも次々と証言や証人が出てきて黙り込み俯いてしまう。
勝ち誇った王子は、最後にこう宣言した。
「そなたにも言い分はあろう。私は寛大だから弁明の機会をくれてやる。言いたいことがあるなら言ってみろ」
その一言が、自らの破滅を呼ぶことになるなど、この時彼はまだ気付いていなかった⸺!
◆例によって設定ナシの即興作品です。なので主人公の伯爵家令嬢以外に固有名詞はありません。頭カラッポにしてゆるっとお楽しみ下さい。
婚約破棄ものですが恋愛はありません。もちろん元サヤもナシです。
◆全6話、約15000字程度でサラッと読めます。1日1話ずつ更新。
◆この物語はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。
◆9/29、HOTランキング入り!お読み頂きありがとうございます!
10/1、HOTランキング最高6位、人気ランキング11位、ファンタジーランキング1位!24h.pt瞬間最大11万4000pt!いずれも自己ベスト!ありがとうございます!
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
婚約破棄と領地追放?分かりました、わたしがいなくなった後はせいぜい頑張ってくださいな
カド
ファンタジー
生活の基本から領地経営まで、ほぼ全てを魔石の力に頼ってる世界
魔石の浄化には三日三晩の時間が必要で、この領地ではそれを全部貴族令嬢の主人公が一人でこなしていた
「で、そのわたしを婚約破棄で領地追放なんですね?
それじゃ出ていくから、せいぜいこれからは魔石も頑張って作ってくださいね!」
小さい頃から搾取され続けてきた主人公は 追放=自由と気付く
塔から出た途端、暴走する力に悩まされながらも、幼い時にもらった助言を元に中央の大教会へと向かう
一方で愛玩され続けてきた妹は、今まで通り好きなだけ魔石を使用していくが……
◇◇◇
親による虐待、明確なきょうだい間での差別の描写があります
(『嫌なら読むな』ではなく、『辛い気持ちになりそうな方は無理せず、もし読んで下さる場合はお気をつけて……!』の意味です)
◇◇◇
ようやく一区切りへの目処がついてきました
拙いお話ですがお付き合いいただければ幸いです
王子は婚約破棄をし、令嬢は自害したそうです。
七辻ゆゆ
ファンタジー
「アリシア・レッドライア! おまえとの婚約を破棄する!」
公爵令嬢アリシアは王子の言葉に微笑んだ。「殿下、美しい夢をありがとうございました」そして己の胸にナイフを突き立てた。
血に染まったパーティ会場は、王子にとって一生忘れられない景色となった。冤罪によって婚約者を自害させた愚王として生きていくことになる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる