26 / 237
第25話 一時の休息
しおりを挟む
2022年7月11日 アメリカ東部標準時
午後6時01分
アメリカ合衆国 コネチカット州
ニューヘブン中心部
____________________
「世界標準時の午後3時…つまりここだと午前10時か…」
ヒカルが独り言を言っている中、俺達はニューヨークからのバスを降り、ニューヘブンという街に来ていた。
「ここがニューヘブン…ニューヨークよりかは小さいけど大きな街だな」
「コネチカット州で一番大きな街だからな。そもそもコネチカット州があまり知られてないからな」
アナリスとヒカルがそんな会話をしている。
俺としてはもう慣れた街並みに等しいんだが、夕日をバックにしたその街並みは美しいの一言に尽きる。
隣ではカノンが俺と同じように街並みを眺めている。
俺は勇気を持ってカノン、第4王女と話してみることにした。
「えっと…王女様?」
「大丈夫ですよ。そんな敬うような言葉遣いじゃなくても」
おっと、これは最初からコミュニケーションをミスったらしいな。だがまぁ気を取り直して
「なんというかその、きれいですね」
あっ、しまった。これはまずい気がする。そんな直感がする。そして案の定
「えっと、街並みですか?はい。確かにきれい…ですね」
俺もカノンもぎこちなくなった。コミュ力が大事だということを痛いほど知らされる。
どうしよう…
「…私はこの世界に来て良かったと思ってます」
唐突にカノンが話を振る。そして彼女は続ける。
「え、なんで…です?」
「私は表向きには第4王女。位高き王の娘となっています。でもそれは表向きだけです。私は王から、そして兄弟から蔑まれてきました。皇族に女が生まれてくることは一族に破局をもたらすと…そんな言い伝えがあったからです。頼りの母は私を【王女】にすることで気がいっぱいでした。この鎧も剣も母は許してくれませんでした…」
カノンは一呼吸置く。何故俺にそのことを話すのだろうか。アナリスとヒカルはこの話を聞いてどう思っているのであろう。
「この世界に来たのも、私が1人城を抜け出したからです。かつての剣の修行場に隠しておいた鎧と剣で旅をしようと思ったんです…そして旅を始めようとした時、私はこの世界に来ました」
…こういう時は慰め、励ましの言葉を送るべきなのだろうか。正直王族との関係は俺にはまったくない。いわば他人事だ。
他人事だからこそ彼女にどういう言葉をかければいいか分からない。
だが俺が何か言う前にカノンが再び話し出す。
「なんだかごめんなさい。勝手に話をしてしまって、迷惑ですよね」
「え?いや別にそんなことはまったく思ってないですよ!?」
俺は慌ててカノンの言葉を否定する。
あぁ、こういう時ってどうすれば…
「あぁっと、失礼。俺的な感想としては…とにかく早くホテル行かね?なんで立ち話するんだよ…」
ヒカルが話に割り込んで来た。感想はともかくナイスタイミングだ。いやナイスなのか?ヒカルはなんというかめんどくさそうな顔をしている。
「そーそー。とりあえず疲れたからさぁ。早く行こ?」
この2人マイペースすぎないか…でも見る限り2人とも疲れていそうだ。
「…とにかく行こう」
「えぇ、そうですね」
話の締めとしては悪い気がした。
________30分後________
俺達はあのあと30分間歩いて街のホテルに来ていた。街の中心部にある茶色の4階建てくらいの建物は、ところどころに窓から明かりが漏れ出ている。
何はともあれホテルの中に入ってみる。ロビーは俺達の世界にもありそうな雰囲気を醸し出している。
茶色い木製のカウンターに、ヒカルが話に行く。
「えっと、4人です。部屋空いてますか?
…これほんとに通じんのかな」
「えっと4人ですね。ちょっと待ってください」
「うわ、通じた。翻訳の魔法すごいな…」
ヒカルはどうやらここで初めて翻訳の魔法を使用したようだ。
受付の係員は、鍵のかかっている部分を見る。
その間にヒカルが手招きをする。
「魔法ってすごいんだな……あとカノンの服装って大丈夫なのか?鎧は規制されない…よな?」
《アメリカのホテルでは服装規制があり、これに引っかかるとホテルに入れない》
「ヒカルが持ってるスマホで調べればいいじゃん」
「スマホになんでもあると思うなよ…」
アナリスとヒカルが、そんなやりとりをしている中、係員がヒカルに向かって話す。
「4人用の部屋はありませんので、2人用の部屋を2つにしますね」
「え?あぁ、はい。おーい付いて来て」
ヒカルはそう言うとロビーを抜け、エレベーターへと歩き出し、エレベーターの扉を開ける。
エレベーターの中に乗ってみる。これは初めて乗るものではあるが、もう驚きはしない。
ただ体が宙に浮くような変な感じがする。
チン!という音と共にエレベーターの扉がまた開く。
「302と303か…外国人向けのホテルだからドアマンとかベルマンとかいなくて助かる。俺とガイムは302。アナリスとカノンは303ね。鍵投げるぞぉ~」
「あいあーい。行こ、カノン」
ヒカルが投げた部屋の鍵をナイスキャッチしたアナリスはぶっきらぼうにそう言うととっととホテルの部屋に入っていく。カノンもそれに続く。
ヒカルもホテルの部屋のドアを開けていく。
ガチャッという音がすると、ドアが開く。
内装としては、大きなシングルベッドが2つまず最初に目に入る。あとは小さい縦長のテーブルと2つの椅子。そしてテレビと冷蔵庫。
「まぁ、値段と妥当の部屋だな。あぁ、なるほど、やっぱユニットバスか」
ヒカルは隣の部屋を開けながら言う。おそらく洗面所とかそういうのだろう。
「あぁぁぁ、なんだか超疲れたわ」
「その服装で寝たらベッド汚れるぞ」
ベッドに横になると分かる。超疲れた。
ニューヨークのワイバーンも頭から離れないし。
それとあと…
「お腹空いた…夕飯食べたい」
俺のかわりにヒカルが代用してくれた。そうお腹空いた。昼飯は何も食べてないというわけではないが(ポテチとかいうスナック菓子だけど)夕飯抜きはきつすぎる。
日本にいたときに知ったことだが1日3食は共通ということに感謝だ。生活習慣を変えずに済む。
「皆でなんか食べにいかね?あと服。いろいろと足りなすぎる」
「さんせーい。もちろんヒカルのおごりだよな?」
「なんだ?急に元気になったな。ガイムはもしや女の子嫌い?」
「そういうわけじゃないけど。あんま話したことないからなぁ」
「あぁ、そう。異世界人って男女仲良いらしいな。ラノベ見ただけだけど。つーか今週でいくら金使えばいいんだよ…」
そうこうしているうちにアナリス達が入ってくる。
「おーい男性陣。どっか行かね?お腹空いた」
「ん?あぁ分かった。つーかよ、俺もだけどこれここまで計画考えてなかったよな?」
「ヒカル?それどういうこと?」
「荷物持ってきてなさすぎ。何もないじゃん。俺のバッグの中あれだぞ。スマホ、財布3つ、モバイルバッテリーしかないぞ。よくこれだけで行こうと思ったよ」
「…それは私も思った」
アナリスは目を反らしながら言う。
「もばいるば…それって何ですの?」
そしてカノンも質問する。
その質問にヒカルは「あとで教える」とだけ言って続ける。
「まぁ、ご飯食べに行こうか。とりあえず俺腹減ったし」
「よし、OK。私は準備ばっちりだ。ガイム
は?」
「俺?別いいけど」
こうして俺達は夕飯を食べに行くことにした。
そしてホテルを出て、適当に食事処を探している道中
俺はアナリスに聞きたいことがあった。
「なぁ、アナリスさ。大丈夫なん?」
「え?何が?」
「ニューヨークだっけ?あそこで魔法使ってたから人に見られてないの?ほら人に見られるのまずいらしいし」
「あぁ、まずいよ。全員を口封じ(頭をたたいて記憶消去)はできるわけないし。ただ仕方ないね。だってあそこで魔法使わないともっとまずいし」
「そう。あとアナリスなんでこの世界の軍隊のこと黙ってたの?」
「え?言わないほうが緊張感味わえるじゃん。どうだった?」
どうだったも何も、泣きそうだった。アナリスに連れられてヒカル達とセントラルパークで会う道中で歩兵を見てたけどなんか雰囲気めっちゃ怖いし、変な車があるしで散々すぎる。
アナリスってやっぱおかしいんじゃないか。ヒカルと妙に気があってるし。ヒカルも多少おかしい(アナリス談)らしいし。
まさしく相思相愛(?)なのでは。
とまぁ、いろいろ考えたわけだが、とりあえずご飯が食べたい。
午後6時01分
アメリカ合衆国 コネチカット州
ニューヘブン中心部
____________________
「世界標準時の午後3時…つまりここだと午前10時か…」
ヒカルが独り言を言っている中、俺達はニューヨークからのバスを降り、ニューヘブンという街に来ていた。
「ここがニューヘブン…ニューヨークよりかは小さいけど大きな街だな」
「コネチカット州で一番大きな街だからな。そもそもコネチカット州があまり知られてないからな」
アナリスとヒカルがそんな会話をしている。
俺としてはもう慣れた街並みに等しいんだが、夕日をバックにしたその街並みは美しいの一言に尽きる。
隣ではカノンが俺と同じように街並みを眺めている。
俺は勇気を持ってカノン、第4王女と話してみることにした。
「えっと…王女様?」
「大丈夫ですよ。そんな敬うような言葉遣いじゃなくても」
おっと、これは最初からコミュニケーションをミスったらしいな。だがまぁ気を取り直して
「なんというかその、きれいですね」
あっ、しまった。これはまずい気がする。そんな直感がする。そして案の定
「えっと、街並みですか?はい。確かにきれい…ですね」
俺もカノンもぎこちなくなった。コミュ力が大事だということを痛いほど知らされる。
どうしよう…
「…私はこの世界に来て良かったと思ってます」
唐突にカノンが話を振る。そして彼女は続ける。
「え、なんで…です?」
「私は表向きには第4王女。位高き王の娘となっています。でもそれは表向きだけです。私は王から、そして兄弟から蔑まれてきました。皇族に女が生まれてくることは一族に破局をもたらすと…そんな言い伝えがあったからです。頼りの母は私を【王女】にすることで気がいっぱいでした。この鎧も剣も母は許してくれませんでした…」
カノンは一呼吸置く。何故俺にそのことを話すのだろうか。アナリスとヒカルはこの話を聞いてどう思っているのであろう。
「この世界に来たのも、私が1人城を抜け出したからです。かつての剣の修行場に隠しておいた鎧と剣で旅をしようと思ったんです…そして旅を始めようとした時、私はこの世界に来ました」
…こういう時は慰め、励ましの言葉を送るべきなのだろうか。正直王族との関係は俺にはまったくない。いわば他人事だ。
他人事だからこそ彼女にどういう言葉をかければいいか分からない。
だが俺が何か言う前にカノンが再び話し出す。
「なんだかごめんなさい。勝手に話をしてしまって、迷惑ですよね」
「え?いや別にそんなことはまったく思ってないですよ!?」
俺は慌ててカノンの言葉を否定する。
あぁ、こういう時ってどうすれば…
「あぁっと、失礼。俺的な感想としては…とにかく早くホテル行かね?なんで立ち話するんだよ…」
ヒカルが話に割り込んで来た。感想はともかくナイスタイミングだ。いやナイスなのか?ヒカルはなんというかめんどくさそうな顔をしている。
「そーそー。とりあえず疲れたからさぁ。早く行こ?」
この2人マイペースすぎないか…でも見る限り2人とも疲れていそうだ。
「…とにかく行こう」
「えぇ、そうですね」
話の締めとしては悪い気がした。
________30分後________
俺達はあのあと30分間歩いて街のホテルに来ていた。街の中心部にある茶色の4階建てくらいの建物は、ところどころに窓から明かりが漏れ出ている。
何はともあれホテルの中に入ってみる。ロビーは俺達の世界にもありそうな雰囲気を醸し出している。
茶色い木製のカウンターに、ヒカルが話に行く。
「えっと、4人です。部屋空いてますか?
…これほんとに通じんのかな」
「えっと4人ですね。ちょっと待ってください」
「うわ、通じた。翻訳の魔法すごいな…」
ヒカルはどうやらここで初めて翻訳の魔法を使用したようだ。
受付の係員は、鍵のかかっている部分を見る。
その間にヒカルが手招きをする。
「魔法ってすごいんだな……あとカノンの服装って大丈夫なのか?鎧は規制されない…よな?」
《アメリカのホテルでは服装規制があり、これに引っかかるとホテルに入れない》
「ヒカルが持ってるスマホで調べればいいじゃん」
「スマホになんでもあると思うなよ…」
アナリスとヒカルが、そんなやりとりをしている中、係員がヒカルに向かって話す。
「4人用の部屋はありませんので、2人用の部屋を2つにしますね」
「え?あぁ、はい。おーい付いて来て」
ヒカルはそう言うとロビーを抜け、エレベーターへと歩き出し、エレベーターの扉を開ける。
エレベーターの中に乗ってみる。これは初めて乗るものではあるが、もう驚きはしない。
ただ体が宙に浮くような変な感じがする。
チン!という音と共にエレベーターの扉がまた開く。
「302と303か…外国人向けのホテルだからドアマンとかベルマンとかいなくて助かる。俺とガイムは302。アナリスとカノンは303ね。鍵投げるぞぉ~」
「あいあーい。行こ、カノン」
ヒカルが投げた部屋の鍵をナイスキャッチしたアナリスはぶっきらぼうにそう言うととっととホテルの部屋に入っていく。カノンもそれに続く。
ヒカルもホテルの部屋のドアを開けていく。
ガチャッという音がすると、ドアが開く。
内装としては、大きなシングルベッドが2つまず最初に目に入る。あとは小さい縦長のテーブルと2つの椅子。そしてテレビと冷蔵庫。
「まぁ、値段と妥当の部屋だな。あぁ、なるほど、やっぱユニットバスか」
ヒカルは隣の部屋を開けながら言う。おそらく洗面所とかそういうのだろう。
「あぁぁぁ、なんだか超疲れたわ」
「その服装で寝たらベッド汚れるぞ」
ベッドに横になると分かる。超疲れた。
ニューヨークのワイバーンも頭から離れないし。
それとあと…
「お腹空いた…夕飯食べたい」
俺のかわりにヒカルが代用してくれた。そうお腹空いた。昼飯は何も食べてないというわけではないが(ポテチとかいうスナック菓子だけど)夕飯抜きはきつすぎる。
日本にいたときに知ったことだが1日3食は共通ということに感謝だ。生活習慣を変えずに済む。
「皆でなんか食べにいかね?あと服。いろいろと足りなすぎる」
「さんせーい。もちろんヒカルのおごりだよな?」
「なんだ?急に元気になったな。ガイムはもしや女の子嫌い?」
「そういうわけじゃないけど。あんま話したことないからなぁ」
「あぁ、そう。異世界人って男女仲良いらしいな。ラノベ見ただけだけど。つーか今週でいくら金使えばいいんだよ…」
そうこうしているうちにアナリス達が入ってくる。
「おーい男性陣。どっか行かね?お腹空いた」
「ん?あぁ分かった。つーかよ、俺もだけどこれここまで計画考えてなかったよな?」
「ヒカル?それどういうこと?」
「荷物持ってきてなさすぎ。何もないじゃん。俺のバッグの中あれだぞ。スマホ、財布3つ、モバイルバッテリーしかないぞ。よくこれだけで行こうと思ったよ」
「…それは私も思った」
アナリスは目を反らしながら言う。
「もばいるば…それって何ですの?」
そしてカノンも質問する。
その質問にヒカルは「あとで教える」とだけ言って続ける。
「まぁ、ご飯食べに行こうか。とりあえず俺腹減ったし」
「よし、OK。私は準備ばっちりだ。ガイム
は?」
「俺?別いいけど」
こうして俺達は夕飯を食べに行くことにした。
そしてホテルを出て、適当に食事処を探している道中
俺はアナリスに聞きたいことがあった。
「なぁ、アナリスさ。大丈夫なん?」
「え?何が?」
「ニューヨークだっけ?あそこで魔法使ってたから人に見られてないの?ほら人に見られるのまずいらしいし」
「あぁ、まずいよ。全員を口封じ(頭をたたいて記憶消去)はできるわけないし。ただ仕方ないね。だってあそこで魔法使わないともっとまずいし」
「そう。あとアナリスなんでこの世界の軍隊のこと黙ってたの?」
「え?言わないほうが緊張感味わえるじゃん。どうだった?」
どうだったも何も、泣きそうだった。アナリスに連れられてヒカル達とセントラルパークで会う道中で歩兵を見てたけどなんか雰囲気めっちゃ怖いし、変な車があるしで散々すぎる。
アナリスってやっぱおかしいんじゃないか。ヒカルと妙に気があってるし。ヒカルも多少おかしい(アナリス談)らしいし。
まさしく相思相愛(?)なのでは。
とまぁ、いろいろ考えたわけだが、とりあえずご飯が食べたい。
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
《勘違い》で婚約破棄された令嬢は失意のうちに自殺しました。
友坂 悠
ファンタジー
「婚約を考え直そう」
貴族院の卒業パーティーの会場で、婚約者フリードよりそう告げられたエルザ。
「それは、婚約を破棄されるとそういうことなのでしょうか?」
耳を疑いそう聞き返すも、
「君も、その方が良いのだろう?」
苦虫を噛み潰すように、そう吐き出すフリードに。
全てに絶望し、失意のうちに自死を選ぶエルザ。
絶景と評判の観光地でありながら、自殺の名所としても知られる断崖絶壁から飛び降りた彼女。
だったのですが。
「不細工なお前とは婚約破棄したい」と言ってみたら、秒で破棄されました。
桜乃
ファンタジー
ロイ王子の婚約者は、不細工と言われているテレーゼ・ハイウォール公爵令嬢。彼女からの愛を確かめたくて、思ってもいない事を言ってしまう。
「不細工なお前とは婚約破棄したい」
この一言が重要な言葉だなんて思いもよらずに。
※約4000文字のショートショートです。11/21に完結いたします。
※1回の投稿文字数は少な目です。
※前半と後半はストーリーの雰囲気が変わります。
表紙は「かんたん表紙メーカー2」にて作成いたしました。
❇❇❇❇❇❇❇❇❇
2024年10月追記
お読みいただき、ありがとうございます。
こちらの作品は完結しておりますが、10月20日より「番外編 バストリー・アルマンの事情」を追加投稿致しますので、一旦、表記が連載中になります。ご了承ください。
1ページの文字数は少な目です。
約4500文字程度の番外編です。
バストリー・アルマンって誰やねん……という読者様のお声が聞こえてきそう……(;´∀`)
ロイ王子の側近です。(←言っちゃう作者 笑)
※番外編投稿後は完結表記に致します。再び、番外編等を投稿する際には連載表記となりますこと、ご容赦いただけますと幸いです。
虐げられた令嬢、ペネロペの場合
キムラましゅろう
ファンタジー
ペネロペは世に言う虐げられた令嬢だ。
幼い頃に母を亡くし、突然やってきた継母とその後生まれた異母妹にこき使われる毎日。
父は無関心。洋服は使用人と同じくお仕着せしか持っていない。
まぁ元々婚約者はいないから異母妹に横取りされる事はないけれど。
可哀想なペネロペ。でもきっといつか、彼女にもここから救い出してくれる運命の王子様が……なんて現れるわけないし、現れなくてもいいとペネロペは思っていた。何故なら彼女はちっとも困っていなかったから。
1話完結のショートショートです。
虐げられた令嬢達も裏でちゃっかり仕返しをしていて欲しい……
という願望から生まれたお話です。
ゆるゆる設定なのでゆるゆるとお読みいただければ幸いです。
R15は念のため。
悪役令嬢は永眠しました
詩海猫
ファンタジー
「お前のような女との婚約は破棄だっ、ロザリンダ・ラクシエル!だがお前のような女でも使い道はある、ジルデ公との縁談を調えてやった!感謝して公との間に沢山の子を産むがいい!」
長年の婚約者であった王太子のこの言葉に気を失った公爵令嬢・ロザリンダ。
だが、次に目覚めた時のロザリンダの魂は別人だった。
ロザリンダとして目覚めた木の葉サツキは、ロザリンダの意識がショックのあまり永遠の眠りについてしまったことを知り、「なぜロザリンダはこんなに努力してるのに周りはクズばっかりなの?まかせてロザリンダ!きっちりお返ししてあげるからね!」
*思いつきでプロットなしで書き始めましたが結末は決めています。暗い展開の話を書いているとメンタルにもろに影響して生活に支障が出ることに気付きました。定期的に強気主人公を暴れさせないと(?)書き続けるのは不可能なようなのでメンタル状態に合わせて書けるものから書いていくことにします、ご了承下さいm(_ _)m
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる