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10 獣人族の長
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侍女蘭華からの言伝てを別の侍女から聞いた王は
再開して間もない杏樹の安否を狼狽えながら聞き返した。
侍女は知る由もなく
「申し訳ございません。 蘭華様に指示されただけですので
後のことは何も聞いておりません。」
「よい!分かった。 責めてはおらぬ。 なぜだ?
またしても・・・・杏樹の部屋を変えるか・・・?」
杏樹の安否不明で狼狽えていたと思っていた
侍女や家臣達は 拍子抜けし部屋の中の緊張が溶けるようだった。
先程までの狼狽えぶりが何だったのか?
王に聞くと
「蓮司と桜花も動いているのだろう?
あの二人が黙っていないのは分かりきっておる!
蘭華も居るのだ! 心配は心配だが
それ以上に 私は 蓮司と桜花そして蘭華を信頼しておる。
杏樹は大丈夫だ!」と告げた。
◇◇◇
一方その頃の蓮は 牙狼族の長に会っていた。
「突然の訪問すまない。 少し聞きたいことがある。」
「はて? 何を聞きたいのだ? 我々は目立つようなことは
してはいない! まして咎められるようなことなど・・・・
まさか我が知らない・・ 何かが・・あった・・・・?
何があったか教えてはもらえないか・・・?蓮司殿!!」
「冷静に話がしたい! 出来れば人払いを頼めるか?
あんたが 俺の話を最後まで聞いた後他の連中に話せばいい!
だが 冷静に かつスムーズな話し合いは1対1の方が分かりやすい!
何人もいれば 下手をするとその回数分話を止め同じ内容の話がループする!
こっちにはあまり時間をかけたくない!」
「了解した。 お前ら聞いていただろう? 話の内容は後で伝える!
蓮司殿がここまで言うことは ただ事じゃない!理解したなら部屋を出ろ!!!」
「分かりました。 ですが一つだけ 蓮司殿にお聞きしたいことがあります。
よろしいでしょうか?」と 長の側近に近い立場の狼獣人が発言した。
「蓮司殿! よろしいかな? この者も我に話があったようで 聞く前に蓮司殿が参られたのだ!」
「いいでしょう! 先程も言いましたがあまり時間をかけたくない!
要点だけをきかせてくれるのであれば!」
「ありがとうございます。この話は長の耳に入れるのも初です。
多分 蓮司殿は この事で長の元に来られたのだと思われます。
蓮司殿 王城にて王女様が何者かによって拐われた!
違いますか? 犯人・・・は 我々の種族ですね!」と聞いた。
「どこから聞いた情報だ? もしかして犯人の仲間ってことはないか?
話の出所は気にはなるが 他に何を知っている?
・・・・こちらも手札をだそう! 今頃 狼獣人の隠れ里や隠し集落は
ヴァンパイアとエルフが取り調べみたいな形をとって行動している。
確かな情報は もうすぐに分かる! こっちに姉貴の蘭華が向かっている。」
「待って下され!蓮司殿!! 王女様が拐われた?
犯人は我々種族の者? どういうことか詳しく話を聞きたい。
お前はここに残れ! 後の者は部屋を出ろ!後で皆にも伝える!」
先程発言した狼獣人以外の者達はササッと部屋を後に出ていった。
「蓮司殿!! 話を聞かせてくれ! その前にこの者は 我が信頼をしている諜報人だ。 名を北斗ほくとという。 北斗も知っていることが他にもあるならば
言ってみよ。」
「分かりました。 私にこの話を持ってきたのは兎人族の女性です。
この女性は昂牙様の幼馴染みで沙羅さらという名です。」
「なぜだ? なぜ昂牙の名が今出てくる?」
「はっきり申し上げます。王女様を拐った犯人は昂牙様です。
間違いありません。そうですよね? 蓮司殿!!」
「・・・・・っ!」獣人族の長の顔色が変わった。
驚きながらも 悲しいそして憤怒した顔!
「北斗! 昂牙は今何処にいるか分かっているか?」静かに問てきた。
「はい。 沙羅が知っています。昂牙が感づいて移動してなければですが」
「話を折って悪いが 北斗だったか? その女なぜ お前に昂牙のことを話したと思う? 何か裏があるんじゃないか?
北斗は その女沙羅だっけか? 前からの知り合いか?知り合いじゃないなら 尚更信用が薄れるがどうとる?」
「知り合いというほど知り合いではありません。
言われてみればそうですよね! ですが沙羅が言っている出来事は
全くのデタラメでもないようですが ・・・・」
「混乱をさせるだけで時間は稼げるがな!!」
長と北斗が息を飲んだ!
「俺は沙羅という女を直接は知りもしないが長から見てどうとる?
信用出来る女か?」
「正直言うと昂牙の交友関係はあまり把握しておらん!
よく知っている者は 熊獣人の幹太かぶとぐらいだ!
幹太なら何か知ってるやもしれん。」
部屋の外で人の気配を感じた蓮は
「何用だ? 何のための人払いか分かっているのか?」
「怒らないでよ!蓮! 僕だよ!桜花だよ!」
と話ながら扉を開け入ってきた。幹太を連れて・・・。
再開して間もない杏樹の安否を狼狽えながら聞き返した。
侍女は知る由もなく
「申し訳ございません。 蘭華様に指示されただけですので
後のことは何も聞いておりません。」
「よい!分かった。 責めてはおらぬ。 なぜだ?
またしても・・・・杏樹の部屋を変えるか・・・?」
杏樹の安否不明で狼狽えていたと思っていた
侍女や家臣達は 拍子抜けし部屋の中の緊張が溶けるようだった。
先程までの狼狽えぶりが何だったのか?
王に聞くと
「蓮司と桜花も動いているのだろう?
あの二人が黙っていないのは分かりきっておる!
蘭華も居るのだ! 心配は心配だが
それ以上に 私は 蓮司と桜花そして蘭華を信頼しておる。
杏樹は大丈夫だ!」と告げた。
◇◇◇
一方その頃の蓮は 牙狼族の長に会っていた。
「突然の訪問すまない。 少し聞きたいことがある。」
「はて? 何を聞きたいのだ? 我々は目立つようなことは
してはいない! まして咎められるようなことなど・・・・
まさか我が知らない・・ 何かが・・あった・・・・?
何があったか教えてはもらえないか・・・?蓮司殿!!」
「冷静に話がしたい! 出来れば人払いを頼めるか?
あんたが 俺の話を最後まで聞いた後他の連中に話せばいい!
だが 冷静に かつスムーズな話し合いは1対1の方が分かりやすい!
何人もいれば 下手をするとその回数分話を止め同じ内容の話がループする!
こっちにはあまり時間をかけたくない!」
「了解した。 お前ら聞いていただろう? 話の内容は後で伝える!
蓮司殿がここまで言うことは ただ事じゃない!理解したなら部屋を出ろ!!!」
「分かりました。 ですが一つだけ 蓮司殿にお聞きしたいことがあります。
よろしいでしょうか?」と 長の側近に近い立場の狼獣人が発言した。
「蓮司殿! よろしいかな? この者も我に話があったようで 聞く前に蓮司殿が参られたのだ!」
「いいでしょう! 先程も言いましたがあまり時間をかけたくない!
要点だけをきかせてくれるのであれば!」
「ありがとうございます。この話は長の耳に入れるのも初です。
多分 蓮司殿は この事で長の元に来られたのだと思われます。
蓮司殿 王城にて王女様が何者かによって拐われた!
違いますか? 犯人・・・は 我々の種族ですね!」と聞いた。
「どこから聞いた情報だ? もしかして犯人の仲間ってことはないか?
話の出所は気にはなるが 他に何を知っている?
・・・・こちらも手札をだそう! 今頃 狼獣人の隠れ里や隠し集落は
ヴァンパイアとエルフが取り調べみたいな形をとって行動している。
確かな情報は もうすぐに分かる! こっちに姉貴の蘭華が向かっている。」
「待って下され!蓮司殿!! 王女様が拐われた?
犯人は我々種族の者? どういうことか詳しく話を聞きたい。
お前はここに残れ! 後の者は部屋を出ろ!後で皆にも伝える!」
先程発言した狼獣人以外の者達はササッと部屋を後に出ていった。
「蓮司殿!! 話を聞かせてくれ! その前にこの者は 我が信頼をしている諜報人だ。 名を北斗ほくとという。 北斗も知っていることが他にもあるならば
言ってみよ。」
「分かりました。 私にこの話を持ってきたのは兎人族の女性です。
この女性は昂牙様の幼馴染みで沙羅さらという名です。」
「なぜだ? なぜ昂牙の名が今出てくる?」
「はっきり申し上げます。王女様を拐った犯人は昂牙様です。
間違いありません。そうですよね? 蓮司殿!!」
「・・・・・っ!」獣人族の長の顔色が変わった。
驚きながらも 悲しいそして憤怒した顔!
「北斗! 昂牙は今何処にいるか分かっているか?」静かに問てきた。
「はい。 沙羅が知っています。昂牙が感づいて移動してなければですが」
「話を折って悪いが 北斗だったか? その女なぜ お前に昂牙のことを話したと思う? 何か裏があるんじゃないか?
北斗は その女沙羅だっけか? 前からの知り合いか?知り合いじゃないなら 尚更信用が薄れるがどうとる?」
「知り合いというほど知り合いではありません。
言われてみればそうですよね! ですが沙羅が言っている出来事は
全くのデタラメでもないようですが ・・・・」
「混乱をさせるだけで時間は稼げるがな!!」
長と北斗が息を飲んだ!
「俺は沙羅という女を直接は知りもしないが長から見てどうとる?
信用出来る女か?」
「正直言うと昂牙の交友関係はあまり把握しておらん!
よく知っている者は 熊獣人の幹太かぶとぐらいだ!
幹太なら何か知ってるやもしれん。」
部屋の外で人の気配を感じた蓮は
「何用だ? 何のための人払いか分かっているのか?」
「怒らないでよ!蓮! 僕だよ!桜花だよ!」
と話ながら扉を開け入ってきた。幹太を連れて・・・。
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