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ルカ・ポアネスという不良
ルカ・ポアネスという不良42
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深々ときっちり90°、頭をさげたシルフィに、私は衝撃を受ける。
シルフィが……マスターである私に対しても謝罪を渋るシルフィが、大嫌いなはずのデイビッドに、素直に謝っているだと!?
衝撃と共に、先程とは違った涙が滲んで来る。そう、嬉し涙だ。
シルフィったら……いつの間にそんなに成長して……! 私は今、猛烈に感動しているぞ!
気分はもう、子供の成長を目の前にした母親だ。うちの子と来たら、なんて可愛くていい子なんでしょう……!
あぁ、もう、大好き! 超頭なでなでして褒めてあげたいっ!
「――デモ、元ハト言エバ、マスターヲ悲シマセタ、アンタガ悪インダケドネ!」
「……ほぉ」
って、シルフィそこで何で余計なひと言付け加えちゃうの!? デイビッドの口端、めっちゃ引きつっているよ!
……あ、まずい!
デイビッドのあの手は……っ! あの手はもしかしなくても……っ!
慌ててデイビッドとシルフィの間に入ろうとしたものの、時は既に遅かった。
「まぁ、糞チビガキが言う様に、俺も悪かったしな――これで許してやるよっ、と」
「ッタアアアアアア!!!」
「シルフィ―――――っ!!!!」
デ コ ピ ン で 、シ ル フ ィ が 吹 っ 飛 ん だ。
ちょ、さっきの凶悪デコピンをこんなに小さいシルフィにやるとか鬼畜過ぎるだろ!
下手したら首折れてまうわぁあっ!!!
「シルフィ! 大丈夫!? どっかおかしくしてない!?」
「フェ……マスタァ……オデコガ……オデコガ痛イヨォ~……」
「よしよし……痛かったね……」
吹っ飛んで行った方向まで慌てて駆け付けると、シルフィは両目からボロボロ涙を零していた。そんなシルフィをひしと抱き締め、頭を撫でる。
撫でながら、キッと、デイビッドを睨み付けた。
あぁ、確かに元はと言えば、悪いのはシルフィで、そして私だ。
だからこれくらい、当然の仕置きと言えば当然かもしれない。
だが、シルフィのマスターとして、シルフィを愛する者として、黙ってこの暴力をを受け入れる訳には行かないのだ。
だって、もしかしたら取り返しがつかないことになっていたかもしれないじゃないか。
例えモンスターピュアレントと言われようとも、私はデイビッドに抗議をしてやるっ!
「酷い! デイビッド! もしこれで、シルフィに何かあったらどうすんの!」
「……何かなんてあるわけねぇだろ、ばぁか。人型の高位精霊が、たかがデコピン一つで何かある様な柔な体の造りしているわきゃねぇだろ」
デイビッドは私の抗議の声に、面倒くさそうに頭を掻いた。
「いつぞやのサーラム? だかの時にも思ったけど、いちいち反応が大げさなんだよなぁ。……お前の精霊達。絶対ダメージなんかさして受けてねぇ筈なのに……大方、お前に甘えたくて、大げさに痛がっているふりをしているだけなんじゃねぇの?」
……え?
デイビッドの言葉に、胸の奥のシルフィの体が、びくりと跳ねる。
真意を確かめようと見下ろして見るものの、私の胸にぐりぐりと顔を埋めて、目を合せてくれない。
……うん、明らかにこの反応は、図星だ。
――私に甘えたくてわざと大げさな演技している?他の三体も?
何それ。
何それ。
「――超可愛いいいいいい!!! 何それ、めちゃくちゃ、あざと可愛いいいい!!!! あぁ、もう大好き!!お前ら、本当に大好きぃいいい!!!」
可 愛 す ぎ る わ。
思わず、胸の中のシルフィを両手で掲げあげて、その顔中にキスの雨を降らす。
「チョ……マスター……ヤメ……恥ズカシイヨ……」
「やめない! シルフィが可愛すぎるのが悪い! 他の奴らも!」
顔がにやけて仕方ない。
断言できる。絶対私ほど幸せな精霊使いは、いない。
……私の精霊たちほど可愛い精霊もな!
私は嫌がるシルフィの声を完無視して、満足するまで一通りシルフィを愛でまくった。
シルフィが……マスターである私に対しても謝罪を渋るシルフィが、大嫌いなはずのデイビッドに、素直に謝っているだと!?
衝撃と共に、先程とは違った涙が滲んで来る。そう、嬉し涙だ。
シルフィったら……いつの間にそんなに成長して……! 私は今、猛烈に感動しているぞ!
気分はもう、子供の成長を目の前にした母親だ。うちの子と来たら、なんて可愛くていい子なんでしょう……!
あぁ、もう、大好き! 超頭なでなでして褒めてあげたいっ!
「――デモ、元ハト言エバ、マスターヲ悲シマセタ、アンタガ悪インダケドネ!」
「……ほぉ」
って、シルフィそこで何で余計なひと言付け加えちゃうの!? デイビッドの口端、めっちゃ引きつっているよ!
……あ、まずい!
デイビッドのあの手は……っ! あの手はもしかしなくても……っ!
慌ててデイビッドとシルフィの間に入ろうとしたものの、時は既に遅かった。
「まぁ、糞チビガキが言う様に、俺も悪かったしな――これで許してやるよっ、と」
「ッタアアアアアア!!!」
「シルフィ―――――っ!!!!」
デ コ ピ ン で 、シ ル フ ィ が 吹 っ 飛 ん だ。
ちょ、さっきの凶悪デコピンをこんなに小さいシルフィにやるとか鬼畜過ぎるだろ!
下手したら首折れてまうわぁあっ!!!
「シルフィ! 大丈夫!? どっかおかしくしてない!?」
「フェ……マスタァ……オデコガ……オデコガ痛イヨォ~……」
「よしよし……痛かったね……」
吹っ飛んで行った方向まで慌てて駆け付けると、シルフィは両目からボロボロ涙を零していた。そんなシルフィをひしと抱き締め、頭を撫でる。
撫でながら、キッと、デイビッドを睨み付けた。
あぁ、確かに元はと言えば、悪いのはシルフィで、そして私だ。
だからこれくらい、当然の仕置きと言えば当然かもしれない。
だが、シルフィのマスターとして、シルフィを愛する者として、黙ってこの暴力をを受け入れる訳には行かないのだ。
だって、もしかしたら取り返しがつかないことになっていたかもしれないじゃないか。
例えモンスターピュアレントと言われようとも、私はデイビッドに抗議をしてやるっ!
「酷い! デイビッド! もしこれで、シルフィに何かあったらどうすんの!」
「……何かなんてあるわけねぇだろ、ばぁか。人型の高位精霊が、たかがデコピン一つで何かある様な柔な体の造りしているわきゃねぇだろ」
デイビッドは私の抗議の声に、面倒くさそうに頭を掻いた。
「いつぞやのサーラム? だかの時にも思ったけど、いちいち反応が大げさなんだよなぁ。……お前の精霊達。絶対ダメージなんかさして受けてねぇ筈なのに……大方、お前に甘えたくて、大げさに痛がっているふりをしているだけなんじゃねぇの?」
……え?
デイビッドの言葉に、胸の奥のシルフィの体が、びくりと跳ねる。
真意を確かめようと見下ろして見るものの、私の胸にぐりぐりと顔を埋めて、目を合せてくれない。
……うん、明らかにこの反応は、図星だ。
――私に甘えたくてわざと大げさな演技している?他の三体も?
何それ。
何それ。
「――超可愛いいいいいい!!! 何それ、めちゃくちゃ、あざと可愛いいいい!!!! あぁ、もう大好き!!お前ら、本当に大好きぃいいい!!!」
可 愛 す ぎ る わ。
思わず、胸の中のシルフィを両手で掲げあげて、その顔中にキスの雨を降らす。
「チョ……マスター……ヤメ……恥ズカシイヨ……」
「やめない! シルフィが可愛すぎるのが悪い! 他の奴らも!」
顔がにやけて仕方ない。
断言できる。絶対私ほど幸せな精霊使いは、いない。
……私の精霊たちほど可愛い精霊もな!
私は嫌がるシルフィの声を完無視して、満足するまで一通りシルフィを愛でまくった。
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