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ダーザ・オーサムというショタキャラ
ダーザ・オーサムというショタキャラ3
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「くく……そうだな。個人の趣味をどうこういってはいけないな……すまない……くっ」
だから笑うな!
不覚にも、ときめいてまうだろうが!
「……だいたい何で、貴方は私に気安く話しかけてらっしゃるのかしら。ずっと私の貴方は、犬猿の仲だと思っていましたわ」
赤くなる頬を必死で覚ましながら、マシェルを睨み付ける。
ちょっとフラグは立ってはいたが、一般的に前回の別れ方は、犬猿の仲の二人が仲直りするような感じではなかったはずだ。勝手にマシェルが自爆しただけで、私があれでマシェルの好意を感じて心を許すようになってるとは普通思わんだろう。
なのに何故、かくもフレンドリーな感じで話しかけてきてんのだ。貴様は。
「……いや、実は思うことがあってな。貴様に対する接し方を変えることにした」
ようやく笑い止んだマシェルは、ひどく真面目な表情で真っ直ぐに私を見つめる。
……うん。笑い顔も心臓に悪いが、こういう真顔は真顔で心臓に悪い。ちょっとドキッとしてもうた。
マシェルは顔だけならわりかし好みなんだよなー。アルクのように男臭い美形がストライクだが、クール切れ長一重系美形も悪くない。中身が、陰険眼鏡野郎じゃなきゃなぁ……。
「――どうも、私は貴様が気になって仕方ないらしい」
「ぶほっ」
噴いた。
ちょ、ま、待って。周囲の一般ピーポーの皆さん、今の無し! 今の見なかったことにして!
ルクレア・ボレアが、カリスマ令嬢ルクレア・ボレアが噴くなんて、ぶほっというなんて、何たる失態……。あかん。周囲の人間すべての記憶をただちに消去したい……。
くそ、忘却の式、禁呪だけどこっそり習得しとけば良かった……!
……てか、え。
マシェル、今、なんていった?
「……いや、気になって仕方ないといったら少し、語弊があるな」
「……そ、そうですわよね! い、いきなり何をいうかと思いましたら……」
「前から私は、貴様が気になって仕方なかったんだ。だが、私はそれを嫌悪故の感情だと、そう思っていた。だが先日貴様と話して、私が貴様が気になるのは、別の理由があるのではないかと思い至ったんだ」
「ぶへほっ」
……ちょ、待て。今人外的な声が出た。ついでに鼻水も出た。
あかん、これ完全にあかん奴だ。うっかり見ちゃった輩も、必死で見ないふりしているくらい、完全にあかん奴だ。……そらされる視線が非常に心苦しい。
てか、え、ええええええ
「……別の理由って、なんですの」
きわめて冷静に、冷静沈着を心がけながら、平静な調子で尋ねる。声が若干裏返っているが、気にしない。
……いや、なんで聞いちゃうよ、私。ここで好きだなんて言われたら、なんて反応すればいいか分からない癖に。
……好き?
マシェルが私を好き?
え、単なるフラグなだけでなく、ガチで? しかも前から?
え、え、え、え。完全に脳内ヒートアップしてわけわからんくなってきた。
だって、まともに異性から告白されたことなんて、前世も含めて全然ない。
正直、どうすればいいのか、まったくわからない。
「――いや、まだ検証途中だから、言えないな」
ハッキリと好意を明言されなかったことに、ひとまずホッとする。
……良かった。フラグがーフラグがー言ってたくせに、全く心の準備なんか出来てなかったよ。
だって、フラグはフラグだ。ゲームの一部しかない。
私にとって、マシェルのイベントも、二次元の延長戦程度にしか思っていなかったことに気づかされた。
……だけど、マシェルはけしてゲームのキャラなんかじゃなくて。ちゃんと血の通った人間として、実在していて。そして、そんな人が、もしかしたら私に好意を抱いているかもしれなくて。それがフィクションではなく、現実だと、今気づかされて。
……あぁ、駄目だ。頭が沸騰してきた。リア充的状況に着いて行けな過ぎ、知恵熱が出そうだ。
おそらく先日のマシェル同様、耳まで真っ赤になっているだろう私の姿に、マシェルは小さく笑う。
……なんだ、お前、その余裕の笑みは! 先日のヘタレっぷりはどこ行った!
なんで立場逆転してんの!?
「検証中だから、答えが明確になるまで、私は貴様に……お前に積極的に話しかけることにした」
……あ、呼称が変わった。
「お前を見掛けたら、私はお前に話しかけにいく。だから、お前もそのつもりでいろ――ルクレア」
最後に、駄目押しのように今まで一度も呼んだことが無い私の名前を口にすると、マシェルは颯爽と去っていた。
取り残された私は、暫く立ち尽くしてから、思わずその場にへたり込む。
……脳みそ、溶けそうだ……。
だから笑うな!
不覚にも、ときめいてまうだろうが!
「……だいたい何で、貴方は私に気安く話しかけてらっしゃるのかしら。ずっと私の貴方は、犬猿の仲だと思っていましたわ」
赤くなる頬を必死で覚ましながら、マシェルを睨み付ける。
ちょっとフラグは立ってはいたが、一般的に前回の別れ方は、犬猿の仲の二人が仲直りするような感じではなかったはずだ。勝手にマシェルが自爆しただけで、私があれでマシェルの好意を感じて心を許すようになってるとは普通思わんだろう。
なのに何故、かくもフレンドリーな感じで話しかけてきてんのだ。貴様は。
「……いや、実は思うことがあってな。貴様に対する接し方を変えることにした」
ようやく笑い止んだマシェルは、ひどく真面目な表情で真っ直ぐに私を見つめる。
……うん。笑い顔も心臓に悪いが、こういう真顔は真顔で心臓に悪い。ちょっとドキッとしてもうた。
マシェルは顔だけならわりかし好みなんだよなー。アルクのように男臭い美形がストライクだが、クール切れ長一重系美形も悪くない。中身が、陰険眼鏡野郎じゃなきゃなぁ……。
「――どうも、私は貴様が気になって仕方ないらしい」
「ぶほっ」
噴いた。
ちょ、ま、待って。周囲の一般ピーポーの皆さん、今の無し! 今の見なかったことにして!
ルクレア・ボレアが、カリスマ令嬢ルクレア・ボレアが噴くなんて、ぶほっというなんて、何たる失態……。あかん。周囲の人間すべての記憶をただちに消去したい……。
くそ、忘却の式、禁呪だけどこっそり習得しとけば良かった……!
……てか、え。
マシェル、今、なんていった?
「……いや、気になって仕方ないといったら少し、語弊があるな」
「……そ、そうですわよね! い、いきなり何をいうかと思いましたら……」
「前から私は、貴様が気になって仕方なかったんだ。だが、私はそれを嫌悪故の感情だと、そう思っていた。だが先日貴様と話して、私が貴様が気になるのは、別の理由があるのではないかと思い至ったんだ」
「ぶへほっ」
……ちょ、待て。今人外的な声が出た。ついでに鼻水も出た。
あかん、これ完全にあかん奴だ。うっかり見ちゃった輩も、必死で見ないふりしているくらい、完全にあかん奴だ。……そらされる視線が非常に心苦しい。
てか、え、ええええええ
「……別の理由って、なんですの」
きわめて冷静に、冷静沈着を心がけながら、平静な調子で尋ねる。声が若干裏返っているが、気にしない。
……いや、なんで聞いちゃうよ、私。ここで好きだなんて言われたら、なんて反応すればいいか分からない癖に。
……好き?
マシェルが私を好き?
え、単なるフラグなだけでなく、ガチで? しかも前から?
え、え、え、え。完全に脳内ヒートアップしてわけわからんくなってきた。
だって、まともに異性から告白されたことなんて、前世も含めて全然ない。
正直、どうすればいいのか、まったくわからない。
「――いや、まだ検証途中だから、言えないな」
ハッキリと好意を明言されなかったことに、ひとまずホッとする。
……良かった。フラグがーフラグがー言ってたくせに、全く心の準備なんか出来てなかったよ。
だって、フラグはフラグだ。ゲームの一部しかない。
私にとって、マシェルのイベントも、二次元の延長戦程度にしか思っていなかったことに気づかされた。
……だけど、マシェルはけしてゲームのキャラなんかじゃなくて。ちゃんと血の通った人間として、実在していて。そして、そんな人が、もしかしたら私に好意を抱いているかもしれなくて。それがフィクションではなく、現実だと、今気づかされて。
……あぁ、駄目だ。頭が沸騰してきた。リア充的状況に着いて行けな過ぎ、知恵熱が出そうだ。
おそらく先日のマシェル同様、耳まで真っ赤になっているだろう私の姿に、マシェルは小さく笑う。
……なんだ、お前、その余裕の笑みは! 先日のヘタレっぷりはどこ行った!
なんで立場逆転してんの!?
「検証中だから、答えが明確になるまで、私は貴様に……お前に積極的に話しかけることにした」
……あ、呼称が変わった。
「お前を見掛けたら、私はお前に話しかけにいく。だから、お前もそのつもりでいろ――ルクレア」
最後に、駄目押しのように今まで一度も呼んだことが無い私の名前を口にすると、マシェルは颯爽と去っていた。
取り残された私は、暫く立ち尽くしてから、思わずその場にへたり込む。
……脳みそ、溶けそうだ……。
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