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連載2
忘れられた神々14
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シャルル王子は私の願いを快く了承すると、私と兄様を部屋まで送って帰っていった。
「……それじゃあ、そろそろ寝るか」
「うん」
いつものようにベッドの隣に横になってくれる兄様。
明日も聖女の仕事があるし、少しでも早く寝ないといけないのだけど、この短い時間にあまりにたくさんの新情報を手に入れた分、ついつい色々考えこんでしまって、なかなか寝つけなかった。
それは兄様も同じだったらしい。
「……ディアナ。まだ、起きているか」
「うん。起きているよ」
いつもは何かに耐えるようにそっぽを向いて寝ている兄様が、寝返りを打ってこちらを向いた。
だけど暗くて兄様の表情は見えない。
「ディアナ……お前、さっきシャルル王子のことを好きだって言ってたな」
「え? ああ、うん」
「俺のことはーー」
そこまで言って、兄様は思い直したかのように言葉を止めた。
「いや、何でもない。愚問だった」
「ーー兄様のことは、世界で一番大好きだよ」
改めて言うまでもない当たり前の事実だったけど、兄様が望むなら敢えて言葉にして伝えることにしよう。
手を伸ばして目の前の兄様に抱きつくと、私の心からの思いを口にする。
「例えどんな状況だろうと無条件で信じられるし、もしそれで裏切られたとしても、兄様ならいいの。私、兄様ならたとえ殺されたとしても恨んだりしない」
「……俺は何があってもお前を裏切ったりはしない」
「でも、万が一ってこともあるでしょう? トリアスの剣に精神を乗っ取られたりしてさ」
「そうなったら、俺はお前を傷つけるよりも先に自分の首を掻ききって自決する」
……うん。兄様なら、きっとそうするだろう。自分の命よりも、私のことを第一に考えてくれる人だから。
でも、やだなあって思う。
私の為に兄様が命を捨てるくらいなら、私が兄様のために死にたい。
私の命を犠牲にしたとしても、兄様には生きていていてもらいたい。私がいなくなった世界でも、誰か優しい奥さんをもらって、幸せに寿命を全うして欲しい。
ーーそんなことを口にしたら、兄様が怒るのはわかっているから絶対に言えないけど。
「……それじゃあ、そろそろ寝るか」
「うん」
いつものようにベッドの隣に横になってくれる兄様。
明日も聖女の仕事があるし、少しでも早く寝ないといけないのだけど、この短い時間にあまりにたくさんの新情報を手に入れた分、ついつい色々考えこんでしまって、なかなか寝つけなかった。
それは兄様も同じだったらしい。
「……ディアナ。まだ、起きているか」
「うん。起きているよ」
いつもは何かに耐えるようにそっぽを向いて寝ている兄様が、寝返りを打ってこちらを向いた。
だけど暗くて兄様の表情は見えない。
「ディアナ……お前、さっきシャルル王子のことを好きだって言ってたな」
「え? ああ、うん」
「俺のことはーー」
そこまで言って、兄様は思い直したかのように言葉を止めた。
「いや、何でもない。愚問だった」
「ーー兄様のことは、世界で一番大好きだよ」
改めて言うまでもない当たり前の事実だったけど、兄様が望むなら敢えて言葉にして伝えることにしよう。
手を伸ばして目の前の兄様に抱きつくと、私の心からの思いを口にする。
「例えどんな状況だろうと無条件で信じられるし、もしそれで裏切られたとしても、兄様ならいいの。私、兄様ならたとえ殺されたとしても恨んだりしない」
「……俺は何があってもお前を裏切ったりはしない」
「でも、万が一ってこともあるでしょう? トリアスの剣に精神を乗っ取られたりしてさ」
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……うん。兄様なら、きっとそうするだろう。自分の命よりも、私のことを第一に考えてくれる人だから。
でも、やだなあって思う。
私の為に兄様が命を捨てるくらいなら、私が兄様のために死にたい。
私の命を犠牲にしたとしても、兄様には生きていていてもらいたい。私がいなくなった世界でも、誰か優しい奥さんをもらって、幸せに寿命を全うして欲しい。
ーーそんなことを口にしたら、兄様が怒るのはわかっているから絶対に言えないけど。
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